こんにちは、メディアディレクターのころもです。
今LIGでは、社内のメディア運営担当者向けにカメラ講座が実施されています!
普段、撮影は外部のカメラマンに依頼することが多いのですが、記事制作に関わるメンバー自身が撮影スキル身につけられるといいよね! という試みです。
今日はそのカメラ講座で学んだ内容を、下記のような課題をもっている方に向けて記事にまとめたいと思います!
- こんな人に読んでほしい
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- いつも外部のカメラマンに撮影依頼しており、社内でまかなえるようにしたいメディア運営担当者
- 取材やサービス紹介、店舗紹介などの記事制作が多く、自分で撮影できるようになりたい人
- 撮影スキルを身に付けたい記事制作に関わるすべての人
今回の講座は、メディアの記事内画像撮影に特化した内容ではありますが、カメラの基礎を一から学べる内容になっているため、これから撮影スキルを身につけたいと考えている方には役に立つのではと思います! ぜひ参考にしてみてください!
講師紹介
おまめLIGのデザイナー兼フォトグラファー。LIGでは主に記事のアイキャッチや記事内画像、バナーや背景ジャックの制作を担当。フリーでフォトグラファーもしており、マルチに活躍。なんでも挑戦の精神でいつもバイタリティに溢れている素敵なクリエイター。 |
▼講師おまめの実績一例
目次
まずはじめに:自分のカメラを理解しよう
まずは自分のカメラのセンサーサイズとレンズの種類を知ることからスタートです。⾃分の持っているカメラ・レンズの特徴について知ることで、利点を⽣かす構図や⽋点を補う撮影⼿法を考えることができます。
カメラのセンサーサイズを知る
センサーサイズとは、デジタルカメラに内蔵されている『光をキャッチして画像を作り出す、イメージセンサー』の種類や大きさを示したもので、センサーサイズが大きくなればなるほど画質は良くなります。
また、のちほど説明するF値やISO感度といった設定が同じ場合でも、センサーサイズによって①画角 ②ボケ量 ③暗いところでの性能 が変わり、写真の仕上がりが異なります。
画像引用元:https://www.sony.jp/msc/owner/recommend/alens/sensor_apsc_ff/
レンズの特徴を知る
ここでは広角レンズと標準〜望遠レンズの二つの特徴について紹介します。超広⾓・中望遠・超望遠などありますが、メディアの写真においてはこの二つだけ理解しておくと⼤丈夫です。
広角レンズの特徴
特徴①画角が広い
- メリット:広い範囲を撮れる
- デメリット:余計なものまで映り込む
特徴②パースが付く
- メリット:近いものはより近く、遠いものはより遠く歪むことでダイナミックな表現ができる
- デメリット:不⾃然に歪む。⼈の顔アップとかだと可愛く撮れない
特徴③被写界深度が深い
- メリット:⼿前から奥までピントが合う
- デメリット:ぼかしづらい
標準〜望遠レンズの特徴
特徴①遠くのものを⼤きく写せる
- メリット:余分なものを排除し、部分的に切り取れる
- デメリット:狭いところでの撮影に不向き
特徴②歪みが少ない
- メリット:アップでよっても歪まず撮影できる
- デメリット:⼯夫しないとすべて同じような写真になる
特徴③ぼかすことができる
- メリット:ぼかして被写体を際⽴たせる
- デメリット:ピントが合わなかったら使えない
このように、自分の持っているカメラやレンズの特徴を理解できたら、次はカメラの基礎設定について学びます。
カメラの基礎設定を学ぶ
カメラを使ったことがある人は、「F値」「シャッタースピード」「ISO(イソ)感度」という言葉を聞いたことがあると思います。オートモードではこれらを自動で設定してくれますが、マニュアルモードで撮影するときは自分で数値を設定しなければなりません。
しかし、それぞれの特徴を理解しておくことで、オートモードよりも自由自在に自分の撮りたい画を正確に撮ることができるようになります。
F値(絞り)とは
F値(絞り)とは、光が通る穴の大きさのことで、F値を小さくしたり大きくしたりすることで明るさやボケ量を調節することができます。どういうことか詳しく見ていきましょう。
F値で明るさが変わる
- F値が小さい、つまり絞る量が小さいと、穴が大きいため光がたくさん入ります。
- F値が大きい、つまり絞る量が大きいと、穴が小さいため光は少しだけ入ります。
「F値が小さい」と聞くと、なんとなく穴が小さくなることをイメージしそうですが、逆です(私はこれに何度もつまずきました)。絞る量が小さい(少ない)か大きい(多い)かで考えると少しわかりやすいかもしれません。
また、仕組みがわからなくなったときは、片手で丸を作ってみるといいです。最大限に丸が大きいとき、つまりは絞ってないときは、穴から入る光の量が多いですよね。反対に手をギュッと絞ると、穴から入る光の量は少なくなります。
F値でボケ量が変わる
左の写真はF値が小さく、ボケ量が多いです。
右の写真はF値が大きく、ボケ量が少ないことがわかります。
どういうことかというと、目を見開いているとき(つまり絞り値が小さいとき)って焦点が合わずに周りがボヤけますよね。反対に目を細める(絞り値が大きい)と、ピントが合うのと同じです。これも迷ったら、目を見開いてみたり細めたりするとわかりやすいです。
F値の注意点
F値によってボケ量が変わることがわかりましたが、一つ気をつけておきたいことがあります。それは、「ピントは面で合う」ということです。
例えばこの写真。カメラとペットボトルは同じ平行線上にあるため、場所は違えどどちらにもピントがあっています。F値を調整するときは、ものの奥行きを考え、ピントを合わせたいものにちゃんと合っているか特に気をつけて撮影しましょう。
シャッタースピードとは
シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間のことです。
シャッタースピードは1秒、1/2秒・・・1/250秒、1/500秒のように表します。シャッターが開いている時間が長ければ長いほど、カメラのセンサーに光を取り込む量が多くなり、短いほど光を取り込む量は少なくなります。では、シャッタースピードによって何が変わってくるのか詳しく見ていきましょう。
シャッタースピードで明るさが変わる
こちらは以前LIGのありさんが書いた記事で紹介していた非常にわかりやすい写真なのですが、一番右が1/60秒とシャッタースピードが遅い状態で、左に行けば行くほどシャッタースピードが速くなっていることがわかります。
そしてシャッタースピードが速くなればなるほど、その分シャッターが開いている時間が短いということなので、センサーに光を取り組む時間も短くなり、上記の写真のように暗くなるというわけです。
じゃあシャッタースピードは遅い方がいいんじゃないの? と思いますよね。ですがシャッタースピードは明るさだけでなく、次の「ブレ量」にも影響していきます。
シャッタースピードでブレ量が変わる
こちらの写真は、左が1/30秒で撮影、右が1/250秒で撮影しており、左は右より遅いシャッタースピードということがわかります。シャッタースピードが遅いということは、その分シャッターが開いている時間が長いため、動いているものを止めることができず、このようにブレてしまいます。
右の1/250秒で撮影した写真は、シャッタースピードが速いため、その瞬間を切り取ることができ、動いてるものを止めた状態で撮ることができます。では、ブレる=悪いことなのかというと、それは違います。
▲講師のおまめ先生撮影:https://mami-matsumoto.com/
例えばこちらの夜景。車のテールランプが尾を引いて、一本のラインのようになっているかっこいい写真見たことありませんか? この写真はシャッタースピードを遅く撮影しているため、逆に車の動きを利用してこのような表現ができます。
このように、シャッタースピードを変えることでさまざまな表現をすることができるため、どんな写真を撮りたいかによってシャッタースピードが使い分けれるようになるといいですね。
ただし、今回の講座の趣旨のように、メディア用の記事内写真ではこうしたブレを活用したおしゃれ(?)な写真を使う機会はあまりないと思うので、基本ブレない程度のシャッタースピード(1/125以上くらい)を死守するといいようです。反対に早くしすぎると暗くなってしまうので、バランスを見ながら調節しましょう。
ISO感度(イソ)とは
ISO感度とはレンズから入ってきた光を電子的に増幅させる性能で、光源の少ない暗い場所での撮影で明るさを補助することができます。ISOは200、300・・・1600、3200のように表し、低いと暗くなり、高いと明るくなります。ただし、ISO感度は上げることでのメリットとデメリットがあるのです。
ISO感度を上げるメリット
■薄暗い場所での撮影で、ブラしたくないとき
暗い場所での撮影で、シャッタースピードによって明るさを保とうとすると遅くする必要があるので、その分ブレてしまいますよね。ブラしたくない撮影で、かつ薄暗いときには、ISO感度を上げることで適切なシャッタースピードで撮影をすることができます。
■隅々までピントを合わせたい(絞りたい)けど、明るさも保ちたいとき
画角の隅々までピントを合わせたいときはF値を上げる(絞る)と先ほど説明しましたが、その分穴が小さくなるので取り込める光の量は少なくなりますよね。そんなとき、ISO感度を上げることで隅々までピントを合わせつつも、明るさを保つことができます。
ISO感度を上げるデメリット(明るさとノイズの関係)
次に、ISO感度を上げるデメリットについて学びます。上記の画像のように、ISO感度は数値を上げる程、ノイズが発生し、画質が悪くなってしまうのです。
そのため、シャッタースピードやF値の設定を優先するときの明るさ補助として使うときも、ISO感度を大幅に引き上げるのではなく、他の二つの関係とバランスを見ながら適度にあげるように注意する必要があります。
今回のメディア向けカメラ講座では、どんなに高くても1600以上はあげないようにというアドバイスをいただきました。基本三桁の数値で撮影していれば問題なさそうです。
露出を決定する3要素のおさらい
F値、シャッタースピード、ISO感度の三つの設定について学んできました。
3要素とも明るさに関わってくるので、ぼかしたいのかぼかしたくないのか、動きをつけたいのかブレさせたくないのかなど撮りたい表現によって、他の要素で明るさを調節していくといいでしょう。
最後に、マニュアルモードで撮影したいくつかの例とともに今日の3要素についておさらいしましょう。
実例とともにおさらい
- ■撮影者の意図
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- 背景はボカしたいからF値は開放にしよう
- シャッタースピードはブレない程度に設定
- ちょっと暗かったのでISO感度は一段上げた250にしよう
- 撮影者の意図
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- 手の動きをブラしたくないからシャッタースピードを少し上げよう
- 手前の人はボカしたいからF値は開放で
- 明るい場所だからISOは一番低い設定で画質綺麗に撮ろう
まとめ
本日はカメラ入門編として、カメラやレンズの特徴、それから三つの基礎設定について紹介しました! いかがでしたでしょうか?
それぞれの役割についてなんとなく理解できたら、まずはどんどん実践してみることがおすすめだそうです! 最初は戸惑うかもしれませんが、とにかく撮影して場数を踏むことが一番ですね。ぜひこの記事が、これからカメラを始める人の参考になれば幸いです!