【研修開催事例】自走するデザイナー組織をつくる「デザイナー育成研修プログラム」|DNPコミュニケーションデザイン様

【研修開催事例】自走するデザイナー組織をつくる「デザイナー育成研修プログラム」|DNPコミュニケーションデザイン様

Taiga Akiyama

Taiga Akiyama

こんにちは、株式会社LIGの秋山です。

弊社では、企業のデザイン組織・マーケティング組織向けに、実務に根ざした研修プログラムを提供しています。

このたびLIGでは、DNPコミュニケーションデザイン株式会社様のデザイナー・ディレクターの皆さまを対象に、全3日間のデザイナー育成研修を実施しました。

ico DNPコミュニケーションデザイン株式会社様デジタルマーケティング支援や広告・宣伝物の企画・制作、映像制作などを手がける企業です。1982年の設立以来、コーポレートサイトを中心とした大規模な制作案件を数多く手がけており、従業員数は850名にのぼります。
https://www.dnp-cd.co.jp/

今回の研修では、「良いデザインをどう見つけ、どう再現するか」「クライアントや社内メンバーとどうコミュニケーションを取れば、プロジェクトがスムーズに進むのか」といった、現場のデザイナー・ディレクターが日々ぶつかる悩みに向き合い、参加者全員で議論する伴走型の研修をおこないました。

今回はその研修の様子と、参加者の皆さまからいただいた声を交えてご紹介します。

「新人教育になかなか手が回っていない」「相談できるアートディレクターなど、リーダー的な人材が不足している」「生成AI時代にデザイナーの価値をどう再定義すべきか悩んでいる」といった課題をお持ちの企業様は、ぜひご覧ください。

研修実施の目的

今回の研修の目的は、「自走できるデザイナーの育成」と「チーム全体のデザイン力の底上げ」です。

組織の規模が大きくなるほど、デザイナーとディレクターの連携方法、若手育成、生成AI時代のデザイン価値といったテーマは、多くの組織で向き合う機会が増えています。

コーポレートサイトを中心とした大規模な制作案件を数多く手がけるDNPコミュニケーションデザイン様も、その例外ではありません。

今回はそうしたテーマについて、現場の皆さまと一緒に考える伴走型研修として実施いたしました。

研修概要と流れ

研修は全3日間、各回2時間実施いたしました。前半で講師からレクチャーを行い、後半は参加者からの質問に答え議論を交わす、ディスカッション形式を基本としました。

研修概要

期間 全3日間(各回2時間)
参加人数 11名(デザイナー・ディレクター)
開催形式 オンライン

研修内容

研修テーマ 主なトピックス
Day1 インプットと表現拡張 トレンドを実務に活かすアプローチ法 / 表現の引き出しの増やし方 など
Day2 意思決定・実務推進 クライアントの期待値の把握方法 / 意見や要望をどこまで取り入れるべきかの線引き / 抽象的なFBへの対応策 など
Day3 連携・コミュニケーション 生成AI時代のデザイナーの価値 / プロジェクトを円滑に進めるための心得 / デザイナー育成の方向性 など

講師

ico デザイナー 森口 敦史業界歴、約15年。大手広告案件で培ったコンセプト立案・ビジュアル制作を強みに、LIGにてWeb・グラフィックを問わず幅広く手掛ける。社内での若手育成経験をもとに、スクールにてデザイン講師を担当し、延べ1,000名以上の育成に貢献。
現在はフリーランスデザイナーとして活動する傍ら、制作会社のデザイナー育成やメンターとしても活動中。個人・法人問わず、実務に即したフィードバックを得意とする。

Day1:デザインの「作り方」

初日は、「良いデザインをどう見つけ、どう自分のものにするか」をテーマに、インプットやアウトプット、トレース力の鍛え方について解説いたしました。

「センスは生まれ持ったものではなく、後天的に身につけられる」という前提のもと、まずはギャラリーサイトなどで「良い」とされているデザインを疑わずにトレース(模写)し、型を体に染み込ませることの重要性についてお伝えいたしました。

「イケてるデザイン」は、なんでイケてると感じるのか、どんな手法を使って、どう組み合わせているのか。また、自分がこれを思いつけるようになるためには、今の自分には何が足りないのか。トレースには多くの学びがあります。

また、トレンドの追いかけ方についても、ギャラリーサイトに並ぶデザインは、業界の最先端の領域にあることが多く、一般的な市場のトレンドとは数年単位でズレが生じます。流行に翻弄されすぎない実務的なトレンドの捉え方を共有しました。

▲【レクチャー資料の一部①】参考の探し方について

良いと感じたレイアウトやモチーフを抽象化し、業界やテーマを問わず「型」として捉え直し、自分の案件に置き換えることで、デザインの幅を広げることはもちろん、質を高めることができます。

Day2:クライアントとのコミュニケーション設計

2日目は、クライアントとのコミュニケーションに焦点を当てた研修を実施しました。

「仕事には必ず期待値があり、それを超えたものにお金が払われる」という原則に対して、デザインの難しさは、この期待値がクライアント自身にもはっきり言語化できていないケースが多い点にあります。

その期待値を探り、すり合わせていくプロセスこそがデザイナーの重要な仕事であると位置づけました。

▲【レクチャー資料の一部②】クライアントとのコミュニケーションについて

さらに、クライアントと会話するうえでの、具体的な実践方法として以下の3つの整理軸をご紹介しました。

  • 目的と手段を分ける:「動画を入れたい」という要望は、先方から提示された手段のひとつ。それをそのまま受け取らず、「なぜ入れたいのか」の目的を掘り下げることで、適切な提案ができる。
  • 機能と印象を分ける:「情報を伝わりやすくする」ための具体的な議論と、「世界観・雰囲気をどう伝えるか」といった抽象度が高くなりやすい領域の議論を混同しない。
  • 主観と客観を分ける:依頼側の意見が、個人の好みなのか、プロジェクトにそって俯瞰されたものなのかを見極める。

このようにすることで、オリエンテーションの段階から認識を細かくすり合わせられ、プロジェクトを円滑に進めることができます。

また、プレゼンテーションには決まった正解があるわけではなく、形式的な資料に固執せず、制作途中のFigma画面をそのまま共有するなどクライアントのタイプに合わせて最適な提案方法を選ぶことが重要で、その具体例もあわせて共有しました。

Day3:社内コミュニケーションと生成AI時代の向き合い方

最終日は、社内での連携、若手育成、そして生成AIとの向き合い方がテーマとなりました。

一方的な座学ではなく、参加者から寄せられた質問に一つひとつ答えながら進める形式をとったことで、自社の組織フローやコミュニケーションのあり方を参加者自身が見つめ直し、その場で議論する時間となりました。

なかでも議論が盛り上がったのが、ディレクターとデザイナーの間でワイヤーフレームの扱い方をめぐる温度差でした。「ワイヤーの時点で構成がほぼ固まってしまい、デザイン側の提案余地が少ない」というデザイナーの悩みに対し、講師からは「ワイヤーフレームはあくまで体験の設計図であり、デザインしていく過程で文言や構成は変わりうるものだという前提をクライアントとも共有しておくとよい」というアドバイスがありました。

この投げかけをきっかけに、参加者からも「案件ごとにディレクターとデザイナーの距離感を柔軟に変えてはどうか」「ヒアリングシートを社内の抜け漏れ防止に活用してはどうか」といった具体的な改善案が次々と挙がり、その場で組織のフローそのものを見直す議論に発展しました。

参加者の声

研修後のアンケートから、全3日間を通じて高い満足度を感じていただくことができました。

大変満足 満足
Day1 62.5% 37.5%
Day2 83.3% 16.7%
Day3 100% 0%

参加者からは、次のような声が寄せられています。

ico森口さんの講義は、現役のデザイナーということもあり距離感が近く、身近なヒントが散りばめられており非常に楽しく参加できました。このような機会を継続的にできるといいなとも思いました。(デザイナー)
ico社内のデザイン制作方法しか知らなかったため、社外ではどのようなやり方をしているのかを知ることができ、貴重な時間となりました。(デザイナー)
icoトレースの重要性と、その理由が言語化 (手法の抽象化、カオスポイントのバランス感など)されていたことで、ギャラリーサイトの見方も明確な視点を持って確認することができるようになりました。(デザイナー)
icoデザイナーさんがどういう観点でデザインしているのかを知る貴重な機会になりました。デザイナーさんに渡す前の段階で、ディレクターとして何ができるかを考え制作を進めていこうと思います。(ディレクター)
ico講義のディスカッションの中で、組織が大きくなっている弊社ならではのコミュニケーションの課題が見つかりました。デザインのスキルはもちろんのこと、コミュニケーション設計の部分でも改善のヒントをいただきました。(管理者)

講師コメント

デザイン研修では、一方的にノウハウを並べるのではなく、参加者自身が「なぜそう考えるべきか」を自分の頭で組み立てられるような場を意識しています。

どれだけ理想を語っても、現場で再現できなければ意味がありません。今日から一つでも試せる、実務に即した内容にすることを心がけています。

今回は、事前にいただいた質問やその場で挙がった悩みに合わせて、当日の内容を都度組み立て直しながら進めました。その結果、実際の制作フローやコミュニケーション設計上の課題があらためて言語化され、明日から着手できる改善策を皆さんと一緒に見出すことができたと感じています。

DNPコミュニケーションデザインの皆さま、ありがとうございました。

(森口 敦史)

さいごに

LIGでは、デザイン組織・マーケティング組織向けに、企業ごとの課題に合わせた研修・ワークショップを開催しています。

「デザイナーの育成方法に悩んでいる」「組織内の連携をもっとスムーズにしたい」「生成AI時代にチームとしてどう向き合うべきか整理したい」など、お悩みをお持ちの方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。

デザイン研修の詳細はこちら

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大学卒業後、地元長野で地域密着型のメディア・出版・広告を扱う会社に企画営業を経験。並行して、複数の地域振興団体に所属し、自治体と青少年育成・まちづくりに取り組む。その後に不動産会社で広報職を経験し、LIGに入社。デジタルハリウッドSTUDIO by LIGのセールス・企画・運営を担当し、クリエイターを目指す方々のサポートを行う。

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