NIKEの『JUST DO IT.』というキャッチコピーに脅迫されている気がします、ライターのさんぺいです。
このキャッチコピーが目に留まると、個人的には「やるかやらないのか、やらなければ死ぬぞ!」と言われているような気がして、いつもハッとさせられます。そして、何だか少し追いつめられた気分になりつつも、いろいろなことに対してのモチベーションがぐんと上がります。
このようにキャッチコピーとは、人にハッとさせることでその人の心を動かすものなんじゃないのかなー、と個人的には思っています。
というわけで本日は、コピーライターの講座に通って学んだことやプロの方から聞いたお話などをまとめて紹介していきたいと思います。
もちろんセミナーの告知やブログタイトルなどにも使えるので、「誰かの心を動かしたい!」と思っている方は、キャッチコピーの書き方を学んでみるのもいいかも知れません。
▼目次
キャッチコピーとはなにか
まずはキャッチコピーとはなにか、ということについて説明していきます。
キャッチコピー
消費者の心を強くとらえる効果をねらった印象的な宣伝文句。 ̶
出典:大辞林
主に商品や映画などの広告、何らかの告知に用いられることが多いです。心を強くとらえることで、先ほどの『JUST DO IT.』のように、見る人をハッとさせるわけです。
「ハッとする」キャッチコピー例
もちろん「ハッとする」かどうかは人それぞれですので、ここでは有名なキャッチコピーを3つほど例として挙げたいと思います。
- 『そうだ 京都、行こう。』(JR 東海)
- 『おしりだって、洗ってほしい。』(TOTO)
- 『試着室で思い出したら、本物の恋だと思う。』(LUMINE)
以下、なぜこれらが人の心をハッとさせるのかについてみていきましょう。
なぜキャッチコピーに「ハッとする」のか
先ほどの3例になぜハッとさせられるのか、1つずつ解説していきます。
『そうだ 京都、行こう。』
JR東海さんの京都観光キャンペーンのキャッチコピーです。こちらは駅コンコースの広告が目立っていたので、覚えている方も多いと思います。
このキャッチコピーの肝は「そうだ」です。
「そうだ」という言葉は何かを思いついた時に使われることが多いですよね。つまりこの『そうだ 京都、行こう。』というキャッチコピーは、思いついたその時に行けるほど京都は近いですよ、という意味があり、加えて、思いつきで旅をしてみませんか、という提案でもあります。
首都圏から京都まで、新幹線に乗れば片道15,000円前後、2時間半程度で着きます。「なんだか手軽に気分転換できるようなところへ行きたいな〜。」なんて思ったときに、『そうだ 京都、行こう。』なんて言葉が思い浮かんだのなら、それはこのキャッチコピーがあなたにとってハッとするものだった、ということになります。
『おしりだって、洗ってほしい。』
TOTOさんのウォシュレットのキャッチコピーで、1982年にはじめてウォシュレット付きの便座が発売されたときのものです。
「洗ってほしい」というのは、おしりの気持ちです。
朝起きたら顔を洗うし、外出から帰ってきたら手を洗う、だけどトイレの後おしりは洗わない。
「おしりだって洗ってほしい、と自分のおしりが思っている。」そう気付かされてハッとし、なんで今まで洗ってあげなかったんだろうと疑問に思うという心の動きが、消費者の購買行動につながります。
このキャッチコピーをつくる際、コピーライターの仲畑貴志さんはウォシュレットの商品価値について悩んだ末、ウォシュレット開発工場を訪ねました。そして開発者の方に「この製品にどんな価値があるのですか」とたずねたところ、突然開発者の方が仲畑さんの手に絵の具をつけたそうです。
すぐにティッシュで拭ったものの、手にはうっすら絵の具が残りました。開発者の方はそれを指し「落ちてないでしょう?こういうことなんですよ。」と言い、仲畑さんはウォシュレットの持つ商品価値に心を動かされたそうです。
さらに余談ですが、当時は「トイレ=不浄」とされており、CMで「おしり」という言葉が流れること自体が大変な驚きだったみたいです。その常識を覆してしまったという意味でも、ハッとさせられるキャッチコピーです。
※9/15 仲畑貴志さんのお名前を間違っており、大変失礼いたしました。お詫びして修正させていただきます。
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』
LUMINEさんの広告で、こちらもやはり当時大きな話題になっていたものです。
試着室という空間がクローズアップされることは、これまでありませんでした。
服を買うという何気ない生活のワンシーンも、恋をしている乙女にとっては一大イベントみたいなものです。彼はどんな雰囲気が好みかしら、なんて思いを巡らせたり、コンプレックスに感じている部位で誤魔化そうなものを手当たり次第に試してみたり、という人も多いみたいです。
そんな多くの人が経験したことのあるとても小さなワンシーンが、まっすぐ言葉になったキャッチコピーです。
終わってしまった恋をハッと思い出すきっかけにもなれば、恋の最中にいる人にとってはさらに気分を盛り上げてくれる起爆剤にもなります。自分だけじゃなくてみんなも同じ思いをしているんだ、という共感も生まれやすいキャッチコピーです。
※9/15 一部内容に誤りがありました。お詫びして修正させていただきます。