こんにちは、DevRelライターのシュンです。僕は設立10年以内で企業価値が10億ドルを突破する「ユニコーン企業」を探すべく、ITのメッカ・シリコンバレーとサンフランシスコのスタートアップ企業にインタビューをして回っています。
さて、今回訪問したスタートアップは、2013年9月にモスクワでスタートし、現在はサンフランシスコを拠点にしている人工知能カンパニー「Luka(ルカ)」。オススメのレストランを、人工知能がメッセンジャーで答えてくれるアプリを世界で初めて開発したスタートアップです。
そんなLukaの共同創業者であるPhilip氏にお話を伺いました。
「人工知能サービスの第一歩として、レストラン案内アプリを作った」
ー今回開発された「Luka」はどのようなものなのでしょう?
Lukaは世界初の個人向け「人工知能サービス」です。今回リリースしたのは、個人的な条件に合わせて、サンフランシスコのレストランやカフェを案内してくれるアプリ。まるで、友だちのような感覚で情報をチャットUIで交換できるのが特徴ですね。
ーLukaには、2つの機能がありますよね。レストラン案内と、人工知能の側面だと思うのですが。どちらを最初に取り組みたいと思ったのですか。
まず、私たちは人工知能の会社なので、人工知能ですね。レストラン案内は最初の一歩に過ぎません。チャット上で成立するサービスとして、将来的には、あらゆる領域への進出を考えています。
Lukaに聞けば、なんでも解決するような、そんな世の中を作っていきたいですね。メール、ウェブサイト、あらゆるネットワークに参入したいです。今回のレストラン案内は、そのための第一歩です。
ーなるほど。Amzonが最初に本屋にフォーカスして、EC事業をどんどん展開していったように、といったところですね。
「Lukaに聞けばなんでも解決する、そんな世の中を作っていきたい」
ーなぜ作ったのでしょう?
困っていることをLukaが応対してくれる世の中を作りたかったからです。
Lukaは人間が先天的に持っている「2つのL」を捉えているんです。1つは、 “Lazy(怠惰)”です。お店を考えるなんて、わざわざ面倒くさい。できることなら、本当に集中したいこと以外は、誰かに決めてもらいたいものです。
もう1つは、”Lonely(孤独)”。一人で居るときに、話し相手が欲しい。反応が欲しい。そんな2つの課題を、ばっちり解決しようとするのがLukaなのです。
ーLukaってかわいい名前ですよね。名前の由来を教えてくれませんか。
とある少年の名前をいただきました。ロシアに居た頃は、別の名前で会社をやっていたんです。サンフランシスコに進出するにあたり、新しい名前でやってみようと考えて、Lukaにしました。
ーそうだったんですね。女性だと思っている人が多いかと思うんですが、実は少年がモデルだったとは。仮の話ですが、もし、Lukaと誰かが恋に落ちてしまったら、どうしましょう?(笑)
それはビックリですね(笑) でも、コンピュータのオペレーティングシステムに恋をした男性を描いた映画『Her』は、私たちが目指す未来像の一つだと思っています。すでに、Lukaとプライベートな会話を交わしている人たちも出てきているのです。もう、友だちと何ら変わりはありません。Lukaにも性格がありますし、「どんな音楽が好きなの?」と聞いたら答えてくれます。もしかしたら、恋に落ちるなんてこともあるかもしれませんね。
ーはは。最後に、Philipさん自身の夢はありますか。もし、あれば聞かせてほしいです。
んー。まず、周りの友人が幸せになってほしいというのがありますよね。それから、自分が生きた跡を残したいです。人生が終わったあとも、誰かが必要としてくれるような何かを生み出してやりたいですね。
ーありがとうございました!
※今回おこなったインタビュー動画はこちらから閲覧できます(日本語字幕もあります!)。
人工知能が提供するサービスを、あらゆるネットワークに提供したい
Lukaのチームは現在13人。そのうち、Philipを含む4人がサンフランシスコで勤務しています。シリコンバレーの優等生バッジを証する「Y Combinator」W15の卒業生ですが、だからといって彼らは鼻高々にならず、コツコツと、周りの仲間を幸せにするために頑張っていました。
今回開発したレストラン案内アプリは、彼らにとって最初の一歩。これからも人工知能をつかったCtoCサービスの幅を広げていくという彼らの活躍が楽しみです。
・Luka公式サイト
https://luka.ai/