「脱いだら家族になれた」写真家ヨシダナギがアフリカの裸族を撮り続ける理由


「脱いだら家族になれた」写真家ヨシダナギがアフリカの裸族を撮り続ける理由

こんにちは、ナッツです。

突然ですが、あなたは「今日も生き抜いた」という感覚を持って普段生活をされていますか? 恐らく、日本においてはそういう状況下に身を置くこと自体が難しいかもしれません。

そんな日本を飛び出し、アフリカという地へ飛び込んだひとりの女性がいます。
裸族を撮影するために自ら服を脱いだことで注目を集める写真家、ヨシダナギさん。

 

ヨシダナギ

 

通訳でさえ理解できないローカル言語が飛び交い、色が白いというだけで受け入れてもらえない、それでもアフリカの少数民族の写真を彼女は撮影し続けます。なぜ彼女はアフリカに惹かれたのか。そしてなぜ彼女は裸族の写真を撮り続けるのか。

ヨシダナギさんが見てきた世界、ぜひ本インタビューを通じてご覧ください。

 

ヨシダナギ ヨシダナギ
1986年生まれのフォトグラファー。
独学で写真を学び、2009年より単身でアフリカに渡り、幼少期からの憧れであった彼らの写真を撮りはじめる。アフリカの裸族と共に裸になったことが注目を集め、またその奔放な生き方と写真が評価され、多数メディアで紹介。
▼10月3日にトークショー開催
http://peatix.com/event/113035
▼LIGのECサイト「LIG LIKE」でナギさんの作品を購入できます
http://ec-liginc.com/

 

「泥の上に洗濯物を干す」日本とは考え方がまったく違う

アフリカで裸族を撮り続ける写真家ヨシダナギさん

— なぜアフリカに興味を持つようになったのですか?

保育園のときにテレビでマサイ族を見て、素直に「かっこいい」と思ったのが原体験です。それから、いつか肌の色も選べるものだとずっと思い続けていて。小さいころの夢は「アフリカ人になること」でした。だけど親に「あなたは日本人だから彼らみたいにはなれない」と言われて本当にショックを受けましたね。

— 初めてアフリカへ行くことになったキッカケは何でしたか?

中学のときに勉強を諦めちゃって、ずっと引きこもりをしてたんです。家でひたすらインターネットを見るような生活をしていて(笑)
そしてイラストレーターとかも目指したのですが限界を感じて、発展途上国を旅しようと。日本にいるよりも刺激的だし世界観も変わると思っていたから。日本にいて驚くことがないんですよね、喜怒哀楽がない。もうちょっと驚きたいなって。それで途上国をまわっている中で「お金はかかるけど、次はアフリカに行くしかない」と思って、23歳のときに初めてアフリカに行きました。

実際にアフリカへ行ってみてどうでしたか?

考え方の違いには驚かされましたね。たとえば、アフリカの人たちって綺麗好きが多いなって。
洗濯とかも毎日一生懸命にするんですけど、汚い川の水で洗うし、泥の上に衣類を干すんですよね。その矛盾というか、「これ、洗う意味あるのかな」と思ったりして、日本人とまったく考え方が違うなと。

— 他に驚いたことはどういったことですか?

これはなかなかないんですけど、ホテルに泊まったときにゴキブリが140匹くらいいたりとか(笑)
あと川で体を洗ったりしていたら、バクテリアに感染しちゃって。体中にフジツボみたいなのができて、痛みと高熱で動けなくなっちゃいました。
でも、それくらいじゃないとアフリカに行った気がしない。「今日も生き抜いたな」って思えるんですよね(笑)
日本にいたらそんなこと思わないじゃないですか。アフリカで今日はこんな生きる術を学んだ、というのが嬉しいですね。

「ワンシャッター2,000円」いい写真を撮るためには仲良くならないといけない

アフリカで裸族を撮り続ける写真家ヨシダナギさん

— それから裸族を撮影することになりますが、そう簡単に写真を撮らせてもらえるものなのですか?

スナップ程度の写真を数枚撮るのはぜんぜん問題ないです。彼らにとっては、それがビジネスなので。
謝礼は民族によって違うのですが、一番高かったのは1回の撮影でひとりにつき2,000円。ワンシャッターで2,000円です。名前も分からない部族で、方言を理解できる通訳もいなくて、ただ「ワンシャッター2,000円」というのだけが分かりました(笑)
でも、そんなんじゃ良い写真は撮れなかった。

 

少数民族-ヨシダナギ

 

— コミュニケーションをとって表情を引き出す、といったことが難しそうですね。

そう、ビジネスライクな対応をされて悔しかったのを覚えてます。しかも彼らは白人に侵略されていた歴史的背景もあって、日本人にしてもアジア人にしても、自分たちよりも肌が白い人たちが嫌いなんですよね。だから好意的ではないんです、「どうせお前たちも見下してるんだろ」という感じで。カメラを向けてもぜんぜん笑わないし、数枚撮ったら「さっさと帰れよ」ってやられる。
初めてのアフリカのときは、彼らのいい写真を撮るというのは簡単じゃないなと感じました。

— それで服を脱いだ?

英語が話せなかったこともあり、最初の2回までは「脱ぐ」ということができませんでした。だけど、小さい頃から「相手と同じ格好になれば絶対仲良くなれる」と思っていて。
3回目のアフリカのときには「脱ぎたい」と伝えて、現地のガイドたちの反対も押し切って脱いだんです。そしたら、やっぱり仲良くなれた。しかも、家族として受け入れてくれたんです。撮影も1日だろうが2日だろうが付き合ってもらえるようになって。
もちろん白人とは思われているんです。だけど「白人もここまでオレたちの文化を受け入れて、こいつはここまでオレたちのことが好きなんだ」と思ってもらえることで、家族として見てもらえるようになりましたね。

 

ヨシダナギ

ヨシダナギ

 

— 初めて脱いだときは抵抗はありましたか?

もちろん日本人の前で脱げって言われたら脱がないですよ(笑)
だけど裸族にとっては裸でいることが正装なわけで、彼らの前で私も裸でいることはイヤラシいことでも何でもない。そういう意味では抵抗はなかったです。
ただ、ガイドとかはいろいろな知識もあるし、彼らは服を着ることを選んでいるわけで、やっぱりイヤラシい目で見てくるんですね。エッチなことをささやいてきたり。それは不愉快でした(笑)

数十年後には裸族の文化がなくなってしまう

アフリカで裸族を撮り続ける写真家ヨシダナギさん

— ナギさんはなぜ裸族を撮り続けるのですか?

私は裸族の人たちがすごくカッコいい、文化やスタイルが凛としていて素敵だと思っているからです。だけど裸族はいまどんどん減っていってる。裸の集落で生まれても、観光客を見たり他の部族が服を着たりしているのを見て「自分たちと違う」ということに恥ずかしさを感じてしまってるんですね。

— 何度かアフリカへ行かれてますが、その間にも裸族は減っていましたか?

そうですね、一番裸族が多いのがエチオピアなのですが、他の国含めても私が知っている限り、アフリカには8部族しかいません。いまはビジネス裸族もいて、観光客がきたときだけ服を脱ぐみたいな。
実際、2009年に初めてエチオピアに行ったときはたくさん裸族がいたんです。だけどこの前行ったときは一部の民族がブラジャーをつけてたんですよ。逆にイヤラシくて。「あっ、こうやって裸族の人たちはいなくなっていくんだな」って感じました。

— いつか裸族の写真を撮れなくなるかもしれないと。

もちろん裸族の住むエリアが西洋化されて、裸族が減っていくのは仕方がないことだと思っています。だからこそ、いま写真に収めておかないといけないし、彼らのカッコ良さを世界中に発信できたら、自分たちの文化をいいと思ってくれる人がたくさんいるんだと知ってもらえたら、彼らも裸族の文化を守り続けてくれるんじゃないかなと思っています。

距離は遠くても興味の対象としてアフリカと日本を近づけたい

アフリカで裸族を撮り続ける写真家ヨシダナギさん

— フォトグラファーとして、写真で伝えたいことはありますか?

日本人含めて多くの人は「アフリカは貧しい人たちが多い場所」と思っているんですよね。だけど実際にアフリカ人の彼らと話すと、たぶん8割はそんなこと思っていません。「お金はないよ、だからなんなの?」と。
よく彼らに訴えられるのは、「十分私たちは幸せなのに、なんで不幸な目で見られているのか分からない。なんでネガティブなことばかり思っているの?」ということ。
それが彼らの不満であり、私の不満でもあるんですね。写真を見てもらえば彼らが貧しい感じはしないし、恐いところでもない。

 

ヨシダナギ

 

— たしかにナギさんの写真を見ていると彼らが不幸だとは見えないですね。

「アフリカ」と言われても、一般の人は漠然としてるんですよね。情報も入ってきませんから。
距離は遠くても、興味の対象としてもっと身近にあってもいいんじゃないかなって。私の作品を通じて、アフリカと日本、そして世界が近くなったらいいし、そのお手伝いができたらいいですね。

— 最後にナギさんの今後の展望を教えてください。

達成したいこととか、大きな賞を取りたいとか、あまりないんですよね(笑)
ただ、アフリカのことを面白く伝えられる日本人というのはそういないと思うので、いま私ができることを積極的にやっていきたい。
そして、ひとりでも多くの人に(作品を)見てもらえたら嬉しいですし、少しでも多くの人にアフリカ人のことを伝えられたらいいなと思っています。

おわりに:ヨシダナギさんがLIGのCriAge事業にジョインします

アフリカでの撮影はそう簡単なものではない

「アフリカに興味を持ってなくて、アフリカへ行っていなかったら、私はたぶん今でもひきこもって家でパソコンをカチカチやっているだけだった」

そんなヨシダナギさんの人生を大きく変えたアフリカという国。だからこそ、彼女はアフリカに恩返しがしたいと語ります。
一方で、アフリカでの撮影はそう簡単なものでもありません。安くても40万円、高いと100万円はかかってしまう渡航費や、現地でのローカルガイドやドライバーなど、多額の費用がかかってしまいます。そのため、アフリカへ行けるのは年に1〜2回が限度となってしまい、もっと撮影をしたいと思ってもできないのが現実です。

そこでLIGとして何かお手伝いできないかと考え、このたびアーティスト支援事業『CriAge』(クリアゲ)を立ち上げました。

『CriAge』(クリアゲ)とは?

この世界には才能が満ちあふれています。ただ、残念ながら、その多くが適切なカタチでは知られていません。この世界へ才能をちゃんと知らしめたい。そんな想いでLIGのアーティスト支援事業『CriAge(クリアゲ)』は始まりました。

わたしたちは「Criticalな(批評眼のある)Agency」として、有望なアーティストをシビアに見い出し、彼らのクリエイティブをワンランクあげること、世界へ飛び出すタイミングをくりあげる(早める)ことをお約束します。そして、世の中にCritical Hitを与えて変えていけるAgencyを目指していきます。

鋭い才能と熱い情熱を秘めているにも関わらず、「認知度がなかなか上がらない」「マネタイズに苦戦している」などのお悩みを抱えるアーティストのみなさんが、アーティストとしての活動に打ち込めるように。わたしたちが、LIGのメディア力を駆使してアーティスト活動の情報発信体制を整えるとともに、素晴らしい才能に見合った収益基盤の構築をお手伝いいたします。

第一弾所属アーティストは下記の3名です。

ヨシダナギ / フォトグラファー

ヨシダナギ

1986年生まれのフォトグラファー。独学で写真を学び、2009年より単身でアフリカに渡り、幼少期からの憧れであった彼らの写真を撮りはじめる。アフリカの裸族と共に裸になったことが注目を集め、またその奔放な生き方と写真が評価され、多数メディアで紹介。

公式HP:http://nagi-yoshida.com/
お仕事のご依頼はコチラから:https://liginc.co.jp/contact/criage/
作品の購入はコチラから:http://ec-liginc.com/

【告知】10月3日にヨシダナギさんのトークショーが開催されます!
http://peatix.com/event/113035

カレーまん / ラッパー

カレーまん

下北沢を中心に活動するラッパー。高校時代に先輩のフリースタイルラップ(即興)を生で見て衝撃を受け、バンドマンからラッパーに転身。「聞いてくれる人に元気を届けたい」という想いのもと、老若男女に笑いと感動を届けている。LIG企画の「ベベ旅」ではテーマソング制作に参画。

カレーまん出演イベント:http://curryfes.pw/

6-dim+(ロクディム)/ 即興芝居ユニット

6dim

「この瞬間を一緒に笑おう。」をキーワードに、観客と一緒に「今、ここ」を「つくり」「たのしみ」「共感・体験・大笑い」する即興芝居×即興コメディを中心に活動中。日本各地を巡りながら、劇場のみならずカフェ・神社・学校など、いつもの場所をあっという間に『笑いあふれるコメディ空間』へ変える公演を行っている。
NHK「スマイルキャラバン」に出演し、気仙沼(宮城)と陸前高田(岩手)でおこなった公演とワークショップの模様が、NHK総合「明日へ 1min.」「被災地に即興で笑いを」「明日へ―支えあおう ~ 証言記録 岩手大船渡市」にて放送された。
また、即興芝居のアプローチが注目され、「コミュニケーション力」「発想力」「チームビルディング」などをテーマとしたワークショップや研修を企業や教育機関などでおこなっている。

公式HP:http://6dim.com/

 

CriAge(クリアゲ)の公式サイトも近日公開予定。所属アーティストも続々と増えています。ぜひ一緒に「ケタ違いの世界」を見にいきましょう!

この記事を書いた人

ナッツ
ナッツ 4代目広報担当 2014年入社
北海道生まれ、ナッツです。文章書いたり、写真撮ったり、撮られたりしています。好きな映画監督はウディ・アレン。がんばります。■ 個人ブログもやってます。

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