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2022年注目すべき12のTechトレンド

てっぺーさん

Strategy&Consulting事業部 部長のてっぺーです。

私は約10年間アクセンチュアでコンサルティング業務に従事したあと弊社LIGへ参画し、コンサルティング部門とテクノロジー部門を統括しています。

先日、世界有数のリサーチ&アドバイザリ企業・ガートナージャパン株式会社が、企業にとって重要なインパクトを持つ「2022年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド」を発表しました。

画像引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

ガートナーはこの12のテクノロジーが「今後3~5年にわたりイノベーションの起点、デジタルビジネスの軸となる」と予想しています。

当記事ではそれぞれのテクノロジーをわかりやすく解説します。とくに取り組むべき3つは冒頭でピックアップしました。経営や事業戦略、DXに携わるみなさん、ぜひご覧ください。

【注目】クラウド・ネイティブ・プラットフォーム

クラウド・ネイティブ・プラットフォームは、レジリエンス、弾力性、アジリティに優れた新しいアプリケーション・アーキテクチャを構築するテクノロジであり、急速なデジタル変革に対応できるようにします。
クラウド・ネイティブ・プラットフォームは、クラウドの利点を生かせずメンテナンスが複雑化してしまう、従来の「リフト・アンド・シフト」によるクラウド・アプローチを改善します。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

クラウド化が叫ばれる昨今においても、個人情報を社外で管理することへの抵抗感から約4割の企業がオンプレミス(自社内にサーバーを構える方式)でサーバーを運用しています。オンプレミスの最大の課題は保守期間です。メンテナンスの有効期限が切れてしまうと、同型のメモリや製品を新たに導入することができません。

そのため各企業は「オンプレミス」から「クラウド」への切り替えを進めています。しかしもともとクラウドに適応する形で開発されたアプリケーションではないため、移行のための改修コストが追加発生してしまいます。

よって今後は、最初からクラウドを前提に開発し、その後もクラウドサーバーを利用する「クラウド・ネイティブ・プラットフォーム」の活用を推奨します。これにより、社内のIT人材はインフラ構築やサーバー保守といった作業から開放され、自社のビジネスを加速するサービス開発に集中できるようになるのです。

【注目】トータル・エクスペリエンス

トータル・エクスペリエンスとは、従業員エクスペリエンス、カスタマー・エクスペリエンス、ユーザー・エクスペリエンス、マルチエクスペリエンスを複数の接点にわたって統合し、成長を加速させるビジネス戦略です。
トータル・エクスペリエンスは、ステークホルダーのエクスペリエンスを包括的に管理し、顧客や従業員の信頼、満足、ロイヤリティ、アドボカシ (推奨) を高めることができます。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

よく耳にするUX(ユーザーエクスペリエンス)とCX(カスタマーエクスペリエンス)に加えて、EX(従業員エクスペリエンス)とマルチエクスペリエンス(≒VRやAR)の4つをまとめて「トータル・エクスペリエンス」と呼びます。

UXやCXは直接エンドユーザーに接するためにどの企業も力を入れていますが、EXはつい後回しになりがちです。すべてのエクスペリエンスはつながっているため、「残業が続いている」「やりがいを感じられない」など従業員エンゲージメントが低いと、回り回って最終的には顧客への提供価値が下がってしまいます。

ただしEXには注意点があります。クラウドサービスの導入で生産性が上がり、リモートワークで働きやすくなって従業員の離職率が下がったとしても、極論、顧客への価値提供につながってなければ意味がありません。EXの向上をUX・CXの向上へつなげ、企業価値を高めていきましょう。

【注目】コンポーザブル・アプリケーション

コンポーザブル・アプリケーションは、ビジネス中心のモジュール型コンポーネントから構築されます。コンポーザブル・アプリケーションにより、コードの利用と再利用が容易になり、新規ソフトウェア・ソリューションの市場投入期間を短縮し、企業価値を引き出すことができます。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

「コンポーザブル・アプリケーション」は、経験の浅い人や海外エンジニアなど、さまざまなスキル・言語のメンバーが混在する開発チームでも品質を担保するためのアプローチです。

いままではなにを作るにしてもゼロから開発を進めていくスタイルが主流でした。そのため、担当するメンバーのスキルによってアウトプットにバラつきがあり、品質が標準化できていなかったのです。

一方で「コンポーザブル・アプリケーション」は、まずはパーツを作り、クラウド上の仮想空間でレゴブロックのようにパーツを組み立て、きちんと動くかどうかをシミュレーションしながら開発を進めていくスタイルです。コミュニケーションコストが下がるため海外とも連携しやすく、一度作ったパーツを他に転用することで効率化も図れます。

弊社LIGもフィリピン・ベトナムにあるオフショア拠点とチームを組み開発を進める際には、この「コンポーザブル・アプリケーション」を取り入れます。「オフショア開発」というと品質を懸念されるクライアントも多くいらっしゃいますが、日本人メンバーが作ったパーツを海外で組み上げることで、品質を標準化します。

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残り9つのテクノロジーについては簡単に解説します。

データ・ファブリック

データ・ファブリックは、複数のプラットフォームやビジネス・ユーザーをまたぐ形で存在するデータを統合し、高い柔軟性とレジリエンスを持たせたものです。データ・ファブリックは、単一のプラットフォームやツールの制約を受けることなく、複数のアプリケーションのデータを全体的にカバーし、必要な場所でデータを利用できるようにします。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

またデータ・ファブリックは、組み込み型のアナリティクスによって、どのようなデータが使用されているかを学習できます。その真価は、より多くの多様かつ優れたデータに関するレコメンデーション能力にあり、企業は、データ・ファブリックにより、手作業によるデータ管理を最大70%削減できます。

Cookie規制が強まる昨今、顧客の個人情報や行動履歴は自社のCDP(カスタマーデータプラットフォーム)に蓄積して一元管理しようという動きが加速しています。しかしあらゆるプラットフォームやシステムからデータを引っ張る都合上、データの形式や粒度を手作業で揃えて格納する必要がありました。

「データ・ファブリック」は、複数のアプリケーションをカバーできるようなデータ形式にあらかじめ揃えることで、非効率なデータ管理業務をなくしていこうというアプローチです。

プライバシー強化コンピュテーション

プライバシー強化コンピュテーション (PEC) は、信頼性の低い環境における個人データ処理の安全性を確保します。これは、プライバシー/データ保護法の進化や消費者の懸念の高まりを受けて、ますます重要になっています。
プライバシー強化コンピュテーションでは、さまざまなプライバシー保護のアプローチを利用して、コンプライアンス要件を満たしつつ、データから価値を引き出せるようにします。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

CDPに蓄積したデータを他のシステムに渡してビジネスに活用する場合、プライバシー保護の観点から個人が識別されないデータへ加工する必要があります。しかし情報を削ってしまえば、データそのものの価値が損なわれてしまいます。

よって情報を削るのではなく、暗号化したり分割処理したりしながら安全にデータを活用しよう、という取り組みが「プライバシー強化コンピュテーション」です。

サイバーセキュリティ・メッシュ

サイバーセキュリティ・メッシュ・アーキテクチャ (CSMA) は、アイデンティティに基づくコンポーザブルなセキュリティ・アプローチを提供し、スケーラブルで相互運用性に優れたサービスを構築します。
サイバーセキュリティ・メッシュにより、ベスト・オブ・ブリードかつスタンドアロンのセキュリティ・ソリューションを連携させ、全体的なセキュリティを向上させるとともに、それらソリューションの本来の保護対象である資産に制御ポイントを近付けることができます。また、クラウド環境かどうかを問わず、アイデンティティ、コンテキスト、ポリシー遵守を迅速かつ確実に検証できます。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

いままでのセキュリティツールはオンプレミス用やクラウドサーバー用、業務端末用とバラバラのサービスが導入されており、メンテナンスに手間がかかっていました。「サイバーセキュリティ・メッシュ」とは、これらを統合して効率的に管理していこうというものです。

万が一情報漏えいのような事故が起きた場合も、共通のセキュリティツールであればすぐに原因を突き止めることができます。2022年には各セキュリティベンダーより統合ソリューションが発表されるでしょう。

意思決定インテリジェンス

意思決定インテリジェンスは、組織の意思決定を改善する、実践的なアプローチです。インテリジェンスとアナリティクスを用いて、意思決定のための情報を提供し、学習し、改良して、意思決定を一連のプロセスとしてモデル化します。
意思決定インテリジェンスは、拡張アナリティクス、シミュレーション、AIの利用を通じて、人間による意思決定を支援および強化し、可能であれば自動化します。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

「意思決定インテリジェンス」とは、SFA/CRM上でチェックしているダッシュボードにAIを活用することで、未来の売上を予測し、営業活動や人員配置の意思決定をサポートするものです。

具体的には、「近々顧客Aがこれだけ購入する見込があるため、これだけ営業かけると2ヶ月後の収益はこうなります。逆に営業をかけなかった場合これだけの機会損失があります」といった情報がダッシュボード上にパッと表示されるようなイメージです。

ハイパーオートメーション

ハイパーオートメーションは、可能な限り多くのビジネス・プロセスやITプロセスを迅速に特定し、検証し、自動化するための、規律の取れたビジネス主導のアプローチです。
ハイパーオートメーションにより、拡張性の向上、リモート・オペレーション、ビジネスモデルのディスラプション (破壊) が実現します。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

「ハイパーオートメーション」とは、名前のとおり自動化の範囲を広げていこうという考え方です。たとえば営業部門にはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、管理部門にはOCR(光学文字認識)など、それぞれのビジネスプロセスに対し最適なツールを取り入れることで自動化の範囲を広げていきます。

しかし自動化ツールが混在することで管理が煩雑になれば本末転倒です。全社視点で優先度を見極めながら導入を進めていきましょう。

AIエンジニアリング

AIエンジニアリングは、データ、モデル、アプリケーションのアップデートを自動化し、AIのデリバリを合理化します。
AIエンジニアリングを強力なAIガバナンスと組み合わせることで、AIのデリバリを運用化し、継続的なビジネス価値を確保できます。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

これまでのAIは “モデルを作って終わり” というケースがほとんどでした。しかしそれでは継続的に価値を提供できないため、モデル自体も運用して育てていくという考え方が必要です。そのための技術が「AIエンジニアリング」です。

ジェネレーティブAI

ジェネレーティブAIは、成果物についてデータから学習し、オリジナルと類似性はあるもののそのまま繰り返すことのない、革新的なアウトプットを新たに生み出します。
ジェネレーティブAIは、動画など新しい形態のクリエイティブなコンテンツを創造したり、医薬品からプロダクトの創出に至るまで、幅広い分野で研究開発サイクルを加速したりできる可能性があります。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

AIを活用するためには、大量のサンプルデータを用意して学習させる必要がありました。「ジェネレーティブAI」とは、サンプルデータすらAIが自ら合成して勝手に学習を進めてくれる技術です。データが大量にない場合であっても、AIを活用できるチャンスが広がります。

分散型エンタプライズ

分散型エンタプライズは、デジタル・ファースト、リモート・ファーストのビジネスモデルを反映し、従業員エクスペリエンスを向上させ、消費者やパートナーとの接点をデジタル化し、プロダクト・エクスペリエンスを強化します。
分散型エンタプライズは、バーチャル・サービスやハイブリッド・ワークプレースの需要を押し上げている、リモートの従業員や消費者のニーズに効果的に対応できます。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、店舗型ビジネスにおいてもデジタル化が一気に進みました。「分散型エンタプライズ」とは、オフラインとオンラインそれぞれの顧客データを統合することで、顧客体験や従業員エクスペリエンスをよりよくしようという取り組みです。

オートノミック・システム

オートノミック・システムとは、複雑なエコシステムにおける行動を最適化するために、環境から学習し、自らアルゴリズムをリアルタイムで動的に書き換える、自己管理型の物理システム/ソフトウェア・システムです。
オートノミック・システムは、人間の介入なしで新しい要件や状況をサポートし、パフォーマンスを最適化し、攻撃を防御できる、一連のアジャイルなテクノロジ能力を創出します。
引用元:ガートナージャパン株式会社ホームページ

業務端末にインストールされたソフトウェアなどは、いままで手作業で更新・管理する必要がありました。これに対し「オートノミック・システム」とは、過去のアップデート情報をもとに、システムが自分自身でプログラムを書き換えてパフォーマンスを最適化していく仕組みです。

さいごに

5年後10年後も顧客へ価値を提供し続けるためには、テクノロジーへの投資が欠かせません。今回ご紹介したトレンドのなかに自社へマッチするものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。

また、弊社LIGではクライアントのテクノロジー活用、DX支援をおこなっています。自社の課題に対して外部パートナーの意見を聞きたい、という方がいらっしゃれば、ぜひ気軽にお問い合わせください。

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