文章を書くのが苦手な人もわかりやすい文章を書ける10のポイント


文章を書くのが苦手な人もわかりやすい文章を書ける10のポイント

こんにちは、LIGブログ編集長の朽木です。世の中には“わかりやすい人間”と“わかりにくい人間”がいて、概してわかりやすい人間の方がよくモテ、出世もしやすく、幸せな人生を送れると思う今日この頃です。
わかりにくい人間であるところの僕は、せめて自分の書く文章くらいはわかりやすくしたいと思っておりますが、みなさまの文章のわかりやすさはいかがでしょうか。

文章を書くことは、なにもライターや編集者だけの仕事ではありません。社内の報告書、社外へのビジネスメールなど、コミュニケーション・ツールとしての文章は、どんなに技術が進歩してもなくならないものです。
“他人が読むこと”を前提とするにあたり、目的は相手に情報を伝えること、であれば大切なのはその文章がわかりやすいかどうかになるでしょう。

僕はLIGブログとPooleインタビューの編集長をしている関係で、月に100本くらいの原稿をチェックします。
まだまだ勉強中の身ではありますが、そんな生活を続けていると、少なくともわかりにくい文章の傾向が見えてきて、「もっとこうすればいいのに」と思うのです。

そこで今回は、僕がライター・編集者として日夜業務に当たる過程で見つけた“わかりやすい文章を書くポイント”をご紹介させていただきます。
わかりにくい文章を書いてもみんなが頑張って理解しようとしてくれるのは敬愛する村上春樹先生くらいのものですから、それ以外のみなさまのお役に立てば幸いです。

それでは、はじめます。

▼目次

わかりやすい文章を書く10のポイント

今回、これまでのライター・編集者としての経験を振り返って、現場の仕事に即した、次のメールから使えるようなチェック項目を挙げてみました。
とはいえ僕は国文学を専攻した訳ではありませんので、事実誤認や勘違いがあるかもしれません。その場合はご指摘を頂ければ、修正事項を明記の上、すぐに反映させていただきます。

また、以下はわかりやすさを優先して文法用語を使用しています。厳密には使い方が異なる場合があるかと思いますが、あらかじめご了承ください。

1. 主語と述語は正しい関係か

“わかりやすい”が“一読してわかりやすい”ということであれば、もっともわかりにくいのがこのパターンです。

例:考えるべきことは翌月・翌々月の数字をいかに組み立てて、当月のカバーを行うかに視点をシフトする必要があります。

途中までフムフムと読んでいても、読み終わるとよくわかりません。主語と述語が一貫していないからです。
このままでは、文章全体の主語は“考えるべきことは”、述語は“あります”と読めます。でも、最後の文節で“必要が(主語)あります(述語)”と完結してしまっているため、“考えるべきことは”を受ける述語がありません。

例:考えるべきことは(主語?) / 翌月・翌々月の数字をいかに組み立てて、 /
当月のカバーを行うかに / 視点をシフトする / 必要が(主語?) / あります。(述語)

そして、そもそもこの文章は“考えるべきことがある”という意味ではありません。

例:考えるべきことは翌月・翌々月の数字をいかに組み立てて、当月のカバーを行うかという点です。

このように、“考えるべきことは、(主語) / 〜という点です。(述語)”という文章にするか、そもそも下記のように、

例:翌月・翌々月の数字をいかに組み立てて、当月のカバーを行うかに視点をシフトする必要があります。

“〜する / 必要が(主語) / あります。(述語)”という文章にするのがわかりやすいでしょう。

主語と述語の関係が正しくない文章は、ビジネスメールなどでもよく見かけます。
送信ボタンを押す前に、一度落ち着いて、上記のように文章の関係性を見直すと、相手の理解もスムーズかと思います。

2. 助詞の使い方は適切か

次に気になるのが、助詞の使い方です。細かな用法を説明すると沼なので、事例をもとにご紹介します。

例:数字がキレイに目標を達成するための組み立てを行う。

当たり前ですが、“数字”が“組み立てを行う”わけではありません。助詞「が」には“主語を表す場合(例:水がきれい)”と“対象を表す場合(例:水が飲みたい)”とがありますが、文章の述語次第で読み方が変わります。
例文はそのまま読んでしまうと、どうしても“数字が〜組み立てを行う”という意味に捉えられてしまうので、このトーンで書き直すのであれば、

キレイに目標を達成するために、数字の組み立てを行う。

などにするのがいいかと思います。
前述しましたが、どこが主語でどこが述語か、複数解釈が可能な文章はわかりにくいですので、なるべく一義に決まる文章を書くのがいいでしょう。

助詞は本当に奥が深く、突き詰めようにも底が見えない領域ではありますが、ぜひ一度は用法を復習しておくことをおすすめします。
下記はWikipediaですが、まとまっているように思ったので、参考にしてください。

参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/助詞

3. 長すぎず、短すぎず

これはそのまま、長すぎる文章はわかりにくいし、短い文章は難しいのです。

例:このサービスを利用することによって、習熟度が飛躍的に上がるユーザとの距離を近くに保ち、ユーザの関心度を高い位置で維持するために、会社の制度として資格手当もあるそうですが、手助けになる勉強会も頻繁に行っています。

長いので、いくつかの文章に分けましょう。

例:このサービスを利用することによって、習熟度がどんどん上がるユーザとの距離を近くに保つことができます。ユーザの関心度を高い位置で維持するために、会社の制度として資格手当もあるそうです。また、手助けになる勉強会も頻繁に行っています。

ブラッシュアップの余地は大いにありますが、読みやすくなったのは確かだと思います。文章が長くなるときは、留意して見直し、小分けにするようにしましょう。

一方、短い文章はどこまでも削ることができるので、それはそれで難しいです。

例:コンバージョンにつながりにくくなるということがあったためです。

これは“コンバージョンにつながりにくかったためです。”とするとスッキリします。

例:参考までに捉えてみてください!

これは“参考にしてみてください!”で十分でしょう。このように、できるだけ文章を短くする工夫というのは際限がありません。
僕自身、持って回った表現を多用するタイプなので、常にもっと短くできないかを模索しながら、自分らしい文章を構成したいものです。

4. 読み手の視点に立っているか

伝えたいことがあって文章を書くとき、どうしても前のめりになりがちです。しかし、書き手の意向を押し付けてしまった文章は、的確に相手に刺さりにくいです。

例:イベントの告知もしているので、興味のある方はぜひご参加ください!

ここで、“告知をしているかどうか”は読み手には関係がありません。集客の目標があり、それを達成しなければならない、という事情はあくまでも書き手側の問題です。

例:イベントを開催しているので、興味のある方はご参加ください!

このように、読み手に伝えるべき事実はあくまでもイベントの“開催”です。むしろ、注力すべきはそのイベントの魅力を余すことなく伝えることだと思います。
書き手がひとりよがりになっていないかは、常に立ち止まって考えてみましょう。

5. それっぽいことを適当に書かない

ちょっと抽象的な表現ではありますが、僕は実はこれがライター・編集者として一番大事なことなのではないかと思っています。
体系的なものではないので、具体例からご説明できればと思います。

例:コードを書くだけであればわざわざローカル開発環境は必要ありません。

ここで、“わざわざ”は“意識的になにかをすること”、転じて“しなくてもいいのに故意にするさま”を指します。
つまり、“わざわざ”を使うためには何かしらの動作が必要になるのです。しかし、上記の文章にはその対象がありません。

例:コードを書くだけであればわざわざローカル開発環境を用意する必要はありません。

このように、“用意する”を補う必要があるでしょう。

例:「ひげ」をウェアラブルにしたのが斬新的ですよね。

“斬新的(ざんしんてき)”という言葉は一般的ではないでしょう。おそらくは“漸進的(ぜんしんてき);順を追って徐々に目的を実現しようとするさま”と混同したものと思いますが、漸進は名詞なので形容動詞として使うために“的”が必要なのであって、もともと形容動詞の斬新には“的”が不要です。

“わざわざ”も“的”も、僕はなんとなくでつけてしまったものではないかと思います。これが、“それっぽいことを適当に”書いた状態です。
そして、それっぽいことというのは、気がつかないうちに文章に紛れ込んでいることがよくあります。

「一字一句疎かにしない」はわりと注意散漫な自分に僕がよく言い聞かせる仕事のルールですが、都度はたしてこの言葉は適切かということを、相手に伝えるという目標がある以上は、心がけたいと思います。

6. 言葉が足りているか

編集部で書き手同士よく使われる言葉として、“雰囲気バカ(書いてることは間違ってないけど、雰囲気がバカ。書いてることは間違ってない)”というのがあります。後輩のエディター、エリーの名言です。

主に、

  • ひらがなが多い
  • 言葉が足りない

ことによって起きる現象ですが、このうち後者は、主に指示代名詞の多用が原因ではないかと思います。

例:HTMLとCSSだけではそういったことを自動ではしてくれません。

このように、堅めの文章であるほど、“そういったこと”と言うのがわかりにくいと感じられるでしょう。

例:HTMLとCSSだけではそういった動作を自動化できません。

文章のトンマナもあるかとは思いますが、“こと”と“動作”とは同じ2文字ですから、より具体的な単語を当てた方がわかりやすいのではないでしょうか。

また、次のように、

例:このスクリプト言語は、クライアントサイドとサーバサイドのものにわけることができます。

という、ちょっとテーマのトンマナに合わない文章は、

例:このスクリプト言語は、クライアントサイドとサーバサイドの2つに分けることができます。

と情報を補足してあげることで、文章全体が締まるかと思います。

指示代名詞とは離れますが、例えば、

例:PHPでカスタマイズしているので独自のブログデザインとなっています。

は、“PHPなどをカスタマイズして独自のブログデザインを構築しています。”の方がシンプルです(シンプルがわかりやすいかどうかは人によりますが)。

雰囲気バカとは、要するにトンマナに合う合わないというだけの話ではあるのですが、統一されている方が感覚的にはわかりやすいように思います。

7. 誤字脱字や表記揺れのない、正しい言葉づかいを

当たり前と言えば当たり前なのですが、誤字脱字や表記揺れを校正し、正しい言葉づかいをすることの目的が何なのかと言えば、その方がわかりやすいからでしょう。

“とゆうこと”よりは“ということ”の方が読みやすいし、“Wordファイルの内容でお間違いないでしょうか”を“Wordファイルの内容でお待ちがいないでしょうか”としてしまうと文章の意味が変わってしまいます。

これまで「感嘆符・疑問符の後に全角空白(スペース)が必要になる理由と、Webメディアの表記ルールについて」「Web編集者・ライターが間違うと恥ずかしい日本語の正しい用法10選」のような全力日本語シリーズに取り組んでいるのも、結局はわかりやすい文章を書くためだと再認識した次第です。

8. コンテクストがあるか

書き手が忘れがちになることのひとつとして、“コンテクスト(文脈)があるから人は理解できる、ないとわかりにくい”というポイントがあります。

もちろん書き手は伝えたい内容のすべてを知っているので、“書き、読む”という関係性において情報には大きな偏りが存在します。その偏りに自覚的でないと、“根拠がある”“前提がある”という読み手の理解の条件をすっ飛ばした文章が出来上がってしまう可能性があるのです。

まず、下記のテキストをご一読ください。

例:こちらは動画付きの記事となっているのですが、3回ほど観ると歌が耳に残り、もっと聞きたくなります。

これは文章の意味がわからないでもないのですが、その動画のことを何も知らない相手には、そもそも“なんで3回も観ないといけないのか”“歌ってなに”という肝心の部分がわかりません。

例:こちらは動画付きの記事となっているのですが、●●さんの歌が下手です。でも、3回ほど観ると耳に残り、もっと聞きたくなります。

これはあくまでも一例ですが、あなたが当たり前だと思っていることのほとんどは、相手には当たり前ではないということは意識して文章を書くようにしましょう。

9. 戦略があるか

これはややテクニック寄りですが、余裕があればどうすれば相手に伝わるかを事前に戦略立ててから書くとよりわかりやすくなります。

下記はとある質問コーナーに質問を募集するための文章です。

例:質問お待ちしています!

すべての質問に目を通しておりますので、面白い質問が来るたびに「こんな質問が来たよ」と編集部で話題になっています。
黙々とPCに向かう生活の、もはや楽しみの1つ。いつもありがとうございます。

質問をお待ちしていることだけではなく、読者への感謝も伝えたい。また、質問が掲載されなかった読者にも、すべて読んでいることを伝えたい。
“質問は全てに目を通しております。いつもありがとうございます。”だけでは伝わらない部分をわかりやすく伝えるためには、文章にいろいろな工夫ができるのではないかと思います。

10. 声に出して読んだとして、違和感がないか

最後に、これは文章を推敲する際に絶対にやった方がいいと思っていることですが、声に出して読んだとして、違和感がないかを確かめましょう。
必ずしも実際に声を出せという意味ではないですが、迷ったときはぜひ音読をおすすめします。

ちなみに、

  • タスク管理できてますか?
  • タスク管理できてますか?
  • タスク管理できてますか?
  • タスク管理できてますか?
  • タスク管理できてますか?

は聞いていることがほとんど同じなのに、微妙な言葉づかいの変化で読み手の印象がだいぶ変わりますよね。
どの表現が一番わかりやすいかを考える際には、まずは自分が違和感のない表現を見つけることがスタートです。

また、次の文章を声に出して読もうとすると、おそらく一度まごつくかと思います。

例:スマホの方もPCの方も、左上の方にアイコンが表示されます。

どれが“ほう”でどれが“かた”と読むのか難しい。書いているときは気軽に変換してしまいがちで、字面もパッと見間違ってはいないのですが、はじめてこれを読む相手にとってはわかりにくいです。

“スマホもPCも、左上にアイコンが表示されます。”であればわかりやすいでしょう。このように、声に出して読むというのは優秀な校正ツールでもあるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。繰り返しますが、これはあくまで、相手に伝えることを目的とした記事やビジネスメールなどの文章を、わかりやすいものにするためのポイントです。上記の目的に適う場合には、ぜひ参考にしていただければと思います。

もちろん、相手にわかりやすく伝えることを度外視すれば、書きたいように書けばいいのです。最後に、僕が大好きな小説の一節をご紹介して終わります。

これまでもずっと含まれていたし、これからもずっと含まれている。ここからすべてが始まるし、ここですべてが終わるんだ。ここがあんたの場所なんだよ。それは変わらない。あんたはここに繋がっている。ここがみんなに繋がっている。

– 『ダンス・ダンス・ダンス(上)』 村上春樹

 

【朽木の主張】

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この記事を書いた人

朽木誠一郎
朽木誠一郎 外部ライター 五反田
編集者、ライター、メディアコンサルタント。Yahoo!ニュース個人などで執筆、PAKUTASOのフリー素材モデルとしても活動。ポートフォリオ→http://matome.naver.jp/odai/2142077436578811601