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2019.12.19

【読書が苦手な人へ】読書家っぽい雰囲気を醸し出す方法7選

中野 慧(ケイ)

こんにちは。LIGのWeb事業部で編集者として働いているケイ(@yutorination)です。外部メディアコンテンツ制作チームというところにいます。

さて、この記事はLIGのアドベントカレンダーのひとつ(19日目)として書いています。

LIGアドベントカレンダー2019は
こちら!

本当は明日公開の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』について書きたかったのですが、Web業界のアドベントカレンダーでは「技術のことを書く」というのが、なんとなくのルールだそうです。

「技術……とくにない……」と諦めかけたのですが、僕は編集者/ライターで、めっちゃ本を読んでいるっぽい雰囲気を醸し出す技術には長けているな、と思い当たりました。

そう、あくまで雰囲気です。

今回は、読書(や読書家)に苦手意識がある、そんな方向けに、読書家っぽい雰囲気を醸し出す技術について解説したいと思います。

読書家っぽい雰囲気を醸し出す方法7選

【1】他人の批評や感想に便乗する

Amaoznレビューを読んでいる写真

これは基本中の基本ですね。Amazonレビューや新聞・雑誌やブログの書評などを参考に、有名な本、話題の本について語るのです。「ああ、あの本はこういう感じでね」とハッタリをかます練習をしていくと、だんだんうまくなります。

なお、僕は「他人にしてもらって嬉しかったことは、自分もする」が人倫の基本だと考えているので、たまにちゃんと読んだ本があったら自分でもAmazonレビューや書評ブログを書くことにしています。

【2】あとがきから読む

あとがきを読む

これも基本のひとつですね。あとがきには「その本で結局、作者が何を言いたかったのか」が書いてあることが多いので、あらかじめ着地点がわかるのがよいです。「あとがき」を読了し、もしまだ余力が残っていたら、「解説」「はじめに」も読みましょう。

「本は前から後ろへと順番に読まなければいけない」と決まっているわけではないのです。

まずは「あとがき」から読み、大枠を掴んでしまえば、ちゃんと読んでいなくても「読んでる風」を醸し出すことができます。

【3】とりあえず流し読みする

こちらも重要です。流し読みにも3ステップあります。

(1)初心者 中身を読まなくてもいいからとにかく本を開き、10秒程度パラパラとめくる姿を周囲にアピールする。まずはスタイルを先行させる。
(2)中級者 中身を読まなくてもいいので目次だけさっと眺め、読んだ気になる。(※ここでは「目次しか読んでいない」とネガティブに考えるのではなく、「目次を読んだのでほぼ読了したに等しい」とポジティブに思い込むことが重要である)
(3)上級者 目次のなかで気になった箇所だけざっくり読む。

初心者はまず、スキあらば日常生活のなかで「10秒だけパラパラと本をめくる」という行為を行いましょう。だんだん読書家っぽい雰囲気が醸し出されていくはずです。

上達してきたら、「目次だけ読む」「目次のなかで気になった箇所だけざっくり読む」という上級流し読みスキルの獲得に進みます。ちなみにこれは「速読」「フォトリーディング」のような特殊技能ではありません。本当に普通に、ページをパラパラとめくりながら気になった部分だけ読みます。

※ちなみに「速読」というものが本当に可能なのかどうかは、下記の記事が参考になります。
「速読」は科学的に不可能だと証明される。最も有効なのは「飛ばし読み」スキルを上げること | ハーバービジネスオンライン

【4】読みながら内容を積極的に忘れようと努める

これは心構えにおけるポイントです。「あとがきから読む」にしても「目次から流し読みする」にしても、「書いてある内容を覚えよう、理解しよう」と思っていると必ず、読むスピードと適当さが鈍ってしまいます。

そこで、「読んでいる最中から積極的に内容を忘れようと努める」ことを意識しましょう。「流し読みしていればあとで思い出してしっかり読むこともあるだろう」なんて雑念を入れると流し読みできません。強い意志を持ち、読んだそばから積極的に忘れていきましょう。

【5】積極的に積ん読する

積ん読している写真

世間的には「積ん読は恥ずかしい」という感覚があるようです。

電子化が進む昨今ですが、僕は気になった本はとりあえず物理で買っておきます。すぐには読みません。購入してから平均的にはだいたい4年後に読み終わることが多いです。同時並行で読んでいる(ことになっている)本の数でいえば、100冊はゆうに超えるでしょう。

でも、とりあえず物理的に積んでおくだけで「ああ、あの本まだ読んでなかったな。そのうち読も」とリマインドされるのがいいなと思います。

※電子版もけっこう買うのですが、すぐに読むだろう本に限定しています。「今すぐではないけど、あと4年以内には読みたいな」と思うものを物理で買います。

【6】好きな本を繰り返し読む

新しい本に手を出さずに、好きな本を繰り返し読むのもよいです。

みなさんが好きだと思う本は、おそらく何度も読むに足る、人間や社会に対する深い洞察を宿した名作なのだと思います。

そんな名作を繰り返し読むことによって何かしらの本質に到達します。すると、やがて他の本の内容の類推も働かせることができるようになっていき、当てずっぽうでもそれっぽいことを言えるようになります。

【7】まとめ本を読む

夏目房之介『消えた魔球』、町山智浩『〈映画の見方〉がわかる本』、藤本由香里『私の居場所はどこにあるの?』

僕は観ていないたくさんのアニメについて語ることができますが、それはアニメ批評の本を読んでいるからです。映画批評の本も読んでいるので、観ていない名作映画も語ることができます。批評というのは、ネットの言葉でいえば「まとめ」「キュレーション」でもあります。

映画批評やマンガ批評、文学批評などをガンガン読んでおくと、読書家っぽい雰囲気と同時に、文化人っぽい雰囲気も醸し出すことができるので、一石二鳥です(もちろん流し読みしながら)。

※なお、おすすめの批評の本はこちらです。購入していただいたあかつきには、ぜひライターのクレジットもご覧ください。

ちなみに、哲学者・千葉雅也さんの著書『勉強の哲学』にこのような記述があります。

 信頼できる著者による紙の書物は、検索して上位にすぐ見つかるようなネットの情報よりも信頼できる。この態度を、勉強を始めるにあたって基本とすべきです。

「まとも」な本を読むことが、勉強の基本である。

ネットより上という基準がまずある。一度印刷されると修正できないので、本は基本的に、慎重につくられるものだからです。ネットには不確実な情報や、それどころかデマが溢れているのはご存知のことと思います。しかし紙の本にも、ひどいものはたくさんあります。

(千葉雅也『勉強の哲学』文藝春秋、2017年、175ページ)

出版社の出す書籍は、「哲学の名著◯選」のようなまとめ本であっても、基本的にその分野の専門家が執筆や監修をしていて編集者もいるのでキュレーションの精度が高く、校閲者もついているので間違いが少ないです。したがって、ネットのまとめ記事よりも出版物のほうがおすすめです。

また、僕は名作とされるものの「マンガでわかる」バージョンが好きです。

読書家のあいだでは「マンガでわかる◯◯」を読んでいると公言するとバカにされそうな気配がありますが、マンガってめっちゃわかりやすいです。出版社の人たちによって、「原著のよい部分を世の中にわかりやすく伝えよう」と考え抜いて作られているものが多いので、おすすめです。

まとめ

上記7つを少しずつ実践していくと、読書家っぽい雰囲気が自然と醸し出されていきます。

最近は、2時間ほどで読み終えられるよう設計されたビジネス書が売れているようです。そういう本は、「本は読了しなければいけないものだ」という社会的な強迫観念の上にうまく乗っかることができているのですね。

でも、ぱっと見では気軽に手が出せなさそうな、すでに長く読み継がれている名著・名作に、もっと気軽に手を伸ばしてみてもよいと思うのです。もちろん、「マンガでわかる◯◯」などの力を借りながら。

ちなみに、この記事は、ピエール・バイヤールさんの『読んでいない本について堂々と語る方法』にかなりヒントを得ていますが、流し読みしただけです。いや、もしかしたら読んでいないかもしれません。

それでは、よい読書(しない)ライフを!

[参考(にしたかもしれない)文献]

  • ショウペンハウエル(著)、斎藤忍随(訳)『読書について 他二篇』岩波文庫、1960年
  • 千葉雅也『勉強の哲学 来たるべきバカのために』文藝春秋、2017年
  • ピエール・バイヤール(著)、大浦康介(訳)『読んでいない本について堂々と語る方法』ちくま学芸文庫、2016年