1987年9月12日、僕が生まれた。

1987年9月12日、僕が生まれた。

菊池良

菊池良

1987年9月12日に何が起こったのか

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僕の名前は菊池良。株式会社LIGでライターをやっている。

僕は1987年9月12日に生まれた。

 

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僕は生まれてから一度も1987年9月12日に興味をもったことがない。

 

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僕は1987年9月12日について何も知らない。考えたこともない。

ただの日にちだ。そこにいったい何があるというのか。

そんなことより「今」が大事だ。「なう」。それが僕らの合言葉。

 

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だけど、中年が近づくにつれて、僕は自分のルーツを知りたくなった。

 

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国会図書館に行った。1987年9月12日の新聞をコピーして、その頃何が起きていたのかを調べてみようと思う。

登校拒否が約3万人いた

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1987年9月12日。

 

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土曜日だった。天気は曇で、場所によっては小雨が降っていたという。

 

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いじめ減る 小中生の登校拒否は最高に

一面にあるのはいじめは減ったが登校拒否が増えたという記事。全国の小中高を調査したところ、一年間に起きたいじめの件数は5万件で、これは前年の3分の1になるとのこと。一方、登校拒否は中学生に限っても約3万人で、過去最高だそうだ。

僕は中学生のころに登校拒否をしていたので、これが1面に来るのは運命的なものを感じる。

糖尿病治療に道ができていた

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遺伝子活性化で糖尿病治療に道 ラット実験で成功

3面には新しい糖尿病の治療方法が見つかるかもしれないと記事にしている。

東北大学がインシュリンの生産を活性化させる遺伝子(REG遺伝子)を見つけたと発表し、糖尿病を治療できることがラットで確認したという。ただし、人間にも効果があるかはまだわからないとのこと。

この研究は現在どうなっているのか調べると、今でもいろんな大学で研究されていて、REG遺伝子に関しては助成金が出ている。

 

科学研究費助成事業データベース – 「REG」の検索結果

https://kaken.nii.ac.jp/p?q4=REG
※現在このページは表示できません。

 

ただ、どうやら糖尿病治療の特効薬とはなっていないようだ。

 

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この新聞の広告で一番大きく名前の出ていた書籍がトム・クランシーの『レッド・ストーム作戦発動』。

トム・クランシーはアメリカの小説家で、デビュー作の『レッド・オクトーバーを追え!』を映画化されるほどのベストセラーに。『レッド・ストーム作戦発動』は人気作家となった彼の2作目だ。

 

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せっかくだから買ってみた。

ソビエトの油田がテロによって破壊され、石油の確保のためにアメリカと衝突するというもの。上下巻あわせて1600ページあってとても読み応えがある。

 

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ちなみに雑誌広告では『メンズクラブ』が出ている。特集は「BACK TO CAMPUS」。生まれる前から世間はキャンパスにバックしていたのかと思うと不思議な気持ちになる。

 

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せっかくから買ってみた。

 

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プリンストン大学のカッコいい大学生が紹介されていた。アメリカの新学期の時期に合わせた特集のようだ。

 

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映画『アンタッチャブル』が最新作として扱われているのが興味深い。

首都の移転が議論されていた

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再燃した遷都議論 過密化進行で必要論高まる 地価対策の「隠れみの」説も

この頃は首都機能の移転も議論されていたようだ。

東京への一極集中を緩和するため、首都の移転を考慮しているとのこと。

元々、池田勇人内閣が1964年にプロジェクト・チームを作ってまで検討されていて、1987年に再び話題にのぼってきた。

しかし、2015年の今も首都移転はされていない。

土地代が高騰していた

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声 地価の高騰で人住めぬ街に

東京の土地代も問題視されている。

5面の読者の声を載せるコーナーでは、72歳の方の「地価の高騰で人住めぬ街に」というタイトルの投書が載せられている。

 

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相続税に食われる田園調布 土地手放し次々転居

27面でも田園調布の土地代が高騰し、億を超える相続税を払えずに住民が次々と土地を手放しているという話がニュースになっている。「地価狂乱・東京」と形容され、一年で地価が倍になっているケースもあるのだとか。

今はバブルといえばただ景気がよかったと思われがちだが、進行中のころはこういったことも起きていたのかとわかる。

タモリが喋っていた

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1987年9月12日はラジオから何が流れていたんだろうか。

 

2.00 タモリで失敬!(TBSラジオ)

タモリが失敬していたらしい。どんな失敬だったんだろう。それはもうわからない。

電話番号らしきものが書かれているがこれに電話するとどうなるのか。

 

10.00 吉川晃司サングラス ゲスト・池田政典(ニッポン放送)

1987年9月12日、吉川晃司はサングラスをかけて池田政典と喋っていた。

ちなみに池田政典は・・・。

 

10.30 ハロー・ヤングラブ 西村知美 池田政典(ラジオ日本)

こっちにも出ている。売れっ子だ。

 

11.00 さだまさしのヤング「高知から生放送」

ちなみに1987年9月12日、さだまさしは高知にいた。

プロの歌人になる人が投稿していた

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19面の朝日歌壇には「大口玲子」さんの短歌が2首選ばれている。

模擬試験終え駅に向かう夕暮はそれぞれの進路道にひしめく

それぞれの進路があれど受験生一つの言葉で束ねられおり


歌集 トリサンナイタ

プロになっていた。Wikipediaによると高校生のときに短歌を作り始めて、1988年には高校生歌人として雑誌で特集されていたという。

ミスターブーが動いていた

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1987年9月12日のゴールデンタイムは何がやっていたんだろうか。

 

『Mr.Boo!ミスター・ブー』だった。マイケル・ホイとサミュエル・ホイが主演の大ヒットコメディ映画。吹き替えは広川太一郎とビートたけし。

 

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ちなみに1987年9月12日の映画館では、『ゆきゆきて神軍』が上映されていた。話題独占していたそうだ。

 

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『Mr.Boo!ミスター・ブー』を買ってみた。

カンフーは強いけれど無職のキット(サミュエル・ホイ)が、探偵事務所をやっている所長(マイケル・ホイ)に押しかけて雇ってもらい、2人で事件を解決していくという探偵もの。

キットの吹き替えをビートたけしがやっているのだけど、顔がビートたけしにそっくりでビックリ。それが起用の理由か。オープニングテーマの歌詞が「俺たちは貧しい労働者 金のために働く奴隷」なのもすごい。

僕が生まれた瞬間、みんなミスター・ブーを見ていたんだなぁ。

登戸に行ってきた

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13面にマンションの広告が載っている。ちょうどこの頃できたマンションで、9月16日から登録受付を開始している。
このマンションは、僕と同い年ってことだ。

 

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というわけで、行ってみた。

 

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近くに藤子・F・不二雄ミュージアムがあった。そういえば親子連れが多い。

 

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1987年9月12日の地図に載っていたこがねストアはもう閉店していた。建物だけが残っている。

 

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地図を頼りに歩いていった。

 

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僕と同い年のマンションはいったいどんな姿をしているんだろう。

 

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そもそもまだあるんだろうか?

 

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あった。

 

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このマンションと僕は28歳。同じ時代を生きてきたはずだ。

 

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同じものを見て、同じものを聞いて、同じものを食べて・・・。

 

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僕と彼(マンション)は言葉を交わさなくてもお互いのことがすべてわかった。

それが同い年ってやつだ。同じ環境を生き抜いてきた戦友だから。

 

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ハッピーバースデー。

すべての1987年9月12日生まれに。

 

 

 

 

 

 

いや。

 

 

 

 

 

 

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この地に生まれた、すべての人々に。

ハッピーバースデー。

 

(おわり)

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