みなさん、こんにちは。ゲストハウスLAMP豊後大野・スタッフの山下清です。
この度 12月2日(土)・3日(日)に、大分県豊後大野市緒方町にある原尻の滝周辺にてふんどし一丁で神輿を担いで川を渡るお祭り『緒方三社 川越しまつり』が開催されます。
で、なぜ僕がふんどし一丁で川の中に立っているか……。
一緒に神輿を担いで川を渡る男衆を募集するからです。
そこで今回は、毎年行われる約800年続く冬恒例のお祭り『緒方三社 川越しまつり』の神輿を担いでくれる男衆3人を募集するとともに、お祭りについてご紹介していきたいと思います。
800年続く『緒方三社 川越しまつり』ってどんなお祭り?
写真提供=飯田智子
僕が移住してきた、豊後大野市緒方町には「緒方三社」という 3 つの神社があります。
それぞれ、「一宮社=仲哀天皇(父)」「二宮社=応神天皇(子)」「三宮社=神功皇后(母)」が祀られています。
一年に一度、旧歴の 10 月 14 日・15 日(現在では日付に一番近い土、日)に、緒方町にある原尻の滝上の河原で三神が会合し二宮社で一夜するにあたり、ふんどし姿の男達が神輿を担ぎ川を渡るというお祭りです。
カンタンに言うと、年に一度、川の向こう側にいるお母さんがお父さんと子供に会いに行くのに、地域の男達がふんどし一丁で神輿を担いで川を渡って送り届けるというお祭りです。
しかも、夜に。
僕は、お母さんが祀られている「三宮社」がある地域に移住してきたようで、町の行事としてこのお祭りに参加することとなりました。
真冬の12月にふんどし一丁で神輿を担いで川を渡る
地獄です。
12 月といえども 昼間はまだ暖かい日がありますが、夜になれば温度は軽く 1 ケタになるでしょう。水温は、もっと冷たいはずです。その中で川を渡る……正気の沙汰ではありません。
毎年、川を渡るので 特別に川を深く掘るそうです。一体何を考えているのかわからなくなります。この真冬に凍えるどころか、新幹線が通過する寒風のごとく通り過ぎます。
聞くところによると、昨年参加した地域の人は低体温症になってしばらく震えが止まらず動けなかったそうです……。
今年はそうならないことを祈ります。
そんな地獄の『緒方三社 川越しまつり』の詳細タイムスケジュールはこちら。
『緒方三社 川越しまつり』
開催日 | 平成29年12月2日(土)・3日(日) |
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会場 | 豊後大野市 原尻の滝付近 |
タイムスケジュール | 12月2日(土) 18:00 三の宮社みこしお発ち(花火合図) 18:30 三の宮社みこし宮田ご到着 19:00 三の宮社みこし川越し(花火合図)/一の宮社みこしお発ち 19:40 二の宮社に各社みこしご到着12月3日(日) 14:00 神楽開始(緒方神楽) 14:30 三社お供集合(花火合図) 15:00 三社みこし御旅所へお下がり 15:30 御旅所にて神事 16:30 三社合同お神酒あげ 18:30 還御祭神事(花火合図) 19:00 三の宮社みこし川越し/一の宮社お還り |
もうお気づきかと思いますが、
神輿は川を越えたら、翌日にまた帰るんです。
ということで、2 日にかけて2 度、川を渡ることになります。
『緒方三社 川越しまつり』の歴史
『緒方三社 川越しまつり』は、その起源が約 800 年前と言われており、この地で古くから脈々と受け継がれている重要なお祭りなのです。
緒方三郎惟栄(おがたさぶろうこれよし)と緒方三社
源平合戦時代。郷土の武将・緒方三郎惟栄(おがたさぶろうこれよし)は、豊後国(現在の大分県)の緒方荘(豊後大野市緒方町)に本拠を置き、大野川南部を中心に、九州でも最大級の武士団を形成した中心人物でした。
もともと平家の御家人だった惟栄は、飢饉や疫病によって乱れた世を立て直すため、平家に反旗を翻し、その中心人物として活躍しました。その後、源義経と兄頼朝の対立の際、宇佐神宮焼き討ちによる黄金の御神体奪取の罪により、惟栄は上野国沼田(群馬県沼田市)へ流罪となります。
川越しまつりの始まり
惟栄が流罪となったのち、源頼朝から豊後国の統治を任されたのは 大友能直(おおともよしなお)でした。しかし、惟栄の後を継いで豊後国をまとめていた、大野九郎泰基(おおのくろうやすもと)と対立してしまいます。泰基は、西の高野山とも呼ばれる、神角寺(豊後大野市朝地町)を中心にして挙兵をしますが、能直の兵、古庄四郎重能(ふるしょしろうしげよし)に発見され、討伐されました。
その後、豊後国は大友氏によって統治されていくことになりましたが、原尻の滝周辺で洪水や暴風雨などの災害がなぜか相次いだのです。これを見た大友能直は「これは緒方三郎惟栄と大野九郎泰基の祟りだ」と不安を抱き、原尻の二の宮社に、緒方三郎惟栄と大野九郎泰基の霊を祀ったといいます。
年に一度、三社を合わせてこの原尻の滝周辺の安全を祈願した祭りが「川越しまつり」の始まり、と伝えられています。
『緒方三社 川越しまつり』が抱える課題
地域の人からこのお祭りの話を聞いてみると、少し前まではその家の長男しか神輿を担げないというお祭りだったようです。
しかし現在では、過疎化と高齢化の影響で、神輿の担ぎ手が不足しており、僕が移住してくるまでは 一番若い人が 50 代 という高齢化っぷりで、このお祭り自体の存続すら危ぶまれています。
そこで、地域の方々のご協力のもと、この 800 年続く『緒方三社 川越し祭り』の神輿を担ぐ担い手を募集することになった というわけです。
なぜ外から人を募集したいのか?
僕が今回、外から人を募集したいと考えたのは、地域の人からお願いされたからという理由だけではありません。
移住して 4 カ月。豊後大野市には、”素敵な場所”や”素敵な人”がたくさんあると感じます。
今回の募集を通して、「豊後大野市って、実はこんな面白い場所なのか!」と少しでも興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思います。
神輿を担ぎ終わったら LAMP 豊後大野で、鍋を囲んで、大宴会ができたら最高に嬉しいなと思っています。兎にも角にも、僕はもっともっと豊後大野市を盛り上げたいと思っています!!!
募集要項
水温が 1 ケタにもなる真冬の川を一緒に渡ってくれる男衆 3 人を募集します。
※残念ながらこのお祭りは男性しか担げないので、今回は男性のみ募集します。
- ふんどし無料支給(新品)
- LAMP 豊後大野の宿泊無料
- 参加費等は一切なし
- 地域の方との一体感を味わえる
- 万が一のために、保険に加入します(ただし、お金はかかりません)
- 足袋代として 1,500 円が地区から支給されます
- わたくし清が食事を振舞います。食費は無料
日程 | 平成 29 年 12 月 2 日(土)・12 月 3 日(日) |
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場所 | 豊後大野市 原尻の滝付近 |
人数 | 3 名 |
年齢 | 20 歳以上〜 40 歳くらいまで |
求める人物など |
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参加特典 | |
備考 | お祭りにおける事件・事故等、またはそれによる怪我・後遺症等については、当社では一切の責任を負いかねますので、ご了承の上お申し込みください |
「我こそは!」という方のご応募をお待ちしております!!