伝統的な農法と狩猟で食料を得る自給自足
そんな無電化村では、一体どんな食事をするのでしょうか?
村人の食生活は、基本的には自給自足。焼畑農業で陸稲とイモ類とトウモロコシを育て、それらが食事の中心になります。
ただし食料が豊富にはないので、1日の食事回数は2回のみ。
彼らは農業の歴史本に載っている伝統的な農法を今でも続けています。山刀一本だけで大木を伐り、乾燥させてから火を着けて燃やし、そこに種をまく。作物を収穫したら7年ほど放置して天然林に戻し、これを繰り返す循環型農法です。
また男たちは木とゴムでできたパチンコを常に持ち歩き、野鳥やイグアナを見つけたら石をパチンコで飛ばし、獲物を狩って食料にします。
私もパチンコによる狩猟に挑戦しましたが、命中させるのがとても難しく、結局一匹も獲物を捕ることはできませんでした。
猟銃を持っている人は野生の鹿を狩ることもあり、そんな野生動物たちが貴重なタンパク源になっています。
裕福な人の中には豚や牛などの家畜を飼っている人もいます。私も家畜を捕まえるための投げ縄のコツを教えてもらいましたが、動物の首に輪を命中させるのはまさに至難の業でした。
もちろん屠殺も自分たちで行い、動物を「食料」に変えていきます。
「生きるために、他の生き物の命を頂くこと」を実感する、とても刺激的な日々でした。
さいごに
パナマの電気も水道もない村の暮らしは、何となくイメージできましたでしょうか? キャンプみたいな生活に、ワクワクしてきましたか?
日本には電気も水道もコンビニもあり、快適な生活環境が整っています。日本に暮らしていた時には「当たり前」だった一つひとつが、無電化村で暮らした後には幸せに感じられ、感謝するようになりました。
「蛇口をひねると衛生的な水が出るなんて、水道屋さんありがとうございます!」
「家にコンセントがあるなんて、電気屋さんありがとうございます!」
などと、とにかく感動しっぱなし(笑)
パナマの電気も水道もない村で2年間暮らしたら、世界の見え方が変わったのです。
この記事を読んで少しでもワクワクした人は、今の日本の生活を改めて振り返ってみてはいかがでしょうか?