こんにちは、ライターのあだちです。
プレゼンテーションは得意ですか?
私は人前で話すのが苦手だったので「プレゼンテーションを上手く」やる、ということには本当に苦労しました。
コンサルタントをやっているときは、講師をやったり、提案書の説明をこなしたりと、おそらくプレゼンテーションの機会は年間200回以上はあったと思います。それでもやっぱり、プレゼンテーションは苦手でした。ただ、苦手ながらも「ここを抑えておけば、大失敗はない」といういくつかの心得を発見しました。
私のような凡人でも使うことのできるプレゼンテーションのコツをまとめましたので、お役に立てれば幸いです。
では、行ってみましょう。
プレゼンテーションが苦手な人必見!プレゼンが上手くなる6つのコツ
1. フルネームを名乗り、自己紹介をきちんとおこなう
プレゼンテーションにおいて、もっとも重要な儀式の一つが自己紹介です。
いわゆる「つかみ」は、プレゼンテーションが苦手な人にはハードルが高く、ネタを仕込むのも一苦労です。ところが、「自己紹介」はこれと同じような効果を得ることができます。
あなたが有名人であればともかく、通常は聴衆はあなたのことを知りません。そして、「私の知らない人の話」というのは、あまり聞く気にはならないものです。
そこで、最初に「フルネーム」で名乗ることで、相手に自分の事を認識してもらいます。通常、フルネームで自己紹介をする人はあまりいないので、印象に残るのです。さらに、出身地や自分のプロフィールなどを簡単に話すことで、相手に親近感を持ってもらえます。笑いが取れればベストですが、そこまで行かずとも、「自分と同じような体験をしているんだ」と思ってもらえるだけでも十分効果はあります(もちろん、社内でのプレゼンテーションには不要ですが……)。
悪い例
こんにちは。今日はお忙しいところ誠にありがとうございます。わたくし、あだちと申します。それでは、まず 1 ページ目を……。
良い例
こんにちは。今日はお忙しいところ誠にありがとうございます。わたくし、今日のスピーカーを勤めさせていただく、あだちゆうや、と申します。生まれは東京都の◯◯でして、今も実家はそこにあります。初めてついた職業はシステムエンジニアでして、今こちらにいらっしゃる多くの方と同じ……かもしれません。 JAVA を多少やっておりましたので、もし詳しい方がおられましたら後でぜひご一緒させてください。
2. プレゼンテーション資料に書いてある文字を出来るだけ読まず、結論から話す
プレゼンテーション資料にはできるだけ文字をつめ込まない、というのは当たり前ですが、それ以上に重要なのは「見ればわかるものを読まない」ということです。聴衆は飽きっぽく、次の展開を望んでいます。プレゼンテーション資料にある文字を読みだした瞬間、聴衆は次のページが気になって、あなたの話を聞かずに次の資料に移ってしまいます。これでは、「つまらないプレゼンだった」と言われてしまいます。
ですから、プレゼンテーション資料に書いてあることを読んではいけません。逆に、読まなければいけないような資料は、イマイチな資料です。
では何を話すか? 最初に話さなければいけないのは「このスライド(ページ)が何を訴えているか」です。結論を最初に持ってきます。
悪い例
では、次のページに行きましょう。はい。「1. 今後のマーケティングの展望について」です。今回の我々の調査では、以下に記す 2 つのことがわかりました。まず調査方法からお知らせします……
良い例
では、次のページに行きましょう。はい。このページ、何を示しているかお分かりですか? そうです。おどろくべきことに、「顧客はこの商品が嫌い」ということと、「顧客は新しいものを拒否する」ということがわかりました。では、下のデータを……
3. 盛り上げるために「体験」を話す
プレゼンテーション資料には一般的に「事例」や、「理論」などが詰め込まれています。もちろん伝えたいことはこれらでも十分です。でも、もっとプレゼンテーションを盛り上げたかったら、「体験」を話すことに尽きます。
悪い例
以下の事例をご覧ください。弊社の顧客の A 社、 B 社の事例があります。まず A 社の事例ですが……
良い例
以下の事例をご覧ください。ああ、こんな事例があるんだな、という程度で結構です。では、実際に私が担当させていただいた時のお話をいたしましょう……
4. 意見を述べるときには、「いろいろなお考えもありますが……」と、述べる前にはさむ
私がよっぽど偉い人だったなら別なのですが、そうではないので、「聴衆に嫌われないようにする」ということには非常に気を使いました。特に、意見を述べる際にはさまざまな反論が予想されます。もちろんそういった反論は表には出てきませんが、アンケートや商談の結果には大きな影響を与えます。
これはかつての上司からもきつく言われたのですが、「意見には常に反論が存在する」というように考えたほうがプレゼンテーションでの事故が少なかったように思います。
したがって、自分が意見を述べるときには必ず「いろいろなお考えもありますが……」、「賛否両論ですが……」、「もちろん一つの意見ですが……」と一言つけるようにしていました。
海外の資料などを見ると、「自信たっぷりに話したほうが良い」というアドバイスもありますが、実際に日本においてはそうでないケースも多いと思います(くどいようですが、有名人なら別です)。
悪い例
実際に得られたデータを見ると、 JAVA をプラットフォームとするよりも、 PHP をプラットフォームとしたほうが良いです。
良い例
実際に得られたデータを見ると、いろいろなお考えもありますが、 JAVA をプラットフォームとするよりも PHP をプラットフォームとしたがほうが良いかな、と思います。
5. 1つのスライドにつき、3分程度の時間を見ておく
私の部署は、 1 スライド 3 分が標準の時間というルールを採用していました。経験的にスライドが早すぎず、かつ適度に自分の話ができる時間です。
ただ、話し始めると盛り上がってしまうケースも多いので、月並みではありますが、リハーサルはおこなったほうがよいでしょう。
6. 聴衆に必ず「どうでしょう?」「どう思われますか?」と語りかける時間を作る
つまらないプレゼンテーションの大きな特徴の一つは、「一方向」ということにあります。要は、聴衆が考える時間を奪ってしまい、自分が喋るのみになっているプレゼンテーションです。
よほど強力なメッセージがあれば別ですが、これでは、 30 分ほどで聴衆が眠くなってしまいます。
ですから、 10 分に 1 回程度、「皆さんはどう思われますか……(沈黙)……」という時間をつくると、聴衆からは「かなりこなれたプレゼンテーション」に見えます。
おわりに
もちろんこれは「人前で話すのが苦手な人」向けの話ですので、すべての人に当てはまるわけではありません。
ただ、現場で使いやすいネタなので、人前で話したり、あるいは資料の説明をしたりするときにぜひ使ってみてください。