こんにちは、デザイナーの佐藤タカアキ(@sato_tkaaki)です。
先日、WACULの佐藤昭博さん/榎本 順彦さん、AID-DCCの有吉学さんとともに「HELLO!WEB!TOKYO vol.02」を開催しましたので、そのイベントレポートを書かせていただきます。
「HELLO!WEB!TOKYO」とは?
HELLO!WEB!TOKYOとは、Webデザインに関わるすべての人を対象とした、情報交換や出会いの場所をつくりデザインを追求していくコミュニティです。同志が集まることによって、モチベーションが上がったり、現役のデザイナー仲間を増やすことを目的にイベントを主催しています。今後も勉強会やワークショップを2ヶ月に1回のペースで開催する予定です。
2回目の開催となった今回は、「ゼロから始めるWebデザイン」をテーマにLT&パネルディスカッションを行い、親睦会では現役のデザイナーと様々な情報交換ができる場となりました。
LTやパネルディスカッションの様子を、実際に使用された資料と合わせてご紹介します。
登壇者LT
デザイナーになりたいと思って勉強に励んでいる方も、すでに現役バリバリのデザイナーの方も、昔はデザインの「デ」の字もわからない初心者だったはずです。
今回はデザイナーとして第一線で活躍している3名に登壇していただき、これからデザイナーになりたいと思っている方に向けて「なぜデザイナーを目指したのか」「デザイナーとしての取り組み」などをお話していただきました。
現役デザイナーの方にも役立つ内容になっておりますので、ぜひ読んでいただければと思います!
とにかく作品を作って数を増やすことが大切/Luiz Marcolio
Luiz Marcorio/福本 ルイス(nousite) 1989年 広島県生まれ。ブラジル人。日本人にはない独自の感性を武器に、Webデザイナーとして活躍中。個人の活動では、ライブペイント、自身のアート作品の個展を開催するなど、アーティストとしても積極的に活動している。 |
トップバッターはルイスさん。現在クライアントワークでアプリデザインやコーポレートサイトのデザインをメインに行っています。他の職種(ディレクター、エンジニア)との仕事の流れや、デザイナーをやってきて良かったことについてのお話でした。現役デザイナーやデザイナーに興味のある方が集まった会場で、デザイナーの魅力をわかりやすく話してくださいました。
下北沢等でコラージュアートの展示会やアートワークも開催されていますので、みなさんもぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
みんな壁にぶつかってる。努力すればいいことあります。/Ryo Fujita
藤田 遼/Ryo Fujita(LIG) 1983年 長崎県生まれ。2013年よりLIGに入社し、Webデザイナーとして主にコーポレートサイトのリニューアルやキャンペーンサイトのデザイン業務に従事している。 |
デザイナーになるために専門学校に通ってPhotoshopやIllustratorの使い方とHTMLとCSSを習得したという弊社デザイナーの藤田。専門学校を卒業しても最初はどこの制作会社も雇ってくれなかった経験を踏まえて、これからデザイナーになろうとしている方に向けたポートフォリオに関するアドバイスを中心としたお話でした。
デザインと聞くと、感性やセンスで作り上げられるように思われてたりしがちです。かつての自分もそう思っていた時期がありました。しかし、最初からスキルが長けてる人なんていない、だから努力をし続けることが大切とのこと。
デザイナーとして企業で働きたいと強く思っている、作品もたくさん持っている、それでもなかなか就職ができないという方には、目からウロコのお話だったのではないでしょうか。
デザインに表現の可能性を感じた/Daisuke Yamahata
山幡 大祐/Daisuke Yamahata(Cyber Agent) 1989年 千葉県生まれ。多摩美術大学 情報デザイン学科卒業。2012年よりサイバーエージェントに入社し、プロダクトマネージャー兼デザイナーとして、数々のアプリのデザインを担当している。 |
現在、サイバーエージェント社で755のプロダクトマネージャーをしている山幡さん。デザインに興味を持ち始めた人生のターニングポイントや、デザイナーとして自分のこだわりを人に伝える方法の一つとして肩書きにこだわるべきというお話をいただきました。
あなたは自分の職業の肩書きにこだわりを持っていますか? 僕自身、肩書きは結構気にするタイプではありますが、山幡さんのように働き方や働きたい枠に合わせて、ロジックを立てて肩書を作るということまで深く考えたことはありませんでした。「肩書を与えられるのではなく自ら作り出す」という考え方は大変勉強になりました。
パネルディスカッション
1日の流れを教えてください。
ルイス:起きてからまずコーヒーを作る(笑) で、それを水筒に入れて会社に持って行きます。会社に到着したら、10時30分にメールチェックをして、そこからが1日のスタートです。外出予定がなければひたすら作ってますね。
藤田:僕も同じですね。朝起きて会社に向かって、着いたらメールを見たりします。基本的に午前中は情報収集をする時間にしていますね。午後は作ってることが多いですが、だいたい19時前後に一番スイッチが入ります(笑) 裁量を認めてくれる会社なので、集中力のあるときに詰め込んでます。
山幡:僕は以前、Googleの方が書かれてた記事で午前中に頭を使うべきっていうのに感銘を受けて、午前中にワークをするようにしています。午後はMTGが入ってしまうことが多いので時間がなくなってしまうんですけどね(笑)
情報収集をされる際に、見る参考サイトは決まってますか?
ルイス:海外のギャラリーサイトを検索してその中からピックアップをしていて、毎朝会社に到着したら開いて確認しています。更新がされていないサイトは随時削除して、更新頻度が高いサイトは毎日見ています。流行りは変わっていくので、常にチェックしています。
藤田:毎日見ているサイトはI/O 3000やMUUUUU.ORG、straightlineなど7〜8個あります。海外のアワード系のメディアも毎日見ていますね。良いものがあれば、キャプチャをとってローカルにストックしています。
山幡:普段はPttrnsとdribbbleとPinterestを見ています。ただ今年に入ってからはしばらくロゴを作成していたので、あえて見ていなかったですね(笑) マメなことができない人間なので、ストックせずに見て覚えています。基本的には、そのとき悩んでいるものを都度調べたり、見つけたその場で使えるものは使ってみたりしています。
「デザイナーを辞めたいなあ」と思ったことはありますか?
ルイス:最初に入った会社がグラフィックデザインの専門会社で、同期の女の子が毎日泣き出すようなところだったので「この世界ではやっていけないかもな……」って思ったことはありましたね。最初の頃は心配してその女の子にコーヒーを渡したりしてました(笑)
藤田:辞めたいと思ったことはないですね。でも、この案件から抜けたいな……って思うことは多々ありました(笑) でも、そんなときもどうしようもないからやるしかないんですよね。僕たちがお客様の意図を上手くキャッチアップできていないことが原因だったりもするので、ちゃんと解決する方法を考えます。
山幡:デザインを辞めたいと思ったことは一度もありません。ただ年齢を重ねていくと上の立場になっていくわけなので、管理職になったときにポジション的に「デザイナーとして自分の手は動かせなくなっちゃうのかな?」って考えたことはありました。でもこれからも、現場から離れないで自分の手を動かすことは辞めたくないですね。なので「プロダクトマネージャー兼デザイナー」です。
楽しい時はどんな時ですか?
ルイス:0から作り出すときが楽しいです。良いサイトを見て、なにが良いのかを研究して、自分なりに表現するのが一番楽しいですね。僕がデザインを手掛けるときは、打ち合わせから一緒に同行する場合もあれば、ディレクターやADが作成したワイヤーからデザインに落とし込んでいくパターンもありますけど、どちらも楽しいですよ。
藤田:基本的にはずっと楽しいです。やり始めも楽しいし、ブラッシュアップ期間もやりがいがあるし。その中でもフロントエンドが作ってくれたのを見て、実際に動き始めた時が一番テンション上がっちゃいますね。
山幡:僕も実際に動いたときが楽しいですね。僕の場合、インタラクションの指示を紙芝居みたいな形で出すんですが、それが実際に動いたときは魔法使いになったみたいで楽しいです(笑) うちは完全に内製でやっているので、意図しない動きになったときは5分ずつ持ってきてもらったりして、近いアプリを伝えてエンジニアに動きを作ってもらいます。スケッチファイルをしっかり作っているので、ドキュメントでの管理はしていません。エンジニアに提出するときは、あえてテキストを残さず、目に見えるものはすべて、絵(図)にしています。
みなさんに、デザインの師匠はいますか?
ルイス:大学のゼミの先生です。グラフィックの文字組みに対してすごく厳しかったです。学生の時ってもっとお洒落な文字組みにしたいと思ってたんですが、そこをずっとダメ出しされ続け、OKをもらうために頑張りました。そのおかげで就職できたので、当時は大変だったけど感謝してます。
藤田:以前、LIGにいた方ですかね。その方もすごく細かい部分まで見てくれる厳しい人で、早くこの人の指示をなくても動けるようになりたいって思って頑張りました。
山幡:上司の佐藤洋介さん。デザインだけでなく、表現をどうするかを学びました。伝え方やコミニュケーションがすごく上手いんです。例えば、プロジェクト中にデザイナーやエンジニアに急なお願いをするとき、言い方1つでやってもらえるかNGかが変わってくるんですよね。だから、僕も佐藤さんの言い方を真似して伝えたりしています。デザインに関しては、答えを持ってはいるのに一切答えをくれない方で、最上級の褒め言葉は「いいね」でした。その時は僕は心の中でガッツポーズしてましたね(笑)
なぜ、今の会社に入ったんですか?
ルイス:ブラジルから日本に上京して就職活動をしたときは8社くらい受けました。今の会社を選んだ理由は、自分の将来と重ねて「この会社だったら自分が好きなことができるんじゃないかな」と思ったからですね。大きいクライアントワークの案件がやりたかったから、というのも大きな理由です。
藤田:そもそも選択肢として受託を行っている会社と決めていて、その中でそのとき勢いがあったLIGなら長く勤めれそうだなと思ったのでLIGにしました。
山幡:僕は絶対に内製が良いと思っていたので、自分たちでサービスをつくる面白さに魅力を感じてCyberAgentに決めました。
将来「もっとこういうことしたい」ということはありますか?
ルイス:今の会社でも個人でも良いですが、どこかにスペースを作ってワークショップを開きたいです。そこで子ども達向けにコラージュショップをやりたいと思っています。「絵を描いて遊ぶ」という遊び方を広めたいですね。
藤田:デザインスキルを突き詰めたらそこから見える景色は変わると思っているので、まずそれができてから考えます。
山幡:僕は、スマホをハードから作りたいという大きな目標があります。また、未だかつて日本から世界に出ていったSNSがないので、755を海外に出していきたいですね!
まとめ
今回のイベントを開催するにあたり、協力してくださった司会、運営の方々、並びに会場に足を運んでくださった参加者のみなさまお疲れ様でした。そしてありがとうございました。また、イベント会場を提供してくださったdots.のみなさまもありがとうございました。素晴らしい会場でした。
今後も「Hello!Web!Tokyo!」は2ヶ月に1回のペースで開催していきますので、参加はもちろん、企画や運営面でも興味をもってくださいましたら、こちらまでお気軽にご連絡ください!
それでは、また2ヶ月後にお会いしましょう。
LIGはWebサイト制作を支援しています。ご興味のある方は事業ぺージをぜひご覧ください。