迅速なコンテンツ更新のために、WordPressやMovable Typeなどの「CMS」を使ってサイト構築をすることはもはや定番です。そこから一歩進んだ「マーケティング機能付きCMS」はご存知でしょうか?
CMSはとても便利ですが、ビジネス活用するとしたら顧客分析やリピート施策、コンテンツ最適化などのWebマーケティング機能が必要不可欠。
今回はそんな「マーケティング機能付きCMS」の紹介と、CMSと連携させたいマーケティングオートメーションをご紹介します。
目次
マーケティング機能付きCMSとは?
「マーケティング機能付きCMS」について、まず「CMS」の概要からおさらいします。
そもそもCMSとは?
「CMS」はコンテンツ・マネジメント・システムの略で、サイト制作の知識がなくてもWebサイトのコンテンツを作成・管理できるシステムのことです。
CMSを導入すれば誰でもカンタンにサイトの更新ができるため、わざわざ外注したりWebデザイナーに依頼したりする必要がなくなります。その結果、外注コストや更新反映までのタイムラグが減って、コンテンツ拡充にリソースを割くことができるんです。
マーケティング機能とは?
SEO対策や効果測定から、顧客情報管理、ユーザー分析、リピート施策などの「Webマーケティング」を補佐する機能です。
「Webマーケティング」と言うと、SEO対策やランディングページ最適化といった「集客」のための施策が注目されがち。もちろんそれらも大切ですが、集客後にどうやってコンバージョンさせるか、そしてリピートさせるかも非常に重要です。
集まったユーザーに対してのメルマガ配信やSNSを活用したリピート施策、ユーザー分析によるコンテンツの最適化などをおこなうことができるワンランク上のCMSが「マーケティング機能付きCMS」です。
マーケティング機能付きおすすめCMSまとめ
マーケティング機能が付いたCMSを、オープンソース系、中価格帯エンタープライズ系、高価格帯エンタープライズ系の3つのくくりでご紹介します。
オープンソース系CMS
まずはオープンソースで利用できる世界的CMSをふたつピックアップします。
1. WordPress
https://ja.wordpress.org/
言わずと知れた有名CMSで、このLIGブログもWordPressをベースに構築されています。世界的にも導入事例が多く、高機能なプラグインも豊富のため、必要な機能だけを追加してカスタマイズすることができます。デザインの自由度も高い人気のCMSです。
こちらのマーケティング系プラグインまとめにもあるように、データ解析やタイトルのA/Bテストができるプラグインなどがあります。後述する、マーケティングオートメーションと連携できるプラグインもありますよ。
ただプラグインどうしの連携がないので、サイトを構築・管理するために開発知識が必要になります。また、WordPressのサービス自体は無料ですが、導入するためには自分でWebサーバを用意しなければなりません。
価格 | WordPress自体は無料。 レンタルサーバ代や有償のプラグインを使用する場合は別途費用がかかります。 |
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2. Drupal
https://www.drupal.org/
WordPress同様、プラグイン(Drupalの場合はモジュール)を追加してカスタマイズしていくオープンソースCMS。モジュールを追加していけば、ブログやSNS、Eコマースサイトを構築することができ、企業向けソリューションとして世界中の著名企業が利用しています。
WordPressにも言えることですがオープンソースCMSは拡張性が高いため、マーケティングオートメーションと連携させてマーケティング機能を高めていくことができます。
上の『OpenInbound for Drupal』は、アクセス解析やリード管理、CRMなどができるスイスの会社のモジュール。WordPressに比べるとDrupalは日本語の情報が少ないので、プラグインを探すのがすこし大変かもしれません。
価格 | Drupal自体は無料。 レンタルサーバ代や有償のモジュールを使用する場合は別途費用がかかります。 |
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中価格帯エンタープライズCMS
つづいては商用CMSですが、標準で多機能が装備されているCMS。先ほどよりCMS自体の価格は上がりますが、そのぶん高機能なのでさまざまなニーズに対応可能です。
1. RCMS
https://www.r-cms.jp/
250を超える豊富な機能がデフォルトで搭載されており、あらゆる要望にこたえる高機能CMSとあります。
コーポレートサイトやメディアサイトだけでなく、会員制サイトやECサイトなどの構築もできるようです。オープンソースCMSではセキュリティも自分で対策していく必要がありますが、商用CMSは開発元に対応してもらえるのはうれしいですね。
RCMSはパスワード強化やアクセス制限、暗号化といった数多くのセキュリティ機能も標準装備されています。
マーケティング機能に関しても、SEOの内部施策やLPO、Facebook/Twitter連携などの「集客」部分から、アクティブユーザー解析やメルマガ・アンケート作成といった「顧客育成」の部分まで豊富な機能が備えられています。
SaaS型 スタンダードプラン 価格 |
初期費用:40,000円 月額利用料:10,000円 【年払いの場合】108,000円(9,000円/1ヵ月) |
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SaaS型 仮想専用サーバプラン 価格 |
初期費用:80,000円 月額利用料:50,000円 【年払いの場合】540,000円(45,000円/1ヵ月) ※会員数、メールマガジン通数が無制限 |
サーバインストール型 パッケージ提供プラン 価格 |
初期ライセンス費用:1,200,000円 ソフトウェアサポート費用:250,000円/年 ※容量、PV、会員数、メールマガジン通数が無制限 |
2. PowerCMS
https://www.powercms.jp/
CMSプラットフォーム「Movable Type」のために開発されたプラグインセット。「Movable Type」をハイエンドCMS並みに高機能化させるソリューション製品です。
コンテンツ配信や会員専用サイト作成はもちろん、検索キーワードによるランディングページの表示分岐や、メールマガジン配信などのマーケティング機能も付いています。ユーザー権限管理もあり、プロフェッショナル版以上では「会員限定サイトの閲覧」権限や「メールマガジンの購読」権限を持つユーザーを絞り込むことも可能です。
スタンダード版 価格 |
300,000円 アカデミックライセンス:エディションの60% サポートライセンス(2年目以降のサポート):製品定価の20% ※Movable Type(1サーバ / 5ユーザーライセンス)込み、初年度年間サポート |
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プロフェッショナル版 価格 |
600,000円 アカデミックライセンス:エディションの60% サポートライセンス(2年目以降のサポート):製品定価の20% ※Movable Type(1サーバ / 無制限ユーザーライセンス)込み、初年度年間サポート |
エンタープライズ版 価格 |
900,000円 アカデミックライセンス:エディションの60% サポートライセンス(2年目以降のサポート):製品定価の20% ※Movable Type(1サーバ / 無制限ユーザーライセンス)込み、初年度年間サポート |
アドバンスト版 価格 |
1,800,000円 アカデミックライセンス:エディションの80% サポートライセンス(2年目以降のサポート):製品定価の20% ※Movable Type Advanced 込み、初年度年間サポート |
高価格帯エンタープライズ系CMS
最後に、高価格帯ですが、マーケティング機能を特徴としているCMSをご紹介します。
1. HeartCore
https://liginc.co.jp/wp-content/uploads/2015/10/index.html
デジタルマーケティングに必要な全てを備えたオールインワンのパッケージのHeartCore。450社以上のさまざまな国内企業で導入されています。
HeartCoreの特長は、豊富なマーケティング機能。IPアドレスの取得や各種DMPの活用などによってユーザーを分析し、最適なセグメンテーションを展開します。どんなページを閲覧したのか、どんな商品を購入したのかといった行動履歴から、表示するコンテンツをパーソナライズすることも可能です。さらに人工知能によるA/Bテストで、より良い成果に導くことができます。
価格 | 要問い合わせ |
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2. Sitecore Experience Cloud
https://www.sitecore.net/ja-jp
Sitecore Experience Platformとビッグデータレポジトリが搭載された統合型マーケティングシステム。高度なコンテンツ管理、顧客のインサイト分析やクロスチャネル配信を得意としたCMSです。
訪問者の「パーソナライゼーションルール」を設定することで、ターゲットを絞り込んだ関連性の高いコンテンツを配信できます。ルール、ワークフロー、デバイスや地域に基づいて、コンテンツをパーソナライズすることが可能です。
価格 | 要問い合わせ |
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3. Adobe Experience Manager Sites
http://www.adobe.com/jp/marketing-cloud/experience-manager/sites-web-content-management.html
レスポンシブ対応Webサイト、モバイルサイト、店舗内スクリーンなどが構築できるアドビ製のCMS。
PhotoshopやIllustratorといったアドビクリエイティブツールとのシームレスな連携が魅力です。画像、動画などのアセットをまとめて一元管理でき、デバイスに最適化したリッチメディアをオンデマンドで配信できます。
ランディングページやマイクロサイトを標準テンプレートから簡単に作成できるほか、キャンペーンを効果的にパーソナライズしたり、特定ターゲット向けに電子メールキャンペーンを展開したりすることも可能です。
価格 | 要問い合わせ |
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CMSと連携できるマーケティングオートメーション4選
つづいて、CMSと組み合わせることでよりマーケティングを強化できる「マーケティングオートメーション」をご紹介します。「マーケティングオートメーション」はマーケティング業務を自動化し、施策の成果を測定・改善できるソリューションです。
1. Marketo
https://jp.marketo.com/software/
世界6000社以上が採用するマーケティングオートメーションのマーケットリーダーです。
BtoB、BtoC問わず多くの導入実績があり、一人ひとりに合わせたコンテンツの訴求を、メールやWeb広告、Webサイト上でのレコメンドなど、充実した機能でサポートします。
価格 | 要問い合わせ |
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2. HubSpot(Marketing Hub)
https://www.hubspot.jp/products/marketing
見込み客獲得、見込み客育成、ROI計測ができるオールインワンのインバウンドマーケティングプラットフォーム。
ブログやウェブページ、ランディングページのなどの行動履歴に基づき、その行動に応じたメッセージを届けることができます。また、ユーザー情報獲得後も、購入の意思決定に必要な情報をEメールなどで届け、コンバージョンを促すことも可能です。
価格 | フリー版:0円/月 スターター版:6,000円/月 ベーシック版:24,000円/月 プロフェッショナル版:96,000円/月 エンタープライズ版:288,000円/月 |
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3. Mautic
https://www.mautic.org/
無償で使えるオープンソースのマーケティングオートメーション「Mautic」。
リード管理やマーケティングキャンペーン管理、リードにパーソナライズしたメール配信など、無料とは思えないほど多彩な機能が搭載されています。
メールを開いたら○ポイント、資料をダウンロードしたら○ポイントなど、リードに点数をつける「スコアリング」によって、個々に合った行動を取ることができます。
クラウド版の「Mautic」もありますが、無料版では登録できるリードが2,500件までと制限されているのでご注意ください。
価格 | 要問い合わせ。 |
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4. SATORI
https://satori.marketing/
特定のセグメントで見込み客にアプローチして、コンバージョンを促すSATORI。シンプルなインターフェースで、マーケティングオートメーションツールに慣れていない初心者でも使いやすい構成になっています。
実名/匿名での顧客データ管理で、メールアドレスも分からない問い合わせ前の顧客データも保管することができます。セグメント分けした見込み客へ直接アプローチして、メール配信やタグ付けも可能です。
基本プラン 価格 |
初期費用:100,000円 月額費用:100,000円/月 |
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まとめ
高機能なCMSやマーケティングオートメーションツールは数多くあります。実際には「マーケティングオートメーションの機能が使いこなせない」という声もよく聞くもの。
機能が少ないのも困りものですが、不要な機能や使いこなせない機能が装備されていても、逆に作業が煩雑になったり、余分なコストがかかったりするだけ。本当に必要な機能だけが付いているサービスを選びたいですね。
費用の面で考えれば、WordPress+マーケティング系pluginでサイト構築をするのが、一番コストがかかりません。しかし、各plugin間の連携やセキュリティの問題もありますので、WordPressとSATORIの連携か、商用CMSで、RCMSなどがコストも抑えめでちょうど良さそうです。