こんにちは。LIGでデザイナーをしています、マチルダです。
飲めないお酒はカシスオレンジとカルーアミルクです。本日も何卒よろしくお願いいたします。
さて、今回は、デジタルファブリケーションをテーマに、実際にマシン(レーザーカッター)を使用してオリジナルスタンプをつくる工程をご紹介したいと思います。
「デジタルファブリケーション」とは?
デジタルファブリケーションとはレーザーカッターやCNCマシン、3Dプリンタなどの、コンピュータと接続されたデジタル工作機械によって、3DCGなどのデジタルデータを木材、アクリルなどの様々な素材から切り出し、成形する技術である。 欧米などではこの技術がすでに普及していて、現在日本でも徐々に浸透してきている。
引用元:デジタルファブリケーションを用いた設計手法の研究−間伐材を用いたシェルターをケーススタディとして−
自分も使う前は、なんだか難しくて使いこなせなさそう……と身構えていたのですが、データさえきちんと作成すれば、マシンたちがみるみるうちに形にしてくれるので、不器用さんでも安心です。
レーザーカッターでものづくりを体験しよう
今回は、数あるマシンの中でも、デジタルデータをもとに材料の切断、彫刻をすることができる「レーザーカッター」を使いました。
自分が小学生のときは、木材加工といえば「電動糸のこ」と「彫刻刀」でしたが、今はレーザー光線でものを加工する時代。未来がやってきました。
今回は自分が以前から通わせていただいている、渋谷の「FabCafe」にお邪魔して、実際にデジタルファブリケーションを体験してまいりました。
マシンの使用には専属のスタッフさんがいるので、はじめてでも安心です。興味のあること、わからないことはガンガン聞いてみましょう。
FabCafeとは?
世界中で広がっている「ものつくり革命」のムーブメント、“FAB”。
そこには、大量生産やマーケットの論理に制約されない「FABrication(ものづくり)」と「FABulous(愉快な、素晴らしい)」の2つの意味が込められています。FabCafeはその“FAB”スピリットを楽しく、おいしく、わかりやすく、そして広めていく場所です。引用元:FabCafe
はじめてお店に行ったときは、カフェにマシン!?と衝撃を受けましたが、美味しいコーヒーが飲めて、Wi-Fi飛んでて、作業スペースあって、ものづくりできる機械もあって、最高に居心地が良いです。
お仕事しているお客さんも多いので、一人でも気兼ねなく行けます!
事前に準備したほうが良いもの
とりあえず予約
マシンの使用は予約がなくとも使用可能ですが、混雑時は待ち時間が発生します。
また、日によってはイベントが終日行われているなど使用できない日もあるので、せっかく行ったのに使えなかった……という事態にならないために、事前に電話かWebで予約したほうが安全です^^
その際に、使用予定の材料なども伝えておくとスムーズです。
▼詳しくはFabCafeのサイトをご確認ください。
http://fabcafe.com/tokyo/fab_details#universal-laser-vls
デジタルデータの作成
今回はハンコにしたいイラストを作成して持って行きました。
記事になることを考え、本気を出しました。データは「切断」「彫刻」によってカラーを指定します。
使用アプリケーション:Adobe Illustrator
※お店に持って行くときはバージョンをCS4にしましょう
▼詳しいデータの指定方法は、FabCafeのサイトをご確認ください。
素材の準備
レーザーカッターで使用できない素材やサイズもあるので、持ち込みの場合は事前に聞いてから持っていきましょう。
今回は、素材もセットの体験コースだったので手ぶらで行きました^^
お店で購入できる素材もあります!
▼使用可能な素材については、サイトをご確認ください。
データの入ったUSB
作成したデータの入ったUSBをスタッフさんに渡すので、事前に準備しましょう。USBを忘れていく方が多いようなので、名前など書いておきましょう!
もちろん、自分も忘れて帰って慌てた経験があります^^
実際に体験してみよう
はじめてでも気軽にレーザーカッターを体験できる「Fab Idea Kit」を申し込みました。こちらは、メガネ/パズル/スタンプ/ミラーの4種類から1つを選び、オリジナルの彫刻をすることができる素晴らしいコースです。
今回のスタンプは特別に通常より大きいサイズで作成しています。
「Fab Idea Kit」では、お店のiPadを使ってデザインできるので、Adobeソフトをお持ちでなくても大丈夫です!
※サービスは変更になる可能性がありますので、事前にサイトをご確認ください。
前置きが長くなりましたが、いよいよ体験スタートです。
データを渡す
USB準備しろと言っておきながら、即刻忘れた自分。
「USBがない場合は、こちらのアドレスにデータを添付して送ってください^^」と笑顔で対応してくれるスタッフの「おはる」さん。女神にしか見えません。カメラの設定をミスして、上下がぼけています。重ね重ねすみません。
今回使用するレーザーカッターです。どうぞ、よろしくお願いします。
なんと、食べ物にも彫刻できるレーザーカッターもあります。プレゼントなどに喜ばれそうです。
データの確認&セッティング
スタッフさんに渡したデータは店内のモニターに映し出されます。
ちなみに、この状態だと「塗りつぶした箇所」が削られるので、自分の理想とする形式にはなりません。そんなデータの不備をいち早く見つけて対応してくれる、おはるさん。結果データを反転してもらうこととなりました。
データ確認が完了したら、スタッフさんがマシンに材料をセット、レーザーと材料の距離などを調整、セッティングしてくれます。
スタンプ面(ゴム)に彫刻
「だいたい30分くらいですね……私もこの大きさでこの細かさのデザインをゴムに彫刻したことないので楽しみです!」
なんと……!スタンプの場合は、結構深めに彫刻するのでお時間がかかるんだとか……いつもスタッフさんと相談しつつ、色々チャレンジさせていただいているので、上手くいくかは誰にもわかりません。
火花を散らしながら彫刻していく、レーザーカッター。
健気に一生懸命彫刻していきます。がんばれ、がんばれ……
クローズアップ。データ通りに虎が彫られています!
レーザーが左右にシャッシャカ動きながら、印刷するがごとくゴムが削り取られていきます。
マシンはオープンな場所にあるので、他の人が作っている様子も覗くことができます。
待ち時間の過ごし方
せっかくなので、店内でコーヒーをいただきたいと思います^^
レーザーカッターで彫刻されたメニューがおしゃれです。いつもはアイスコーヒーですが、今回は絵的に映える「マシュマロラテ」を注文しました。
こっちを見てます。最後は沈めておいしくいただきました。
店内にはマシンで作られた作品が展示されているので、眺めるだけで時間が過ぎていきます^^
レーザーカッターの他にも、3Dプリンターなどの楽しそうなマシンがたくさん。
彫刻完了!
待つこと約30分、スタンプの彫刻が完成しました!
周りが若干切断しきれませんでしたが、そこはカッターで切るなどフォロー。
削ったカスは、細かいブラシや水で丁寧に取り除きます。尋常じゃないくらい粉が出るので、換気はしっかりしましょう。
スタンプ台をカット
あらかじめ用意されているスタンプ台のデータをもとに木材をカットしていきます。
先ほどのストレスから解放され、生き生きと動いています。
わずか3分で完了。早い。
レーザーカッターでカッティングされた面は焦げています。
結構香ばしい感じになるので、持ち帰る際はビニール袋などを用意することをおすすめします。
この木材に関しては、断面の「焦げ」がレーザーカッターの特徴かもしれません。デザインに活かすもよし、自分は他作品のときはヤスリで削って仕上げたことがあります。超大変でした。
組み立て
スタンプに必要な素材が揃ったので、いよいよ組み立てです。
レーザーカッターと出会って、一番面白いと感じたのが2Dから3D作品ができることです。接着剤を使わずとも、パーツが組み合わさることで、スタンプ台ができました!
閉店時間になってしまったので、ここからはパーツを持ち帰り、自宅での作業にしました。営業時間内であればFabCafeで作業をすることも可能です。
スタンプ台と、スタンプ面を接着剤でくっつけて……完成です!
左上にクリップがついているのは、この部分だけ接着がうまくできず、固定しているからです。
素材同士の相性を見て、最適な接着剤を選びましょう。(今回は100円均一で適当に選んでしまいました……反省……)
押してみる
スタンプなので、きちんと絵が出ないと今までの作業が水の泡です。
ドキドキ……
ちゃんと虎が出ました!!
ノートなどに押せば自分だけのオリジナルアイテムに。
振り返り
今回のデジタルファブリケーションを振り返ってみました。
押す位置がわかりずらい
今回は通常のスタンプキットよりも大きめサイズで作成したこと、また「縦長の虎」に対して正方形のベースに彫刻してしまったことが反省点。
接着剤、はがれてくる
左上がペリペリ剥がれてくるので、素材合った接着剤選びが必要。
実際に形にしてみると、ああすればよかった……と思いますが、一度作ってしまうと後戻りできないことが難しくも面白い点です。
トライ&エラーを重ねて、完成度の高い作品をつくっていきたいと思います^^
この、ぐちゃっとした机を片付けたら、今回は無事終了です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
いつもは仕事柄、パソコンの画面とにらめっこすることが多いですが、実際に手を動かすこともどんどんしていきたいと思います^^
また、デジタルでさまざまなことができるようになると、改めて手作業で仕上げる職人さんのすごさを再確認するきっかけとなりました。
今回は、渋谷の「FabCafe」をご紹介しましたが、最近こういったマシンを体験できる施設も増えているので、体験できるスポットも今後ご紹介したいと思います^^
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
それでは、また次回!
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