CMの制約をなくしてみたら、すごい広告表現が生まれてしまいました。


CMの制約をなくしてみたら、すごい広告表現が生まれてしまいました。

ひゃくいち(@tanabe101)です。

最近、「なんかすごい動画コンテンツってないですかねー」と口癖のように言っていたら、ブレーン副編集長の刀田さんから「すごい動画、ありますよ!」との情報をいただきました。

もしも、CMのテーマ以外は「制約ほぼゼロ」の動画制作を依頼されたら、どんな広告表現が生まれるのか。そんなコンセプトで、西友さんの「プライスロック」というサービスをテーマにして、新進気鋭の6組のクリエイターが挑戦した作品とのこと。

ちなみに「プライスロック」とは、最低6か月のあいだ、対象商品を一切値上げせずに低価格で固定する西友さんの施策。最近は、値上げのニュースラッシュですが、生活に欠かせないアイテムを中心に約300品目を低価格で生活者に提供するそうです。

▼ 広告をおもしろく。

なるほど。たしかに、すごそう!記事にしよう!と思いつつ、よくよく読んでみると、「西友 × ブレーンのコラボレーション企画」との文言が……策士!

せっかくなので今回は、キャンペーンの趣旨である「もしも、制作上の制約をゼロにした場合、クリエイターはどんなものを作るのか」を転用しまして、上述のクリエイターのみなさまに「LIGブログ(Webメディア)においてご自身の作品をPRする文言につき、500字程度のテキストと画像(2点以内)でご自由に表現してください」と打診してみました。

以下、敬称略(順不同)にてご紹介いたします!

パパは、鮭とり名人

久家友哉 久家友哉(TYO / CampKAZ)

CMディレクター / プランナー。TYO Camp KAZ / TYOクリエイティブ・センター所属。2014年JACリマーカブル・ディレクターズ・オブ・ザ・イヤー ファイナリスト。ADFEST 2015 FABULOUS FOUR ショートフィルム作品「SWEETS GANG!」最優秀賞受賞。

「プライスロック」を「好きな商品を毎日安く買える」サービスと捉えて企画しました。「毎日、同じものを買う人ってどんな人なんだろう?」と考えているときに対象商品のなかに鮭を見つけ、「鮭を川で捕まえずに、スーパーで買う熊」というアイデアを思いついたのです。

「プライスロック」というテーマは決まっていたので「このサービスがどういうものなのか?」ということが作品を見るヒトに少しでも残るように配慮しました。結局何の映像なのかわからないものよりも、西友のプライスロックのCMなんだ……という読後感は残したいと思ったからです。

制約がゼロということなので、普段の仕事でやってこなかった「会話劇のドラマ」に挑戦。役者とのやりとりも普段はコンテで進めますが、今回は脚本ベースで進行しました。CMの現場で普段やらないようなことにも、この作品でいろいろトライしています。

特にこだわったのは「アイコニックな絵作り」です。「普通じゃない」と思える世界観を作りたかったので、熊の着ぐるみのリアルさは追求しました。また、母と子の衣装や、美術も細かいところまで作りこんでいます。

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ひゃくいち 僭越ながらコメント
“鮭を見つけて「鮭を川で捕まえずに、スーパーで買う熊」というアイデアを思いついた” って当たり前のように言えてしまうところが……すごいです!

主婦の夢

最後の手段 最後の手段

人々の太古の記憶を呼び覚ますためのビデオチーム。2009年結成。メンバーは有坂亜由夢、おいたまい、コハタレンの3人。MV「やけのはら/RELAXIN’」文化庁メディア芸術祭2013 エンターテイメント部門新人賞受賞。七尾旅人「検索少年」PVコンテスト グランプリ受賞。国内外で活躍中。

「いつも安いままだったらな〜」という主婦の願いを実現しているプライスロックの、夢のような話。宇宙からたまご星人が片田舎に着陸し、プライスロックに驚いて目玉が飛び出すというストーリーです。

それは主婦の夢(白昼夢)のなかの話で、「価格が一定」という夢のようなことが起きたせいで、主婦の頭もバグを起こしてしまったのかもしれません。

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ひゃくいち 僭越ながらコメント
宇宙からたまご星人が片田舎に着陸し、プライスロックに驚いて目玉が飛び出すというストーリー。もうなんでしょうね……すごいです!

バタフライエフェクトー風が吹けば桶屋が儲かる

辻本和夫 辻本和夫(DRAWING AND MANUAL)

1985年和歌山生まれ。2008年アパレル関連会社に入社。2012年渡米。NYでグラフィックデザインを学ぶ。その後、菱川勢一と出会い、帰国後、2014年よりDRAWING AND MANUALに参加。現在は菱川勢一のアシスタントを務めながら、ジャンルを問わず、さまざまな制作活動を行っている。

「ゼロ動」では、制作する上での制約がないということで、お話をいただいたときには逆に「どういうものを作ろうか」と迷いに迷いました。

そんななかで「プライスロックの良さ」「わかりやすさ」「クスッと笑える」ということを映像の要素として組み入れようと考えることに。プライスロックの良さをわかりやすく伝えるためには、商品の価格高騰を大げさに描くべきだと思ったのです。

商品の価格が高騰している昨今、そのプロセスを見ていると「風が吹けば桶屋が儲かる(英語で言うところの「バタフライエフェクト」)」と似ているところがあると気づき、そのプロセスをベースにしつつも、「風が吹いても桶屋が “儲からない”」という逆説を描くことで、プライスロックの良さを印象的に紹介しようと試みました。

作品は、大げさに言うと「風が吹けば桶屋が儲かる2015」みたいなもので、ストーリーが進むにつれてありえそうでありえない変化がどんどん起きていく内容となっております。よろしくお願いします。

ひゃくいち 僭越ながらコメント
“大げさに言うと「風が吹けば桶屋が儲かる2015」みたいなもの” っていう説明からしてすでにすごいですが、最後はしっかりと「よろしくお願いします」と締めくくるあたりは、もうアレです……すごいです!

おふくろの味は存在するのか?

富永省吾 1-10HOLDINGS 富永省吾

1991年生まれ、1992年育ち。クリエイティブディレクターとしてクリエイティブをディレクションしている。声がキモい。カンヌライオンズ、わんにゃんハッピーフォトコンテストなど受賞多数。

綿野 賢 1-10HOLDINGS 綿野 賢

1990年生まれ。早生まれ。プランナーとしてプランをプランニングしている。声がキモい。カンヌライオンズ、わんにゃんハッピーフォトコンテストなど受賞多数。

「おふくろの味」ということばがありま
す。曖昧なその概念は、果たして本当に存在するので
しょうか。手料理は、記憶として生きつづけるのでしょ
うか。住所を持たない故郷として、
また、帰るべき場所として、人々の中に存在しているのでしょうか。

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ひゃくいち 僭越ながらコメント
とりあえず、プロフィール文からするに、お二人とも「声がキモい」ってことはよくわかりますが、独特な改行に、最後の浮遊した「い」。まるで縦読みができそうで……すごいなあ。

「プライスロック 父と子の6ヵ月の物語」からのお願い

宮部一通 宮部一通(HIROBA)

日本大学芸術学部映画学科卒業後、フリーの映像ディレクターとしてファッション関連の映像を中心に活動。2011年HIROBAを設立し、CM・MV・VPなど多岐にわたる映像の監督・撮影・編集まですべておこなう。2015年CITIZEN「LIGHT is TIME」の映像にてONE SHOWゴールドペンシル受賞。現在、短編映画「帰ろう」を製作中。

監督の宮部です。
この企画の話を聞いたときから、一抹の不安を覚えていました。

動画の再生回数で一番が決まると聞いた際には「ボク、友達少ない」と書いたメモをアシスタントにそっと見せたのを覚えています。そのアシスタントも友達が少ないそうです。

再生回数なんて気にせず、自分が良いと思うものを作れば良いのさ!と思っていたのですが、やっぱり1番になりたいよ!

お父さん、お母さん、お姉ちゃん、使えるものはすべて使い果たしましたネットで再生回数を上げる方法も調べました。はっきりとした答えは出ませんでした。

あとはあなたがこの動画の再生回数を増やす番です。
ぜひ、「HIROBA」と一緒に動画の再生回数を増やしましょう。

あなたのクリック待ってます。

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ひゃくいち 僭越ながらコメント
「友達少ない」「使えるものはすべて使い果たした」「ネットで再生回数を上げる方法も調べた」とすべてを赤裸々にさらけ出してしまう懐の深さ。そして「あなたのクリック待ってます」という貪欲な姿勢。これはもうすごいどころじゃないすごさ!

プライスロックは動かない

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2011年発足。ディレクターを中心にスタイリスト、ヘアメイクなどのスタッフとともに映像制作を行う。

「もし、制作上の制約(リクエスト)をゼロにした場合、クリエイターはどんなものを作るのか」という趣旨を念頭に置き、一見ではSEIYUのCMとは思えないような作品に仕上げました。

プライスロックが値段の「動かないもの」なので、あえて作品中の彼女が目的も分からないまま脈絡なく動くことで、「動かないもの」を強調しています。キャストにモデルの方を迎え、衣装やヘアメイクも凝ったものにすることで、現実感のない画を目指しました。

普通の流れを感じる作品にはせず、あえて意味の分からない気持ち悪さを感じさせたいと考えて編集。スーパーで撮影する機会自体が珍しかったので楽しかったですね。

僕らなりのアプローチで自由に製作できた作品になったと思います。

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ひゃくいち 僭越ながらコメント
動かないものを強調するために、あえて脈絡なく動いていく。そのままどこかの企業理念にできそうな強固なコンセプト。すごい、すごい、すごい……!

すごかったですね・・・

なんだか「すごい」ばかりを連発してしまって、いざというときの自分の語彙力の薄さに愕然としていますが、肝心のすごい!動画作品たちは「9月29日(火)~11月25日(水)」まで「ゼロ動」のサイトやYouTubeの「西友オフィシャルチャンネル」で公開されるそうです。

そして、「10月1日(木)~21日(水)」のYouTube再生数が最も多かった作品は、11月26日(木)以降の1年間、西友ホームページで掲載される予定とのこと。

みなさんも気になる作品があれば、ぜひご覧になってみてくださいね。
未来の巨匠を自分の投票で決められるなんて、すごい!!

この記事を書いた人

ひゃくいち
ひゃくいち Copywriter 2014年入社
踏みつけたくなるウンコを求めて。