こんにちは。マーケターのきょうへいです。
LIGでは週に1回メルマガを発行しているのですが、なかなか開封してもらえなかったり、開封されても最後まで読んでもらえなかったりと課題が山積みです。
そこで気になる存在として浮上したのが、「動画メール」という方法。要するに、メールに動画を組み合わせる、という新たなメールのアプローチ手法なのですが……調べてみたところ、単純にHTMLに動画のタグを埋め込むだけでできるものではないようです。
というわけで! 今回は、動画メールを専門に扱うPCPhaseの担当者に、動画メールのやり方や、その効果を最大限にあげるコツを根ほり葉ほり聞いてきました。
ズバリ聞く!動画メールって効果あるの?
今回、取材に応じてくれたのは、動画メールの実例に詳しい、島さんと杉本さんのお2人。
島 明日美さん 動画メールシステム「Vmail」の担当者。これまで多くの動画メール案件を取り扱ってきた、動画メールの強者。 |
杉本 夏来さん 同じく、動画メールシステム「Vmail」担当者。メールマーケティングや動画マーケティングの情報発信を行うことが多いため、知識が豊かで整理されている。 |
いきなりなんですが、ぶっちゃけ動画メールって効果あるんですか?
案件によっては、動画メール導入後に商品の購入率が10倍に上がったケースもあります。ただ、効果がでるケースと出ないケースがあるというのが正直なところですね。いろいろな動画メールを配信してきて思ったのは、「業界によって相性がある」ということです。
たとえばどういう業界が相性いいんでしょうか??
飲食業界は相性がいいですね。みなさん食べ物の動画はつい見てしまうみたいです。SNSとかでレシピ動画が流れてくると、つい手を止めて眺めちゃったりするじゃないですか。とろ~っとチーズがとろける動画とか、シズル感があって「美味しそうだな~」って。あの感覚と似てると思います。
じゃあ、LIGは動画メールとまったく相性良くないですね……。わかりました、別の方法を考えます! 今日はありがとうございました!!
え、ちょ……ちょっと待ってください! そのほかの業界でも効果を出すための、共通のポイントもあるんです!
以下のポイントを見てください。
- 動画メールの効果を最大限にするポイント4つ
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- 動画の再生時間を短くすることで視聴完了率アップ!
- 「クーポンとの併用」で効果アップ!
- 継続購入を促す「ステップメール」に組み合わせることで効果アップ!
- こだわるべきは、「画質」よりも「内容」
なんだぁ、ちゃんとコツがあるんじゃないですか! 早く言ってくださいよ〜!
じゃあ、それぞれの中身を、実際の具体例をあげながら説明していきましょう。
ケース1. 動画の再生時間を短くして、視聴完了率アップ
こちらは、某アウトレットパークの事例です。メール内で再生される動画は全部で15秒に編集されているのですが、動画を再生した人の約70%が最後まで視聴したという高い視聴完了数が出ています。
まぁ、短ければ見る人が増えるのも当然ですよね。
いや、シンプルなことだけど大事なんですよ! 動画が長いと読み込みに時間がかかるのでそもそも見てもらえなかったり、長すぎると離脱の原因になってしまうので。
だいたい何秒ぐらいがベストな再生時間なんでしょうか?
7〜10秒程度がベストだと思います。ちなみにこちらの事例の動画は、秒間で素早く画面が切り替わる飽きない構成になっているんですが、それがさらに視聴完了率をあげる要因になっていると思います。
ケース2. クーポンとの併用で、メルマガの効果を最大限に!
こちらは、某大手ファミリーレストランの事例です。会員様に向けたキャンペーン情報を動画メールで配信し、高い効果を上げています。
ああ〜、飲食業には敵わないんで、こちらの事例は大丈夫です!
たしかにこのとろけるチーズの映像は、食欲がそそられま……ほかの業界では真似できませんが、それ以外にも学ぶべきところがあるんです! それは……
それは……?(ゴクリ)
こちらの動画は、見終わったあと、クーポンページに自動遷移する仕組みになっているんです。
導入した結果、以前の静止画だけのメルマガよりも、クーポンの表示率が1.5倍に伸びました。
なるほど。動画を見て食欲が増したところにクーポンを差し出す……。見事な合わせ技ですね。
ケース3. 継続購入を促す「ステップメール」で商品購入率アップ
こちらは某大手健康食品通販事業で配信した、商品の継続購入を促すステップメールです。ステップメールは動画メールと非常に相性が良いと思います。
ステップメールってなんですか?
商品を購入したユーザーに向けて、購入から1カ月後・3カ月後などのタイミングで定期的に送るメールです。月額で申し込むタイプのサービス・商品のマーケティングでよく使われています。
どんな内容だと効果を発揮しやすいんでしょうか?
たとえばこの事例では、健康食品を購入されたお客様に対して、ステップメールで「ヨガ」の動画を紹介しています。健康へのモチベーションを高めて再購入を促しているんですね。
ケース4. こだわるべきは「画質」よりも「内容」
ここまですべてのケースに共通するポイントは、とにかく動画の「内容」が重要、ということ!
それ、もう「動画メール」うんぬんっていうより、動画自体の問題じゃないですか。
まぁそうですね。でも、たくさんの動画メールを配信してきて、好まれる動画の傾向性は分かってきました。今日はそれをお伝えします。
たとえば、Before/After動画なんかは反響があります。女性向けカラーリング商材のPRで、カラーリング剤を塗布した白髪のBefore/After動画を配信したところ、商品購入率が10倍に伸びた事例がありました。
10倍はすさまじいですね……。
さきほど紹介したステップメールや、美味しそうな料理の動画もそうですが、成功してきた事例すべてに共通しているのは、やはり広告臭の強い「ザ・CM」という内容ではなく、ユーザーにとって価値になるような魅力が含まれていることです。
画質にこだわって動画を制作されるお客様も多いのですが、スマホでメールを見るユーザーが多いため、画質はあまり重要視されません。そのぶん内容に注力したほうが効果が見込めます。
とはいえ、さすがにスマホで撮った動画じゃダメですよね?
いえ、全然オッケーです。先ほどご紹介したクライアントさんの事例にも、スマホで撮影した動画を使用されている例があります。素朴なクオリティの動画って、親近感がわいてつい見ちゃうんですよ。スマホに合わせた縦型動画も流行ってますしね。
それなら僕らでも気軽に始められそうです!
動画メールの実践方法は全部で5つ!目的に応じて使いわけよう
動画メールをやるときはやっぱりあれですか? HTMLメールにYoutubeで発行したタグをペロッと貼り付けて……。
いえ。現状、HTMLメールに対応したYoutubeのタグは存在しません。
言っておきますが、むずかしいこと言われても分かりませんからね?(予防線は早めに張っておくタイプ)
大丈夫です(笑)動画メールの実践方法は全部で5つ。Web制作会社マーケターのきょうへいさんなら、それぞれすぐにその仕組みが理解できるはずです。
1、VIDEOタグ+フル動画
手間を惜しまず、表示崩れを恐れず、とにかく美しい動画をメール上で再生したい人向け。用意しておいたWebサーバーに、MP4・MOVなどの動画ファイルをアップロードし、その後HTMLメールにVIDEOタグを挿入して、アップロードした動画を表示させる方法。
- メリット
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- 最高画質のフル動画をインラインで表示できる
- ファイルのサイズ制限を受けない
- デメリット
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- 対応しているメーラーが少ない
=受け取る側の環境によって動画が表示されなかったり、表示が崩れてしまう - 動画ファイルを置くためのWebサーバーが必要
- 対応しているメーラーが少ない
2、IMGタグ+GIFアニメ(読込型)
1のGIFアニメ版。画質は1よりもやや劣るが、対応しているメーラーもやや増える。動画をGIFアニメに変換したのち、用意しておいたWebサーバーにアップロード→IMGタグでHTMLメールに挿入する方法。
- メリット
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- 対応メーラーは方法1よりも多い
- ファイルのサイズ制限を受けない
- デメリット
-
- 非対応のメーラーもあるっちゃある
- 動画をGIFに変換すると元の容量より大きくなってしまうので、圧縮が必要な場合がある
- ファイルをおくためのWebサーバーが必要
3、IMGタグ+GIFアニメ(添付型)
サイズが小さいものしか送れないが、手軽にできるので、「動画メール」という手法をとりあえず試してみたい人にオススメ。GIFアニメーションファイルをメールに添付して送信し、メール内に埋め込み表示させる方法。
- メリット
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- HTMLメールに対応しているほとんどのメールソフトで表示できる
- オフラインでも再生できる
- 動画ファイルを置くためのWebサーバーが不要
- デメリット
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- 受信側の添付ファイル容量制限以下に抑える必要がある
- 複数の宛先に同時送信する際に、発信側で制限がかかる場合がある
- つまり低画質・短時間の動画しか送れない
4、再生マークつき静止画を挿入
なにもかも面倒な人向けの方法。動画メールの本質とはちょっとそれるが、最小限の手間で済む。「再生マーク」をつけた静止画をメールに挿入し、クリックしたらYoutubeなどの動画ページに誘導する方法。
- メリット
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- 基本的にどのメールソフトでも表示可能
- デメリット
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- ユーザーが画像をクリックしてリンク先に遷移しないと、動画が再生されない
- そもそもこれを「動画メール」と呼んでいいのか甚だ疑わしい
5、埋め込み型動画メールサービスを利用
少々コストがかかってもいいので、確実に・手間をかけずに多くの人に動画メールを届けたい人向け。特徴は、サービス側で受信者のメール環境を判定し、上記の方法1~4の表示を自動的に出しわけて表示させられる点など。
- メリット
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- 受信側のメールソフトを自動判定し、最適な種類・画質の動画を自動再生できる
- 動画ファイルからGIFアニメが自動的に生成される
- 動画を表示できない環境の場合、自動的に静止画が表示される
- さまざまなデバイスやメールソフトのユーザー宛に、同じソースコードで一斉送信できる
- デメリット
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- お金がかかる
参考:https://mailmarketinglab.jp/5-ways-of-making-animation-email/
意外といろんなやり方があるんですね。
最初は3や4など手軽なところから試してみてもいいかもしれませんね。まずはそれでやってみて、目的や予算に合わせて方法を変えていくのが賢い導入方法だと思います。
そして最終的に、
私たちの会社が運営する動画メールの配信サービス「Vmail」を利用してくれる方が増えれば、これ幸い。
と、いうわけでここからはPRの時間です。
(急にぐいぐいきた)
実際に動画メールサービスを利用してみた
というわけで、PCPhaseのお二人のご好意で、LIGのメルマガでも「Vmail」を利用してみることに。
Vmailとは?
Vmailは、サービス内で発行されたタグをHTMLメールに貼り付けてメールを配信する、「埋め込み型」の動画メールサービス。
また、先ほどあげた「動画メールを実践する方法」の1と2のように、自力でHTMLファイルに動画のタグを埋め込む場合は、それぞれのメールソフトやデバイスに合わせてタグを変更しなければなりませんが、Vmailはひとつのタグでどんなメールソフトやデバイスにも対応。エラーなく再生できます。
その裏では、開発チームのみなさんが、300機種以上のデバイスで正しく映像が再生されるか検証しているという、涙なくして語れないエピソードがあるそうです(絶対つらい)。
動画を用意して、HTMLメールにタグを貼り付けるだけ
ここでは、動画のタイトルや、公開期間、動画再生後に遷移するページのURLなどが設定出来ます。
『Vmail』に動画をアップロードし、基本情報を入力します。携帯で撮影した縦型の動画も対応しているのでアップロード可能です。
ここでは、動画のタイトルや、公開期間、動画再生後に遷移するページのURLなどが設定出来ます。
すると、上記のようにタグが発行されるので、これをいつものメールシステムのHTMLソースに貼るだけで完了。
メール内の該当の箇所に、動画を一部抜粋したGIFが挿入されます。
抜粋する箇所は、こんな感じで簡単に設定可能。
さらに、メールに挿入した際にサムネイルとして表示する画像を決めることができたり、動画開始前にカウントダウンを入れ流ことができたりと、カスタマイズもできます。
実際にHTMLメールに組み込んだ様子が、こちらになります。最後に表示される「詳しくはこちら」をクリックすると、任意のWebページ、もしくは動画再生ページに遷移することができるようになっています。
まとめ
動画元年と言われて早数年。通信に制限がなくなるかもしれない時代に向けて、いまから動画マーケティングのノウハウを蓄積しておくのは、なかなか賢いやり方かもしれません。コツもわかったことだし、今後またLIGでも動画メールを取り入れていけたら面白そうだな〜と思ってます。
お話を聞かせていただき、ありがとうございました!
埋め込み型動画メール作成サービス「Vmail」
有料サービスの一番のデメリットは「コスト」ですが、
Vmailの場合、1,500開封までなら月額3,000円、15,000開封でも月額20,000円ほどと、LIGのような数十人規模の会社でも検討しやすい金額設定になっています。
メール開封数上限 | |
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ライト:3千円/月 | 〜1500開封 |
スタンダード:2万円/月 | ~15,000開封 |
プロフェッショナル:5万円/月 | ~50,000開封まで |
エンタープライズ | 個別にご相談 |
メールを開封すると同時に動画の読み込みが始まり通信が発生するので、そのタイミングで開封数がカウントされるそう(つまり、開封されなかったらカウントされない)。リスティング広告なんかと仕組みは同じですね。
メルマガの効果をあげたいと思っているマーケティング担当者さんは、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。