「聞いてみた」シリーズ

一生で87,600人と出会う?いい人の捕まえ方を早大教授・豊泉先生に聞いてみた


一生で87,600人と出会う?いい人の捕まえ方を早大教授・豊泉先生に聞いてみた

こんにちは。エディターのさえりです。だんだんと暖かくなってきましたね。世の中は別れと出会いの季節のようです。

出会いがほしい!

そう思っている人もいると思いますが、じつは出会い自体は日々起こっているはずなんです。でも、その中で「自分にとっていい人」を見つけるのが難しいんですよね。わかる。

そもそも出会いの確率って?

現在、世界の人口はおよそ73億人。

その中で自分と接点がある人間の数はどのくらいでしょうか? 仲良くなったり、少し会話を交わしたり、挨拶をしたり……。たまの交流会で50人に出会ったり、一週間引きこもったりを繰り返したりするので、毎日平均3人と出会うと仮定します。そして、80歳くらいまで生きたとしたら……。

 3(人)×365(日)×80(年)= 87,600人

つまり、一生のうちで87,600人と出会っているわけです!

そのうち男女比が半々だと仮定すれば、43,800人。その中から数人を選んで付き合い、さらにその中から1人を選んで結婚している……。つまり、0.00002283%の確率で相手を選んで結婚をしているわけです。すごい。

1_訂正

でも、なんかおかしいなぁって思いませんか?

わたしは、25年間生きてきました。先ほどの計算で言えばすでに27,375人に出会ってきて、その半分が男性だとすると、13,688人の異性がいたはずなのです。

……でもいま「いい人がいない」と嘆いている! 13,688人をもってして「いい人がいない!?」大丈夫なのそれ……。

友人は「次付き合った人と結婚する」と宣言しているし、他の友人は「もうここで手を打った」なんて言っているし……。「いい人いないかな〜」なんてのんきに構えていないでしっかり戦略をたてなければ、出会いはあるのに結婚はできない、なんてことにもなりかねないかもしれません……。

87,600人と出会うと聞いて「出会いに感謝☆」よりも先に、「それでもいい人を見つけられていない」ことに恐怖を感じてきました。

詳しい人に聞いてみよう

わたしと同じように「出会いがほしい」「いい人が見つけられない」と悩んでいる人がきっといるはず。春に向けて、恋に意欲を燃やしているすべての人のために、今回は「確率」を研究している先生に取材をお願いしてみました。

DSC_7072_0308024817 人物紹介:豊泉洋先生
早稲田大学会計研究科教授。応用確率論とよばれる分野を中心に研究を行っている。世の中に現れる複雑で確率的な現象を、数理モデルに変換し、その解析をおこなっているスゴイ先生です。
DSC_6920_0308025051 人物紹介:さえり
エディター/ライター。たまに人生に悩んだり、よくツイート(@N908Sa)をしたりしているただのエディター。

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ico「応用確率論」を研究しているって……つまり、何をやってる人なんですか?


ico日常生活において、一番いい方法をみつけたり、より効率よくしたり、そういう方法を見つける人ですかね。どっちがいいかなって悩んだときに確率的にどっちを選んだ方がいいのか、その答えを導く研究をしています。


icoなるほど! じゃあ「3本の線のうちどれか1本を切ると爆発する!」みたいな事態に陥ったときに、より生き残れる人ってことですね!


icoそ、そうですね。


出会いについて聞いてみた

icoところで先生に、出会いについてちょっとお伺いしたいんですが……。



DSC_6848「出会いってたくさんあると思うんですけど、どうやったらいい人ってみつけられますか?」

DSC_7082「えっ……?」

ico考えたんです。わたしは東京に住んでいて、日々いろいろな人と出会っているのに「いい人いないなぁ」ってよく思うんです。でもそれって、「いい人」をみつけるための戦略不足なのかもって。


ico戦略……。


ico少ない出会いの中でもいい人をしっかりゲットできている人もいれば、どれだけ出会いがあってもいい人をゲットできない人もいますよね。


ico具体的な心配ですね。


ico死活問題ですよ。人生で出会える人が87,600人だとしても付き合えるのはごくわずか。ちゃんといい人と親密になりたいし、ちゃんといい人と結婚したいんですけど、それを見分ける方法がわからなくて。


ico……見分ける方法かどうかはわかりませんが、確率論でいうと「秘書問題」っていうやつが使えるかもしれません。


ico秘書問題……?


「いい人」を見つけ出す「秘書問題」とは?

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ico昔ある教授が秘書を雇うときに、10人面接することになって。その中で一番いい人を採用したいんだけど、一番効率よく選びたいといいだしたんですよ。


ico最後までしっかり見て10人全員面接を終えてから考えればいいんだけど、効率の良さを考えれば、そうではなくてその場でいいかどうかを判断したほうがいいんですよね。


icoこのときの条件は、こんなかんじ。


<ルール>
応募者を1人面接した直後に、採用か不採用かを決定します。不採用の場合は次の面接者へと進み、「やっぱり採用したい」ともとに戻すことはできません。採用する人を決めた時点で、採用活動は終了です。


ico一度お断りしたらもう二度と戻れないってことか……。「この人と結婚すべきか否か」みたいなものですね。


icoその通りです。だいたいの人は迷っちゃいますよね。「もっといい人がいるかも? でもいなかったら?」って。


ico10人の中で、効率よく、できるだけいい人を選ぼうと思ったらどうしたらいいと思いますか? ちょっと考えてみてください。



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ico
……。


ico…………。


icoか、確率を使えばそういうのが出せるんですよ。


icoお、おしえてください。


ico恋愛で考えたとしても最初に付き合った人と結婚するっていうより、少し経験を踏んでからよさそうな人を見極めて結婚する人のほうが多いですよね。


icoそれって結構理にかなっていて、「秘書問題」でも、最初の36.8%はスキップするんです。つまり10人応募してきたなら、最初に面接した3人はスキップするのがいいんですよ。


icoスキップ……?


icoお断りするってことですね。最初の3人の段階では、情報を得ることが必要なんです。手に入れた情報を基盤にして、次に進むんです。


ico人って、「この人が理想の人か?」と聞かれたらわからないものなんですけど、「この人とこの人どっちがいいか?」と聞かれたときは割と簡単に答えられるものなのですよ。


icoたしかにそうかも。何かと比べたほうが良い悪いは判断しやすいですよね。


icoそう。つまり、最初の3人よりもいい人が現れたら、その人を採用すると決めるんです。



icoグラフを見ればわかるのですが、4・5人目で一番いい人が現れる確率が一番高いんですよ。早すぎても、遅すぎても、いい人が現れる確率は低いんです。


icoでも40%……。


ico適当に決めれば10%の確率でしかいい人に出会えないんですよ。


icoたしかに。そう考えたら、ランダムに選ぶよりはずっといいですね……。


ico36.8%くらいはスキップ、ですよ。


ico20人だったら6人をスキップ、ですね。


icoそうですね。この方法、お見合いなんかだと特に使えます。



3_訂正

ico
たしかにお見合いなら最大の人数も自分で決められそうですね。


icoただ、いまのところお見合いの予定はまだないので……。人生において何人と付き合えるかみたいなのをあらかじめ決めておいて、36.8%スキップして、その後結婚すれば40%くらいの確率でいい人と結婚できますか?


icoまあ、そうですね。


icoなるほど……。(じゃあ何人と付き合う予定なのかがわかればいいのか……)



DSC_6948「じ、人生において出会う人が87,600人だったとして、付き合える人数ってどれくらいなんですか?」

DSC_6841「……。」

ico…………えっと……。


icoあ、大丈夫です。自分でがんばります。


ico実際、最初の人がすごく素敵で「あーやばい、どうしよう? スキップ? するの? ほんとに?」と思うこともありますよね?


icoもちろんありますね。最高の相手が、スキップした36.8%に含まれている可能性もありますし、その場合は2番目ないしは3番目に良い人で手を打たなければならないです。


ico「やっぱあの人が最高だったか!」とか思うと悔しくなりそうですね……。


icoまあそうですね。逃したものが大きくみえることもあるので、心理学的にはそれでその後にいい人が出てこなかったときの喪失感は大きいと思います。でもそういった心理学的なものを全部退けて、一番効率のいい選び方をするためには冷静に考えなきゃいけない。


ico「一番いい人を選ぶ確率」をあげるこれ以上の戦略はないと数学的には証明されていますしね。


icoそっかぁ。じゃあ目の前の感情に惑わされず、我慢。


icoそう、我慢。


ico……先生も「この人最高!」みたいなのが最初にきても、ちゃんとスキップしますか?


ico……それはわかんない、かな(笑)



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結論

問:どうやったらいい人を見つけられますか?

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答:(付き合う予定やお見合いをする予定の)36.8%はスキップしよう!

icoあんまり待っててもダメだし、あんまり焦ってもダメ。この理論は、就職活動や、投資先を決めるときに使えます。最初の何社かはスキップしておく、とかね。


icoもちろん相手が自分を受け入れてくれる場合にしか使えませんが……、でもいろいろなパターンに当てはめて、一番いいものを選び取るときの参考にしてください。


さいごに

みなさんはすでに何人と出会い、何人と友人関係を結んできたのでしょうか? その中で何人を好きになり、何人と付き合ってきましたか?

今回ご紹介したのはあくまで「確率」であり、決して「必ず」とは言い切れないのですが、まだ「この人だ!」という人を見つけられていない人たち、肩を落とすのはまだ早いかもしれませんよ!

お見合いをするときはこの確率を、そして「一生のうちで何人くらいに好かれそうか」を自分で割り出す勇気のある人はそれを参考にスキップの人数を決めてみるのもいいかもしれません!

大学生の新生活にぴったりの「Dpick(ディーピック)」

さてこの「秘書問題」が爆発的に活きてくるアプリがあります。その名も「Dpick (ディーピック)」。

残念ながら大学生限定のアプリですが、台湾で作られたアプリで、現地では約50万人が使っているんだとか。

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そのアプリが日本に進出し、現在では日本と台湾の学生がチームを組んで運営しているそうです。

毎晩午前0時になると一枚の匿名カードが利用者の元に届き、お互いに友達リクエストを送ればメッセージのやりとりを開始することができるという実に「一期一会」なアプリ。

もちろん「男女の出会い」だけではありません。友人を見つけたい、人との出会いを単純に楽しみたい方にもおすすめです。

掲示板などもあるそうなのでぜひ早稲田大学、慶応大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のみなさんは新学期に向けて使ってみてはいかがですか?

(もし素敵な人に出会いたいなら、36.8%はスキップですよ!)

素敵な人に出会ってやるぞ! という方はここからダウンロード


この記事を書いた人

さえり
さえり 外部ライター 東京 2015年入社
編集者のさえりです。寝ている時以外は、いつも眠い女です。
雨の音と、他人の妊娠ブログと、あとはちょっぴりシュールなものたちが好きです。