CREATIVE X 第2弾
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2018.10.03

会社員が突然、腎不全になったらすべき手続きをまとめました

こやにい

こんにちは、メディアディレクターのこやにいです。

体調を崩し、病院で検査した結果、即入院となり腎不全と判断されました。

健常者から障害者となったわけですが、悲観している場合ではありません。

「より元気に生活を続けるため」にも人工透析などの治療を受ける必要があります。

調べてみると治療には多額の医療費がかかりますが、国や住民票のある都道府県、市区町村および健康保険からさまざまなサポートを受けられることを知りました。どのサポートも素晴らしいのですが、取得のための情報がバラバラでわかりづらいのでまとめてみました。

必要な申請を行いサポートを受けることで、多額の治療費が軽減され日々の生活は格段と楽になります。この記事が、腎不全になった会社員のみなさんのお役に立ったら幸いです。

※あくまで東京都に暮らす個人の体験(2018年9月時点)に基づくまとめです。
※私が加入している「関東ITソフトウェア健康保険組合」を例にして説明している箇所があります。

加入している健康保険に連絡をする

会社員であれば、なにかしらの健康保険に加入をしていることと思います。病気やケガで会社を休んだときは傷病手当金を受けられたり、入院や手術などで高額な医療費を支払ったときには高額療養費で払い戻しを受けたりすることが可能です。

腎不全になったら、まずは加入している健康保険に連絡を入れましょう。その際、加入情報などを伝える必要があるので、保険証を用意して相談に臨みましょう。

「傷病手当金」の申請

「傷病手当金」とは、ケガや病気で働くことが困難になった場合に、申請によって加入している健康保険より給付金が支給される制度のことです。
関東ITソフトウェア健康保険組合「病気やケガで働けないとき」

支給のための条件

申請方法も難しくありませんが、支給にはいくつか条件がありますので確認が必要です。

支給条件)
1)業務外のケガや病気かつ治療中であること
業務中および通勤中のケガは労災保険の給付対象のため、傷病手当金を受けることはできません。
2)療養のため労務不能であること
ケガや病気で働くことが困難になり、医師の指示による療養期間であれば、入院、通院は問いません。
3)4日以上休んだ期間が認められること
医師の指示によって休みはじめた日から、連続した最初の3日間は「待期期間」とみなされます。4日目以降からが給付の対象期間となります。
4)休んだ療養期間内に給料等を受け取っていないこと
会社より療養期間にも関わらず給料等が発生した場合は受け取れない場合があります。「待期期間」は有給でも構いません。

給付期間

傷病手当金の給付期間は、支給開始日から1年6か月間が原則です。
この1年6か月は、待期期間が終わり、傷病手当金の対象となった日から数えて1年6か月を指します。どのような場合でも、1年6か月の給付期間終われば、支給は終了します。

給付金額

休業1日につき、傷病手当金の支給額は給料の約三分の二が原則的な額になります。傷病手当金の計算には、「標準報酬月額」という値を使って下記のとおり計算します。

標準報酬月額の計算方法) 平成28年4月1日以降
傷病手当金の支給日額=支給開始日以前12ヵ月間の標準報酬月額の平均額÷30日×2/3

申請方法

条件を確認のうえ当てはまる方は、傷病手当金の申請を行うことが可能です。現在働いている職場での在職期間が1年未満の場合は注意が必要です。

申請手順)
1)加入している組合から「傷病手当金支給申請書」の用紙を受け取る(窓口もしくはWebサイトよりダウンロードにて入手)
2)書類に必要な内容を記載する。(本人記載、会社記載、病院の担当医記載の箇所を埋める)
3)会社を通して、加入している健康保険に書類を提出

「限度額適用認定証」の申請

「限度額適用認定証」とは、ケガや病気などの理由で医療費が高額になってしまった場合に、請求される医療費が定められた自己負担限度額までとなる証書のことです。
関東ITソフトウェア健康保険組合「高額な医療費がかかったとき」

支給のための条件について

限度額適用認定証交付対象となる方は、以下3つの条件を満たしていることが必要です。

支給条件)
1)関東ITソフトウェア健康保険組合の被保険者・被扶養者の方
交付対象は加入者および、加入者の扶養者までが対象となります。
2)入院や外来診療で高額療養費に該当する見込みがある方
病院側に確認の上、高額医療費が見込まれる場合は、申請が可能となります。
3)業務外のケガや病気かつ治療中であること
仕事中や通勤途中で発生した傷病の場合は発行できません。

有効期限

有効期限は、発効された月から原則最長1年以内の月の月末となります。
厚生労働省の通達には「発効年月日欄には、申請のあった日の属する月の初日を記載すること」と定められているため、 前月に遡っての発行はできません。
例えば、「8月31日受付の場合、8月1日から有効」、「9月1日受付の場合、9月1日から有効」となります。

医療費の自己負担限度額(月1ヶ月当たり)

70歳未満の方の場合は、以下の内容が適用されます。

所得区分 適用
区分
自己負担限度額
標準報酬月額83万円以上 252,600円+(医療費-842,000円)×1%
※ 140,100円
標準報酬月額53万~79万円 167,400円+(医療費-558,000円)×1%
※ 93,000円
標準報酬月額28万~50万円 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
※ 44,400円
標準報酬月額26万円以下 57,600円
※ 44,400円
低所得者
(住民税非課税世帯)
35,400円
※ 24,600円

申請方法

条件を確認のうえ当てはまる方は、「限度額適用認定証」の申請を行うことが可能です。

申請手順)
1)加入している組合から「傷健康保険限度額適用認定証申請書」の用紙を受け取る(窓口もしくはWebサイトよりダウンロードにて入手)
2)書類に必要な内容を記載する。(本人記載の箇所を埋める)
3)郵送もしくは窓口への持ち込みで、加入している健康保険に書類を提出

住民票のある区市町村の窓口に相談にいく

区市町村では、人工透析が必要な腎不全患者の方に、医療費等の自己負担分の助成を行っています。人工透析にかかる費用は毎月40万〜50万といわれておりますが、必要な医療券が発行されれば自費を払うことなく治療が受けられます。申請にはさまざまな書類や手続きが必要ですが、とても役に立つサポートなので必ず申請を行うようにしましょう。

特定疾病療養受療証(マル長)の申請

「特定疾病療養受療証」(通称:マル長)とは、長期間にわたり高額な治療を必要とする厚生労働大臣が指定する特定疾病について、医療費の自己負担限度額を医療機関ごとに入院・外来それぞれの支払いを月額1万円(食事代は対象外)にする医療費助成の制度です。
東京女子医科大学 社会支援部「特定疾病療養受療証」

支給のための条件

支給にはいずれかの「特定疾病」に当てはまる必要がありますので要確認です。

支給条件)
「特定疾病」は、厚生労働大臣によって次の3つが定められています。
1)先天性血液凝固因子障害の一部(血友病)
2)人工透析が必要な慢性腎不全
3)血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症

医療費助成の内容

「特定疾病療養受療証」を医療機関に提示すると、1か月の自己負担限度額が1万円までとなります。
※ただし、70歳未満の人工透析が必要な慢性腎不全の方で、上位所得者か前年の収入を申告していない方(世帯)は、自己負担限度額が2万円となります。

申請方法

条件を確認のうえ当てはまる方は、「特定疾病療養受療証」の申請を行うことが可能です。

申請手順)
1)住民表のある市区町村より「特定疾病認定申請書・意見書」の用紙を受け取る(国民健康保険課の窓口もしくはお住いの市区町村のWebサイトよりダウンロードにて入手)
2)書類に必要な内容を記載する(本人記載、病院の担当医記載の箇所を埋める)
3)申請に必要なもの(記載済みの特定疾病認定申請書・意見書、印鑑、保険証、個人番号関係書類など)を揃え、国民健康保険課の窓口に書類を提出(郵送可能な場合もあり、要確認)

特定疾患医療受給証(マル都)の申請

「特定疾患医療受給証」(通称:マル都)とは、都内に住民票のある方が特定疾病療養受領証(マル長)によって発生する自己負担額(1万円もしくは2万円)を東京都が負担してくれる医療費助成の制度です。これによって人工透析などの治療にかかる金額はほぼ賄うことができます。
シニアガイド「「人工透析」を受けるときに、必ず手続きしたい3つの医療費助成制度」


※1ヶ月の透析治療費が総額40万の治療費に対し「マル長」、「マル都」を使った場合の自己負担額のモデル(都内に住民票がある場合)

支給のための条件

支給にはいくつか条件がありますので確認が必要です。

支給条件)
特定疾患医療受給証(マル都)の申請手続きするためには、「特定疾病療養受療証」(マル長)の写しが必要となります。
手続きとしては、マル長が先で、マル都が後になりますのでご注意ください。詳しくは最寄りの保健所にお聞きください。

医療費助成の内容

「特定疾病療養受療証」(マル長)によって、負担される1か月の自己負担限度額(1万円)ですが、「特定疾患医療受給証」(マル都)によって、自己負担分の1万円も助成されます。

申請方法

条件を確認のうえ当てはまる方は、「特定疾患医療受給証」の申請を行うことが可能です。

申請手順)
1)住民表のある市区町村より「難病医療費助成申請書」の用紙を受け取る(国民健康保険課の窓口もしくはお住いの市区町村のWebサイトよりダウンロードにて入手)
2)書類に必要な内容を記載する(本人記載、病院の担当医記載の箇所を埋める)
3)申請に必要なもの(記載済みの難病医療費助成申請書、診断書、住民票、特定疾病療養受療証の写し、印鑑など)を揃え、国民健康保険課の窓口に書類を提出(郵送可能な場合もあり、要確認)

心身障害者医療費助成制度(マル障)の申請

身体障害者手帳の取得後に、等級や所得によって利用できる東京都の医療費助成制度です。
東京都福祉保健局「心身障害者医療費助成制度(マル障)」
マル長、マル都、マル障の順番で、医療費助成制度の手続きを進めるとスムーズです。

支給のための条件

支給にはいくつか条件がありますので確認が必要です。

支給条件)
1)身体障害者手帳1・2級(内部障害の方は3級を含む)
2)愛の手帳1・2度に該当する方
3)精神障害者保健福祉手帳1級に該当する方(平成31年1月1日から心身障害者医療費助成制度(マル障)の対象になります。)

医療費助成の内容

マル障一部負担金(平成30年8月1日から)は以下のようになっております。

東京都内に住所を有する方の場合
マル障一部負担金 一月あたりの自己負担上限額
住民税課税者 通院(外来) 1割 14,000円/月
年間上限:14万4,000円/年 ※1
入院 1割 57,600円/月
多数回:44,400円/月 ※2
住民税非課税者 通院(外来) 負担なし
入院 負担なし

申請方法

条件を確認のうえ当てはまる方は、「心身障害者医療費助成制度」の申請を行うことが可能です。

申請手順)
1)住民表のある市区町村より「心身障害者医療費助成制度申請書」の用紙を受け取る(国民健康保険課の窓口もしくはお住いの市区町村のWebサイトよりダウンロードにて入手)
2)書類に必要な内容を記載する(本人記載の箇所を埋める)
3)申請に必要なもの(身体障害者手帳または愛の手帳 、印鑑、本人の預金通帳(インターネット銀行は除く)、健康保険証)を揃え、国民健康保険課の窓口に書類を提出(郵送可能な場合もあり、要確認)

障害者手帳の申請

身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づき、法の別表に掲げる障害程度に該当すると認定された方に対して交付されるものであり、各種の福祉サービスを受けるために必要となる手帳です。
厚生労働省「身体障害者手帳」

交付のための条件

手帳の交付対象となる障害の範囲は、身体障害者福祉法別表によって定められており、身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)により1級から7級までの区分が設けられています。
腎疾患の障害の障害年金等級は、1級、2級、3級の等級があります。

障害者手帳の内容

身体障害者手帳によって得られるいろいろなメリットが、たくさんあります。
公的な割引やサービスの他にも、レジャー施設や、旅行でも、身体障害者手帳は様々シーンで活用できます。

  • 所得税・住民税の割引
  • 医療費の割引・助成制度
  • 贈与税・相続税の割引
  • 公営住宅へ優先入居
  • 公共の交通機関の割引・助成制度
  • スマホ、携帯電話料金の割引・助成制度
  • ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの割引・助成制度
  • 映画館の割引

などなど詳しくは身体障害者手帳のメリットを参照ください。

申請方法

身体障害者手帳の交付を受けるには、身体障害者福祉法に基づく指定医を受診し、所定の診断書を作成してもらうことが必要になります。

申請手順)
1)住民表のある市区町村より「身体障害者手帳申請書」の用紙を受け取る(国民健康保険課の窓口もしくはお住いの市区町村のWebサイトよりダウンロードにて入手)
2)書類に必要な内容を記載する(本人記載、指定医記載の箇所を埋める)
3)申請に必要なもの(指定医師が作成した身体障害者診断書、本人の顔写真、印鑑、マイナンバーなど)を揃え、役所の窓口に書類を提出(代理申請も可能)

お近くの年金事務所に相談にいく

幸いにも仕事に復帰ができたのですが、働いていても「障害年金」を受給でできるのか? という疑問がありました。年金事務所に相談に伺ったところ、「働き障害年金の認定基準には、就労に関する制限や所得に関する制限もないため、仕事をしながら障害年金を受給することは可能」とのことでした。

障害年金の申請

「障害年金」とは、ケガや病気などによって、仕事や生活に困っている人が受けることができる年金のひとつです。年金の納付要件・障害状態の程度など受給できる条件を満たしていれば、受給することができます。
障害年金は、1級に認定されれば少なくとも年間97万4125円、2級に認定されれば少なくとも年間77万9300円、3級に認定されれば少なくとも年間58万4500円が支給されます。ただし、申請は複雑かつ多大な労力が必要となます。場合によっては、社労士などに相談をするのも手です。

受給のため条件

「障害年金」は、以下の3つの条件を満たせば申請が可能です。

受給のため条件)
1)障害認定基準を上回る障害状態であること
2)保険料を一定以上未納にしていないこと(本人記載、指定医記載の箇所を埋める)
3)障害認定日が到来していること

日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」

障害認定日について

障害年金を請求できるようになる日を「障害認定日」と呼びます。障害認定日は原則として、初診日から1年6月経過した日となります。ですが、腎不全の場合「人工透析療法を開始して3カ月経過した日」を障害認定日にすることができます。これはとてもありがたいです。

さいごに

障害を持つようになって最初に悩むのは、「労働環境」と「金銭問題」といったところでしょうか。

「労働環境」については、現在会社の理解を得て仕事復帰が叶いました。「金銭問題」については、大きな不安を抱いていましたが、調べて申請を進めていくうちに不安は解消されていきました。

同じような状態になった方にとって、この記事が役に立つのであれば幸いです。