文章力をあげる5つのポイント!現役編集者による実践添削例つき


文章力をあげる5つのポイント!現役編集者による実践添削例つき

はじめまして。エディターのさえりです。
想像力が逞しく、日々想像の世界へ逃避していますが、現実との境目はちゃんとあるタイプです。今後とも何卒よろしくお願いします。

さて、わたしは外部メディアを運営するLIGMOというチームに所属しています。LIGMOは、外部のクライアントから依頼を受けた後、クライアントの要望に合った記事を企画し、ライターに案件を発注、あがってきた原稿を編集し、公開する……などのメディア運営の一連の作業を請け負っています。

文章の編集をする中で、わたし自身「自分の文章力をもっとあげたい」と思う機会がよくあります。文章のプロではない限り、誰でも一度は日本語の難しさを感じたことがあるのではないでしょうか?

そこで今回は、わたしと同じように「今よりも文章力をあげたい人」に向けて、「文章を、少しだけクオリティアップさせるポイント〜基礎編〜」をご紹介します。
かなりの基礎編なので、文章が大得意だという方には物足りないかもしれません。そういう方はすっとばして、他の記事を読んでくださいね。

良い文章とは、わかりやすい文章である

そもそも良い文章とは何でしょうか。
(詩的な文章や感情に訴えかけるような文章が“良い”とされることも多々ありますが、今回はあくまでも「商業的な文章」「Web向きの文章」という括りの中でお話させてください。)
良い文章とは、わかりやすい文章であること。つまり読み手に誤解させないことであり、一瞬たりとも「ん?」と思わせない配慮のようなものだと私は思います。

わかりやすい文章にするために、最低限チェックしておきたいポイントを以下の5つに絞ってみました。

  1. アウトラインを先に作る
  2. 主語・述語のねじれはないか?
  3. 修飾語と被修飾語は近くにおいてあるか?
  4. 同じ言葉を繰り返していないか?
  5. 接続詞を入れすぎていないか?

わたしもまだまだ勉強中の身です。何かお気づきの点などございましたら、どしどしびしびしご指摘いただけますと幸いです。

アウトラインを先に作る

ライティングの基礎かと思いますが、わたしのように面倒臭がりの人に多いのが、「文章がうまくならない〜」と嘆いているくせに「アウトラインをイメージせずに、頭から書き始めている」こと。

アウトラインとは、つまり目次・文章の構成のこと。
日常会話では、伝えたいことは思いついたそばから話し始めていますよね。この行動は男性をうんざりさせることがよくあると聞きますが、文章もそれだと男性だけでなく全読者がうんざりしてしまいます。
また、書いているうちにノッてくる「ナチュラルハイ状態」も、アウトラインを定めていないと最初に言いたかったことと最後の締めが随分ズレてしまい、何が言いたいのかわかりにくい文章になりがちです。

それらを回避するためにも、最初に記事全体で伝えたいことをイメージし、大枠(アウトライン)を作りましょう。
見出しの数と仮タイトル、各見出しで伝えたいことを箇条書きにする程度で構いません。そこに肉付けする意識で文章を書き始めてください。

例えば、今回のブログで作ったアウトラインは以下の通りです。

タイトル
導入1(自己紹介)
導入2(記事を書くキッカケ)
見出し1 (良い文章とは?)
見出し2(アウトラインを作る)
見出し3(主語・述語について)
見出し4(修飾語・被修飾語)
見出し5(同じ言葉を入れすぎない)
見出し6(接続詞を入れすぎない)
まとめ(実践編)
まとめ(締めの文章)

アウトラインを決めるのは最初の準備段階です。
仕上がった文章を、以下のポイントを中心に見直してください。

主語・述語のねじれはないか?

主語・述語を意識して校正するだけで、文章のレベルがグッと引き上がります。まずは以下の文章をごらんください。 (※ライター初心者:野田クラクションべべーの原稿の一部を抜粋)

このカクテルのイメージは、レゲエのようなイメージで作ったそうです

はい、最悪ですね。どこが最悪なのか見てみましょう。

このカクテルの【イメージは(主語)】、レゲエのようなイメージで【作ったそうです(述語)】

ちょっとイライラしているときなら「短時間に、『イメージ』『イメージ』って、パリかどこかの気取った画伯か!」と突っ込みたくなりますが、こちらは「4. 同じ言葉を繰り返していないか?」の部分でお話しますので、短気な方も少々お待ちを。

この文章の主語と述語をつなげてみると、「イメージは作ったそうです」。
……変ですね。この主語・述語が呼応していない状態を「ねじれている」といいます。

主語と述語を呼応する形に修正しましょう。述語である「作ったそうです」を活かす文章にするならば、

店主はこのカクテルを、レゲエのイメージで作ったそうです

とすると良いでしょう。
ただ、この文章で伝えたいことは「カクテルがどのようなイメージで作られたのか?」です。「店主」は主語に持ってくるほど重要なものではないため、以下のように修正するとよりわかりやすい文章になるかと思います。

このカクテルは、レゲエのイメージで作られています。

文章の中で伝えたいポイントは何か?を念頭に置いておけば、より良い修正が出来るはずです。

まずは 主語と述語がねじれていないかを確認する(省略してある場合は、必ず仮で立ててみる)だけで、文章のレベルがグンとアップします。
また、文章は長くなれば長くなるほどねじれやすくなります。できるだけ短く区切る癖をつけると良いでしょう。

修飾語と被修飾語は近くにおいてあるか?

修飾語とは「ある言葉を詳しく説明する言葉」であり、被修飾語とは「修飾語によって説明される言葉」のことです。
「修飾語? 被修飾語? もうやだ日本語嫌い」となってしまう方のために、わかりやすい例でご説明します。

修飾語は「いつ、なにが、どのように、どこで」に当たる言葉です。

黄色いワンピースを着た、俺好みの綺麗なお姉さん

「黄色いワンピースを着た」「俺好みの」「綺麗な」は「お姉さん」を詳しく説明した言葉です。これらが修飾語であり、「お姉さん」が被修飾語です。

以下の例文を見てみましょう。

残念ながら、黄色いワンピースを着た、俺好みの綺麗なお姉さんにデートを断られた。

別におかしくないのでは?と感じた人も多いでしょう。でも、 以下のように修正にするとどうでしょうか。

黄色いワンピースを着た、俺好みの綺麗なお姉さんに、残念ながらデートを断られた。

修飾語は「残念ながら」、被修飾語は「断られた」です。この文章では「残念ながら」は「断られた」にかかっていることは一目瞭然ですが、修正後は文章の意味がわかりやすくなりましたね。

修飾語・被修飾語は離れていると「わかりにくい」だけでなく、位置によっては誤解を与えてしまうこともあるのです。
以下の文を見てください。

世界一やさしいさえりさんの文章講座

これでは「世界一やさしい」のが「さえりさん」なのか「文章講座」なのかがわかりません。もちろんさえりさんもやさしいのですが、「そうか、さえりさんは世界一やさしいのか」と思われてしまっては色々困ります。

さえりさんの世界一やさしい文章講座

と修正しましょう。この文の修飾語は「世界一やさしい」。被修飾語は、「さえりさん」ではなく「文章講座」です。

口頭で話すときにはほとんど意識しない点ですが、どの言葉がどの言葉にかかっているのかに注目しながら文章を整理し、「修飾語・被修飾語を近づける」意識をするだけで、「できるなこいつ」と思ってもらえる文章になりますよ。

同じ言葉を繰り返していないか?

「1. 主語・述語はねじれていないか?」で紹介した原稿の一部は、「イメージ、イメージって気取った画伯かよ!」と突っ込みたくなるような文章でしたが、さらに上をいくくどい文章を見てみましょう。 ちなみにこちらも野田クラクションベベーからあがってきた原稿から抜粋しました。

お店の自慢のお酒はたくさん種類のあるラム酒です。その中でもお酒の弱い人でも飲みやすいバテル(680円)はお店の大人気のお酒です。このラム酒は、中にハチミツが入っていてスッキリとした甘さが特徴的なお酒です。

たった100字の文章にもかかわらず、「ラム酒」という言葉が2回、そして「お酒」が4回もでてきます。「お酒、お酒」とうるさいですね。 この文章を主語と述語に注目し、また修飾語・被修飾語にも注目して入れ替えてみましょう。

お店の自慢は、種類の多いラム酒です。その中でも、お酒の弱い人でも飲みやすいバテル(680円)は、ハチミツのスッキリとした甘さが特徴の大人気商品です。

いかがでしょうか?
「ラム酒」も「お酒」もたった1回の表記で済んでしまいました。 同じ言葉は、強調したいときには用いると効果がでますが、短い文章の間に何度もでてきてしまうとリズムの悪い印象を与えてしまいます。

できるだけ同じ言葉を使わないで済むように修正すれば、スマートな印象を与えることができます。

接続詞を入れすぎていないか?

オマケ的な要素ですが、文章を論理的に見せようとするあまりに接続詞を多く入れてしまうケースもよくみられます。
接続詞は入れすぎると硬い印象になり、まどろっこしい印象を与えてしまいます。例えば有名なこのセリフに、接続詞をいれてみましょう。

生きろ。なぜならそなたは美しいからだ。

ああもうばか!台無し!台無し!と叫びたくなりますね。

生きろ。そなたは美しい。

接続詞がなくとも、私たちの頭はきちんと認識できるのです。接続詞を省いても成り立つような文章の場合は、接続詞を省くだけでエレガントでテンポのよい文章に早変わりです。

実践してみましょう

これまでのポイントを踏まえて、実際の文章を修正してみましょう。もう一度、野田クラクションベベーの原稿から抜粋を。

東久条さんは、なんと悪童処(悪ガキサロン)を経営して50年以上経つそうなのですが、今も昔も駄菓子の値段を変えていないそうです。その理由として、ふらっと来てくれた人が「安い!」と反応するのが嬉しいそうです。

この文章を

  1. 主語述語のねじれはないか?
  2. 修飾語・被修飾語は近くに置いてあるか?
  3. 同じ言葉を繰り返していないか?
  4. 接続詞を入れすぎていないか?

の手順でチェックします。

1. 主語・述語のねじれはないか?

その理由として、ふらっと来てくれた人が「安い!」と反応するのが嬉しいそうです。

主語と述語がどこにあるのかがわからない文章です。イケてないですね。述語(嬉しいそうです)を活かした文章にするならば、

その理由は、ふらっと来てくれた人が「安い!」と反応するのが嬉しいからだそうです。

に修正すると良いでしょう。

2. 修飾語・被修飾語は近くに置いてあるか?

東久条さんは、なんと悪童処(悪ガキサロン)を経営して50年以上経つそうなのですが、

修飾語(なんと)は、被修飾語(50年以上)にかかっているはずです。近づけてみましょう。

東九条さんは、悪童処(悪ガキサロン)を経営してなんと50年以上経つそうなのですが、

何に「なんと!」と驚いているのかがわかりやすくなりましたね。

3. 同じ言葉を繰り返していないか?
4. 接続詞を入れすぎていないか?

東久条さんは、なんと悪童処(悪ガキサロン)を経営して50年以上経つそうなのですが、今も昔も駄菓子の値段を変えていないそうです。その理由として、ふらっと来てくれた人が「安い!」と反応するのが嬉しいそうです。

「〜そうです」が無駄に多いため、省いてしまいましょう。また、接続的に使われている「その理由として」も省いてもいいかもしれません。

東九条さんは、悪童処(悪ガキサロン)を経営してなんと50年以上も経つのですが、ふらっと来てくれた人が「安い!」と反応してくれるのが嬉しいと、駄菓子の値段を昔から変えていないそうです。

これで野田クラクションベベーが書いたとは思えないほど、スッキリスマートでエレガントな、テンポの良い文章になりましたね!

まとめ

いかがでしたか?
文章のクオリティをあげるためには、語彙やテクニックよりも文章の基礎を丁寧に見直すことが大切です。基礎さえしっかりしていれば、そう悪い文章だと判断されることはないはずですよ。

「彼、すごく面白いんだけど……文章がダサいのよね……」と言われてしまわないように、ぜひ意識してみてくださいね! それでは!

 

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この記事を書いた人

さえり
さえり 外部ライター 東京 2015年入社
編集者のさえりです。寝ている時以外は、いつも眠い女です。
雨の音と、他人の妊娠ブログと、あとはちょっぴりシュールなものたちが好きです。