どうも、外部ライターのほあし(@hoasissimo)です。
みなさんは、ギャグ漫画・ラブコメ漫画・異能バトル漫画のうち、どのジャンルが一番お好きですか?
どれも面白さの方向性がまったく違うので、人によってはあまり好みではないものもあると思います。しかし今回は、これら3つのジャンルを全部引っくるめたかのような面白さを持つ「一口で三度美味しい」漫画をご紹介します。
面白さの幅が広すぎる異色のコメディ『左門くんはサモナー』
週刊少年ジャンプで好評連載中、沼駿先生による“召喚術士コメディ”『左門くんはサモナー』。あらすじは以下のとおりです。
可憐な容貌と優しく無欲な性格から「天使すぎる少女」として評判で生粋の「良い人」な女子高生・天使ヶ原桜(てしがわら さくら)。クラスメイトとしてやってきたのは、「悪魔の召喚が趣味」という謎すぎる転校生・左門召介(さもん しょうすけ)。
高校生にもなって何をバカなと思いきや、彼はマジもんの召喚術士(サモナー)だった! 彼の好きな物は「悪魔に屈する欲深い人間の破滅」で、つまりは生粋の「善人嫌い」。無欲で「良い人」な天使ヶ原さんをアノ手コノ手で「欲」へ導き地獄へ堕とそうとする左門くんに対して、抗う術はあるのか……!? 強毒性召喚術士(サモナー)コメディ、開幕!!
こういうあらすじですから、基本的には、左門くんの悪魔召喚が巻き起こすトラブルに天使ヶ原さんや周囲の友人たちが巻き込まれるのを見て楽しむ“ドタバタコメディ”といった感じとなります。
そのトラブルの内容も「眠りを誘う悪魔の力で天使ヶ原さんを二度寝させて学校に遅刻させる」という実にみみっちいものから、「身勝手な理由での召喚を繰り返す左門くんを恨む悪魔たちの戦いに天使ヶ原さんが巻き込まれる」というなかなか物騒なものまで様々ですが、最終的には笑って済ませられるくらいのオチがついて騒動は終わります。
「なんだ、結局ただのコメディ漫画じゃん」と思ったアナタ、侮るなかれ。この漫画の魅力はそこだけではないのです。
本作の魅力・キャラクター造型の異色さ
この漫画の「異色」たる理由は、ストーリーラインの奇抜さだけでなく、ほとんど飛び道具的と言っていいほどに強烈な個性を持つキャラクター造型にあります。それによって生まれるキャラ描写や人間関係の妙味・召喚バトルの説得力こそが、この漫画の面白さになっているんです。
本作に登場する大半のキャラクターには、何らかのモチーフや元ネタになるものが存在しています。
たとえばヒロインである天使ヶ原さんは文字通り「天使」がモチーフですし、タイトルロールである左門くんは「悪魔のような性格の召喚術士」そのものです。
左門くんの周りに登場する悪魔たちも同様で、さまざまな神話や魔術的伝説に語られる悪魔(ときには神様まで)が沼先生による凄まじいデフォルメを経て登場します。
そこで次回からは、主要キャラクターの設定や性格などから見えてくる本作の面白さについて、詳しくご紹介していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(そして個人的には、天使っぽい女の子よりは小悪魔っぽい女の子のほうが好きです。)