LIG広島のたまきです。
2022年1月から広島県安芸高田市に引っ越しました。Webや広島県の仕事をしながら、我々が運営しているコワーキングスペース「いいオフィス安芸高田」をイケてる場所にしようと思っています。
目次
いいオフィス安芸高田の紹介
広島市から電車で1時間20分、車で約1時間、JR芸備線 向原駅直結というロケーションです(近所に車止めれます)。
都会の喧騒から完全に離れられ、農業やってたり山仕事やってたりと都会のコワーキングスペースでは出会えないタイプの人たちが集うコワーキングスペースです。
ただ、会員さんも少ない、近所の人にはほぼ使っていただけていない、一駅離れれば知っている人はほとんどいないと課題が山盛りです。
そこで、下記の改善策を講じました。
- 繁盛するには何をすれば良いか、徹底思考
- コワーキングスペースの運営や場づくりの経験がある人に話しを聞いてみた
いいオフィス安芸高田の繁盛のための3つアイデア
このいいオフィス安芸高田を繁盛させようと考えたとき、現日本スペシャリティーコーヒー協会理事の田口護さんの『カフェ開業の教科書―小規模で強い店をつくる』という本のエピソードを思い出しました。
田口護さんは、労働者の町だった南千住という地域でカフェ バッハを開店し、その町が求めるメニュー、内装、価格を考え設定し、開業から50年以上地域に愛されるお店に育て上げました。この「地域が求める」という所が、繁盛のポイントだと思いました。
1.近隣の人たちの需要調査
近隣の人たちは、いわゆる「コワーキングスペース」を必要としてない雰囲気がかなりあります。ネット使えてキッチンあって仕事に集中できる場所では、認知があっても使われないのではないかと思いました。
- 実施案
-
・近隣のお店に顔出して話しする。
・ある程度顔見知りが増えた時点で、無料で軽い飲み食い(コーヒー、お茶、パン、おにぎりとか)ができるイベントを開く。
2.広島駅より向原駅に近い地域への知名度拡大
- 実施案
- 名刺を作り4、5駅くらい離れた所のお店に足を運び友達つくる。
3.いいオフィス安芸高田の機能拡張
近隣の人たちの需要を調査したうえで、コワーキング以外の機能を付与したいと思いました。小、中、高校が近所にあるので、学生さんも利用者として意識するのも良いかもしれない。
「広島駅まで行かないとできないことがこの場所でできる」ということを、可能な範囲でやっていきたいです。
- 実施案
- ・ミニゲーセン
・ミニ音楽スタジオ
・コンセプト有りフリマ(コンセプトあったらフリマじゃなかもだけど)
いいオフィス安芸高田は土日ドロップイン不可にしていて、会員さんの利用もほとんどないので、その時間を近隣の人が利用しやすい機能にできればと思います。
コワーキングスペースの運営や場づくりの経験がある人に話を聞いてみた
札幌を拠点にコワーキングスペース運営や場づくりを主にしているお二人にお話しを聞きました。
株式会社大人 代表取締役社長 五十嵐慎一郎さん 東京大学建築学科卒業後、不動産ベンチャーに入社。2016年に店舗のプロデュース、デザイン、イベント企画運営、WEB制作などを行う株式会社大人を設立。2019年にはカフェ&バー「大人座」を札幌にオープン。地元の老若男女が交わる場をつくっている。札幌移住計画や北海道移住ドラフト会議(元代表)ほっとけないどうなど、道内と道外のつながりを醸成する活動も行う。 |
株式会社とける 代表取締役 柴田涼平さん 「あらゆる境界を融かし、未来が歓迎する環境を想像×創造する」を理念に、コミュニティ事業、伴走事業、メディア事業を行う。 「未来に残したいものは何ですか?」という問いを渡し、インタビュイーの現在→過去→未来を辿る、「拝啓、未来」メディアが始動。 拝啓、未来: https://mirai.tokeru.link/ 北海道移住ドラフト会議(現代表)』。 |
コワーキングスペース運用で、大事だなと思うこと
たま:今回はお時間いただきありがとうございます(安芸高田の状況と自分がやろうと思っている事はお伝え済み)。端的な質問なのですが、コワーキングスペース運用で大切なことってなんでしょうか?
五十嵐:もし僕がリスクを持って運営をするなら、やっぱり商売として成り立つことを前提に考えるから立地がとても大事。ただ、立地の悪いところの相談は受けたことがあるから、その時の話をすると、やっぱり考え方はその場にいる人に依存するということ。
岐阜の飛騨片山でコワーキングの相談があったんだけど、そこも立地としてコワーキングははまっていない場所だった。そして、そのコワーキングを運営する人は、その土地でスーパーを長年営んでいる人だったから、「チャレンジキッチン」「カフェ」「ものづくりスペース」という機能を付与したんだよね。
たま:なるほど! 元々スーパーを運営している人だったら、「チャレンジキッチン」というかたちでの関わり方はかなり親和性がありそうだね。
五十嵐:そうだね。ローカルだと「コワーク」機能の需要が少ないからコワーキング以外の集客装置が必要だと思う。
コワーキングスペースの利用者増加のために取り組んだこと
柴田:集客に関しては、細かい積み重ねが大切だなというイメージです。地元のイベントに参加したり、場に参加しないときでもオンラインで繋がれるような工夫をしました。そして、その場のイベントを開催しまっくりました。
五十嵐:そう!集客に関しては、イベントをやりまくったね。とにかくその場に来てもらう理由を作りまくった。
柴田:自分が運営していた「Guest House waya」では月25本イベントをしたこともありました。そのときよかったと思ったポイントは、主催者を毎回変えたこと。運営者だけではなく、お客さんも主催者になってもらって、たくさんいい思い出と繋がりを生み出してくれました。
たま:月25回は凄すぎる。
五十嵐:その場所に行けば、何かあるって思ってもらうことが大事だったと思う。
柴田:あと経費と効果という点では効率は悪かったのですが、全国のゲストハウスを巡りました。そこでたくさんの繋がりが生まれて、自分が運営するゲストハウスにも来てもらえました。
たま:実際に来てもらうという実利より、同じ業態の人と話しをしたことによる情報交換や、その繋がりにプライスレスな大きな価値がありそうですね。
柴田:まさに。そこで出会ったみんなで、「サミット」と銘打って全国のゲストハウスオーナーさんとゲストハウスサミットというイベントもやりました(笑)
これからのコワーキングスペースのについて
五十嵐:特に「コワーキングスペースのこれから」という考えはないかな……。その場所の需要にどう自分たちらしく応えるかを今までもやってきていて、これからもそれぞれの場所でやりたいことが満載だから一つ一つ実現していきたいという感じ。
あとは、その延長が「町おこし」につながっているパターンが実感としてあるから、これからはそういう広がりを見せていきたいという感じかな。
たま:たしかに、五十嵐くんの活動は北海道を盛り上げることだから、その地域の課題や需要に向き合う事だもんね。
柴田:自分はオンラインでの体験を強化、拡張していきたいと考えています。その場所に来たときしかその場所の良さを体験できないのはもったいない。行く前、行った後も繋がり続けてその場所の人、外の人の良い体験を作っていきたいと考えています。
具体的にはスラックやLINEのオープンチャットとか。まだ構想段階ですが、準住民制度制度を活用できないかな……というところです。
たま:なるほど! コワーキングスペース利用のメリットとして、出会いであったりビジネスマッチングがあると思うのですが、現場にいるとき以外でもそのメリットを享受できるようになりたいですね。誰かが困っているときや新たな一歩を踏み出そうとしているとき、別の誰かが助けられる、そんな素敵な関係性が築けるコミュニティを作りたいですね。
たくさん参考になるお話しをしていただき、ありがとうございます。今回聞いたお話しを参考に、広島で実施したことをまた後日話させてください。
まとめ
コワーキングスペースは、ネット環境と電源が使えてPC作業ができる場所という機能にとらわれず、その地域の人々に何があったら喜ばれるのかを知ることがとても重要だとわかりました。それを実現するためには、地域住民の方々の需要や課題を知る事が大切だなと思いました。
これからは以下2点を実行しようと思います。
- 近隣の人たちと触れ合って、課題や需要を感じる
- スペースとしての機能を拡張する
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