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Webサイト制作のスケジュールを引くときに知っておきたいポイント3選

リリィ

こんにちは。Webディレクターのリリィです。

今日は、スケジュールを引くときに知っておきたいポイントを、PMBOKのタイムマネジメント論を参考にしながらご紹介します。ディレクター初心者の方や、なんとなく経験則でやってるけど座学の観点で考えたことがない、という方はぜひご覧ください。

PMBOKについては以前書いたこちらの記事も参照ください。

▼参考文献はこちら


まずはこれだけ押さえたいポイント3つ

いざスケジュールを引こう! と思ったとき、みなさんはどのようにスケジュールを引いていますか? 考慮しないといけないことやタスクの量が多すぎると気が遠くなっていませんか? ちなみに私は途方に暮れることが多いです(笑)。

PMBOKの考え方をベースにまずは下記の三つのポイントを理解することで、スケジュールの組み立てが少し楽になると思います。

  1. 作業の種類によってタスクの順序関係はある程度決まる
  2. マイルストーン
  3. クリティカル・パス

次の段落から早速見ていきます!

作業の種類を理解する

スケジュールは、分解していくと一つひとつの作業が連なっているものですよね。スケジュールを構成している各作業は、基本的には三つのタイプに分類が可能です。

ここでいう作業のタイプとは、一つの作業が他の作業にどのような順序決定を与えるかということです。分解したタスクが、それぞれどのタイプにあたるものかを理解することで、より正確なスケジュールに近づけることができます。

それではPMBOKの定義に当てはめた実例を元にそれぞれ見てみましょう。

作業の順番が決まっているもの(強制依存)

作業の性質として、順序を入れ替えることができないものです。「デザインが完成していないので、コーディング作業ができない」「仕様が決まっていないので開発できない」というような前の作業が終わらない限り、先に実施することができないタイプの順序関係ですね。LIGでは、タスク管理ツールのAsanaを使用して「依存関係」として管理しています。

作業の順番をある程度自由に決められるもの(任意依存)

ある程度自由に作業の順序を定義できるものを指します。例えば、「デザインを作成する」→「コーディングを開始する」という順序関係の場合は、トップページデザインができたときなのか、主要ページができたときなのか、全ページができたときなのか、各プロジェクトの方針によって、任意で決定することができます。

任意で決定、ということは作業内容とそこで決めるべきことをメンバーが正確に把握できていないと、著しく手戻りが発生するリスクもあるということ。プロジェクトメンバー内での事前確認と連携が特に必要になる場面です。

外部依存

プロジェクト外の外的要因に依存する作業を指します。例えば、外注したイラストの納品が完了しないと、ページのデザインがFIXできない、などが該当します。

作業の順序関係を理解する

一つひとつのタスクに落とし込んだときに、各作業にどんな種類があるのかを上記で把握しました! 次に理解が大事なポイントは、作業の順序関係です。

はじめにPMBOKでの定義を確認しておきます(厳密には4種類の順序関係が存在しますが、Web制作プロジェクトで主に使われる以下の二つに絞ります)。

1.終了ー開始 の関係

前のタスクの完了をもって、後続のタスクが開始する、というスタンダードな順序関係です。とてもイメージしやすい、というかタスクとは全部これじゃないの??? と思ってしまいます。

2.終了ー終了 の関係


後続のタスクが完了するまで、前のタスクを終わることができないものです。なんじゃそりゃ? と一瞬思いますが、デザイン作成と、デザインガイドライン作成の関係で考えてみます。

デザインが完成してから、ガイドラインを作成した場合に、あとからガイドラインで定義した内容に変更が発生したとします。すると作成済みのデザインにすべて手戻りが発生するリスクが出てきますね。

LIGでは、基本的にはデザインが完成して、それをもとにガイドラインを作成することが多いですが、プロジェクトの内容を踏まえて臨機応変な設定が必要です。

マイルストーンを設定する

二つ目のポイントはかの有名なマイルストーンです。有名なので今さら取り上げるまでもなさそうですが、やはりとても重要なものなのでしっかり押さえます。

マイルストーンとは

そもそもマイルストーンって詳しくはどんな意味? という部分を改めて確認します。

プロジェクトのなかで「重要な意味をもつイベント」のこと。「主要な要素成果物の完了」などがこれに当たる。ウェブ・プロジェクトでは、フォーマットデザインの確定や仕様書の凍結、プログラム実装の完了などが挙げられる。クライアントから途中の主要な成果物について期日を決めて納品を求められることもあり、これもマイルストーンになる。マイルストーンとは「里程標」のことで、その語が示すように、1マイルごとに石(ストーン)を置いて距離を測ったことに由来する。
引用元:林 千晶,高橋 宏祐 著『Webプロジェクトマネジメント標準』(技術評論社、2008年)

「デザインFIX」や「実装完了」などがマイルストーンの典型例ですね。

マイルストーンの役割

マイルストーンを適切に設定することでプロジェクト上ではざっくり以下のようなメリットがあります。

  1. クライアント、スタッフメンバー間でスケジュールの認識共有をしやすくなる
  2. スケジュール遅延のリスクがある際にリカバリの起点として確認可能になる

スケジュールは日々進行しているので、完璧に当初のスケジュール通りに進むプロジェクトはごく稀だと思います。しかしマイルストーンさえ守っていればその範囲内でそれぞれの作業調整をしつつ、遅延を回避することができます(理論上は)。

しっかりマイルストーンを定めましょう。

クリティカル・パスを理解する

長くなりましたが、最後に「クリティカル・パス」です。名前は覚えてもそのうち忘れそうなので、考え方だけ押さえます。

クリティカル・パスとは、直訳すれば「重要な道筋」ということで、納期に直結する一連の作業のつながりのことです。
引用元:林 千晶,高橋 宏祐 著『Webプロジェクトマネジメント標準』(技術評論社、2008年)

つまり、Webサイト制作においては要件定義から始まり、デザイン、実装、テスト、などなど納品までに必要な「制作作業」がこのクリティカルパスに該当します。

画像の例ですと、クリティカルパスにあたる作業の流れがあり、そこに対して「デザイン参考探し」や「写真撮影」といった開始/終了日をある程度調整しても全体スケジュールには影響しないタスクがあります。

PMBOKの考え方では、クリティカルパス上の作業を予定通り進行できれば全体スケジュールが遅延することはないです。

スケジュールの中で、クリティカルパスにあたる作業の流れがどこなのかを把握しておくことで、スケジュール遅延などのリスクに気付くことができます。

まとめ

ここまでのポイントをまとめてみます。

プロジェクトの中で発生する作業の内容と順序関係を把握し、そこで組み立てた作業の流れを見ながら節目にマイルストーンを設定します。ここで、制作の本流とも言えるクリティカル・パスが見えるため、重要な作業の流れを把握しておきましょう。

経験則がものをいう場面が多いのも事実ですが、基本をしっかり理解しておくこともとても大事だと思います! とはいえ知識だけでもうまくいかないので、これまでの経験を活かしつつ、体系的な知識を取り入れて、よりスムーズなスケジュール作成を目指しましょう!

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