こんにちは、テクノロジー部のチェです。
MySQLは世界中で広く利用されているデータベース管理システムの一つです。Webアプリケーションのデータ管理に欠かせない存在のため、データベースを操作するエンジニアであれば、MySQLは必ず理解しておくべき技術です。
この記事では初心者向けにMySQLについて解説していきます。
目次
MySQLとは?
MySQLとは、数あるデータベースの中でも世界的に支持されているオープンソースデータベースです。1995年にOracle社からリリースされ、企業Webサイト、Webアプリケーションなどのデータベース管理に広く利用されています。
そもそもデータベースとは
データベースとは、情報を体系的に収集、整理、保存し、効率的に管理・利用するためのシステムです。
大規模なWebサイトやWebアプリケーションではさまざまなデータを管理する必要があり、信頼性の高いデータベースシステムの構築は不可欠となっています。
MySQLはその代表例のひとつであり、CMS(コンテンツ管理システム)の一つであるWordPressに組み込まれていることでも有名です。WordPressは企業サイトやブログの作成・運営に幅広く利用されており、そのバックエンドでMySQLがコンテンツのデータ管理を担っています。
SQLとMySQLの違い
「SQL」と「MySQL」は名前も似ているため混同されやすいですが、別のものです。
- SQL:データベースを操作するプログラミング言語
- MySQL:データベース管理システムの一つ
SQLはデータベースを操作するプログラミング言語で、MySQLはSQLを使って操作するデータベースシステムのことです。つまり、MySQLに保管されているデータを、SQLを使ってWebアプリなどの情報を表示したり、格納などの処理を行うことができます。
MySQLの特徴やメリット
MySQLは多様なニーズに対応できるデータベースとして幅広い分野で採用されています。MySQLを採用するメリットについて、データベースの構造上の特徴や独自の強みを観点にご紹介します。
一貫性の高いデータ管理が可能
MySQLは、リレーショナルデータベース(RDBMS)という表形式のデータベース構造をしており、一貫性があり、信頼性の高いデータ処理が可能という特徴を持っています。
テーブルごとにデータ形式やルールを明確に定義しているため不適切なデータが混入にくく、複数のテーブルの関連付けもできるため、データ間の関係も明確に表現することができます。
たとえば顧客管理システムでは、顧客の基本情報(顧客ID、名前、年齢など)を一つのテーブルに、購買履歴(顧客ID、商品、日時など)を別のテーブルに保存できます。顧客IDという共通の情報を通じて、テーブル同士の情報を関連付けることで、さまざまな角度での情報分析が可能になります。
一方で、事前にデータ構造を厳密に定義するがゆえに、あとからの変更が難しいという欠点もあります。
参考:他データベースとの違い
リレーショナルデータベースの他にも、データベースには複数種類があります。今回はリレーショナルデータベースと比較されることの多い、NoSQLデータベース(非リレーショナル型の総称)についてご紹介します。
リレーショナルデータベースは表形式でのデータ管理が特徴ですが、NoSQLデータベースは、キーバリュー型、ドキュメント型、カラムファミリー型、グラフ型など多様なデータモデルに対応しているため、より柔軟にデータを扱うことができます。以下に一例として、キーバリュー型との比較をまとめました。
リレーショナル型データベース | データをテーブル(表)で管理。データの一貫性維持や複雑な検索処理も可能だが、データ構造の変更が難しい(例:MySQL、Oracle Databaseなど) |
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キーバリュー型データベース | キーとバリューの一対一でデータを管理。データの構成がシンプルなので処理速度は早いが、複雑な処理は難しい(例:Amazon DynamoDB、Redisなど) |
それぞれメリット・デメリットがあるため、プロジェクトの要件に応じて最適なタイプを選択することが重要です。
オープンソースでフリーで使える
データベース管理システムは高機能だと有料の場合が多いですが、MySQLはオープンソースなので無料で使えます。
学習目的での利用はもちろん、企業にとってもコスト削減の効果的な手段となります。大規模なデータベース管理が必要な場合でも、高額な投資を避けられるのは大きなメリットです。
データベース管理システムをMySQLに移行することで千万、億単位のコストを削減することができた事例もあります。資金が十分でないスタートアップ企業や個人でも簡単に利用することができます。
さまざまな言語に対応している
MySQLはPHP、C++、Ruby、Javaなどのさまざまな言語と連携することができます。そのため、開発者はプロジェクトの要件や自分の好みの言語を選択して、データベースの操作をすることができます。
高性能で処理が早い
リレーショナル型のなかでも比較的少ないリソースで高速な処理が可能です。とくに読み取り操作が多くあるシステムに適しており、大規模なWebアプリケーションでよく使用されます。
拡張性が高い
MySQLは複数のストレージエンジン(例:InnoDB、MyISAM)をサポートしており、用途に応じて適切なエンジンを選択することで性能と機能を最適化することができます。
また、大規模なテーブルを小さな部分に分割して管理するパーティショニングや、複数のサーバーを追加して処理能力を分散させる水平スケーリングを活用することで、大規模データを効率的に管理し、高い拡張性を実現できます。
MySQLでできること・活用例
ここからは、MySQLを使った具体的なサービス開発例をご紹介します。
マッチングサービスの開発
MySQLの活用例のひとつに、マッチングサービスがあります。
不動産仲介サービスを例に挙げると、顧客が希望する物件の条件をMySQLで管理することで、物件のデータベースを効率的に構築し、顧客の条件に基づいた検索やフィルタリングを高速に行うことが可能です。
WordPressなどのCMS開発
MySQLはCMS開発において非常に重要です。WordPressでは、記事やユーザーデータ、コメントなど多くのデータをMySQLに保存し、必要な情報を素早く取得することができます。
ECサイトの開発
ECサイトでは、商品、注文、顧客、レビューなどのデータをMySQLで効率的に管理できます。たとえば、商品管理では商品名、価格、説明などのデータを保存し、必要に応じて作成、更新、削除が可能です。
MySQLのインストール方法(Mac)
MySQLのインストール方法をご紹介します。以下のステップで簡単に利用することができます。
- Homebrewをインストール
- MySQLをインストール
- MySQLの起動や停止
以下記事では、Windows版でのインストール方法など、より詳細にMySQLの使い方についてご説明しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。
MySQLの使い方丨インストール方法からよく使うコマンドまで解説
1.Homebrewのインストール
HomebrewはMacOS向けのパッケージ管理システムです。ターミナルを用いてさまざまなパッケージをインストールすることができます。
Homebrew公式サイトにあるコマンドを使ってインストールしましょう。
$ /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
上記を入力するとインストールが始まります。
$ brew -v
インストールが終わったら、上記コマンドを使用してインストールされたか確認しましょう。
Homebrewのバージョンが表示されたらインストール完了です。
2.MySQLをインストール
次にMySQLをインストールします。
$ brew install mysql
上記のコマンドを入力します。
$ mysql --version
インストールが終わったら、上記コマンド使って確認します。
問題なくインストールされると、MySQLのバージョンが表示されます。
3.MySQLの起動や停止
MySQLインストール後は、コマンドを使うことで起動や停止をすることができます。
MySQLの起動
$ mysql.server start
上記のコマンドを入力して 「SUCCESS」 と表示されると起動成功です。
MySQLの停止
$ mysql.server stop
停止をするときも起動のときと同じくコマンドを入力します。上記のコマンドを入力して 「SUCCESS」 と表示されたら停止成功です。
まとめ
今回はMySQLの特徴やできること、他のデータベースとの違いについて見てきました。
MySQLはリレーショナルデータベースであり、世界で広く利用されているデータベース管理システムです。オープンソースのため無償で利用することができますので、データベースを操作するエンジニアの方は、まずインストールしてぜひMySQLを学習してみてください。