こんにちは、LIGブログ編集部です。
コンテンツマーケティングは、ただコンテンツを公開して終わりではなく、正しく運用していくことで成果が見込めるものです。
今回は、成果を出すためのコンテンツマーケティングも運用ポイントについて、徹底的に解説をいたします。
目次
編集部注:2014年に公開された記事を再編集しました。
運用を始める前に:コンテンツマーケティングの本質は経営課題の解決
コンテンツマーケティングは、従来のマスメディアへの広告掲載と比較し、顧客とコミュニケーションがとれるマーケティング手法として注目されてきました。そんな背景から、「すぐにコンテンツマーケティングの運用を始めたい」という企業も増えている印象です。
たしかにコンテンツマーケティングは、企業が自社の価値やメッセージを伝え、顧客との関係性を深めるために有効なツールといえます。しかし注意したいのは、目的が曖昧なまま運用してしまうと意味をなさないものになってしまうということです。事実、長い時間や労力をかけたのに「コンテンツを見てくれる人は増えたけど、事業成長につながっていない(もしくはその判断がつかない)」となってしまう企業は本当に多くいらっしゃいます。
コンテンツマーケティングの本質は、経営課題を解決することです。ここに紐づいていない施策をおこなっても、時間を無駄にしてしまうかもしれません。自社の経営課題を明確にし、それに応じた運用方法を設計することが、コンテンツマーケティング運用の重要な考え方になります。
コンテンツマーケティングの運用手順を5ステップで解説
コンテンツマーケティングの運用手順は以下の通りです。
- 目的を明確にする
- コンテンツ作成に必要な情報を分析する
- KGIとKPIを設定する
- コンテンツを作成する
- 効果測定・分析をし、改善をする
それぞれ詳しく解説します。
ステップ1.目的を明確にする
コンテンツマーケティングを進めていく上で一番起こりがちなのが、ただコンテンツを増やすことだけが目的となってしまうケースです。先ほど伝えたように、コンテンツマーケティングの本質は事業課題の解決であり、その課題に紐づいて運用を進める必要があります。
例えば事業課題が収益の向上なら、商品やサービスをまだ知らない潜在顧客に認知してもらい、商品・サービスを購入してもらい、さらにはファンになってもらうといったように、ユーザーの態度変容を起こすことがコンテンツマーケティングの目的になります。
まずはコンテンツマーケティングを運用する中でどのような成果を得たいのか、目的を明確にしていきましょう。
ステップ2.コンテンツ作成に必要な情報を分析する
目的を明確にできたら、効果的な戦略を立てるために必要な情報を分析・設定します。必要な情報とは、主に以下のものです。
- 競合分析
- ペルソナの設定
それぞれ詳しく解説します。
競合分析
コンテンツマーケティングは、コンテンツを通して態度変容を起こしてもらうことを意識しなくてはなりません。その時に必要になるのが、競合調査です。
競合調査をおこなう理由はいくつかありますが、
- 自社製品と競合の差別ポイントを明確にし、ユーザーが自社商品・サービスを購入する理由を知る→ユーザーにどう訴求すれば魅力に感じてもらえるのかがわかる
- 競合他社の数や売上規模から、どのくらいの効果が見込めるのか概算を立てる→KGI設定時の基準がわかる
などが主な理由です。
ペルソナの設定
ペルソナとは、商品やサービスを利用する典型的な人物像のことです。
ペルソナを設定することで、ユーザー視点でのコンテンツを作成しやすくなります。また、運用メンバー内で共通認識を持つことができるため、発信するメッセージに統一性がでる・クオリティの担保に繋がるといったメリットも期待できるのです。
ペルソナは以下のように、性別・年齢などの統計学的な情報と、ライフスタイルや価値観などの心理学的な属性に大別して設定していきましょう。
ステップ3.KGIとKPIを設定する
コンテンツのテコ入れのタイミングをはかる意味でも、KGIとKPIの設定は必ずおこないます。
KGI | 定量的なゴール。重要目標達成評価指数。 |
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KPI | KGIを達成するための中間指標。重要業績評価指標。 |
仮にKGIが「サイトからの申し込みによる売上げ100万」として、現状が訪問1,000人×CVR10%×顧客単価1,000円=10万円という状況だった場合、「訪問者を10,000人にする」というのが1つのKPI設定になります。
KPIはKGIをベースにロジックで算出するのが基本で、何となくやキリがいいからで「2倍に」などと設定してはいけません。
また、いつまでにそのKPIを達成するのか、期限を設けることも大切です。
ステップ4.コンテンツを作成する
ステップ2で設定したペルソナが、どのようなタイミングでどのようなコンテンツに触れるのかを考え、それを元にコンテンツを作成します。
コンテンツ作成のコツは、コンテンツを通して目的に一歩だけ前進させるということです。
例えば自社の商品を全く知らない層に対しては、まずは「こういう商品がある」という事実を知ってもらうことを目的としたコンテンツを作成します。既に商品を知っているけどあまり興味を持っていない層に対しては、コンテンツに魅力を持ってもらうこと目的としたコンテンツを作成します。
このように、自社の顧客に少しずつ近づけていくという考え方がとても重要です。
逆に、よくない例は、自社商品を全く知らない・興味を持っていない潜在層に、いきなり自社製品の魅力だけを伝えるようなコンテンツをあてることです。このようなコンテンツは、ユーザーに刺さらないだけでなく、過剰であれば逆い嫌悪感を抱かれてしまう可能性もあります。
具体的なコンテンツ作成方法は次項目で解説しているので、ぜひこのまま読み進めてください。
ステップ5.効果測定・分析をし、改善をする
コンテンツを公開したら、どのくらいの効果があったのか振り返りをおこないます。
コンテンツマーケティングは中長期的に施策をおこない効果が実感できるものです。継続的にコンテンツを公開し、まずは3ヶ月程度経ったタイミングで効果測定を行うのがよいでしょう。
効果測定をおこなうときは、主にコンテンツのアクセス解析をおこないます。流入数や流入経路、検索エンジンからの流入を見込んだコンテンツの場合はクエリや検索順位をチェックします。
- 使えるツール
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- Googleアナリティクス(GA4)
- Google Search Console
何が問題で上手くいかないのか、何を伸ばせばもっと上手くいくのかなどの分析は、コンテンツの改善のために必ず定期的におこなうようにしましょう。
その際、定性ではなく必ず定量で評価するようにしてください。ユーザ認知という定量化が難しいものも、可能であれば実施前と実施後でアンケート調査するなど、必ず数字で検証できるようにしておきましょう。
あわせて、どんなキーワードで訪問があったか、どんなコンテンツが人気だったかなど、ユーザの興味・関心を知り、コンテンツの質の向上に役立てるようにしましょう。
流入がない・検索順位が芳しくないコンテンツは、リライトをおこない改善をします。検索エンジンからの流入を見込んだコンテンツ場合、検索キーワードから改めてニーズを探り、それを満たすコンテンツになっているかを確認していきましょう。
記事コンテンツの作成方法
記事コンテンツを大別すると、以下の2つがあります。
- 検索エンジンからの流入を見込んだ記事コンテンツ
- ソーシャルメディア(SNS)からの流入を見込んだ記事コンテンツ
ここではそれぞれの作成時における考え方を解説します。なお、詳しく知りたい方はこちらのコンテンツ作成方法を解説している記事もあわせてご覧ください。
検索エンジンからの流入を見込んだ記事コンテンツ
検索エンジンからの流入を想定したコンテンツ制作では、まずキーワード設計をおこうことが重要です。キーワード設計とは、設定した指標(KGI、KPI)を達成するために、どのキーワードをどんな優先順位で作成していくかの戦略を立てることをいいます。
以下のようなツールを活用し、どのようなキーワードが必要なのか洗い出していきましょう。
- キーワード設計時に役立つツール
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- カスタマージャーニーマップ:ユーザーがコンバージョンに至るまでの体験や思考・行動の変化を可視化できるので、どのようなキーワードが必要なのか導きやすくなります。
- 競合他社の検索流入キーワード調査:競合他社がどのようなキーワードでSEO対策をおこなっているのかも、参考にしてみましょう。競合他社の検索流入キーワードは、「ahrefs」などの有料ツールで確認できます。
優先順位はサイト状況にもよって変わるため一概にはいえませんが、問い合わせ数を指標においているならば比較検討段階のようなコンバージョンに近いキーワードを、トラフィック数を指標においているなら検索ボリューム数の多いキーワードを、といった具合に決めていきます。
キーワード設計ができたら、コンテンツを作成します。コンテンツ作成時には、ユーザーのニーズに沿った情報であることを何よりも意識します。「そのキーワードで検索するユーザーはどのような情報を求めているのか」を徹底的に考え、それをコンテンツに落とし込んでいきましょう。
ソーシャルメディア(SNS)からの流入を見込んだ記事コンテンツ
ソーシャルメディアからの流入を想定したコンテンツを制作する場合は、主に影響力のある外部の方に出演・執筆してもらうか、企画性で勝負するかの2パターンがあります。前者は予算があれば実行可能で、出演者のフォロワーに応じてある程度拡散されます。
ただ、バズはあくまで自然現象なので、実行しても効果は確約できません。とはいえ、純粋に読み物としての充実度を上げるために企画性の高い記事をつくる企業も多くいます。
企業名やブランド名、サービス名がある程度知られている場合は、SNS向けの記事のみでもアクセス数が伸びていく可能性もありますが、そうでない場合は、SEO記事も合わせて制作・配信していくのが王道です。
コンテンツマーケティング運用のポイント・注意点
コンテンツマーケティングを効果的に運用するためのポイントや注意点についてまとめました。
- 発信内容のバランスをコントロールする
- 「いいね!」の数やPVだけで評価しないこと
- キーワード選定は正しいか
- ブランディングを意識したコンテンツになっているか
発信内容のバランスをコントロールする
コンテンツマーケティングを運用するには、発信内容のバランスをコントロールする必要があります。
たとえばある商品について、
- 知ってもらうための情報
- 競合商品との違い(自社商品の価値)を伝えるための情報
- 仕様や料金を伝えるための情報
という3種類の情報のうち、いずれかの情報だけに発信が偏ってしまう、ということはないでしょうか。先ほどお伝えしたように、コンテンツマーケティングの運用では、コンテンツを通して徐々にユーザーの態度変容を起こしていく意識が重要です。
つまり上記の情報は、いずれも必要な情報なのです。コンテンツを作成するときは、発信内容をコントロールして、さらにサイト内でユーザーが回遊できる動線をきちんと整えるようにしましょう。
「いいね!」の数やPVだけで評価しないこと
コンテンツマーケティングにおいて、SNSによる情報拡散は重要です。本来は接触する機会のなかった人たちのもとに情報が届くことで、認知が拡大するためです。しかし、「いいね!」の数などソーシャルでの指数のみを評価の基準としてしまうのは少し危険なことでもあります。
ソーシャルで評価が高いコンテンツというのは、本業とはあまり関係のないものであることも多く、「いいね!」が多いからこのコンテンツはいい、少ないからダメ、という単純な評価指標としないように注意してください。
また、オウンドメディア上でコンテンツを発信する場合、その目的を見失わないようにしてください。例えば目的が売上向上の場合、必要なのは「売上げなどの成果=コンバージョン(CV)」であって、PV数ではありません。
キーワード選定は正しいか
検索エンジン上で記事コンテンツを上位表示できれば、安定的な流入が見込めます。ただし、KGIに紐づいたキーワードを選定するようにしてください。
よくあるのが、KGIを売上においているのに、KPIをPV数としている例です。単刀直入にいうと、PV数を増やしただけでは売り上げは上がりません。
たとえばテレビの販売数をコンテンツマーケティングで伸ばしたいという企業がいたとします。このときPV数をKPIにおいてしまうと、月間検索ボリュームが多いキーワードで上位表示を狙う、という判断になるでしょう。キーワードを調査してみると「テレビ欄」「テレビ 配線」などが候補にありました。
仮にこれらのキーワードで上位表示ができた場合、本当に売上につながるでしょうか?答えはNOですよね。
なぜなら、実際にこのキーワードで検索する人は、既にテレビを持っている可能性が高いからです。
売上を上げたいなら、月間検索ボリュームは少なくても「テレビ 買い替え おすすめ」「テレビ 50インチ 白」など、実際にテレビを探しているキーワードを選定した方が、効果が期待できるでしょう。
ブランディングを意識したコンテンツになっているか
PVが欲しいとき、同じような情報ばかりが続いてしまうので少し目先を変えたいとき、本業とはあまり関係のない情報を配信しようと考えることはよくあると思います。
このときに注意したいのが、ブランディング上問題がないかどうか、という点です。ブランディングにはいろいろな定義がありますが、“世間からこんな風に思われたい”という理想へ向けての戦略的なイメージコントロール、というのがわかりやすいかもしれません。
たとえば「猫を出しておけばソーシャル経由でPVをとれる」などという話をよく聞きますが、ブランディング上で猫が登場しても不自然でないのであれば問題はありません。(もちろん自社の商品やサービスと絡め、何かしらの情報提供ができる場合に限ります)
ただし、出し方には十分注意しないと、猫を出している企業という印象は残り続けます。ブランディングは一度崩してしまうと回復が極めて難しいものでもあります。
普段と違うことをやろうとするとき、それをやったという実績はずっと残る、そのイメージは思わぬところまでついてくる、ということは念頭に置くようにしてください。
よくある質問
コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違い
コンテンツマーケティングの中に、コンテンツSEOが含まれます。コンテンツマーケティングとは、記事や動画などのコンテンツを活用したマーケティング手法です。コンテンツSEOは、その中でSEO記事を活用したマーケティング手法です。
コンテンツSEOは、検索エンジンで上位表示させることを目的としています。そのため、検索エンジンに評価されるようなコンテンツを制作・発信する必要があります。具体的には、検索ユーザーにとって有益な情報を提供したり、キーワードを適切に設定したりすることが重要です。
コンテンツマーケティングの運用体制について
コンテンツマーケティングを成功させるためには、コンテンツの制作・公開体制を整える必要があります。コンテンツマーケティングの運用には、コンテンツの企画・制作担当者、コンテンツの編集担当者、クオリティを担保する人、カメラマンなどが必要です。
実は、コンテンツマーケティング成果がでないと相談にくる会社に多いのは、「担当者が他の業務と兼業している」ということです。コンテンツマーケティングで成果を出すには行動量も必要なので、最低でも一人は、運用にコミットできる人材をおくことをおすすめします。
リソースの確保が難しく外部会社への依頼を検討している方は、以下の記事もご覧ください。
コンテンツマーケティング支援・コンサルティングに強い会社17選
さいごに
コンテンツマーケティングの運用手順や運用のポイントついて解説しました。
コンテンツマーケティングは中長期で取り組むもので、劇的な変化がすぐに訪れるわけではありません。しかし、やるからにはきちんと成果を生み、成果を生むからこそ予算を投下し、一層ユーザにとって役に立つコンテンツを提供していく、という好循環を目指してください。
コンテンツマーケティングの成功事例13選!成功の理由も分析 インフルエンサーを活用したコンテンツマーケティングのポイントは?