EOLとは?知っておくべきリスクと対策【サポート期限一覧表付き】

EOLとは?知っておくべきリスクと対策【サポート期限一覧表付き】

Shota Yamazaki

Shota Yamazaki

こんにちは、テクノロジー部の山﨑です。

ソフトウェアやOS、サーバーなどIT関連の製品を導入・運用していると、「EOL」という言葉をよく耳にします。EOLはサポート期限終了を表す言葉で、知っておかないと困る場合があります。

この記事では、「そもそもEOLって何?」「EOLが近づいているけど、どうしたらいいの?」というような疑問を解消できる内容となっておりますので、参考にしていただければ幸いです。

EOLとは

EOLは「End of Life」の略で、ソフトウェアなどのIT関連製品において、メーカーや開発者によるサポートが終了する時期を示すものです。

製品そのものの経年劣化や、既存製品では対応できない新技術の登場などがあったときに、EOLは設定されます。

EOS、EOE、EOSLとの違い

EOLと似た意味を持つ言葉に、EOS、EOE、EOSLがあります。それぞれの違いについて説明します。

EOL関連用語の比較表
用語 正式名称 意味 EOLとの違い
EOL End of Life 製品の全面的サポート終了時期 製品に関するすべてのサポートが終了
EOS End of Sales 製品の販売終了時期 EOSを過ぎてもサポートは継続。ユーザー数制限のためにも使用
EOE End of Engineering テクニカルサポート終了時期 機能更新や不具合調整の終了。EOLはより広範なサポート終了を意味
EOSL End of Service Life サービスサポート終了時期 多くの場合EOLと同義。ハードウェアとソフトウェアで区別する場合あり

EOS

EOSは「End of Sales」の略で、販売終了を意味し、対象の製品販売が公式から終了となる期間を表します。EOSを過ぎてもサポート自体は継続される点でEOLと異なります。

EOSはユーザー数を限定するためにも用いられることがあります。たとえば、特定のソフトウェアライセンスの販売を終了することで、新しいバージョンへの移行を促進する場合などです。

EOE

EOEは「End of Engineering」の略で、製品のテクニカルサポートの終了を意味し、機能のアップデートや不具合調整などのサポートが受けられなくなる期間を表します。

EOLと同じ意味で使われることもありますが、一般的にEOLは製品に関するサポート全般を終了する意味がある点で異なります。

EOSL

EOSLは「End of Service Life」の略で、サービスのサポート等が終了するまでの期間を表します。EOLとほぼ同じ状態になるためEOL=EOSLと捉えて問題ありません。

しかし区別する場合もあり、たとえば、ハードウェアとソフトウェアを同時提供している場合、まずハードウェアのサポート終了をEOSLとし、両方のサポートが切れたらEOLと判断して記載するパターンもあります。

EOLはなぜ重要なのか

EOLに注意を払うことは、企業のIT運用において非常に重要です。以下のような点に関係してきます。

  • セキュリティリスクの管理
  • システムの安定性維持
  • コンプライアンスの遵守
  • 長期的なIT戦略の立案

ではEOLには具体的にどんなリスクがあるのでしょうか。以下でご説明していきます。

EOLのリスク

EOLになってもサポート期間が終了しただけであり、製品自体は継続して利用することが可能です。

一見コストを削減できるかのように思いますが、継続して利用することにはさまざまなデメリットやリスクが存在しています。

サポートが受けられなくなる

EOLを過ぎた製品は基本的に公式のサポートが受けられなくなります。

システム停止など業務運営に直接関わるトラブルが発生しても、公式のサポートが受けられなくなるため、対応されることがありません。修理・復旧までに長時間を要してしまったり、高額な修理費用が発生する恐れがあります。

セキュリティの脆弱性

EOLを過ぎた製品は基本的にアップデートがされないため、新しいセキュリティ脆弱性が発見されても、修正されることがありません。

ハッキングや、データ漏洩などの被害が出る可能性が高まるため、利用者側の責任でセキュリティ面の強化などの回避策を取る必要があります

パフォーマンスの低下

アップデートがされないことにより、他の新しい技術やシステムやソフトウェアなどとの互換性がなくなり、パフォーマンスが低下したり、使いにくくなることもあります。これは生産性の低下につながり、長期的には大きなコストになる可能性があります。

EOLの対策

上記のようなリスクを回避するためにも、EOLの対策を講じなければなりません。

EOL情報(サポート期限)を把握しておく

自社が保有しているハードウェアやソフトウェア、アプリケーションをすべて把握した上で、EOLの日程を把握しておく必要があります。各メーカーのWebサイトから確認し、サポート終了時期を製品ごとに管理します。

従業員が無断で使っているツールなど管理担当者が把握しきれていない場合もあるので注意しましょう。

主要なソフトウェアのサポート期限について、以下で一覧でまとめています。

早期のリプレイス計画を立てる

リプレイスに要する費用の見積もり等の計画を、できるだけ早期に立てましょう。代替システム・機能を持っている製品は少なからず存在します。

早期に計画を立てることで、予算の決定やリプレイスの実施をスムーズに行うことができます。

第三者保守サービスを利用する

EOL後も長期的に製品を使用したい場合は、メーカー以外の業者による第三者保守サービスを利用し、セキュリティ対策をする必要があります。

サポート範囲外になった製品の修理や緊急トラブルに対応してもらえるほか、使用機器・サービスごとにメーカーが異なる場合、窓口を一本化してコスト削減や業務負担の軽減を図ることもできます。

クラウドサービスへの移行

多くの場合で、クラウドサービスへの移行はEOL問題に対する効果的な解決策となります。

クラウドサービスプロバイダーは常に最新のセキュリティ対策とアップデートを提供しているため、EOLの心配がほとんどありません。また、スケーラビリティや柔軟性も向上し、長期的にはコスト削減にもつながる可能性があります。

移行例

  • オンプレミスのExchange ServerからMicrosoft 365へのメールシステム移行
  • 自社データセンターからAmazon Web Services (AWS) へのインフラ移行
  • オンプレミスのCRMシステムからSalesforceへの移行 など

オープンソースソフトウェアの採用

一部のプロプライエタリソフトウェアをオープンソースの代替品に置き換えることも、EOL問題への対策となります。

オープンソースソフトウェアは、大規模なコミュニティによってサポートされており、特定のベンダーのEOLポリシーに縛られることがありません。ただし、適切なサポートとセキュリティ管理が必要です。

移行例

  • Microsoft OfficeからLibreOfficeへの移行
  • 商用データベース(Oracle, SQL Server)からPostgreSQLへの移行
  • 商用CMSからWordPressへの移行 など

サポート期限一覧

ここからは各ソフトウェアのサポート期限を紹介します。

サポート期限が切れる前に対応できるように、利用しているソフトウェアがあればチェックするようにしましょう。以下クリックで開きます。

OS

CentOS / CentOS Stream

バージョン サポート期限
CentOS Stream 9.x 2027年5月31日 サポート中
CentOS Stream 8.x 2024年5月31日 サポート終了
CentOS 8.x 2021年12月31日 サポート終了
CentOS 7.x 2024年6月30日 サポート中
CentOS 6.x 2020年11月30日 サポート終了
CentOS 5.x 2017年3月31日 サポート終了
CentOS 4.x 2012年2月29日 サポート終了
CentOS 3.x 2010年10月31日 サポート終了

Red Hat Enterprise Linux

バージョン サポート期限 延長サポート期限
9.x 2032年5月31日 サポート中 2034年5月31日 サポート中
8.x 2029年5月31日 サポート中 2031年5月31日 サポート中
7.x 2024年6月30日 サポート中 2026年6月30日 サポート中
6.x 2020年11月30日 サポート終了 2024年6月30日 サポート中
5.x 2017年3月31日 サポート終了 2020年11月30日サポート終了

Solaris

バージョン Premier Support Ends終了期限 Extended Support Ends終了期限
11 2031年1月 サポート中 2034年1月 サポート中
10 2018年1月 サポート終了 2021年1月 サポート終了
9 2011年10月 サポート終了 2014年10月サポート終了
8 2009年3月 サポート終了 2012年13月 サポート終了

Windows

バージョン End of mainstream support終了期限 End of extended support終了期限
Windows 11 (22H2) 2024年10月8日 サポート中
Windows 11 (21H2) 2023年10月10日 サポート終了
Windows 10 2020年10月13日 サポート終了 2025年10月14日 サポート中
Windows 8.1 2018年1月9日 サポート終了 2023年1月10日 サポート終了
Windows 7 2015年1月13日 サポート終了 2020年1月14日 サポート終了
Windows Vista 2012年4月19日 サポート終了 2017年4月11日 サポート終了
Windows XP 2009年4月14日 サポート終了 2014年4月8日 サポート終了
プログラミング言語

PHP

バージョン アクティブサポート終了期限 セキュリティサポート終了期限
8.2 2024年12月8日 サポート中 2025年12月8日 サポート中
8.1 2023年11月25日 サポート終了 2024年11月25日 サポート中
8.0 2022年11月26日 サポート終了 2023年11月26日 サポート終了
7.4 2021年11月28日 サポート終了 2022年11月28日 サポート終了
7.3 2020年12月6日 サポート終了 2021年12月6日 サポート終了

Ruby

バージョン サポート終了期限
3.3 未決定 サポート中
3.2 2026年3月31日 サポート中
3.1 2025年3月31日 サポート中
3.0 2024年3月31日 サポート中
2.7 2023年3月31日 サポート終了
2.6 2022年4月12日 サポート終了
2.5 2021年4月5日 サポート終了

Python

バージョン サポート終了期限
3.12 2028年10月 サポート中
3.11 2027年10月 サポート中
3.10 2026年10月 サポート中
3.9 2025年10月 サポート中
3.8 2024年10月 サポート中
3.7 2023年6月27日 サポート終了
3.6 2021年12月23日 サポート終了
3.5 2020年9月13日 サポート終了
3.4 2019年3月19日 サポート終了
2.7 2020年1月1日 サポート終了

Java

バージョン Premier Support終了期限 Extended Support終了期限
21 2028年9月 サポート中 2031年9月 サポート中
20 2023年9月 サポート終了
19 2023年3月 サポート終了
18 2022年9月 サポート終了
17 2026年9月 サポート中 2029年9月 サポート中
16 2021年9月 サポート終了
15 2021年3月 サポート終了
14 2020年9月 サポート終了
13 2020年3月 サポート終了
12 2019年3月 サポート終了
11 2023年9月 サポート終了 2026年9月 サポート中
10 2018年9月 サポート終了
9 2018年3月 サポート終了
8 2022年3月 サポート終了 2030年12月 サポート中
7 2019年7月 サポート終了 2022年7月 サポート終了
6 2015年12月 サポート終了 2018年12月 サポート終了
ミドルウェア

Apache

バージョン サポート終了期限
2.4 未定 サポート中
2.2 2017年12月 サポート終了
2.0 2013年7月10日 サポート終了
1.3 2010年2月3日 サポート終了

Tomcat

バージョン サポート終了期限
10.1 未定 サポート中
10.0 2022年10月31日 サポート終了
9.0 未定 サポート中
8.5 2024年3月31日 サポート終了
8.0 2018年6月30日 サポート終了
7.0 2021年3月31日 サポート終了
6.0 2016年12月31日 サポート終了
5.5 2012年9月30日 サポート終了

VMware ESXi

バージョン ジェネラルサポート テクニカルガイダンス
ESXi8.0 2027年10月11日 サポート中 2029年10月11日 サポート中
ESXi7.0 2025年4月2日 サポート中 2027年4月2日 サポート中
ESXi6.7 2022年10月15日 サポート終了 2023年11月15日 サポート終了
ESXi6.5 2022年10月15日 サポート終了 2023年11月15日 サポート終了
ESXi6.0 2020年3月12日 サポート終了 2022年3月12日 サポート終了
ESXi5.5 2018年9月19日 サポート終了 2020年9月19日 サポート終了
ESXi5.1 2016年8月24日 サポート終了 2018年8月24日 サポート終了
ESXi5.0 2016年8月24日 サポート終了 2018年8月24日 サポート終了
ESXi5.0 2016年8月24日 サポート終了 2018年8月24日 サポート終了
データベース

MySQL

バージョン Premier Support終了期限 Extended Support終了期限
8.0 2025年4月 サポート中 2026年4月 サポート中
5.7 2020年10月 サポート終了 2023年10月 サポート終了
5.6 2018年2月 サポート終了 2021年2月 サポート終了
5.5 2015年2月 サポート終了 2018年2月 サポート終了
5.1 2013年12月 サポート終了
5.0 2011年12月 サポート終了

PostgreSQL

バージョン サポート終了期限
15 2027年11月11日 サポート中
14 2026年11月12日 サポート中
13 2025年11月13日 サポート中
12 2024年11月14日 サポート中
11 2023年11月9日 サポート終了
10 2022年11月10日 サポート終了
9.6 2021年11月11日 サポート終了
9.5 2021年2月11日 サポート終了
9.4 2020年2月13日 サポート終了
9.3 2018年11月8日 サポート終了
9.2 2017年11月9日 サポート終了
9.1 2016年8月27日 サポート終了
9.0 2015年8月8日 サポート終了
8.4 2014年7月24日 サポート終了
7.4 2010年10月1日 サポート終了
6.5 2004年6月9日 サポート終了

EOL対策をお考えの企業様へ

EOLのリスクや対策について理解したものの、具体的にどのように対応すべきか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。EOL対策は企業のIT戦略において重要な要素であり、専門家のアドバイスを受けることも一つの選択肢です。

専門家に相談することで、以下のようなサポートが受けられる可能性があります。

  • 自社環境の現状調査とリスク分析
  • 最新技術動向を踏まえたEOL対策の策定
  • スムーズな移行のサポート

ただし、コンサルティング企業を選ぶ際は、その企業の実績や専門性、提供サービスの内容をよく確認し、自社のニーズに合っているかを慎重に判断することが重要です。

現在EOLに関するお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ弊社LIGへの相談もご検討ください。LIGはEOLに伴うマイグレーションや保守にも対応しており、業界歴10年以上のベテランPMや開発チームが貴社の課題に応じた対応策をご提案します。

これまでのシステム移行や保守運用の実績として……

  • 大規模サイトのレガシーなシステムに対応したモダン環境での開発・提案を実施
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  • 大規模アパレルECにおける基幹システムの保守運用

などがあります。「まずは見積もりだけ欲しい」などでも結構ですので、お気軽にご相談ください。

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Shota Yamazaki
Shota Yamazaki Technology / Technical Director / 山﨑 翔太

大手IT企業のWebサイト運営に関するディレクション業務を担当。AIやアプリ開発など、情報数学を含むIT関連の幅広い分野に精通。山形大学でデータサイエンスの学位を取得後、LIGに入社。

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