ビジネスメールの最低限知っておくべきマナー・書き方【基本編】

ビジネスメールの最低限知っておくべきマナー・書き方【基本編】

LIGブログ編集部

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こんにちは、LIGブログ編集部です。こちらは、「社会人としてのビジネスマナーの基本をもう一度見直したい」と思っている人に向けての全5回のシリーズ記事です。

さて、ビジネスシーンにおいて、今や最も主要な連絡ツールの1つといえるのが「メール」です。

いつでもどこでも用件の送受信・確認ができるなど利点が多い反面、顔の見えないコミュニケーションだけに、相手に思わぬ誤解をあたえてしまうリスクも伴います。

特に若手社員は“プライベートでもメールは書き慣れているから大丈夫”という油断からか、本人に自覚のないまま失礼な内容を送ってしまっていることも珍しくありません。

ビジネスメールの注意点については、合わせて敬語でビジネスメールを書こう!気をつけるべき4つのステップもご覧ください。

本来はビジネスを円滑に進めるために用いられているはずのメールでのやり取りが、逆に効率性を落としてしまったという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。ビジネスメールが当たり前のように使われている現在だからこそ、マナーをしっかりと守り、仕事を円滑に進められるようなメールのやり取りを心掛けないといけません。

そこで本日は、毎日たくさんのメールを書きつつも、きちんとした書き方について学んだことがなかったというビジネスパーソンに向け、メールに関する基本的なビジネスマナーを紹介したいと思います。



まずは連絡手段はメールが最適なのか検討する

@のついたメールのアイコン画像

メールは確かに便利ですが、いつも最適な手段というわけではありません。たとえば、今すぐ相手に確認を取りたい場合やお詫びをしたい場合などは、対面や電話のほうがいいはずです。さまざまな場面を考慮しながら、ビジネスにおいて常に最適なコミュニケーションを選択できるようにしましょう。

急ぎの用件には使わない

メールは相手が不在でも一方的に送ることができます。しかし、送信したものを相手がすぐに読んでくれるとは限りません。緊急の用件のときには、電話を使うのが基本です。

重要な件では電話確認も入れる

送信経路で何らかのトラブルがあり、メールが不達になってしまう場合もあります。内容が重要なときは電話で「これからメールをお送りします」「今メールを送りました」と一報を入れるのがよいでしょう。

複雑な件はメールと電話を併用する

長文のメールは読みにくく、ニュアンスも伝わりにくくなってしまいます。複雑な用件の場合は、メールと電話を併用するなどの工夫をしましょう。

ビジネスメールでは「読む相手のこと」を一番に考える

パソコンを使用するビジネスマンの写真

メールの送信先となる相手は、忙しい中で時間を割き、あなたのメールを読んでくれているのです。その文面を読みやすいものにすることは、最低限のマナーといえるでしょう。以下、メールを読みやすくするための工夫について紹介していきます。

件名だけで内容を伝えられるよう工夫しよう

メールの件名は、本文全体の要約となるような意識でつけるようにしましょう。「お疲れさまです」など何の工夫もない件名のメールでは、その他大勢のメールに埋もれてしまい、忙しい相手には読まれることなく終わってしまうかもしれません。
件名を見れば本文を読まなくても大丈夫というぐらいにまとめられるのが理想ですが、例えば

  • 【ご確認】営業ミーティングの出欠連絡をお願いします(営業部_鈴木)
  • 【ご連絡】8月13日(水)の打ち合わせ場所の変更につきまして(株式会社○○_田中)

のように、件名だけである程度用件が推測できるようになっていれば、開封もされやすくなるでしょう。
また、冒頭に【】で注意を促すひと言を入れたり、差出人の社名・氏名を記入しておくのも効果的です。相手がその差出人をすぐに特定できるだけでなく、後から検索もしやすくなります。

書式を読みやすいものに整えよう

メールは簡潔に、かつ必要なことをきちんと相手に伝えることが大切です。相手への敬意も欠かせません。以下の最低限の書式は整えておくようにしましょう。

差出人(自分の表示名)

社名、氏名、メールアドレスはきちんと表示されるように設定しておきましょう。

宛先欄

受信したメールにそのまま返信する場合に発生しがちなケースですが、宛先欄に表示された相手の名称に敬称をつけず送ることのないよう注意しましょう。

また、取引先よりも先に自社の人をおくことのないようにしてください

本文

以下は、メール本文において一般的に推奨されているルールです。自身のメールがきちんと書けているか、チェックしてみてください。

  • 本文は、相手の社名・部署名・肩書き・氏名・敬称から始める。1行目に社名、2行目に部署名、3行目に肩書き・氏名・敬称を書く
  • 企業名は正式な名称で記載する。略名や(株)などの使用は避ける
  • 書き出しでの頭語や時候の挨拶は不要。「お世話になっております」など、簡単な挨拶の言葉で始めるようにする
  • 長い前置きは避け、簡潔に名乗る
  • 一行あたりの文字は25〜35文字程度を目安にする
  • 5行程度の意味のまとまりで一段落とする。段落間は1行空け、読みやすくする
  • 用件は、5W2H(いつ・どこで・誰と・なぜ・何を・どのように・いくらで)を意識しながら、簡潔にまとめる
  • 用件に理由や背景が必要であれば、前後で簡潔に伝えるようにする
  • 日時など、箇条書きにできる項目は(そのほうが読みやすければ)箇条書きにする
  • 結びは「よろしくお願いいたします」など、簡単な挨拶の言葉で締めくくる
  • メールの最後に署名をつける。署名には、会社名、部署名、住所、氏名、電話番号、メールアドレスなどを入れる

こちらの記事ではより読みやすいメールの書き方であるPREP(プレップ)法について紹介しています。

重要度機能は原則使わないようにしよう

メールの「重要度」機能は、特に社外の人に対しては原則使わないようにしましょう。「一方的で自己中心的な印象を受ける」という人も多いようなので、社内であっても上司への使用などは推奨しません。

自分にとって重要な件であっても、相手にとって重要とは限りません。やはり「相手の立場に立って送信することが大切」だと心得ましょう。

補足:読みやすいメールが必要な理由

あなたは自分の上司のメールボックスを見たことがありますか?

もちろん業種などにもよりますが、いわゆる管理職と呼ばれる人たちのメールボックスは、社内各方面からの承認依頼・取引先からの確認やクレーム・部下からの報連相・偉い人からのリマインドなど、あらゆるメールで溢れかえっています。

役職が上になればなるほどその傾向は増す一方で、全てのメールにきちんと目を通していては、それだけで一日が終わってしまうという人も決して少なくありません。

とはいえ、送る側も確認しなければいけない事項があるからこそメールをしているのであり、無視をされては仕事がストップしてしまうことにもなりかねません。

だからこそ、メールはわかりやすく、次のアクションが起こしやすいような書き方で送ることが、ビジネスを円滑に進めるためのポイントになるのです。

To・CC・BCCの違いを意識する

ボールペンで紙にToと書く写真

To・CC・BCCを上手に使い分けることも、大事なビジネスマナーです。三者の違いは、一般的に以下のとおりとされます。

  • To:必ず知らせなければならないメンバー
  • CC:参考までに知らせたいメンバー
  • BCC:参考までに知らせたいが、その人に対して同じメールを送ったことを、宛先やCCの人には知られたくないというメンバー

よくあるのが、「この人にも一応知らせておいた方がいいか」と、何でもCCに入れてしまうことです。役職が上の人ほどそういうメールが増えてしまい、迷惑になってしまうこともあります。内容自体の共有が不要な人については、CCに入れないようにしましょう。

また、互いに面識のない複数の人にメールを送る場合は、ToやCCではなく、BCCに入れるようにしましょう。



返信・転送のルールを知る

メールが何件か溜まっている画像

メールならではの作法といえるのが、返信と転送です。どちらも表記上のルールが決まっており、かつ、書き方次第では非常に読みづらくなってしまうので注意が必要です。

返信について

返信時の件名は、ただ「Re:」を重ねるだけでなく、できるだけ書き直した方が好ましいです。ただし、どのメールに対しての返信かをわかりやすくするためにも相手が書いた件名は削除せず、自分の件名を「Re:」の前に書き加えるようにしましょう。

返信が続いて「Re:」が多くなりすぎると読みにくくなるので、Re:」は一つだけにしておくとなお良いでしょう。

  • ○ 13日承知しました Re:打ち合わせ日程の件につきまして
  • × Re:Re:Re:Re:Re:打ち合わせ日程の件につきまして

引用を利用する

元のメールの一部分をそのままコピーし、返信の際に貼り付けて利用するのが「引用」です。「<」「<<」など、引用していることがわかる記号を必ず用いるようにしましょう。

相手の文章を適切に利用することで、元のメールにどのような内容が書かれていたかを都度参照しなくてすむうえ、相手の文章のポイントごとに返事を書くのにも適しています。

ただし、すべてを引用してしまうと、全体が無駄に長くなり、読みにくいメールになってしまうので、必要な箇所のみを引用して返信するようにしましょう。

返信はなるべく早くおこなう

メールをもらったら、できるだけ早く返信をしましょう。 すぐに返信できない場合は、連絡してくれたことへの感謝と「後ほど改めて返信します」という旨の一文を添え、まずは取り急ぎの御礼として返信をするのが一般的です。

特に問い合わせやクレーム気味の内容であれば、上司が不在などで詳しい回答ができない場合であっても「詳細が分かり次第、再度連絡いたします。」など、メールを確認している旨だけでも先に知らせておくのがよいでしょう。

転送について

受信したメールを第三者に転送する場合、件名に「Fw:」というマークがつきます。これで転送であることがわかるので、特に理由がないかぎりは「Fw:」マークをつけたまま送信するようにしましょう。(転送する文の内容を勝手に変更するのはNGです。)

また、転送をするときは送信者のアドレスや氏名が表示されています。転送先にその情報を伝えては問題がある場合、個人情報保護の意味も含め削除することを忘れないようにしましょう。

メールでやってはいけない表現・行為について

バツ印の画像

メールは手紙や文書などと違って歴史がまだ浅く、「これが正式」というような書式が定着しているわけではありません。そのため、読む人によって失礼かそうでないかのラインが、かなり分かれてしまいます。

だからこそ、ビジネスマナーの基本に立ち返り「読む相手のことを考えたメール」になっているかどうかを意識するようにしましょう。以下の3点は、平気に思う人もいる反面、不快に思う人がいるからこそ避けたいものになります。

顔文字、(笑)や(爆)などの記号使用

会社によっては全く問題ないというところもありますが、やはりビジネスマナーとしては正しくありません。社外はもちろん、社内であっても使用は控えたほうがいいでしょう。
ただ、コミュニケーションを円滑にするためにあえて使用している、という場合もあると思います。そのあたりについては、周囲がそのように認識しているかどうか(それを不快に感じている人がいないかどうか)を必ず意識するようにしてください。

命令や督促などでの上から目線の言葉遣い

メールは言い回し次第で、失礼な印象やキツい印象を与えてしまいがちです。とくに何かをお願いするようなときは注意が必要です。以下のような表現は避けるようにしましょう。

  • 要回答
  • 締切厳守
  • 大至急
  • 指示命令形全般(~してください)

また、以下のようなクッション言葉などを用件の前に挟んでおくと、印象が丁寧になるので効果的です。

  • 大変恐縮ですが
  • お手数ですが
  • お時間のあるときに

報連相の全てをメールでおこなう

業界や上司のタイプによっては、口頭よりメールを好む傾向もありますが、全てメールで済ませてしまうのはやはり問題があります。休暇取得のお願いやクレーム報告、そしてお昼ご飯のお誘いまで、口頭でおこなうべきものは口頭にしましょう。




まとめ

新着メールが溜まっているパソコン画面の写真

いかがでしたでしょうか。

原則として、話したほうが早いようなことは、やはりメールよりも直接話をするべきです。

どれだけ文章が上手い人でも、メールで感情や背景その他全てを伝えられるものではありません。何よりも、相手に「読んで、返信する手間」を与えてしまうことを忘れてはいけません。

もちろんメールは情報の伝達手段として大変優れています。適切な利用ができれば、メールでの仕事の効率も大幅にアップするはずです。そのためにも、メールのビジネスマナーをおさえることは重要となります。

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。お互いビジネスマナーの基本を忘れず頑張りましょう。

 

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