「日本って国は素晴らしいのさ。その国に生きる僕たちも」
こんにちは。日本をこよなく愛する、ライターの紳さんです。
人物紹介:紳さん ライター。フィリピンに英語留学をした際、一度も授業を受けずに遊んで帰国したことがある。 |
先日、ドイツ人のテレサが日本に来ました。写真は一緒にスーパーマーケットでランチの買い出しをしているところ。
「どうして味噌にはたくさんの種類があるの? 赤と白、何が違うの?」
……僕は答えられませんでした。なんなら、味噌をどうやって作るのかも知りません。
いや、材料が大豆とか米なのは知ってますよ? でも、麹ってなに? どうして味噌ができるの?
テレサとは、「Huber.(ハバー)」というWebサービスを通じて知り合いました。
Huber.は「日本のことを知りたい訪日観光客」と「国際交流を望む日本人」をマッチングさせるサービス。この記事は、そのPRのための記事です。
日本に来る前、テレサとはチャットでコミュニケーションを取っていました。Huber.の基本機能のひとつが、このチャットです。
「どんな目的で日本に来るの?」
「どんな体験がしたい?」
話を聞いてみると、テレサは意外にも「何度も日本を訪れている日本通」であることが判明。九州、京都、東京、長野の自然など、あらゆるNIPPONをすでに体験済みでした。
では、なぜテレサはHuber.で日本人ガイドを探しているのか?
テレサ曰く、彼女が体験したいのは「日本人の日常」とのこと。
そこで、僕の脳で考えつくかぎりの「普通」な体験をいくつかリストアップして伝えました。「カラオケ」、「アキハバラのメイド喫茶」、「ラウンドワン」……楽しそうなこともたくさん提案したのですが、彼女が特に興味関心を示したのは、
「味噌汁とおにぎりを作って食べる」
「ゲーセンでクレーンゲームとプリクラ」
「立ち飲み屋で呑んだくれる」
など。マジか。そんな地味なのでいいのか。
簡単な写真と紹介文を添えて、テレサにガイド当日のプランを提案したところ
ハンパないくらい素敵。テンアゲ。
と言ってくれたのです。もちろん、実際には言ってませんでしたが。
こうして、僕の「日本の日常」を外国人に案内する挑戦が始まったのです。
- Huber.はガイド料が貰えます!
- 余談ですが、Huber.でガイドを担当すると、対応した時間に応じてガイド料が支払われます。ただし、お金を稼ぐのが目的で利用するようなサービスでもないです。あくまで「外国人と交流したい」とか、「外国人に本当の日本の良さを伝えたい」とか、「恋人と別れて寂しいから、誰かと一緒にいたい」とか、そういう目的で利用してくださいね!
日本人の心を教える
ガイド当日、地下鉄日比谷線の入谷駅に来てもらいました。ここは僕の居住エリアのひとつ。
初めての日本ということであれば空港まで迎えに行った方がいいかもしれませんが、テレサは大丈夫そうだったので、まあいいかなと。
事前にチャットで話しているとはいえ、生で会うのってやっぱり嬉しいですね!
ちなみに、僕の隣にいる女性は誰かって?
僕のパートナー、サブガイドのカイ・シミズです。Huber.で見つけました。
ぶっちゃけ、僕は他国の言葉がまったく喋れないのでカイの力が必須です。
人物紹介:カイ ネパールが大好きな女子大生。美しい英語を話す、美しい心の持ち主。 |
Huber.はメインとサブのペアでガイドすることを推奨しています。
そもそもガイド自体経験が無いにもかかわらず、文化が違う海外の方をガイドするとなると 1 人では不安な人も多いはず。 2 人でガイドすればお互いサポートしあえるし、不安を解消することでより友達になりやすいからだそう。
逆に言うと、Huber.でパートナー(サブガイド)を探せば、外国語が苦手な方でもガイドをすることができるわけです。
(記事上ではこれ以降、僕がテレサと普通に会話をする場面が登場しますが、すべてカイが通訳で入ってます)
それじゃあさっそくランチにしようか。おにぎりと味噌汁作り!
レッツゴー!
どうぞ、よろしくお願いします。
テレサ、日本で味噌汁は食べたことはある?
お店で、ワカメとか豆腐の味噌汁を食べたことがあります。
なるほどね。いいかいテレサ。普通の家庭では味噌汁にワカメとか豆腐は入れないんだ。あれを入れるのは、お店だけなんだよ。
(えっ!? 入れ……る…けど……)
そうなんだ。 じゃあ、どんなものを具にするの?
なんでも入れていい。味噌汁にルールなんてない。ダシと味噌を入れれば、すべて味噌汁なのさ。
でも、普通は冷蔵庫に余っているものを入れる。それが日本人の心さ。
なるほど。じゃあ、適当にポテトとオニオンとかでも良いの?
ジャガイモとタマネギの味噌汁か。イモの味が出て、最高に美味いゾ!
(テレサ、この男の言うことを真に受けてはダメ!)
(……いざとなったら、私が通訳しなければ良いだけなんだけど)
というわけで、味噌汁の材料と
おにぎりの材料を適当に選んで買ってきました。
テレサは普段、料理もするそう。なかなかの包丁さばきでした。
ただし、タマネギの切り方は日本人の感覚とぜんぜん違う。
ダシはこうやってとるんだ。簡単でしょ?
すごい簡単。味噌汁って簡単だわ。
味噌を入れたら、沸騰させないようにね。沸騰させるとアルコール分と一緒に香りが飛んでしまうんだ。
日本では、「味噌汁を沸騰させると赤子が泣き崩れる」という言い伝えがあるんだよ。だから絶対に沸騰させてはいけない。
わかったわ。ベイビーを守るのは世界共通ね。
味噌汁の作り方に関しては、だいたい合ってる……。
ちなみに味噌を舐めたことはある? 日本では野菜とかにつけて食べることもあるんだよ。
チャレンジしてみるわ。
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美味しい! しょっぱいけど、香りがあって。
日本人の食事の味付けは、この味噌と醤油が基本なんだ。でも、昨今はそれゆえに日本人の塩分摂取量の多さが悩みのタネ。
だから、「減塩味噌」とか「減塩醤油」っていう減塩シリーズがブームなんだ。日本人は減塩っていう言葉に弱いから、何にでも減塩ってつけて売られているんだよ。
なるほど勉強になるわ。
そのうち減塩塩(げんえんじお)ってのが売られるようになるんじゃないかな。
味噌汁がサクッと完成したので、炊きたてのご飯をおにぎりにします。
めちゃくちゃ熱いはずなのに、なぜか平気なテレサ。
「日本の米はネバネバしてるけど、手に水と塩をつけると握りやすい」ということを教えるとあっという間にマスター。
そこらへんの日本人より遥かに上手。
日本って、コンビニエンスストアでも大量のおにぎりが並んでいるわよね。
そう。ぶっちゃけ、都内に住んでいる人間は「家でおにぎりを作る」なんてイベントはまずやらない。女が男にアピールする時だけだね。
そんなことはない。
こうして、おにぎりと味噌汁が完成。
簡単なので、見ているだけで作り方が分かったはず。
日本では、ご飯を食べるときに手を合わせて「いただきます」と言います。
イタ? ダケマース。
神様とか、料理を作ってくれた人とか、色々なものに向けて感謝を込めて言うのだけれど、一番の意味は「命をいただきます」ということ。
日本独自の文化ね。
いただきます。
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……! すっごい美味しい! 味噌汁!
茅乃舎の煮干しダシを使ったからね。これ、日本の心だから。
そして、「おにぎりは外国で言うところのハンバーガー」という説明をし、かぶりついていただきました。
箸の持ち方とか、お椀の持ち方とか、座り方とか。
日本の食事の正しい作法があるかもしれないけど、僕にはよくわからない。
味噌の違いも、言葉の意味も、何かと手を合わせる意味も。
ところで、外国から来た方に日本を案内する場合
「日本の文化や歴史を100%、正しく理解していないとダメだよね?」
と不安になる方もいらっしゃるかも知れませんが、僕はそんなことないと思います。
普段通りの振る舞いをしていて自然と滲み出るのが「日本人っぽさ」であり「おもてなしの精神」だと思います。それこそが日本の心。
これをちゃんと伝えることができれば、ガイドの資格は十分にあると思いますね。
日本という国の楽しみ方
続いてやってきたのは、浅草の漢字ハウス。
この施設は本当に最高のサービスを提供しています。
訪れた外国人の名前を聞き、漢字名を考えて名付けてくれるというサービスなんです。
その人の生い立ちや人となりを参考に漢字を選びます。
漢字には一つ一つに意味があるので、その人に合った漢字を選ぶというのがなかなか大変。
ただ一方的に「この名を授ける」というものではなく、漢字の意味を伝えていくつかの候補の中から選んで組み合わせるというもの。
選んだ漢字の名前は「書道家っぽい雰囲気を出した一般の方」が清書してくださいます。
テレサの場合は、ドイツでの正しい発音がテリサということで
天(テ)・・・空を全て内包する天。
俚(リ)・・・田舎っぽい、ひなびるという意味の俚。
紗(サ)・・・目の粗い絹、布という意味の紗。
と名付けられました。
空が好きで、田舎が好きで、人とのつながりを大切に生きるテレサらしい名前だと思います。
ぶっちゃけ、日本人もこの方法で名付けるべきだと思う。物心つくまでは番号とかで呼べばいいし。
番号は嫌だよ。
せっかくなので、テレサにも書道に挑戦してもらいました。
初めて筆を持ったけど、なかなか難しいわ。
初めてにしては上手いけどね。ちなみに日本では筆で文字を書くのって、結婚式や葬式のときに自分の名前を白い袋に書くときだけなんだよ。
もっとたくさんあると思うけど、たしかに思いつかないわ。
テレサの書。ちなみに見参の意味は「アイムカミング」だよと教えました。
漢字はいかにも日本らしいもののひとつだと思います。
もともと中国から伝わったものですが、日本はオリジナルの要素を付け加え、常用的に使う便利な文字として昇華させてきました。
日本という国は「他国の文化を真似たり、参考にして自分たち独自の物を生み出す」のが得意ですよね。
そのあとはゲームセンターで遊びました。(撮影許可、降りず)
初めてのクレーンゲームで見事、景品もGET!
3人で撮ったプリクラがこちら。みんな可愛い。
とにかく巨大化する目。
(加工に夢中)
(爆笑)
私たちの後ろで女子高生たちがたくさん並んでいたわ。プリクラ。
スマホのカメラアプリが普及して下火にはなっているだろうけど、日本の女子高生たちの生きがいといえばプリクラ。まだまだ根強い人気があるね。
最後に寄ったのは、「立ち食い寿司」。
紳さんオススメの「ひなと丸」です。生サバが最高に美味い。
お酒が好きだというテレサに立ち飲みスタイルで日本酒を楽しんでいただきました。
こうやってお酒を注いだら、今度は交代して注ぎ合うのが日本人。めんどうだけどね。
まぁ、ぶっちゃけ、お酒が大事なんじゃないよね。お酌をするという行為自体が「あなたを慕っていますよ」という意思表示なんだ。
日本のお酒はとても美味しいわ。薦められるのは嬉しい。
このお酌ひとつをとっても、社交辞令的なものだけどね。そういう儀式的なものが日本人は大好きなんだ。乾杯とか万歳三唱とか。
その儀式の意味もよくわかってないけど、でも、周りに合わせて一緒にやるのが日本人っぽさな気がする。
この、なみなみと注いで積極的に皿とか枡に溢れさせるタイプのヤツもそう!!! 意味がわからない!!!
どうやって飲めばいいの?
僕だってわかんない。なんでこんなことをするのか。もう口でいくしかないよね。持ったら確実にこぼれるし。
とにかくね、日本で生きていると、日本人ですらよくわかってない謎の文化とか儀式にたくさん遭遇するんだ。
それが日本で生まれた文化なのか、外国の文化を取り入れたものなのかすら、もはやわからなくなってる。
そういうのもすべてひっくるめて、深く意味を調べたいヤツは調べればいいし、どうでもいいヤツはポーズだけ真似すれば大丈夫。そうやって生きるのが日本人だと思うし、日本という国で楽しく暮らすコツだと思う。
それが日本で暮らすということなのね。
いい国ですよ、日本。
うん。私も日本が大好き!
今日はありがとう、シンヤ、カイ。とても楽しかったわ!
こちらこそ! 素敵な思い出ができました。
世界中の人を友達に。
いかがでしたでしょうか。
アナタもHuber.を利用すれば、たくさんの外国人と交流ができるようになります。
日本を案内(ガイド)する仕事、と考えると難しいような気がしますが、「友達と一緒に日本で遊ぶ」という感覚でやれば大丈夫。ただ楽しいだけです。
「日本の良さ」とはなんでしょうか?
……僕は、ガイドをする人間によって、その答えが違ってくるような気がします。
なので、「アナタなりの日本」を伝えていただければ、それで十分だとも思うのです。
言葉がうまく通じなくても、きっと大丈夫。僕たちは生まれながらにして「おもてなし」の心を持っているのだから。
日本人って、マジでそういうところあるから。
ぜひぜひ、素敵な出会いを探してくださいね!
以上、紳さんでした。