ブロックチェーンがWeb3.0で再び注目を集める理由

ブロックチェーンがWeb3.0で再び注目を集める理由

Machida

Machida

コンサルタントの町田です。

私は普段の業務でクライアント先に常駐し、お客さまの新規事業やサービスの開発において要件を定義し、システムに落とし込むところまでお客さまに寄り添ってお手伝いしています。

それらの案件の中には、最近話題のNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)に関するシステム構築のご依頼もいただいております。NFTはブロックチェーン技術を用いて実現する仕組みです。今回はブロックチェーンとは何か、ブロックチェーンの普及は社会にどんな変化をもたらすのか、考えていきたいと思います。

ブロックチェーンとはなにか?

ブロックチェーンは分散型台帳技術と呼ばれているように、取引内容を記録したブロック(台帳)を、暗号技術を用いて鎖のようにつなげ、取引履歴を正確に管理する技術です。分散型台帳はこれまでの中央管理型システムのように、管理者を必要とせず、ユーザー全員がその情報を共有して管理します。この分散管理型システムを実現するための技術の一つが、ブロックチェーンなのです。

分散型システムを構成する仕組みはブロックチェーンが台頭する以前から存在していました。2002年に公開されたファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」は、ブロックチェーンにも用いられている通信方式であるピア・ツー・ピア(P2P)を応用した分散型システムです。

Winnyはネットワークにつながったコンピュータ同士で通信が完結します。そのため、著作権を侵害する違法なやり取りが横行し、大きな問題に発展しました。このような違法なやり取りができたのは、Winnyにセキュリティ面に課題があったからです。

2008年、サトシ・ナカモトという正体不明の人物がP2Pネットワーク上で電子的なお金をやり取りできる仮想通貨「ビットコイン」を発表しました。このビットコインを実現する技術として採用されたのが、ブロックチェーンです。

ブロックチェーンはP2Pの考え方をもとに、さまざまな暗号アルゴリズムを活用してセキュリティ面を強化して実現した仕組みと言えます。さらに14年にはブロックチェーン技術を活用した仮想通貨「イーサリウム」が登場します。

ちなみにイーサリウム=仮想通貨というイメージを持っている方も多いと思いますが、イーサリウムで使用される仮想通貨は「イーサ」で、イーサリウムはスマートコントラクト(ブロックチェーン上に記載された動作を自動的に実行するプログラム)を備えた分散型アプリケーションプラットフォームです。ビットコインのように開発者は正体不明ではなく、ロシア系カナダ人の天才プログラマー、ヴィタリック・ブリテン氏によって考案されました。

なぜ今ブロックチェーンが注目を集めているのか

ブロックチェーンの認知が世間に広がったきっかけは、先述したビットコインやイーサリウムなどの仮想通貨が投資や投機の対象として話題になったことです。2017年には仮想通貨は急高騰。しかし2018年には取り締まり強化により価格が急下落、現在、仮想通貨のブームは落ち着きを見せています。

仮想通貨のブームに伴い、ブロックチェーンにも注目が集まります。ブロックチェーンは仮想通貨を実現するための技術ですが、その特性をいかして、仮想通貨以外の目的にもブロックチェーンを使うことができないかと技術者たちは模索しました。日本のIT企業でも研究開発は着々と続けられてきました。

そして近年、コンテンツやデジタルアイテム全般に応用するブロックチェーン技術であるNFTがエンターテインメント業界やコンテンツホルダーの間で話題を集めました。仮想通貨とNFTの違いは、代替性の有無。例えばビットコインは代替可能なトークンであるため、AさんとBさんのビットコイン同士を等価交換できますが、NFTは唯一性が担保されるため、他のデジタル資産との交換はできません。

さらにここ1~2年で、Web3.0の概念が認知されてきたことで、それを実現する技術であるブロックチェーンに、再び注目が集まっているのです。Web3.0はイーサリウムの共同創設者であり、Web3 Foundationを立ち上げたギャビン・ウッド氏が提唱した概念です。

Webの発展の歴史

Webの発展の歴史について簡単にご紹介します。

Web1.0はユーザーが情報を一方的に表示した時代。ほとんどが静的なWebページで構成されていた時代です。

Web2.0は現在までのWebの世界。Webはユーザーが情報を提供することで、コンテンツを創り出すプラットフォームへと進化しました。

ですが、Web2.0には中央集権型という課題があります。GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)と呼ばれる一部のプラットフォーマーが私たちの個人情報を集め、巨大な権力を握る状況にあることです。

そこで脱GAFA、つまり中央集中型からの脱却を果たすために、分散管理の仕組みを導入しようというのが、Web3.0の世界です。

Web3.0は世界のさまざまな国、企業が取り組みを表明しています。日本政府も同様です。Web3.0を「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の基本戦略の柱の一つに掲げることを閣議決定するなど、推進に本腰をいれることを打ち出しています。

このような国策もあり、Web3.0の認知度は向上。そのインフラとしての位置づけを担うブロックチェーンの注目も高まっているのです。とはいえ、Web3.0への流れは始まったばかり。日本政府も個人認証を、ブロックチェーンを使ったインフラへ移行することを検討していますが、具体的なシステムの形を議論する段階まできているわけではなく、まだまだ試行錯誤している段階です。

ブロックチェーンによって暮らしやビジネスはどう変わるのか

ブロックチェーンの肝は、中央集権的な誰かではなく、情報やデータをブロックチェーンに参加しているユーザー全員で証明するということ。ブロックチェーンがインフラとして浸透すると、情報やデータの価値が変わるということです。今、持っているネット上の資産をブロックチェーン上で価値のあるモノとして変遷させなければ、無価値なモノとして扱われてしまう可能性があるわけです。

例えばブランド牛の流通もそのひとつ。本当にその牛肉がそのブランドであることを証明するのであれば、ブロックチェーンの活用が望まれます。ユーザー全員で証明することによって、産地偽装を防止することができるからです。

ブロックチェーンが浸透すると、価値を決めるのはそのブロックチェーンに参加している全世界のユーザーになります。ユーザーに認知されなければ、そこには価値がなくなってしまう可能性があるということ。つまり、価値を感じるかどうかはユーザー次第になるので、ブランディングがより一層重要になると考えられます。

さらなる変化は、ブロックチェーンが普及することで、インターネットの世界(メタバース)へと、人々の活動や行動、モノが移っていくことが考えられています。ブロックチェーンにより、メタバースの中の要素や出来事にオリジナル性を担保することができるからです。FacebookがMetaに改名し、昨年度よりメタバースへの投資を始めたことからも推察できます。

とはいえ、日本でどれだけメタバースへの移行が進むかは未知数です。なぜなら、ブロックチェーンの浸透も日本ではそう進んでいるわけではありません。最近円安が続いているとはいえ、まだまだ世界的に見て日本の通貨「円」の価値は高いからです。

一方、自国の通貨の価値が非常に脆弱なアフリカや東南アジアでは、仮想通貨が浸透しており、個人送金の額も大きくなっています。ブロックチェーンはもはや身近に使われる技術として浸透しているのだということも把握しておく必要があるでしょう。

LIGがお手伝いできること

NFTの台頭により、電子データに対する価値が変わりました。そしてその価値を決めるのは、ユーザー一人ひとりです。

つまりこれまでのように提供者が価値を決めて取引を行うのではなく、これからは購入者側がその価値自体を決める時代になるということです。そのような考えのもと、より一層、ユーザーにとっての価値を追求し、プロダクトやサービス、コンテンツを設計する必要があります。

そして私たちLIGは、ユーザー目線での設計をお手伝いすることができます。当社にはデザイン思考に基づいた、ユーザーにとって最良なUI/UXを提供できるデザイナー、外資系ファームでノウハウを蓄積したコンサルタント、さらにはシステムを作り上げるエンジニアが揃っています。

事業を成長させるパートナーとして、お客さまに寄り添い、伴走いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

ブロックチェーンについて問い合わせる

この記事のシェア数

6

Machida
Machida

アクセンチュア株式会社にて、半導体製造機器メーカー基幹システム刷新PJのプロジェクトマネジメントやグローバル体制構築支援に従事。新卒で入社した日系最大手SIerではインターネットバンキングの開発も経験。