Shopifyとは?料金や機能、メリットなど基礎をわかりやすく解説

Shopifyとは?料金や機能、メリットなど基礎をわかりやすく解説

Takara Ohata

Takara Ohata

近年、自社でECサービスを展開する動きが多く見られます。そんな自社のECサービスを構築するプラットフォームの中で有名なのが、Shopify(ショッピファイ)です。

今回は、Shopifyを利用するメリットやデメリット、機能についてご紹介します。自社に最適なECプラットフォームを探している方の参考になれば幸いです。

Shopifyとは?

出典:Shopify 公式サイト

Shopifyとは、プログラミングの知識がなくても簡単にECサイトを開発できる、定期課金型のECプラットフォームです。個人事業主やスタートアップ、大手企業まで幅広いユーザーが活用しており、公式サイトの情報によると世界175以上の国で数百万ショップ以上利用されています。

オンラインストアだけでなく、実店舗でもShopify POSを使って販売ができるのも特徴です。

Shopifyのメリット

ECサービスに必要な基本的な機能が備わっている

Shopifyでは商品登録機能や決済機能、お問い合わせフォーム、SEO対策機能など、ECサービスの運営に必要な基本的な機能が備わっています。

決済方法も豊富で、クレジットカード、振り込み、PayPal、Amazon Pay、Apple Payなどから選択可能。また、自社でサーバーやドメインを契約する必要がないため、自社でレンタルサーバーを借りたり、ドメインを取得したりといった手間を省くことができます。

低コストで導入できる

Shopifyは一番お手頃なBasicプランで月額3,650円から利用でき、初期費用もかからないため気軽にECサービスを立ち上げることができます。

さらに他のプラットフォームと比べて決済手数料も安価です。たとえばShopifyが提供する決済サービス「Shopifyペイメント」を使ってクレジットカードで決済する場合の手数料は以下の通りです。

  • Visa/Mastercard/JCB(国内カード):2.9%〜3.55%
  • 海外発行カード(American Expressなど): 3.75%〜3.90%

※プランにより変動あり

さらに、Shopifyペイメント経由だと振込手数料や外部サービス取引手数料は発生しません。料金についてはこの記事の後半で他のプラットフォームと料金などを比較した表があるので、あわせて参考にしてみてください。

拡張性が高い

Shopifyでは拡張機能となる独自アプリがサードパーティで開発されています。ShopifyのAppストアから利用でき、執筆時点での拡張アプリ種類は8,000種類以上もあります。

基本機能に搭載されていない機能も追加でき、カスタマイズ性は非常に高いです。

さまざまな外部サービスと連携できる

FacebookやInstagram、TikTokなどのSNSに連携でき、顧客となるユーザーの接点を増やすオムニチャネルを構築することでさらなる売上アップが見込めます。SNSだけでなく、Amazonや楽天市場、eBayなど既存のECサイトとも連携可能です。

また、ShopifyのAPIでは、MAツール、タスク管理ツール、CRMなどの外部システムと連携できるため、顧客管理やマーケティングなどさまざまな作業の効率が向上します。

デザインテンプレートが豊富

Shopifyは基本的にノーコードで構築できるため、プログラミングスキルがなくても簡単かつ早くECサービスを解説できます。また、デザインテンプレートが豊富で、100種類以上のカスタマイズ可能なテンプレートを提供。デザインが苦手な方でも安心して使えます(※本記事執筆時点で、無料で使えるテンプレートは12種類)。

在庫管理・配送管理が簡単

在庫管理や配送に関しては、独自の管理画面を用意しており、配送ラベルの印刷や追跡番号も発行可能。注文管理と配送管理をまとめて管理できるため、発送の抜け漏れを防ぐ仕組みも備えています。

ECの売上や在庫もスマホアプリから簡単に管理できるため、いつでもどこでも自社サイトの状況を把握することが可能です。

Shopifyのデメリット

Shopifyにはメリットだけでなく、一部注意すべきデメリットもあるので紹介していきます。

コーディングスキルが必要な場合がある

Shopifyはデザイン性が高くシンプルなので、プログラミングの知識が無くても簡単にテーマのカスタマイズがおこなえます。

しかし、文字の大きさを変えたり、太字にしたいなどの文字装飾や、複雑なサイトを構築したいなど、テーマのテンプレートでは表現できない詳細な設定をしたい場合は、HTMLやCSSの知識が必要になります。

自社で構築対応できない場合は、Shopifyを活用したECサービス開発ができる開発会社に依頼するなど、外部パートナーへの依頼も検討してみるのがおすすめです。

日本語未対応の機能がある

Shopifyはカナダの企業が開発元であるため、UIやマニュアルの一次情報は英語です。そのため、一部の管理画面やテンプレート、連携するアプリなど、まだ日本語に対応していない箇所もあります。また、電話サポートも日本語には対応しておらず、問い合わせはメールのみです。

他のお問い合わせの手段としては「コミュニティフォーラムで質問する」「ヘルプセンターで回答を見つける」「ガイドを使用する」など、基本的には自分で解決する方法しかありません。

Shopifyの機能

Shopifyの代表的な機能を5つ紹介します。

オンラインストア

商品登録機能や決済機能など、ECサービスに必要な機能を備えたサイト制作が簡単にできます。自分のビジネスに合ったショップのテーマをShopifyテーマストアで探し、カスタマイズするだけなので、デザインやプログラミングのスキルも不要です。

セキュリティやアップデートなどの管理もShopify側がおこなっているため、サイトのメンテナンスを気にすることなくストアの管理に集中できます。さらに、自分でレンタルサーバーを契約する必要もないため、素早くオンラインストアをオープンすることができます。

Shopifyペイメント

さきほども説明した独自の決済サービスである「Shopifyペイメント」は、管理画面から有効化するだけですぐに利用できます。

VisaやMasterCardといったクレジットカードでの支払いはもちろん、Apple Pay、Googe Pay、Amazon Pay、Paypalなどさまざまな決済方法に対応しているため、幅広いお客様が購入できます。

店舗販売管理用アプリPOS Lite

POSとは、販売情報管理システムのことです。Shopifyでは、POSをShopifyが提供をしており、Shopifyのどのプランを申し込んでも、Shopify POS LiteというPOSシステムを無料で利用できます。

オンラインストアの商品管理や販売データ分析だけではなく、実店舗での対面販売の際の決済にも使用できます。Shopify管理画面からPOSチャネルをインストールし、自社で使っているスマートフォンやタブレット端末にもPOSアプリをインストールするだけで、簡単に利用できるのも特徴です。

越境ECへの対応

ShopifyはUPSやFedExなどのグローバルな配送業者と提携しているため、中国やアメリカをはじめとする国外への配送も可能です。個人事業主やスタートアップの場合はオペレーションなどの観点から国外配送を受付できないケースもあるかと思いますが、Shopifyを活用して越境ECという巨大市場に参入できることは大きなメリットになります。

とくにインバウンドで訪日観光客が増えているいま、日本の商品を購入してファンになり、帰国後にリピート購入を希望するようなユーザーが増えています。越境ECを支援するBeeCruise株式会社が実施した調査によると、「訪日後、越境ECで気に入った商品などをリピート買いしたいですか?」という質問に対して、全体の92%以上が「リピート買いしたい」と回答しているほどです。商材によっては海外からの購入増加も見込めるでしょう。
参考:~越境ECを利用する海外のお客様1,900名にアンケート~ 6割以上が「円安後に越境ECの利用が増えた」

マーケティング

ShopifyはSNSと連携できるため、各種SNSのコンテンツから集客も可能です。他にもブログ機能もあるため、商品の最新情報やお得情報、キャンペーン案内などを投稿できるため、積極的に情報発信をおこなうことで、各ページからのWebサイト回遊率アップも見込めます。

また、Shopifyには、ストアの分析ができる機能が備わっています。ストアには販売や注文に関する情報や顧客データなどが蓄積され、これらの情報はストア分析ページにて表示されます。売上の比較、業績把握、平均注文額を割り出し増減など、様々な業績を可視化することができます。

このような機能により、すべての販売チャネルの状況を一元的に把握でき、ストアの業績を簡単にひと目で把握できるのもShopifyの特徴です。

Shopifyの料金プラン

初期費用

Shopifyは導入費などの初期費用がかかりません。そのため、気軽にECサービスを立ち上げることができます。

月額費用

基本的な月額費用のプランは3つあり、年払い(年に1回の支払い)か月払いで費用が変わってきます。利用プランは、ビジネスのフェーズに応じていつでも変更できますので、まずはBasicプランから試してみようという場合も導入しやすいのがメリットです。

また、2024年6月現在、最初の1か月間はどのプランでも月額150円というキャンペーンを実施しています。Shopifyを始めてみたいという方は、ぜひ試してみてください。
※以下は2024年6月時点の金額です。

プラン名 年払い 月払い クレジットカード手数料(※1) 外部決済サービス(※2)手数料
Basic ¥3,650/月 ¥4,850/月 3.55% 2%
Shopify ¥10,100/月 ¥13,500/月 3.4% 1%
Advanced ¥44,000/月 ¥58,500/月 3.25% 0.6%


参考:Shopifyの料金プラン
※1 クレジットカード手数料:Visa/Mastercard/JCBのクレジットカード手数料
※2 外部決済サービス手数料:Shopifyペイメントを使用せず、外部サービスを利用する場合の手数料

Shopify Plusのプランについて

Basic、Shopify、Advancedの3つのプランに加え、Shopify Plusというプランがあります。このプランは、大企業や取引量が膨大になるクライアント向けになり、1年契約または3年契約のみの利用になります。

セール中のボット攻撃の防止や、卸売とDTC*を1つの管理画面とストアで一元的に販売できるなど、Plusプラン限定の機能が利用できるのもメリットです。Shopify Plusプランを利用したい場合は通常の申し込みではなく、Shopify公式ページから問い合わせが必要です。
*DTC(D2C):ダイレクト・トゥ・コンシューマー。卸業者などを介さずブランドから直接顧客へ販売すること。

1年契約 3年契約 クレジットカード手数料 外部決済サービス手数料
費用 $2,500/月 $2,300/月 2.9% 0.2%

他のプラットフォームとShopifyの比較

ECサービスを構築する際に、Shopifyの競合として代表的なものを2つほど紹介します。これらのサービスはすべて初期費用がかかりません。下記の表では決済手数料や月額費用、特徴を簡単にまとめました。

特徴 費用
Shopify テンプレートが豊富
海外にも発送可能
¥4,850/月(Basicプラン月払い)
オンライン:3.55%
外部決済サービス:2%
Base 初期費用、月額費用が無料(スタンダードプラン)
売上は最短で翌営業日振り込み可能
決済手数料:3.6%+1件40円(スタンダードプラン)
サービス利用料:3%(スタンダードプラン)
STORES 無料セミナーでノウハウが学べる
保管・梱包・発送業務の代行ができる
月額費用なし(フリープラン)
決済手数料:5%(フリープラン)

Shopifyの活用事例

Francfranc

画像出典:Francfranc

人気のカテゴリやオススメ商品、新着商品などから探すことができ、サイト内に検索機能もあるため、商品を探しやすいです。また、コーディネートから探すことも可能なので、欲しいと思った商品がすぐに見ることができます。
参考:Shopifyの成功事例24選:日本と海外のShopify導入事例をご紹介

ゴーゴーカレー

画像出典:ゴーゴーカレー

ゴーゴーカレーのメインカラーの黄色が全面的に出ており、カレー以外にもゴーゴーカレーのスタジアム(店舗)で使用しているカレー皿やフォークを買うことができます。また、オンラインストアのおすすめ順や新着順などの順番を入れ替えることができるのもユーザーには嬉しい機能です。
参考:Shopifyの成功事例24選:日本と海外のShopify導入事例をご紹介

LIGにおけるShopifyを活用した開発事例

弊社LIGでもShopifyを活用したECサービス開発をおこなっています。

実績として、海外ECサイトにおけるShopifyへのマイグレーションを実施した事例があります。通常商材にはないアイウェア特有の情報(度数や処方箋など)の処理対応をおこなうため、Shopifyプラットフォームのデフォルト機能に加え、自社アプリ、在庫連携、カラーチップ、税計算外部連携など、多くのカスタマイズをおこないました。

このように貴社が抱える課題や商材に応じたカスタマイズにも対応できますので、もしShopifyを活用したECサービス開発でお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

LIGに相談してみる

まとめ

今回はShopifyを利用するメリットやデメリット、機能についてご紹介しました。
Shopifyは、ECサイトを手軽に公開でき、基本機能やテンプレート、外部サービスと連携など、機能が豊富です。また、月額料金や決済手数料も安価であるため、長期的な運用も行いやすいです。

3日間の無料体験に加え、最初の1か月間は月額¥150で利用ができるので、興味がある方はぜひ試してみてください。

この記事のシェア数

Consultingチームに所属し、プロジェクトの戦略立案や実行を担当。大学在学中は、フリーランスとして個人や企業からの依頼を受けていた。プログラミング学習サービスの運営やHTML、CSS、JavaScript、WordPressのスキルを独学で習得した経験を持つ。

このメンバーの記事をもっと読む
10年以上の開発実績があるLIGが、最適な開発体制や見積もりをご提案します
相談する サービス概要を見る