そろそろUIリニューアルすべき?5つのチェック項目で判断する基準と進め方

そろそろUIリニューアルすべき?5つのチェック項目で判断する基準と進め方

Chigusa Kama

Chigusa Kama

こんにちは。LIGでUI/UXデザイナーをしている鎌です。

「サービスをリリースしてから5年以上経つけど、UIはほとんど変わっていない」

「機能は追加しているけど、そろそろUIも見直すべき?」

こんな悩みを抱えているサービス運営者の方は多いのではないでしょうか。

特にBtoB SaaSやEラーニングサービスなど、継続利用型のサービスでは「既存ユーザーが使えているから大丈夫」と判断され、UI全体の見直しが後回しにされがちです。しかし、ユーザーの期待値は常に上がっており、他社サービスと比較して「古臭い」「使いにくい」と感じられると、競争力の低下につながります。

 

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実際、LIGにも「機能拡張によりデザインがツギハギになっている画面をリニューアルしたい」というご相談をいただくことがあります。

しかし、一方で「既存ユーザーへの影響が心配で踏み切れない」「どこまで変更すべきか判断が難しい」といった声も多く聞かれます。

今回は、長期間更新されていないサービスのUIリニューアルを検討する際の判断基準と、リスクを抑えた進め方をご紹介します。

UIリニューアルを検討すべき5つのチェック項目

まずは、自社のサービスがリニューアルすべき状態にあるかを客観的に判断するためのチェック項目をご紹介します!

これらの項目に複数当てはまる場合、UIリニューアルを本格的に検討すべきタイミングと言えるでしょう。

① ユーザーからの「使いにくい」という声が増えている

最も重要な判断材料は、ユーザーからの直接的なフィードバックです。

このような声が増えている場合は要注意です。

  • 「○○の機能はどこにありますか?」という問い合わせが頻繁にある
  • 「他のサービスと比べて使いにくい」という比較のコメントが出る
  • 「スマホで見づらい」「文字が小さい」といったデバイス対応の指摘
  • 新規ユーザーからの離脱率が高い

② 競合サービスと比較して体験全体で見劣りする

実際に、同じ業界・分野の競合サービスのUIを触って確認してみましょう。

自社のサービスとの違いを、フラットに洗い出せるかがポイントです。

比較ポイント 具体例
視覚的な洗練度 競合と並べたとき、明らかに古く見える
情報の見つけやすさ 競合では2クリックで到達できる情報に、自社では5クリック必要になっている
モバイル対応 競合がスマホ最適化されているのに、自社は対応していない
最新技術の活用 競合が使っている便利な機能(検索、フィルタリング、一括操作など)が自社にない

競合調査は、単に見た目を比較するだけでなく、「ユーザーが目的を達成するまでの手順」を実際に操作して比較することが重要です。

③ 主要タスクの完了率・エラー率が低い

データで客観的に判断することも重要です。

ユーザーテストや解析ツールを用いて確認してみましょう。

  • コンバージョン率:主要アクション完了率が低下していないか
  • 離脱率:特定のページで離脱が多発していないか
  • エラー率:入力エラーが頻発していないか
  • タスク完了時間:ユーザーが目的を達成するまでに時間がかかりすぎていないか

④ 数年前のUI設計のままアップデートされていない

UI/UXデザインにおける見た目のトレンドや操作性の基準は、数年単位で大きく変化します。

以下のような特徴がある場合、デザインが古くなっている可能性があります。

  • スキューモーフィズム(立体的で装飾的なデザイン)が多用されている
  • 利用デバイスに応じたレスポンシブ対応がされていない
  • アクセシビリティ(色のコントラスト、フォントサイズ、キーボード操作など)への配慮がない
  • 利用ユーザーの属性やリテラシーに応じた名称や説明のテキストになっていない

近年のUIデザインでは、「適度な余白」「明確なCTA」「マイクロインタラクション」などが標準的になっています。

見た目だけでなくユーザーの行動そのものをデザインするのが、現在主流のUI/UXデザインの考え方です。

⑤ 機能拡張により画面構成が複雑化している

サービス開始時はシンプルだった画面が、機能追加を繰り返すうちに複雑化していませんか?

  • メニュー項目が20個以上あり、何がどこにあるかわかりにくい
  • 1つの画面に情報が詰め込まれすぎている
  • 関連性の低い機能が同じ画面に混在している
  • 階層が深すぎて、目的の機能にたどり着くまでに時間がかかる
  • デザインルールに一貫性がなく、実装ありきで画面がデザインされている
  • 新機能のリリース時に、ユーザーへの説明が複雑化している

これらのチェック項目に3つ以上当てはまる場合、UIリニューアルを本格的に検討すべきタイミングかもしれません。

リニューアルのリスクを最小化する3つのアプローチ

「リニューアルが必要なのはわかったけど、既存ユーザーへの影響が心配」というお声はごもっともです!

実際、大幅なUI変更により既存ユーザーが混乱し、満足度が下がってしまうケースも珍しくありません。

ロゴや名称の変更などリブランディングのタイミングならともかく、通常の追加機能の開発とは違い、デザインリニューアルの開発コストが適切か判断しにくいのも難しい点です。

そんな中でも「UIをリニューアルしてユーザーの満足度を向上させたい!」と検討している開発チームをご支援する方法として、LIGではリスクを抑えながらリニューアルを進める方法をご提案しています。

アプローチ① 段階的リニューアル(Phase分け)

全画面を一気に変えるのではなく、優先度の高い部分から段階的に実施する方法です。

大きく3つの段階に分けて考えます。

  • Phase1:ユーザーテスト、ヒューリスティック評価などによる課題の洗い出しと、コア機能に注力した改善
  • Phase2:ユーザーの要望の多い機能から段階的にリニューアル
  • Phase3:全体の統一感を高める仕上げをしつつ、追加開発でも一定のクオリティを担保できるデザインシステムの構築
メリット
  • 初期投資を抑えられ、インパクトの大きいところから改善できる
  • 各Phaseでユーザーの反応を見ながら調整できる
  • 既存ユーザーが徐々に慣れることができる
  • 開発側の制約やリソースに応じた拡張がしやすい
注意点
  • Phase間で一貫性を保つため、最初にデザイン方針を明確にする必要がある
  • 完全リニューアルまで時間がかかる

アプローチ② 既存ユーザーへのヒアリング・テスト実施

リニューアルの失敗を防ぐ最も重要な方法は、既存ユーザーの声を聞くことです。

まずは、ユーザーの意見を収集する主な方法をご紹介します。

  • ユーザーインタビュー:ヘビーユーザー5〜10名に、現状の不満点と改善してほしい点をヒアリングする
  • プロトタイプテスト:新しいデザインのプロトタイプを作成し、既存ユーザーに操作してもい、観察する
  • A/Bテスト:一部のユーザーに新UIを先行公開し、データで効果を検証する
  • アンケート調査:全ユーザーに「どの機能を最もよく使うか」「改善してほしい点」を質問する

よくある失敗として、「社内の意見だけでリニューアルを決めてしまい、実際のユーザーのニーズとズレる」ケースがあります。必ずユーザーの声を反映させましょう。

そのためにも、開発メンバーがエンドユーザーの実際の声を把握できているかは非常に重要なポイントです。直接エンドユーザーへのヒアリングが難しい場合は、セールス担当やカスタマー担当の方にヒアリングできるとよいです。

ユーザーの声をそのまま機能要件へ反映するのではなく、「ユーザーの目的は何か? それを達成するために本当に障壁になっているのは何か?」を確認しましょう。

すべてが新機能の要望ではないかもしれません。既存の画面がわかりにくいために、ユーザーが十分に使いこなせていない可能性もあります。

アプローチ③ 「変えるべき部分」と「変えてはいけない部分」の明確化

すべてを変える必要はありません。ユーザーが慣れ親しんでいる要素は残しつつ、改善が必要な部分だけを変更するのが理想です。

積極的に改善すべきポイント
  • 視覚的に古いデザイン要素
  • 情報が見つけにくい導線
  • マルチデバイス対応の不足
  • アクセシビリティ対応
変えてはいけない・
あるいは慎重に変更すべきポイント
  • 専門用語やラベルの変更
  • 既存ユーザーが習熟している操作フロー

LIGの支援では、リニューアルコンセプトを策定する段階で「達成すべき基準」を明確にし、チーム内で判断軸を共有することを大切にしています。

リニューアル後の効果測定方法

リニューアルが成功したかどうかは、データで検証することが重要です。

課題を洗い出した方法で再度計測を行い、リニューアル前後の変化を測定しましょう。

定量指標(数値で測定)

  • 主要タスクの完了率:コンバージョン率が向上したか
  • 離脱率:特定ページでの離脱が減少したか
  • 問い合わせ件数:「○○はどこにありますか?」系の質問が減ったか

定性指標(ユーザーの声)

  • ユーザー満足度調査:NPS(Net Promoter Score)やCSAT(Customer Satisfaction Score)を測定
  • フィードバック収集:リニューアル後に「使いやすくなった」という声が増えたか
  • サポート問い合わせの内容変化:UIに関する質問が減り、機能や内容に関する質問が増えたか

効果測定は、リニューアル後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月といった定期的なタイミングで継続的に行い、必要に応じて改善を続けることが重要です。

判断に迷ったら「まずは小さく始める」

「リニューアルすべきかわからない」「予算や工数が読めない」——そんな場合は、まず小さく始めてみることをおすすめします。

  • 現状のUI診断を受ける:専門家に現行画面を確認してもらい、改善ポイントと優先度を明確にする
  • 主要画面のリニューアルを実施:いきなり全面リニューアルではなく、最も課題のある1〜2画面だけを優先的に改善する
  • プロトタイプで検証:本格的な実装前に、デザインツール(Figmaなど)でプロトタイプを作成し、ユーザーテストで反応を確認する

LIGでは、初回フェーズとして現行画面のUIチェック+改善提案を行い、その結果を見てから本格的なリニューアルに進むかを判断いただくアプローチを提案しています。

リニューアル判断は「ユーザーの声」と「データ」で

長期間更新されていないサービスのUIリニューアルは、確かに大きな決断です。しかし、放置することで競争力を失い、ユーザー離れにつながるリスクも見逃せません。

あらためて判断のポイントを整理すると、以下の通りです。

  1. 5つのチェック項目で客観的に判断:ユーザーの声、競合比較、データ、UI設計の老朽化、機能の複雑化
  2. リスクを抑えた段階的アプローチ:全面刷新ではなく、Phase分けや既存ユーザーのヒアリングを活用
  3. 効果測定で継続的に改善:リニューアル後もデータとユーザーの声をもとに調整を続ける

 

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「そろそろUIを見直すべきかも」と感じている方は、まずは現状のUI診断から始めてみませんか? LIGでは、UIの現状分析から改善提案、段階的なリニューアル支援まで一貫してサポートしています。

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DTPのデザイナーからキャリアをスタートし、ウェブザインやアプリ開発のUIUXデザインの経験を積む。紙・デジタル・空間・イベントといった領域を問わずディレクションを手がける。現在はディレクターとして、企画立案・制作ディレクションを担当。デザイナー暦15年超の視点に、マーケティング観点で分析や戦略策定をプラスすることが得意。

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