
「うーーーーーん。やっぱりやったほうがいいのかなあ……」
「やったほうがいいですよ。何かを始めるのに遅すぎるということはないですからね」
「相変わらず雑な人ですね。内容も聞いてない段階からアドバイスしないでください」
「タピオカ屋さんでしょう?」
「違います」
「炎上系YouTuber?」
「全然違う」
「じゃあ何ですか」
「キャッシュレス化です」
「キャッシュレス化」
「最近流行ってるじゃないですか。なんとかペイとかなんとかマネーとか」
「ああ、はいはい。よくキャンペーンとかやってるやつ」
「そうですそうです。観音さんは何かやってますか?」
「僕はそういうのはやってないですが、だいたいクレジットカードで払ってます。なので一応キャッシュレス派ですね」
「やっぱり時代はそうですよねえ」
「ころもさんは現金派なんですか?」
「現金派です。っていうか私クレジットカード持ってないんですよ」
「嘘でしょ。和同開珎から1,300年以上経つのにまだ現金だけで生活してるんですか? 週末はどんぐりでも集めてるんですか? 竪穴式マンションにお住まいですか?」

「めちゃくちゃ煽るじゃないですか」
「だって現金一本で生活してる人とか初めて見ましたよ。遅れてるってレベルじゃないです。一刻も早く世界遺産に登録されたほうがいい」
「そこまで言われるとさすがに心配になってきました。けど何からやればいいのかよくわからないんですよね。世間の人はどうやってるんだろう」
「聞いてみたらいいんじゃないですか? 街とかで」
「それいいですね。採用」
「んじゃ頑張ってください。僕も調査結果気になるのであとで教えてほしいです」
「1人じゃ不安なので一緒に来てくださいよ」
「土器土器しますか?」
「無理やり古代人のキャラ付けしようとするのをやめてください。さっさと行きますよ」

というわけで今回は、いろんな人が集う渋谷にて街頭インタビューを実施しにきました。
テーマは「あなたは現金派? それともキャッシュレス派?」です。街ゆく人たちの支払い方法やそれを選んだ理由、乗り換えたきっかけなどについて聞いてみました。それでは調査結果をご覧ください。
最近電子マネー派に移行した30代男性

まずはハチ公前を通りかかった30代のこちらの男性。「ずっと現金派だったんですけど、PayPayの還元キャンペーンをきっかけにキャッシュレス派になりましたね」とのこと。
「PayPayはキャンペーンが終わってからは使わなくなって、今メインで使っているのはLINE Payです。LINE Payはたまにキャンペーンで20%とかのキャッシュバックをやってて。公共料金を含めてコンビニで払えるものはだいたいこれで支払えるので、ほとんどの決済をLINE Payにまとめています」

そう話す彼のLINEアカウントには12,000を超える残高が。
「これ、自分で1円もチャージしてなくて、キャンペーン還元で貯まっただけですからね。12,000円分ってデカくないですか?」
確かにデカい。支払いを電子マネーにまとめるだけでちょっといいものを食べに行けるぐらいのキャッシュバックを得られるなんて、そのうち現金を使う理由なんてなくなるのでは?
電子マネー派の女性3人組

続いては人が溢れる渋谷でもひときわ目立っていたカラフルな女性3人組。みなさんキャッシュレス派で電子マネーを使っているとのことでした。
「電子マネーはLINE Payを使っています。旅行で台湾に行ったときに現地の人がみんな使っているのを見て、それがきっかけで使うようになったかな。ポイント還元とかキャンペーンはあんまり追いかけてなくて、財布を持たずに携帯ひとつで出かけられるのが便利だから今も使い続けています」
開始早々電子マネーが続きました。LINE Pay強い。
どちらかというと現金派の芸人さん

続いてはスクランブル交差点で「Free Gag(フリーギャグ)」という大道芸をおこなっていた男性。ギャグを1万個持っているという半端ない芸人さんです。せっかくなので「キャッシュレス」でひとギャグお願いしてみました。
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そんな、ギャグを1万個持っている芸人しょっぴーさんの支払い事情は?

「基本的には現金決済でやってます。月末とか、やりくりが厳しくなったらクレジットカードを使いますね。あとどうしても現金が必要なときってあるじゃないですか。そういうときは飲み会で自分がクレジットカードで支払って、みんなから現金を集めるっていう最後の手段を発動します」
「メインで使っているクレジットカードは楽天カードです。貯まったポイントを楽天市場で使えるのがいいですね。欲しいものは大体売ってるので。あとエポスカードをサブで持っています。比較的早めにゴールドカードに昇格させてもらえると聞いて入会したんですが、確かに普通に使っているだけでいつの間にかゴールドになってました」
クレジットカードをできるだけ使わないようにしているのは「あればあるだけ使っちゃいそうで怖いから」とのこと。現金派は結構このタイプが多いんじゃないでしょうか。
現金 & 電子マネー二刀流のカップル

続いてはこちらのカップル。
「現金と電子マネーが半々ぐらいですかね。電子マネーはいくつか持っていて、最近はよくメルペイを使ってます。メルペイはクーポンがすごいんですよ。最近だとコンビニ、吉野家、マクドナルドでメルペイを使ったら70%還元されるっていう大盤振る舞いなクーポンがありました」
「還元やクーポンがあるのが最大のメリットですが、電子マネーはとにかく支払いがラクなのがいいです。ATMに並ぶ時間や、レジで小銭をやりとりする時間が省略できるのって結構大きい」
と、金銭面以外のメリットを教えてくれました。時間は有限。彼らみたいに賢く決済して賢く生きたい。
クレジットカード派の男性2人組

こちらのおふたりはどちらもクレジットカード派。それぞれアメリカ、カナダの大学を卒業して帰国したばかりとのことで、日本と海外との支払い事情の違いを聞いてみました。
「アメリカではほぼ100%クレジットカードでしたね。日本でも基本的にクレジットカードを使ってますが、完全キャッシュレス化っていうのはまだまだ難しいかなあ。こっちは1,000円とかの少額決済でも毎回暗証番号入力を求められるのとかめんどくさいし。あとアメリカは一番大きいコインが25セント(30円ぐらい)なのでお釣りをもらったら募金箱やチップボックスに入れちゃうんですけど、日本って500円とか100円とか、それなりの金額じゃないですか。だからどうしても小銭を持ち歩くことから解放されないっていうのがありますね」
「カナダもだいたいどこでもカード決済。クレジットカードが使えないお店なんてほとんどなかったです。日本もキャッシュレス化がやっと進んできたなーとは思いますが、まだまだクレジットカードが使えないお店とかもあったりして不便な思いをすることがありますね。決済方法に関しては他の国と比べると、かなり遅れてるなーというのが正直なところです」
現金派の女性3人組

最後に今回初となる、全員完全現金派のグループに遭遇。「登録とかめんどくさい」が理由で、3人とも普段現金しか使っておらず、今後も乗り換えるつもりはないそう。
観音:「2019年10月よりキャッシュレス決済による還元率が9か月間2% or 5%になるらしいんです。それでも現金派ですか?」
3人:「そうですね。やっぱり登録がめんどくさいので(笑)」
とのこと。キャッシュバックがあっても乗り換えない層というのも一定数いるようです。
また、写真左の女性はコンビニで働いているとのことで、店員さん目線のコメントも頂きました。
「レジを打っていて実感するんですが、最近電子マネーで支払うお客さんが一気に増えましたよ。うちは特にPayPayが多いです。店員側としては、電子マネーだとお釣りを渡す際のミスがなくなるのがメリットですね。」
街頭インタビューを終えて

「いろんな人がいますねえ。個人的には現金派がそこそこいたのが意外でした」
「あの、観音さん」
「はい」
「選択肢が多すぎて、余計に頭がこんがらがってきました。結局私はどうするのがいいんでしょう?」
「僕も同じことを思いました。多様化しすぎててまったくわからん。これはもう、詳しい人に相談するのが早いんじゃないでしょうか」
「それ採用。さっそく行きましょう」
「決断が早いなあ」
キャッシュレスに詳しい人に聞いてみた

というわけでクレジットカードに詳しい人に話を聞きにきました。クレジットカードに関する情報発信サイト「クレジットカードを知る」の編集長、石川さんに
- クレジットカードってどう選べばいいの?
- 現金派のころもさんが支払いをクレジットカードに一本化したらどれぐらい得するの?
- 石川さんはどんなカードを使ってるの?
などについて伺いたいと思います。
「そんなわけで石川さん、よろしくお願いします。現金派のころもさんをキャッシュレス化させにきました。彼女の希望を要約すると『とにかくラクに得したい』です」
「おまかせください。何でも答えますよ」
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人物紹介:石川さん株式会社クヌギが運営する、クレジットカードに関する情報発信サイト「クレジットカードを知る」の編集長。クレジットカードは月50回以上使い、年間で支払う金額は150万円以上。好きな作家はチャールズ・ディケンズ。休日は青春小説とマリオカート。好きな物:ウーロン茶 ニガテなものは麦茶。 |
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クレジットカードってどうやって選べばいいの?

「さっそくなんですが、クレジットカードの選び方について聞きたいです。クレジットカードっていろんな種類があって、どれを選べばいいのかさっぱりでして……」
「なるほど。基本的には『自分のライフスタイルに直結するカードを作る』がいいと思います」
「たとえば?」
「近所のイオンで買い物をする頻度が高いならポイントが貯めやすいイオンカード、飛行機の出張が多いならマイルを貯めやすく特典航空券に換えることができるANAやJALなどの航空会社のカード、映画が好きで映画館に行く機会が多い人なら毎週火曜日にTOHOシネマズが割引になるシネマイレージカード、といった感じですね」
「ふむ……。そのどれにも当てはまらない私はどうすればいいでしょう?」
「困ったら楽天カード作っとけばOKですよ」
「単純明快」
「楽天カードはどこで使っても1%のポイント還元が受けられるし、そのポイントを楽天すべてのサービスで使えるんですよね。中でも楽天市場にはいろんな店舗があるので『ポイント貯まったはいいものの使い道がない!』みたいなことにならないのは強いです」
現金派のころもさんが支払いをクレジットカードに一本化したらどれぐらい得するの?

「私、今はすべての決済を現金でやってるんですが、これをクレジットカードに置き換えることでどのくらい得するのか知りたいです」
「ざっくり計算してみましょう。ころもさんが毎月15万円ぐらいの支払いを現金でおこなっているとします。年間だと180万円。これが1%還元されただけで、年間18,000円分のポイントが返ってきますね」
「蟹とか買えるじゃないですか」
「ちなみにこれは少なく見積もった計算なので、ここにポイントアップ分が上乗せされたり、電子マネーのキャッシュバックキャンペーンを使って二重取りをしたりすると……そうですね、年間で30,000〜40,000円ぐらいは得になるかと」
「蟹食べ放題のツアーに行けるじゃないですか」
「はい。毎年好きなものを食べに行く旅行ぐらいはできますね。クレジットカードを持って決済をまとめるだけで生活のレベルが上がるんですよ」
「やらない理由がないのでは?」
「ないですね。基本メリットだけです」
クレジットカードの裏話

「あの、クレジットカードに詳しい人からお話を聞ける機会ってそうそうないのでちょっとマニアックなことをお尋ねしたいのですが、いいですか?」
「どうぞどうぞ」
「クレジットカードを作るにあたって審査があるじゃないですか? あれ、季節によって審査の基準が変わるって聞いたことがあるのですが、ほんとですか?」
「ああなるほど。それは半分正解で、半分間違いですね。」
「というと?」
「季節ではなく、時期によって審査基準が変わることがあるんです」
「ふむ、たとえば?」
「これはあるカード会社から聞いた話なのですが、季節ではなく『カードの発行状況』によって審査基準が変わることがあるそうです。例えば、今の審査基準でカード発行を行っていたら、金融事故者(遅延・延滞)を行う人が増えたので、審査基準を引き上げたというようなケースが挙げられます」

「ほー、なるほど」
「また、大手カード会社のD社では、数年前までには申込資格として、公式サイトに年収500万円以上と書かれていましたが、今ではその文言は削除されていたりします。これは時代の変化と共に年収500万円以上の割合が低下し、カードを発行できる人が極端に少なくなってしまったからですね。申込資格の見直し≒審査基準を見直したと考えられます。そういう意味で、季節ではなく、時期によって審査の基準が変わることはあります」
「あー、そういうことなんですね。ちなみに審査についてなのですが、信用情報機関に事故情報が登録されている人、いわゆる『ブラックリスト』に載っている人でも発行できるカードってあったりするんですか?」
「結構難しい質問ですね。まずブラックの定義によってクレジットカードが発行できるか否かが決まります。たとえば、過去に信用取引の遅延や延滞を数日だけしてしまったという場合では、クレジットカードを発行できる可能性は十分にあります。(もちろん、普通の人よりは審査に通りづらくなりますが)」
「長期延滞しちゃった人は厳しいですか?」
「そうですね。長期延滞をした経歴がある人はクレジットカードは発行できないと思ってもらった方が良いですね。あと債務整理をした方も難しいです。そういった方がキャッシュレス化をしたい場合は、クレジットカードではなく、デビットカードや電子マネー系の手段を使うしかないです」石川さんはどんなカードを使ってるの?

「ところで石川さんはどこのクレジットカードを使ってるんですか? やっぱり楽天カード?」
「私はJALのカードを使っています」
「JALのカードってなんかいいことあるんですか?」
「個人的に一番気に入っているのはラウンジ利用サービスですね。20代限定という制限付きなのですが、ファーストクラスのラウンジが年5回まで無料で使えるというやつです」
「巷で噂のうまいカレーが食べられるやつだ!」
「そうですそうです。あとはマイルボーナスですね。年間何度か出張があるのですが、その際の支払いをこのカードにまとめるだけで、毎年韓国往復航空券ぐらいは取れちゃいます」
「カンジャンケジャンを食べに行けるじゃないですか」
「カンジャ……、なんですかそれ?」
「カンジャンケジャン。韓国の蟹料理です」
「蟹好きなんですか?」
「普通です」
「普通かあ」
「クレジットカードを知る」でもっと賢く生活を設計しよう
「とりあえず、クレジットカードを作ることは決めました。申し込み前にもうちょっと比較したり、作りかたを調べたりしたいんですが……」
「でしたらぜひうちのサイトをご覧ください。今日お話しした内容以外にも、家族会員がお得なカードや、年会費無料だけに絞った比較記事など、クレジットカードを作る前に読んでいただくと参考になる情報が満載です!」