BtoB市場向けの製品に使えるIoTとは?エンタープライズ向けIoTの勉強会を開催しました!

BtoB市場向けの製品に使えるIoTとは?エンタープライズ向けIoTの勉強会を開催しました!

うこ

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こんにちは、DevRelチーム・メーカーのうこ(@harmoniko)です! 4月から大学4年生になり、就活が始まりつつあります。最近、「なにをどうしたらビジネスになるんだろう?」とよく考えてしまう日々です。ビジネス……うーん、難しそうですね……。

たまたま、先日DevRelのエンジニア・のびすけが、ビジネスとIoTを組み合わせたBtoBの勉強会「EIoTLT vol.3」を開催したので、参加してきました。ビジネスと、いま注目のIoTはどのように組み合わせられるのでしょう?

eiotlt EIoTLTとは?
リレーションズ株式会社の土屋氏とLIGのエンジニアのびすけが主催している、エンタープライズ(企業向け市場・製品)版IoT勉強会。さまざまな企業の「中の人」がIoTトークを繰り広げる場。

BtoBのIoTについて、7組が登壇!

2016年4月26日におこなわれたEIoTLT vol.3。今回は、7組8名方がLTを繰り広げ、約60名の参加者が集まりました。エンタープライズ向けだからなのでしょうか、スーツを着た方々が多く見受けられました。

会場のご紹介

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登壇者:岡島康憲氏(DMM.make AKIBA)

まずは今回のLTのスポンサー・DMM.make AKIBAの岡島氏から、会場の説明がありました。モノづくりの聖地・秋葉原の「DMM.make AKIBA」は秋葉原駅から徒歩2分の距離にあり、さまざまな機材を備えた「モノ作りの拠点」として多くの企業や個人メイカーに利用されています。

 
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DMM.make AKIBAは、ハードウェアスタートアップの現場としてだけでなく、創業間もないベンチャーと大手企業とのつながりを促すためのコミュニティスペースとしても機能しているとのこと。「Ctrl+Zはハードウェアの世界では効きませんが、それをサポートするのが我々です」と語ります。

開口一番から「皆様、今からハンコとクレジットカードをもってフロントにいき、ぜひ法人会員になってください!」とのことでした(笑)

イベント説明

登壇者:大川真史氏(三菱総合研究所

IoTLTに参加している方々の一部から「ビジネス(エンタープライズ)の世界でもIoTLTできないかな?」という声が多くあったそうで、大川氏が「EIoTLT」を提案し主催も務めています。

前回までの参加者アンケートでは、IoT事業を他社に提供する企業の社員がとても多く、他の社内での事例や「どのようにIoTを広げていったかというノウハウ」を聞きたいという回答が多くあがったそう。

今回は本家IoTLTと比べて、LT時間が1人10分と長めで、付箋に各LTの感想を書いて登壇者にフィードバックできるとのことでした。参加者には嬉しい仕組みですね。大川さんによる説明が終わると、本編のLTが始まりました!

LT その1. 説明書は「スマホをかざして見る」時代だ

登壇者:吉田健一氏(株式会社スタディスト

家電などを買うと必ずついてくる紙のマニュアル(説明書)、どんどん増えていって煩雑になってしまいますよね。そこで、「iBeacon」という近距離通信システムを機器に埋め込み、それにモバイル端末でタッチするとマニュアルが閲覧できるシステム「Teachme Biz」を開発したそうです。

すでに約900社に導入されていて、配信するマニュアルの内容も後から替えられるという優れもの。メーカー側にもユーザー側にもメリットを生み出すこのシステムは「伝えることを、もっと簡単に」という想いで作られたんだそうです。

 

この登壇のポイント
  • スマホをかざすだけで、その製品のマニュアルを見れるツールを開発
  • メーカーはマニュアルの作成と管理と配布がとても簡単に
  • ユーザーは大量の紙マニュアルを持たなくてよく、知りたい情報がすぐ見られる

LT その2. インテルとさくらインターネットがIoT事業を支援!

登壇者:坂口氏(さくらインターネット株式会社)&三津江敏之氏(インテル株式会社

さくらインターネットとインテルが、IoT事業のスタートアップ支援プログラムを始めます。さくらインターネットからは、現在αテスト中のあらゆるセンサデータが蓄積できるバックエンド基盤さくらのIoTプラットフォームが提供されるとのこと。データの中で特に有益なものは、売買の対象にして収益をあげる構想があるようです。

 

スカラシッププログラムも実施しており、開発スペースであるDMM.make AKIBAの提供から、材料費に至るまでもサポートしてくれるそう。インテルからは以下の3つが提供されます。

  • モノ:Intel EdisonやGroveの開発キットまで、プロトタイプが作れるハードウェア10セットを10チーム分も用意
  • 知識:インテル開発のビッグデータ解析プラットフォームが自由に使える
  • メンタリング:約2週間に一度、ビジネス面と技術面でのメンタリングを実施

IoTのビジネスモデルが成功するためには、アイデアと知識の両面で優れている必要があるとのことでした。また、投資プログラムもあり、スカラシッププログラムと同時並行に受けるのも可能なためスタートアップは来たれ!とのことでした。独創的なアイデア、もしくは突出した技術をもつ人材や企業を2016年5月16日まで募集しているそうです。くわしくはこちら
 

この登壇のポイント
  • さくらインターネットとインテルがIoT事業のスタートアップをあらゆる面で支援
  • 充実したバックエンドサービスも、専門機器のあるモノ作りスペースも使える
  • スカラシッププログラムでは開発用ハードウェアの提供から運営指導まで

LT その3. 企業内でIoTをやっていくにはとにかく広範な知識が必要

登壇者:冨山長彦氏(モーションコントロール株式会社

社内向け大規模システムを提供するモーションコントロール社。企業内でIoTをやっていくにはとにかく広い範囲の知識が必要ですが、同社が提供するのは幅広い支援。

大手の企業内部における環境構築からハードウェアの選定、ネットワーク設定、クラウドやインフラストラクチャの保守など書ききれないほどのサポートをおこなっているそうです。

 

この登壇のポイント
  • 企業内でIoTをやっていくにはとにかく広範な知識が必要
  • B2Cと違いデバイス群の規模の大きさやコストの制約などで導入は大変
  • モーションコントロールではいかなるレイヤにおける開発もオンデマンドで対応

LT その4. 業界最大規模のIoTイベントで世界と繋がろう

登壇者:岩口摩理子氏(SEMI

「半導体」の企業約1900社、総従業員数50万人を抱えている国際工業会「SEMI」。国内では2016年の冬に東京ビッグサイトで「SEMICON JAPAN」という業界最大級のイベントを開くそうです。海外のIoT事例を知ることができる「WORLD OF IoT」という企画もあるとのこと。

企業がこういったイベントに出展する場合、出展料として数十万円以上かかるのが通常。しかし、企画のひとつである「INNOVATION VILLAGE」では5万円で出展ができるという破格の設定となっています。宣伝したいぞ!こんな技術をもってるぞ!というスタートアップに是非とも出ていただきたいとのことでした。出展の登録はこちらからどうぞ。

この登壇のポイント
  • 「SEMI」はコンピュータ部品メーカーが参加する最大級の国際団体
  • SEMIのイベント「SEMICON」では一般の方から企業の専門の方まで最新の技術に触れることができる
  • スタートアップが独自のIoT技術を売り込むことのできる企画がある

LT その5. 健康で長く生るためには「健康状態の見える化」が必要

登壇者:木村岳氏(primesap株式会社

DMM.makeにオフィスを構えるprimesapの木村氏は、クライアントのひとつにタイ政府をもち、ASEANへの技術輸出をおこなっているのだそう。そんな木村氏が提供しているのは健康についての技術です。健康寿命を伸ばすためには「健康状態の見える化」が必要だといいます。

そのためのシステムデザインとして、「身体にセンサーをつけるならどこがいいのか?」「どのように解析して、どのような提案をすればよいのか?」といった、実際の問題に根ざしたソリューションを得ることを要としています。人間は尊厳を持って生きて、尊厳を持って死ぬべきだという思想のもと、メディカル・エンジニアリング・ビジネスの3分野をIoTで見事に融合させた事例でした。

一般販売はまだのようですが、primesapホームページのトップに簡単な紹介が載っています。

 

この登壇のポイント
  • 実際の寿命と健康寿命のギャップをセンサで可視化することにより解消したい
  • あらゆる生体情報をいかにして製品にまでもってこれるかを考える
  • 単純な見守りなどにも活用できるようなシステムデザインを目指している

LT その6. これからはイノベーションな場に踏み込める研究開発を

登壇者:柴田吉隆氏(株式会社日立製作所

これからのことを考え、研究一辺倒ではなく事業創出のための取り組みを始めたという柴田氏。ITは現代の社会インフラで最も重要なものといえるため、IoTでモノと社会のつながりをつくり、ビジネスになるようなモデルを考えたいとのこと。

そこで「オープンな場」での実践として、日立製作所の研究開発グループである「東京社会イノベーション協創センタ」でビジネスモデルを検討する手法 「NEXPERIENCE」 を開発しています。

また、国内では柏の葉キャンパスでの街づくりに参画したり、ホームドクターがクラウドを介して家族の健康管理をしてくれるような「ヘルスケアビジョン」を提供したりと幅広く活躍中。世界各地でも、このようなサービスの創出に力を入れていくそうです。詳しくはこちらからどうぞ。

 

この登壇のポイント
  • 「東京社会イノベーション協創センタ」で顧客協創に関するデザインを始めた
  • 今までは研究ばかりしていて事業へと到達することがなく、ビジネスにできなかった
  • 例えばIoTで家庭でのヘルスケアに特化したシステムの提供などにつなげたい

LT その7. IoTへどれぐらい投資すればいいかが見える「効果算定ツール」

登壇者:榊原風慧氏(経済産業省)

ラストを飾るのは経産省の榊原氏。経産省が発行している「ものづくり白書」では、近年「IoTに投資しても効果がわからないので、ビジネスにできない」という事案が問題になっています。IoTを活用する事業のユースケースから「投資効果の可視化」を目指しているといいます。

例として、自動車産業界の経済効果を算定するモデルをもとに、従来手法にIoTを組み合わせた新しいモデルを構築。その不具合発生や歩留まりの減少率を、価値向上額に換算する「IoT投資効果算定ツール」で評価したところ、単年で3兆円近くも利益があがるとの結果が出たそうです。

この「IoT投資効果算定ツール」を普及させてさまざまな企業やベンダーに使ってもらい、ビッグデータ化してあらゆる業種や規模によってIoT活用の効果を正確に測れるものにしたいということでした。

この「IoT投資効果算定ツール」を普及させてさまざまな企業やベンダーに使ってもらい、ビッグデータ化してあらゆる業種や規模によってIoT活用の効果を正確に測れるものにしたいということでした。

 

この登壇のポイント
  • IoTをやるにしても効果がわからないので投資ができない
  • そんなIoTへの投資効果がわかるようなツールを開発している
  • 実際に自動車産業界のモデルに適用すると単年で3兆円にも達する効果が見込まれる

熱気に包まれて終了しました

以上でLTは終了。懇親会では一般参加者と登壇者が活発に交流する場となり、とてもいい雰囲気でEIoTLT vol.3は終了しました。当日の様子はこちらにもまとめられているのでよろしければどうぞ。

次回のEIoTLT開催は未定ですが、企業向け内容でも通常のIoTLTでは登壇者を絶賛募集中です。今月は各地での開催予定があります。

お近くで開催のIoTLTがありましたら是非参加してみてくださいね!

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知能ロボット系の研究者を目指す大学生です。 DevRelでかけだしのメイカーとしてモノづくりを実践しています。 うこっけいがあまりに好きすぎてこの名前になりました。 個人でも細々とMake:的な活動をしていたり、ごく稀に音楽を作っていたりもします。 幼少期から春はニワトリを孵し、秋は田んぼで稲を刈っていました。 最近は夏の海に素潜りして魚を突き、冬の山で猟師をはじめつつあります。

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