「卵巣のう腫」手術・入院の記録。健康診断の婦人科オプションで発覚してからの体験談

「卵巣のう腫」手術・入院の記録。健康診断の婦人科オプションで発覚してからの体験談

たびちん

たびちん

どうも〜〜〜〜〜広報室のたびちん(@takiyoro)です。

昨年末ですね、私「卵巣のう腫(卵巣嚢腫とも書きます)」というものが明らかになりまして、そやつを切除する手術をいたしました。

2020年12月28日時点で、お医者さんから「もう普通の生活を送ってもらって大丈夫です。運動も銭湯もお酒もOK!」と太鼓判をいただきました。その診断から1ヶ月以上あっても何もなし。やっと何があったかお伝えできます。

この記事で言いたいことはただ一つ。

老若男女、みんな健康診断ちゃんと行っとこう

です!

「卵巣のう腫」って言われたときビビったし、マジで事前情報少なくて、震えながら仕事の調整や手術・入院をしてみて、案外大丈夫だったよ〜という内容を書いていきます。

とはいえ、あくまで私本人の記憶に基づいた、個人の感想による体験談として記載いたします。

医療の正確性については保証するものではなく、すべての患者・病院に当てはまるものではないことをご了承ください。また、病状についてのご相談については受け付けておりません。自己診断せず、かかりつけ医にご相談ください。

また、万が一追記したほうがよい事項がありましたら、 お問い合わせフォームまでお知らせください(掲載可否については編集部にて決定し、その旨のご連絡はお送りしない旨ご承知おきください)。

 

「右の卵巣が見えませんね」

今回発覚したのは、LIGの通常の定期検診につけた、婦人科オプションからでした。

33歳女性のわたくし。これまで健康優良児として生きてきており、多少のストレスはあれど、不調などの自覚症状はまったくなし。とはいえ健康診断に、婦人科オプションは毎回付けていたんです。いうなればおみくじやお守りを神社で買う気持ちと似ています。「まあ何もないと思うけど、健康のお墨付きをもらおう」という感じ。

コロナ禍で警戒しつつ、2020年6月頃に健康診断を受けていました。エコーをお願いした婦人科の先生が「右の卵巣が見えませんね」とのコメント。「再検査してみてくださいね」と、送り出してもらいました。

外出を控える時期だったこともあり、再検査に二の足を踏みます。近所の病院にかかったのが健康診断から4ヶ月後の10月。その病院の先生から「うーん見えませんね」とのお言葉。ここでもか。

そこで、人生初のMRI検査を受けることになります。巨大な白い筒と初対面。「まあこれでたいしたことなかったらいいな〜」と思いながら寝そべりました。けたたましい電子音を延々と聞きながら、なんでかちょっと寝ちゃいました。

できあがった私の腹の輪切り画像では、腹の中にブラックホールみたいな空間が空いています。「7cmの卵巣のう腫があります」とのこと。どうやら5〜7cmになっていたら、手術するものだそうです。

 

 

えっ? 手術?

卵巣のう腫ってなんやねん

中田クルミさんの記事を以前読んだことがあり、そのときはまったく意識してなかったんですが、今回診断を受けて「これか〜!」となりました。

「太っただけだと思ってた。でも…」人気モデルが、女の子みんなに言いたいこと。

この記事を見たことも、毎回婦人科オプションをつけてた理由のひとつだったかもしれません。彼女のおなかを写した横向きの写真は、印象深かった。

とはいえ自分がなるなんてまったく思っていませんでした(みんな言うやつだけどマジで)。人生何が起きるかわからんね。

卵巣のう腫は、卵巣に腫瘍ができる病気のこと。その中にもいろいろ種類があります。私がなったのは「皮様のう腫」という良性の腫瘍である確率が高いとのことでした。

皮様のう腫
のう腫の中に、髪の毛、歯、骨、皮膚、脂肪などが含まれています。10代・20代の若い女性にも多くみられるのが特徴です。卵巣の中にある何十万個という卵子の元が、受精していないのに、勝手に分裂を始め、その結果、人体のいろいろな部分が中途半端にできてしまうと考えられています。受精していない卵子が分裂を始める原因は不明です。

(引用:卵巣のう腫 | 手術も必要になるって本当⁈知っておきたい症状と治療法

おいおい髪の毛て。勝手に分裂を始めるなんて私の身体もヤンチャですなあ。それがまあ、硬式野球ボールぐらいまで腫れ上がっているらしい。

とはいえ、まだまだ未確定情報。良性か悪性かは、手術をして実際中身を検査してみないとわからないとのこと。一気に自分の体内に何がたまってるのか、恐ろしくなりました。

ただ放置していると、卵巣の管がねじれる茎捻転(けいねんてん)と呼ばれるものが起きやすくなるらしい。これになると激痛らしい。激痛はいやだぜ。

この茎捻転を起こした女性のエピソードが小山健さんの『生理ちゃん』にも出ています。マンガなので気軽な気持ちでぜひ読んでみてください。

【漫画】ツキイチ!生理ちゃん 15

この卵巣のう腫は、薬で散らすみたいなことはできません。かならずいつかどこかで手術をしなければいけないもの。(特に今私に予定はないですが)お産の前に見つかった場合、出産時に圧迫の原因になるため、必ず手術をするものだとも聞きました。

突然激痛が起きて緊急手術になるより、前もってわかっていながら予防として手術できる。仕事をしている身としては短期的に見ると打撃ですが、将来的に考えると正直早期にわかったのはありがたいなと思いました。

腹腔鏡下手術という、ヘソ+3カ所に小さい穴を開けて取り出す手術になると先生はおっしゃる。1週間手術+1週間安静の計2週間、仕事を休むことになります。

さーて、どうしよう。

入院まで。めっちゃ業務調整してもらった

私の普段の仕事はLIGブログの運営・編集・広報活動といったもの。同じチームには時短勤務をしているあやまんがいます。

手術までは1ヶ月。上長である大山さんにもご相談し、分担していた業務をあやまんにお願いして、2週間、申し訳ないけれど踏ん張ってもらうことにしました。とはいえ、いきなりの大量のタスク。一部、LIGブログの編集を、外部メディア運用チームのやぎさんにもお願いしました。あやまん・やぎさんには突然のお願いにもかかわらず、体制を作っていただいて頭が上がりません。

あやまんは手術が決まったその瞬間から、目にもとまらぬ速さで広報室のタスク管理をAsanaにすべて移行させ、業務効率化まで行ってしまいました。いやあもうほんと、すごい。いつも頼ってばかりです。……あやまんなしでは生きていけない身体にならないよう、私も入院から復帰したらメッチャがんばるぞと念じることしかできませんでした。本当にありがとう。

かくして、私は頼れる仲間のサポートのもと、安心して入院できる運びとなりました。

入院準備

迫り来る入院までのあいだ、あまりの情報のなさに焦る私。大量の資料をもらうも、1%の確率で○○といった注意事項を見ると震え上がります。不安に駆られるままにインターネットを検索し、さまざまなブログを読みあさっていました。その中でも一番参考にしたブログがこちら。

卵巣のう腫手術体験記|腹腔鏡手術の痛みと術後の記録【ブログ】

このブログがなかったら、私の気持ちはどうにかなっていたかもしれません。個人が書いた体験談なのですべてが私に当てはまるわけではないものの、不安を感じたらこのブログを読んで気持ちを落ち着かせていました。

なので、当ブログではこのまつださんのブログとの差異があった部分を中心に書いていきます。やっぱり、先に体験してくれた人が何か記録をネット上に残してくれるってありがたいものですね。ブログってこういうときにホントに価値があるんだなとしみじみしました。

へそのごまを看護師さんに掃除してもらえたときは、「これ伝説(まつださんのブログ)にあったやつだ……!!」という気持ちになりました。ただし病院も違えば人も症状も違うのです。体験してみないとわからないことが多いのは世の常。伝説に出てこない要素も結構ありました。

入院生活のだいたいの期間

入院にかかる全体のスケジュールはざっくりこんな感じ。

12月5日(土) 入院日
12月6日(日) 手術前最後の食事となる夕食・1st浣腸
12月7日(月) 2nd浣腸・水分摂取は朝以降なしからの手術・絶食
12月8日(火) 点滴・カテーテル抜去・昼は全粥、夜は常食へ
12月9日(水) シャワー開始
12月10日(木) 血液検査・内診
12月11日(金) 退院

入院当日のツイート。そういえば1週間ぐらい前にPCR検査を受けていたのでした。

この頃は迫り来るさまざまなことについて何も知らなかった。レンタルパジャマに着替え、そわそわしながら過ごします。

病棟のなかでも看護師さん・患者さんはマスク付けっぱなし。従来からあったものだと思いますが、個室のそれぞれのドアの前にアルコール消毒液が設置されていて、看護師さんが個室に出入りするたびに消毒していました。

面会について、私が入院した病院の場合ですが、新型コロナウイルス対策のため、入院時・手術日・退院時に1名のみ同席が許されました。それ以外の方のお見舞いは、なし。

手術日に夫が同席してくれたのはありがたかった。直前まで手術時間がわからないため、丸一日有給を取って同席してくれました。ありがとう夫。

手術前・浣腸の洗礼

手術前は、検査や採血など、意外とやることがあります。特に、今回はおなかの中の手術をするので、もちろん腸に何か残っていたら大変。また手術後はトイレに行ける状態でもないため、「浣腸」を2回ほどすることに。でも……あんなに……大変だとは思ってなかった……。初めての経験だった……。

これは看護師さんなど処置する側のための動画ですが、何が起こるか知っておくために見ておくのも良いかもしれません。

私の感覚としては、「通勤中電車に乗ってておなかを下してしまい、降りてトイレに行こうかどうしようか必死に考えてるとき」を5倍にしたインパクトが15秒で襲いかかる感じです。5分我慢してくださいと言われますが、これがなかなか結構無理です。長女だから我慢できたけど次女だったら我慢できなかった……なーんて嘘です。あれは人類皆等しくヤバい。備えよ。

浣腸が実施される前は、トイレへの最短経路を把握し、移動方法をシミュレーションしておいてください。また、最悪の事態に備え、紙パンツなどを装着し、換えのパジャマを用意しておきましょう(レンタルパジャマだと交換するのはいつでも無料なので、とても安心です)。

あとは自分の括約筋を過信しないこと。少しでもヤバみを感じたら、病室ではなくトイレ個室内にて我慢する戦法をとると良いと思います。いずれも個人の感想ですので、入院された病院の方法に従ってください。

浣腸について調べようとしても、なかなか入院中の心構えに合致するような結果がでてこず、まともに調べられませんでした。これだけは恥ずかしいけど残しておきたかった。この戦、みんなで絶対に勝っていきたい。

手術当日

手術日当日は、朝の時間まで水分がとれるのですがその後は何も飲むのはダメ。看護師さんに連れられ、歩いて手術室に向かいました。

手術は全身麻酔で実施します。すぐ意識がなくなりますよーと聞いていたとおり、手術台に寝そべってから最初の2分ぐらいの記憶しかありません。



手術は迅速に終わったようで、目が覚めたのは当日お昼過ぎぐらい。起きたら口がパサパサ。ぜんぜんしゃべれないです。夫が心配そうにこちらを見てました。

何かを飲み食いすることがこの日は一切できません。そのため、パッッッサパサの口の解消方法として、看護師さんを呼び、ベッドの上でうがいをするという手段があります。

もし同じ状況になった方は、1ミリの躊躇なくナースコールを押し、すぐうがいするのをオススメします。看護師さんには申し訳ないですが、我慢するのは得策ではありません。マジでつらい。

酸素マスクと心電図センサー、尿をとるカテーテル、ドレーン、そして点滴が刺さっています。エコノミークラス症候群にならないよう、フットポンプでふくらはぎにずっと刺激が与え続けられています。

酸素マスクは意識が戻ってからはわりとすぐ外されました。

手術後2時間は身動きがとれないのですが、そのあとは左右へ寝返りがうてます。今日できる運動はこれだけ。スマホを持つのもわりとギリギリです。寝たり起きたりを繰り返します。さすがに手術当日で痛みもあるので、(一定時間空けなければいけませんが)、ナースコールで看護師さんを呼び、痛み止めを点滴経由で投与してもらいます。まあ、おなかに穴開けて内容物取り出してるわけなので、そりゃ痛いでしょう。

口はパサパサ、だるくて身体が動かない、フットポンプの足が蒸れる、毛布かけるかけないも看護師さんに頼むしかない、点滴の針が太くて長くて動かすと結構痛い、などなど、実際体験してみないとわからないことが多かったな。いつもひょいひょい動ける日常ってありがたいものだったんだな、としみじみします。

起きている間は、身体がほぼ動かないので、テレビを見るしかありません。とはいえ、無料でこれだけのコンテンツを見られるのってやっぱりすごい。週間EXILEとBTSのこれまでとライブの総集編みたいな番組を観て、ちょっとだけ彼らについて詳しくなりました。

手術翌日以降

ここからの展開はわりと早かった。朝のうちについていた管はほぼ抜かれます。そして病棟内を相棒・点滴くんと一緒に歩き回れるようになります。

1日とちょっと絶食したあとの昼食がおいしいのなんの。普段のなんでもないはずのお吸い物の味が、一生残るクラスでのおいしさでした。

最後に腕に残った点滴はその昼食後に外してもらえました。あばよ、相棒。夕食からは常食といって、普通の量で食べられます。

手術翌日は看護師さんに身体を拭いてもらうんですが、手術2日後からシャワー開始です。シャワーって最高。ありがたい。

予想以上にみるみる元気になっていく私。術後の発熱もほぼありませんでした。とはいえ、おなかの奥底がボンヤリ痛い感じが続きます。

退院までは、その痛みが徐々に消えていくのを感じながら、バチェラージャパン1・2・3を一気見。無事退院へと至ります。

TwitterやFacebookで応援の言葉をかけていただいたみなさま、本当にありがとうございました。現世とのつながりを感じてとても嬉しかった。

入院生活中の鬼ヤバマストアイテム

入院というものが物心ついてから初めてだったので、結構不安でしたが、だいたい病院から提示されるものを持っていけば大丈夫。

そのほかに、似たような手術に向かうであろう女性の同志たちに特におすすめしたいのが、パンツ型の生理用ナプキンです。

▼こういうやつ

浣腸の際にも安心に一役買ってくれます。また、通常の生理とは違うペースで血がでてくるので、防御力は高いに越したことはありません。だまされたと思って持っていってください。5枚入りでちょうどよかった。

入院中は、ベッドに座ったり椅子に座ったりする時間が長くなります。空気でふくらむような、クッションがあると良さそうだなと思いました。飛行機の中で首元につけるやつでもよいので、一つ持っておくと安心です。または、タオルを巻いて腰に当てるなどもアリですね。

耳栓・アイマスク・ハンドクリーム・リップクリームあたりも助かるアイテムでした。病院内は意外と物音もするし、乾燥します。

手術直後は娯楽がテレビしかないため、スマホにテレビ欄アプリを入れておくと便利です。

暇つぶしグッズは、本やPCなどいろいろ持ち込みましたが、振り返って考えるとiPadなどのタブレット端末いっこで十分でした。作業しようにも体力・気力がそもそもないので、入院中の持て余した時間は映像見る方に全振りする感じでよかったなという所感です。ワーカホリックのみなさんもせっかくの機会なので、何も考えずアホになる時間をおとなしく享受しましょう。

2週間、頭を空っぽにしてみて

入院中会社のこともほぼ考えず、完全にアホになった私。そこまで安心できる環境が整ったのも、LIGにいたおかげだなーと思います。

それまでは四六時中LIGブログやLIGのことを考えていました。考えなくても良い時間が2週間訪れて思ったのは「案外自分って無限に遊べるわけじゃないな……ていうか仕事ないとヒマだな……!?」というもの。仕事にアイデンティティを依存させすぎていたな、と反省しきり。

肩書きがない、何もしなくていい身一つの自分ってのも不安なもの。「今すぐ仕事がなくなったら、どういう人生を送りたいのか」という問いをあまり考えずに生きてきた私にとって、とても良い機会となりました。でもまあこれって、入院しなくても考えられることではありますよね。仕事以外において、何が私のLife is Goodなのかは、引き続き考えていきたいなーと思いました。

定期検診みんな行ってね!!!

「中田クルミさんとまつださんがいなかったらどうなっていただろう。体験談は多くても困らないな」と思いまして本稿を書きました。記事自体で伝えられることは少ないですが、誰かが卵巣のう腫になったときに、不安な気持ちが少しでもやすらげばいいなと思います。

男性でも女性でも、定期検診には必ず行ってくださいね! フリーランスのみなさんもですよ! 検診にはいろいろオプションはありますが、ちょこちょこつけて早期発見チャンスを狙いましょう。女性は産婦人科に別途行く以外にも、定期検診でオプションつけられるのでぜひ。何事も、早めにわかる方が健康で楽しく遊べる期間が延びるぜ。

ではでは、またお会いしましょう。たびちんでした!

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広報と編集を担当します若旅(わかたび)です。北海道生まれ、京都にある大学に通い、就職のため上京。気がついたら7社目。人事コンサル・英語研修・外国人ボイスアクターキャスティング・企業広報冊子制作・画像加工・ITなどを扱う多種多様な企業で、バックオフィス中心に制作進行や採用担当などバリエーション多めのOLとして生きてきました。一つの場所で2年以上勤めたことのある人は無条件で尊敬します。趣味はDJ。ドラムンベースが好きです。家ではアニメやゲームを楽しみながら2匹の猫を撫で回しています。

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