こんにちは、広報/コンテンツ企画室のこやにいです。
先日、LIGの会社説明資料として「LIGマガジン」という雑誌を作ったのですが、はじめて雑誌を作ってみて思ったのはとにかくわからないことが多いということ。
ちなみに、いつも手に取る雑誌ですが、今までどうやって作られているのかなんて考えたこともありませんでした。本記事では、はじめての雑誌作りの中で学んだポイントや気づきをまとめたいと思います。
これから、雑誌やパンフレット、フリーペーパーを作ってみたい!という方の参考になれば嬉しいです。
用紙サイズについて
まず決めなくてはいけないのは、雑誌のサイズ。
紙のサイズといえば、A4とかB5とかそういうのですが、コンビニで売っている雑誌を見てみると、どれもサイズはバラバラ。いろんな形があって、正直どれがいいのか選べません……。
コピー用紙でいちばん使われているA4サイズは、馴染みがあるけど、果たしてそれでいいのか……?今回作るのは会社の広報誌なので、持った大きさが良い感じのB5サイズに決定しました。
このサイズであれば、持ち運びのしやすさ、読みやすさ、インパクトのバランスがちょうどいいかなと。ちなみにあの週刊少年ジャンプもB5サイズ。これはしっくりくるわけですね。
用紙サイズの価格帯については、以下の図を見てもらえればわかりやすいと思います。
紙質について
次に大事なのが、紙質です。これは本を手にとった人の印象に関わる大事な選択です。
とはいえ、紙の種類と言われても全然知識がないのでわかりません。そのことを印刷会社に相談すると「用紙サンプル」をいただけるとのこと。
いただいた「用紙サンプル」がこれです。
今回候補にあがったのはコート紙とマット紙。印刷で、もっとも多く使用されている紙の種類で、チラシやポスター、名刺、冊子などありあらゆる印刷物に使われています。
- コート紙
- 一般的な商業印刷に最も多く用いられている、表面のツルツルとした用紙。写真や色の再現性にも優れて色鮮やかなのが特徴。
- マット紙
- 少しざらついた髪質で写真の色味も少しくすんで見えます。ただ、これは味があり、あえて暖かい感じに仕上げたい場合におすすめです。
ちなみに今回は写真をメインで考えていたので迷わずコート紙に決めました。価格も抑えめでいちばん一般的なものですね。
紙の厚さについて
紙の厚さもこだわるべき重要なポイントです。どの厚さにするかによって重さと金額に変化が生まれます。紙の厚さについてはまるで知識がないので様々なフリーペーパーを集め、触ってみることで絞りこみができました。
今回LIGマガジンでは、耐久性を重視し表紙に厚さを持たせ、中の紙は薄くめくりやすいことを意識し、表紙と裏表紙は110kg、中のページは73kgの厚さにしました。
綴じ方について
最後に選ぶのは冊子の閉じ方です。閉じ方には2種類あり、「中綴じ」と「無線綴じ」になります。
- 中綴じ
- 束ねた紙をホチキスで綴じるもの。
無線綴じよりも安価ですが、ページ数が多くなると綴じることがができません。
耐久性は無線綴じよりも弱く、繰り返し開くような書籍には向かないです。
開いた際に中央部分がしっかりと見えるので、見開きで写真などを表現したい場合などには向いています。
- 無線綴じ
- こちらは紙を束ねて、糊付けして綴じるものです。
耐久性があり、ページ数が増えても綴じることがができます。
丈夫な作りで、長期保存に向いており、中綴じと比べ高級感があり、しっかりした印象に仕上がります。ただし、開いた時に中央部分が窪んで見えます。
それぞれメリット・デメリットはありますが、今回のLIGマガジンでは無線綴じを選択しました。やっぱりLIGマガジンも繰り返し読んでもらいたいので、中綴じで破れたりしたら大変!耐久性も大切なのです。
身近な雑誌を引き合いに出すと、週刊少年ジャンプが無線綴じ、グラビアの多いヤングジャンプが中綴じになります。
カラー情報について
印刷データを入稿する前に必ずチェックしなくてはいけないことがあります、それはカラー情報です.
みなさんは「RGB」と「CMYK」というワードをご存知ですか。
簡単に言えば、モニターで見る色と、実際に印刷した色では発色方法が違うので、このフォーマットを揃えないと、出したい色味で出てくれないらしいんです。
印刷してみて「え、この色おかしくない?」ってなる場合の原因がコレです。
- RGB
- Red=赤、Green=緑、Blue=青の三つの原色を混ぜて幅広い色を再現する加法混合の一種。デジタルカメラやパソコン、テレビの映像表示に使われています。
- CMYK
- Cyan=シアン、Magenta=マゼンタ、Yellow=イエローの三色、そしてKey plate=キープレート(≒黒、墨)から頭文字1文字ずつ取ったもの。通常のカラー印刷の多くがこの4色で印刷されます。
「キレイな色で届けたい」という想いがあり、入稿フォーマットはCMYKで行い、試し刷りを数冊お願いしました。実際に見本誌のプリントをもらいながら印刷会社の方と色味の調整をおこないました。
このようにLIGマガジンはこだわりにこだわり抜いているんです。
1Pを開いた目のパンチ力ありますよね。ここの色味も非常にこだわりました。
入稿フォーマットについて
さあ、いよいよLIGマガジンのデータを納品するところまできました。
デザインデータを納品するのがスタンダードですが、どんなデータを渡せばいいのか?これは印刷会社によって様々ですがAdobe社のPhotoshop, Illustrator, InDesignで制作したデータであればほぼ対応してくれます。
今回は印刷をお願いしているベストプリントさんには、Adobe InDesignで作成したPDFデータで納品しました。PDF化するとアウトラインの漏れや変換後のイメージズレを防ぎやすいので、忘れずにやっておくといいですね。
上手く印刷データが納品できなかった時も電話などで相談にのってもらい、指示通りに行うことで入稿データを納品できました。
印刷会社に相談できる方がいるのはすごく助かりました。
オンデマンド印刷とオフセット印刷について
いよいよ印刷ですが、最後に選ぶ必要があるのは印刷方法です。
印刷の仕方は、「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」の2つに分かれます。といっても、2つの違いなんてわかりませんよね。わかりやすくいうならオンデマンド印刷はデジタルプリント、オフセット印刷はインク転写式というイメージでそれぞれ異なる印刷方法なのです。
オンデマンド印刷 | オフセット印刷 | |
---|---|---|
部数 | 1部〜500部(少数向き) | 100部〜(5万部以上も可能) |
品質 | 部数が増えるとオフセットより品質が落ちる | 高品質で高精細 |
紙種 | 特殊な用紙も可能 | 全5種類 |
価格 | 片面印刷ならリーズナブル | 部数が多いほど安い |
- オンデマンド印刷
- 特徴としては、少量での印刷であればコスト的にも安くすみ、インクを乾燥させる工程がないので早く仕上がります。また、やや光沢があるので紙面から浮き出る感じが表現できます。しかし、広範囲のベタ塗りやグラデーション、特色(金や銀、蛍光色など)の再現は苦手です。
- オフセット印刷
- 版を作り印刷するので、少数だと高くつくが大量にする場合は安くなる。また、細い線や小さな文字などの表現や特色を表現でき、印刷箇所に紙の手触り感をそのまま残すことが可能です。
今回は小数印刷かつ、予算を抑えたいという意向を伝え、印刷会社の方と相談のうえオンデマンド印刷にすることにしました。
とくに初めての場合は、印刷会社の方に要望をしっかり伝えるで、自分の理想とする完成形に近づけることができます。
印刷会社の選び方
雑誌作りの経験がない中で、どのような基準で印刷会社を選ぶのか、というのは難しい問題です。
どの印刷会社も同じような価格帯ですし、内容も大きく変わらないからです。
僕が印刷会社を選ぶ決め手になったのは担当者がついてくれて、LIGから歩いて10分程のベストプリントさんでした。
知識や経験があるのであればオンラインによる入稿で、どこのサービスでも問題ないと思います。
しかし、本記事でも書いたように印刷するにあたり決めなけれないけないポイントがたくさんあります。
印刷初心者こそ、親身に相談に乗ってくれるプロフェッショナルがいる印刷会社さんを選ぶことをオススメします。
以上、こやにいでした。