【営業】新人・若手層を早期戦力化する方法

【営業】新人・若手層を早期戦力化する方法

Ryotaro Hasegawa

Ryotaro Hasegawa

みなさんこんにちは。Web制作の営業をしているどんちゃんです。

今回は初めて営業の部下を育成してみる、あるいは営業を担当してまだ間もない部下を育成するために、どういう教育や支援をすることが必要であるか、列挙してみたいと思います。

先々に強い営業になってもらうために、まずは必要なポイントを整理します。その後、具体的なレベルで何をするかを列挙してみたいと思います。

部下に必ず習得してもらいたい5つのポイント

1.自社の商品に対する理解

これは言わずもがなですね。どういう特徴や、メリット、競合社の製品との違いなど、お客様が気になるところを説明できる必要があります。お客様に納得感がある説明ができるかどうかが、強さを分けるところになるかと思います。

ITの商材などは導入効果を説明できると尚良いですね。導入効果を定量で測定できるのが一番良いですが、データは機密情報として外部公開NGとなるケースもあるので、そこは状況に応じた対応が必要になると思いますが、自社の商品の魅力を語るうえでは強い武器になります。

2.業界特有の知識、技術的理解、用語理解


Web制作のようなサービスもそうですし、その他の業種でも多くの場合は、自社の業界特有の知識や、技術、あるいは用語などの理解が必要だと思います。

暗記的な対応でできる部分もあるかと思いますが、大事なのは「仕組み」とか「成り立ち」とか「背景」などを理解してもらうことで、より理解が深まったりすることが多くあるように思います。

表面的な説明での理解に終始すると、単語を説明はできるが、実際、今回のケースではどうなるのか? といった思考や判断が必要な部分で対応ができないことが出てきてしまうため、「強くする」という意味では「仕組み」や「背景」も大事にするべきポイントかと思います。

3.コミュニケーションの取り方


強い営業のためには、当然ビジネスなので、お客様から見て期待感を感じとってもらえるコミュニケーションを取りたいところです。

では実際どうすれば良いのかですが、「自社の商品に対する理解」と、「業界特有の知識、技術的理解、用語理解」がそもそも不足していると、コミュニケーションにも怪しさが漂ってくるので注意が必要です

このメカニズムは非常にシンプルでして、理解が不足していることは、本人もなんとなく自覚があり、それが態度や、声色、文面のトーンなど、随所にそれとなく表れてくるといった塩梅です。ここでギクっとした方は、インプットが弱いところがあるのではないか? と点検してみると良いかと思います。

あと、コミュニケーションで注意するべきケースはもう一つありまして、よく「持ち帰って確認します」と言っているシーンをみかけます。

当人はどうも(その場をもたせるために)良かれと思って言っているようなのですが、実際は、(自分は知らないので・自分では判断できないので)「社内の別の人に回答を準備させます」という、自分の理解不足やスキル不足で対応が難しいと自白しているのに、自分では無意識なケースがあるのも要注意です。

このような会話が多いと、当然、強い営業とは距離が出てきてしまいます。

もちろん、回答に慎重を要することや、会社の立場上、権限上回答できないことは別ですが、商品の仕様についてなどは、何でも持ち帰るのは良くない兆候でしょう。もし、持ち帰っていることが多いような場合は、インプットで不足している面がないかを点検してみると良いと思います

この状況が改善されない場合、お客様との商談をセッティングできたとしても、「この人分かっているのかなぁ?不安だなぁ。」とお客さまは感じてしまい、良い商品や良い提案を実施したとしても、契約をすることに躊躇をされてしまう可能性が高まります。

このため、部下のコミュニケーションの取り方が良くないからと、コミュニケーションの方法論を指導をする前に、商材や技術的な知識面に問題や課題がないかを十分に精査するべきだと思います。

4.ロジカルシンキング

上記の知識や、コミュニケーション面ができているなら、さらに強くなるために重要なのはロジカルシンキングだと思います。これは会話的な部分でのコミュニケーションにも表れますが、資料作成にも影響が出てくるところです。

ロジカルシンキングを身につける手段は、Webの検索でいくつかの記事を見てみると、多くの方が悩まれている様子が感じられますが、私個人の意見としては、関連書籍などを複数冊読んでみて、メンバー自身に考えてみてもらうことだと思っています

冊数の目安は5〜10冊ぐらい読んでみると良いように思います。そうすれば、部下にもロジカルシンキングの輪郭が伝わり、行動や態度にも変容が出てくるかと思います。

ただ多くの場合、読書の習慣が部下にあるかないかで、取り組み姿勢や、意欲、そして最終的な効果の出方に強弱が出てくるように思います。読書習慣がない部下には、良い機会と思って取り組むようにうまく誘導してあげたいところです。

5.資料の見栄え


できれば意識をしたいのが、資料の見栄えです。同じ内容が伝われば、見栄えはさほど気にしなくて良いという考え方もあると思うのですが、相手も人なので、抱く印象に差異が出てしまう恐れがあります。

自分で整ったものを用意できるスキルが身につくのが一番ですが、難しい場合は、会社で得意な人に整ったテンプレートを準備してもらったり、あるいはパワーポイントのデザイナーにテンプレートを準備してもらうなどをしたうえで、そのフォーマットに沿って運用するだけでも、だいぶ違ってくるかとは思います。

弊社でも、コロナで対面営業する機会が減り、そこに環境問題やコストの側面などもあり、紙に印刷して提案書をお渡しすることが最早なくなりましたが、ある企業様のお取り組みでは、提案書の紙質からして高価な紙を意図的に使っている企業様もいらっしゃいました

やはり「見栄えで損はしないように」という強い意識からきていたものかと思われます。

さて、色々と順番も含めて整理をしてみましたが、いかがでしたでしょうか。コミュニケーションの前に十分なインプットがまずは必要というところが一番重要なポイントかもしれません。

ここからはもう少し個別の取り組みにブレークダウンしてみましょう。私の場合はWeb制作という視点になりますが、Web制作特有の項目については、皆様の事業に置き換えてみてお読みいただければ幸いです。

商材/技術篇

  1. Webの仕組みを教える
  2. 基礎的なWeb技術のことを教える
  3. ブラウザとサーバーの関係を教える
  4. Cookieの仕組みを教える
  5. サーバーの種類や用途を教える
  6. どの職種がどんな部分を担当するのかを教える
  7. サイトの設計から完成までの必要な工程を教える
  8. どの工程がどれぐらい金額との相関があるかを教える
  9. 完成させるまでに必要な情報や、顧客に準備してもらうものを教える
  10. 過去の制作実績を教える
  11. 自社ではない商材でよく出てくる商材(レンタルサーバー、AWSなど)を教える
  12. CMSの仕組みを教える
  13. 通常のWebサイトと会員制Webサイトの仕組みの違いを教える
  14. SEOの仕組みを教える
  15. Web広告の仕組みを教える
  16. 会社の得意な仕様・実績・事例を教える
  17. 会社では提供が難しい商品・仕様を教える

お客様編

  1. お客様企業を打ち合わせ前に理解することを教える
  2. お客様企業のWebページをアクセスして、会社概要やサービスを見ておくことを教える
  3. ご担当者氏名で検索して、インタビュー記事などがないかを確認することを教える
  4. 日経業界地図か、「会社四季報」業界地図が便利なことを教える
  5. 上場企業の場合は、決算書類や、Yahoo!ファイナンスの見方を教える
  6. お問い合わせ内容から顧客の求めていることを教える(お客様によって重視するポイントが異なることを知る)
  7. お客様の求めていることを自社で提供できるかを考えさせる
  8. そのお客様シーンに沿った、ヒアリングすべき項目と内容を教える

コミュニケーション編

  1. 挨拶の仕方を教える
  2. メールでのやりとりの仕方を教える
  3. 電話でのやりとりの仕方を教える
  4. チームで対応するため、メーリングリストをCCに入れて、会話のやり取りをお互いチェックできるようにする
  5. 会話でもメール文面でも、改善した方がよかったり、変な部分があったらすぐに正してあげる
  6. そのときどきのお客様の心理状況を想像してみることを教える
  7. すべてを提供できないことがあったとしても、部分的に提供ができることを提案させてみる
  8. 金額的な交渉をさせてみる
  9. どうしても断らざるを得ないケースを教える
  10. お客様への断りの申し入れ方を教える

書類編

  1. 提案書の作り方を教える
  2. GoogleSlideやPowerPointの便利な使い方を教える
  3. 提案書をプレゼンテーションさせてみる
  4. 見積書を作らせてみる
  5. 契約に必要な書類一式を準備させてみる
  6. 契約書雛形を理解させる
  7. 契約書雛形に変更要望があった場合、(判断は法務に預けるにしても)内容是非を考えさせるようにする
  8. 納品時の書類一式を準備させてみる
  9. 請求処理をさせてみる

その他

  1. 小さくて良いから、今までできなかったことができるようになる成功体験を積ませる
  2. 良い意味での失敗経験もしてもらう
  3. 過去の失敗事例を教える
  4. ロジカルシンキングの概要を教える
  5. ロジカルシンキングの関連書籍の読書を勧める
  6. タスクの今後の予定と、対応したお客様の反応を報告させる
  7. うまく対応できていないタスクや予定がないかフォローをする
  8. すぐに教えず、自分で考えさせたり調べさせたりする

個別で思いつくものを書き出してみて改めて思いましたが、こうやって列挙してみると、営業力は単一のスキルではなく、複数のスキルの集合体であることと、どこか特定が良くても、経験則的にはある程度バランスが必要なように思います

また、ロジカルシンキングなどがそうかもしれませんが、最初にロジカルシンキングから入るのではなく、他の情報や経験があった上からのインプットのほうが理解しやすいように思いますので、スキルを向上させるにしても、身につけていく順番も大事かと思います

もし、伸び悩みがある営業部下がいたとしたら、どこに課題があるかを上記と照らし合わせてみていただくと、場合によりヒントが見つかるかもしれません。

みなさまの参考になれば幸いです。

それでは、どんちゃんでした!

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Ryotaro Hasegawa
Ryotaro Hasegawa Design / Manager / Account Planner / 長谷川 亮太郎

1977年生まれ。東京理科大学を中退後、DTS、Jストリームで主に動画配信関連のプロジェクトを多数経験。2020年LIGにジョイン。コンテンツ配信、Webシステム開発、アプリ開発、システム運用などの経験を活かした提案営業を担当。

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