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2018.06.02

ラヂオ放送ノススメ 〜今こそ注目したい音声メディアの可能性〜

ガク

こんにちは、メディアディレクターのガクです。

仕事の性質上、さまざまなメディアをチェックしていますが、そのなかでも最近個人的に気になっているのが、音声メディアです。近ごろは、音声の入出力、分析や解析技術とAIの進歩により、それらを応用したSiriなどのアプリやセキュリティー技術、エンタメなどさまざまな音声メディアが生み出され、注目されています。

今回注目したのは、音声メディアの元祖ともいうべきラジオです。

前職では音楽をやっていた縁でラジオの番組づくりなどにも携わらせていただいていました。今回は、そんな僕がラジオというメディアの魅力を、少しだけひも解いてみたいと思います。

目次

  1. ラジオとは
    • ラジオの種類
  2. ラジオの歴史
    • 戦争の波
    • テレビの波
    • ビデオの波
    • インターネットの波
  3. ラジオの再評価!?
  4. まとめ

ラジオとは

ラジオとは、無線通信により音声を送受信する技術のことで、「radiotelegraphy(無線電信)」を短縮したものが語源と言われています。

ラジオをはじめ、「レディオ」「レイディオ」と、微妙に違うニュアンスで呼ばれたり記載されていたりします。個人的には「ラヂオ」というレトロな昭和感のある表記の仕方が好きですが、この記事内では一般的な「ラジオ」という表記を使っています。

ラジオの種類

電波を使って送受信するラジオには、AMラジオ、FMラジオ、短波ラジオ、長波ラジオなどの種類があります。とくに、AM、FMはなじみ深いのではないでしょうか?

デジタルとアナログの切り替わりを体験してきた世代の僕が子どものころは、ラジオのチューナーでいかにノイズのすくないポイントを探すかというダイヤル回しを楽しんだものです。

面白いもので、アナログのチューナーで周波数帯を合わせていると、時間によっては普段聞こえない放送を受信することがあります。これは電離層に放送の電波が反射しておこる現象です。

電離層(でんりそう)とは、地球を取り巻く大気の上層部にある分子や原子が、紫外線やエックス線などにより電離した領域である。この領域は電波を反射する性質を持ち、これによって短波帯の電波を用いた遠距離通信が可能である。

出典:Wikipedia

周波数帯をぴったり合わせることができて、音がクリアなデジタルチューナーも便利ですが、ノイズの中からダイアルを回してクリアな音声を探し当てる宝探しのような感覚や、ときには意図しないような放送が聞こえてくるといったワクワク感は、アナログならではの魅力のひとつだと思います(これが子供の頃の体験と考えると時代の進化はすごいですね……。おじさん臭が否めない)。

ラジオの歴史

日本で初めてのラジオは、現在のNHK東京ラジオ第1放送が大正14年(西暦1925年)に放送されたといわれています。それ以前にも実験的な中継などは行われていたらしいのですが、放送と呼ばれるものは前述のものが最初ということになっています。

そこから現在までの約100年の歴史の中で、ラジオというメディアが大きな影響を受けた、いくつかの波があったようです。

戦争の波

ラジオ放送開始から、ある程度ラジオ受信機が普及し、娯楽の中心として活躍していたラジオがその性格を変容させたのは、1941年の太平洋戦争(大東亜戦争)開戦と同時といってもいいのではないでしょうか?

当時、通信手段としてこれほど便利なものはなかったため、大本営発表などのプロパガンダ的な番組が増え、結局終戦まで続きました。いわゆる玉音放送が放送されたのもこのころですね。

当時、ラジオがいかに重要な情報インフラ、メディアだったかが伺い知れますね。

テレビの波

日本が戦争のダメージから少し回復したころ、放送局が設立され、民間放送も相次いで開始されています。また1953年にはテレビ放送も始まりますが、テレビ本体は超高級品。一般的な普及にはまだ遠く、ラジオが家庭における情報収拾源やエンターテインメントの主役だったのです。

ところが、当時の皇太子結婚パレードや東京オリンピックをきっかけにテレビの普及が始まり、第1期ラジオ冬の時代を迎えていきます。当然広告予算などは激減。ですが、それに負けんとする動きもあり、ラジオは、現代のスマホのように、ひとり一台というパーソナル化の時代へ突入します。

それに伴って、音楽を中心とした編成を組む放送局が登場し、人気を博すようになります。オールナイトニッポンなどが誕生したのもこのころです。

ビデオの波

そのメディア特性を存分に活かし、音楽とトークを中心に身近なエンターテインメントのメインストリームにいたラジオから主役の座を奪っていったテレビ。そこからさらに1980年代のビデオの普及により、ラジオの立ち位置はさらに変化していきます。

このあたりからは個人的な意見になりますが、ラジオのサブカルチャーとしての側面が強くなリはじめた時代だと感じています。もしかしたら、そもそも新聞や雑誌などがメインストリームで、ずっとサブカルチャー的な立ち位置だったのかもしれませんが……。

当時誕生したばかりのMTVでは、バグルスの「ラジオスターの悲劇」(このころの邦題のセンスはやばい)がヘビーローテーションされていました。ですが、人間の声という本質的な武器を表現のよりどころとするラジオは、才能あふれるハガキ職人の投稿や、手軽に音楽を聞けるメディアとして、さらに進化していくことになります。

インターネットの波

進化を遂げたと同時に「深化」もしてしまったラジオに、さらに大きなダメージを与える動きが出てきます。インターネットとスマートフォンの普及です。

これらの登場により、ラジオや新聞、テレビといったそれまでエンターテインメントや情報源として君臨していたメディアを運営していくための大事な資金源である、広告収入の構造が激変していきました。

インターネットやスマホなどの普及によって、それまで影響力を発揮してきた情報インフラであるテレビなどへの広告出稿が減りはじめ、コンテンツ製作にかけられる予算が減少していきました。

社会の興味・関心がネット上のコンテンツに向くことで、それまで確保できていた人材や予算の捻出が難しくなっていきました。とくにラジオは打撃が大きく、本当に厳しい時代を迎えることになりました。

ラジオの再評価!?

メディアとしての終わりを予感させたラジオ放送ですが、その強みである音声や人の声を生かしたコンテンツは愛され続けています。情熱を注ぎ続ける人たちがほかに負けじといいコンテンツを作り続けた結果、ラジオ放送になじみのない若い世代の人たちが、新しいメディアという認識でラジオを楽しみ、フックアップする動きが見られます。

また、メディアとして災害時の防災インフラとしての側面も見直されています。インターネットの特性を活かし、電波障害地域でもラジオ放送を聞くことのできるサイマル放送や、インターネットでしか聞くことのできないラジオ番組なども登場しました。

さまざまなメディアやコンテンツが乱立しているなか、この新たな世代へ向けた広告出稿や番組制作予算などが生まれ始めるなど、以前より少し明るい話題を聞くことも出てきました。蓄積されたノウハウと高度な音声編集技術、音声のみといった限定された条件下での高い企画力など、ラジオ放送が持つ魅力を今一度チェックし、再評価してみると。面白い発見や新しいコンテンツを生み出すヒントが発見できるかもしれないと感じています。

まとめ

今回は、簡単にラジオという音声メディアを、個人的な主観をたっぷり交えて紹介しました。もちろん異論がある人や、ラジオと聞いて古臭いと感じる人、また、なかには触れたことがなく新しいと感じる人もいるかもしれません。

どういった感じ方をするかは人それぞれだと思いますが、さまざまな革新的な音声メディアや技術が登場するなかで、今一度身近な音声メディアとして久しぶりにラジオ放送を聞いてみると、インターネットやSNSとはまた違った新しい発見や感覚を味わえるかもしれません。

メディアディレクターとして、新しいメディアはもちろん、古きメディアもしっかり訪ね、新しいコンテンツを作り出していく、というスタンスで仕事をできればと思っています。