ゴリラ研究の第一人者である京都大学大学院理学研究科の山極寿一(やまぎわ じゅいち)教授は、著書『オトコの進化論 ――男らしさの起源を求めて』で以下のように語っている。
オトコの進化論 ――男らしさの起源を求めて (ちくま新書)
- 著者山極寿一
- 出版日2003/08/10
- 商品ランキング16,852位
- Kindle版165ページ
- 出版社筑摩書房
ゴリラは顔でコミュニケーションを取る
一般的にサル社会では、顔の見つめ合いは威嚇に該当するとされているが、ゴリラは逆に見つめ合うことで相手の機嫌を確認するという。
ゴリラの視線には、我々人間には理解できないディテールによって多種多用の意味が込められ「意思表示」になるとのこと。非言語的なコミュニケーションが成立しているのだ。
ゴリラ界は弱者がイニシアチブを握る
ゴリラは顔の見つめ合いによってコミュニケーションを取るというが、これはゴリラ社会において”弱者の救済”として機能している。
- 顔の見つめ合いによって弱者が意思を主張
- それを強者が読み取る
のである。
ゴリラ社会は、強者が揉め事を仲裁するのではなく、弱者のそれで解決をみるのだ。
強者が放つ「鶴の一声」は、確かにいさかいを終結できるだろう。だがそれは、単なる強制に他ならず関係者の心には不満が残すのは必然だ。そこで、弱い者が間に入るによって、自発的に和解に導く。
これはかなり高度なマネジメントであり、人間では決してマネすることはできないだろう。
ゴリラ界は、弱者がイニシアチブを握る。
強者と弱者の格差が拡がり続ける、人間界に明日はあるのだろうか。
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