企業のLINEスタンプでビジネスが加速する理由と、人気ランキングに学ぶマーケティング事例


企業のLINEスタンプでビジネスが加速する理由と、人気ランキングに学ぶマーケティング事例

はじめまして、メンバーズ「エンゲージメント・ラボ」の、おのでらつばさです。企業のLINE運用など、SNSマーケティングの最新事例の研究をしています。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、一般のクリエイターさんがLINEスタンプを販売できる、「クリエイターズスタンプ」が流行しています。
クリエイターズスタンプで外車が買えるぐらい儲かった」なんて話を聞くこともある市場ですが、LINEスタンプはもともと、LINEオリジナルキャラクターや版権キャラクターなどの公式スタンプがメインでした。

そんな公式スタンプの中で、企業が無料で配信しているスタンプがあるのをご存知でしょうか?
ユーザにとってスタンプが無料なのは嬉しいことですが、企業がスタンプを配信するのにはマーケティング観点からの理由があります。

どうして企業がスタンプを配信するのか

それは、企業がスタンプを配信することで、「友だちを獲得することができる」というメリットがあるからです。

そもそもLINEの「友だち」とは

LINEではコミュニケーションを取り合えるユーザ同士を「友だち」と呼んでいます。Twitterで言う「フォロワー」、Facebookで言う「友達」にあたります。
多くの人は普段交流をしている友人を「友だち」として登録し、LINEでコミュニケーションをとっているかと思いますが、LINEでは企業とも「友だち」になることができるのです。

企業がユーザと友だちになるメリット

企業とユーザが友だちになることは、企業にとってもユーザにとってもメリットがあります。

ユーザから見たメリット

  • 企業の最新情報を常に受け取ることができる
  • 友だちならではのお得な情報を受け取ることもある
  • 企業のタイムライン投稿に直接コメントができる

新商品やセールの情報を受け取ることができるので、チェックしておきたい企業がある場合は、わざわざ公式サイトを確認する手間も省けて非常に便利です。
また、普段はなかなか接触できない企業の「中の人」にコメントを見てもらえるチャンスがあるので、自分の意見が商品に反映される可能性もあります。

企業から見たメリット

  • 最新情報をプッシュすることができる
  • ユーザとコミュニケーションを図ることができる
  • アンケートを実施することができる
  • LINEを多く利用している若年層にリーチができる

友だちに登録してくれたユーザは、企業に関心がある見込み客です。そうした見込み客に対してピンポイントで自社の宣伝ができるので、やみくもに広告を出稿するより費用対効果が高いと言えるでしょう。
また、LINEの特性上、ユーザとのコミュニケーションが取りやすく、ユーザの「生の声」が拾えるのも商品や企画開発に活かせる大きなメリットですね。

企業の友だち活用事例

実際に各企業は上のようなメリットをどのように活かしているのでしょうか。
いくつか事例をご紹介させていただきます。

最新情報をトーク画面でプッシュ

下の「ファミリーマート」のように、友だちになったユーザのトーク画面に画像付きのリッチメッセージを送ることができます。ちなみに、このコーヒー画像をクリックすると、「ファミリーマート」のLPに遷移しました。

事例:ファミリーマート

ファミマ

トーク画面でユーザとコミュニケーション

ユーザからのメッセージに自動で返信することができます。返信メッセージもいくつか設定することができるので、「どんな返事が来るんだろう」というわくわくを与えられそうです。

事例:チキンラーメン

チキンラーメン

ここに掲載しているのは本当にごく一部ですが、LINEをマーケティングの場に活用している企業はこういったアプローチを日々繰り返しています。

どうしてスタンプを出すと友だちが増えるのか

先ほど、スタンプを出すと友達が増える、と言いましたが、それは企業と友だちになることでダウンロードができるようになるスタンプがあるからです。「LINEスポンサードスタンプ」の中の「公式アカウント連動型スタンプ」がそれにあたります。

「えっ、企業のスタンプってそんなに種類があったの」と驚く方もいるかと思うので、まずスタンプの種類をご紹介いたします。実は、企業配信用のLINEスタンプには、以下3種類があるのです。

  1. LINEスポンサードスタンプ
  2. LINEダイレクトスタンプ
  3. LINEマストバイスタンプ

参考:プロモーションスタンプ/LINE Partner

1. LINEスポンサードスタンプとは

LINEスタンプショップで無料提供できる、企業のオリジナルスタンプです。LINEスポンサードスタンプには、以下2種類があります。

  • 公式アカウント非連動型スタンプ
    公式アカウントと友だちにならなくても、そのままダウンロードできます。ダウンロードしやすい分、非常に高いダウンロード率で自社キャラクターの認知度アップが見込めます。

    事例:エスエス製薬さん

  • エスエス製薬

  • 公式アカウント連動型スタンプ
    公式アカウントと友だちになったユーザだけがダウンロードできます。公式アカウントの友だち数を増やしたい時に有効です。

    事例:ソフトバンクさん

ソフトバンク

2. LINEダイレクトスタンプとは

LINEアプリ内の「スタンプショップ」を介さずに、トークやPUSHメッセージなどで企業がユーザに直接告知できるスタンプです。企業自身が告知をする分、トライしやすい価格設定になっているそうです。

3. LINEマストバイスタンプとは

購買や来店など、アクションを起こしたユーザだけに配信することができるスタンプです。スタンプをトリガーにした販売促進をすることができます。

LINEスタンプ利用データ

上のようにさまざまな方法でユーザにアプローチできるLINEスタンプですが、実際どのぐらい利用されているのでしょうか。

LINEの「2014年10月-2015年3月期 媒体資料」では、無料スタンプのニーズの高さが伺えるデータが発表されています。

スタンプの利用率

  • 無料スタンプをダウンロードしたことがある:87%
  • 有料スタンプをダウンロードしたことがある:29.2%
  • スタンプを5個以上保有している:72.1%
  • 毎日スタンプを送信している:81.1%

やはり、有料スタンプより無料スタンプの方が圧倒的にダウンロードされているのです。また、多くの人がスタンプを複数保有していることを見ると、まだまだ青天井な市場だと言えそうです。

スタンプによる認知効果

  • スタンプにより、キャラクターのCMが気になるようになった:23.3%
  • スタンプを知って、初めて企業や商品を知った:20.6%
  • その企業の広告が目に留まるようになった:16.2%

スタンプが100万ダウンロードされればそのうちの20万人が企業CMに関心を持ってくれると考えると、肝心な認知効果についてもかなり高い効果がありそうです。

参考:LINE 2014年10月-2015年3月期 媒体資料

2014年:友だちが増えたLINEスタンプTOP20

さて、スタンプによって実際にどれぐらい友だちが増えるのでしょうか。

私たちメンバーズ エンゲージメント・ラボが独自で調査を行った「2014年:友だちが増えたスタンプランキング」を紹介します。

2014年:友だちが増えたスタンプランキング

順位 アカウント名 スタンプ名 配信期間 配信期間増加数
1 トライさん トライさん×アルプスの少女ハイジ 11/11~12/8 8,172,349
2 テレビ東京 ナナナ 4/8~5/5 8,170,473
3 パン田一郎 パン田一郎 9/2~9/29 8,054,682
4 ブルボン プチクマ 3/4~3/31 7,410,455
5 UCC 攻メノ黒ヒョウ 5/6~6/2 7,337,984
6 J:COM ざっくぅ 12/31~1/27 7,257,191
7 Calbeeひとくち劇場 カルビーひとくち劇場 動くスタンプ!! 10/14~11/10 7,086,507
8 大東建託 いいへやラビット 7/1~7/28 6,882,414
9 スーツのAOKI パンダコパンダ 2/4~3/3 6,824,808
10 ミスタードーナツ ポン・デ・ライオン 8/12~9/8 5,955,175
11 草花木果 ゆずリーマン 6/24~7/21 5,862,977
12 JTB ぼのぼの 夏旅のこと 6/3~6/30 5,807,078
13 郵便局[ぽすくま] ぽすくま 11/18~12/15 5,779,510
14 ION WATER みんなでION!MINION! 4/15~5/12 6,959,254
15 ファンタ ファンタ×ゴールデンボンバー 3/25~4/21 5,625,149
16 ファンタ 動く!ファンタクルー 10/7~11/3 5,616,806
17 グローバルワーク グローバルワーク×レピ丸! 4/1~4/28 5,404,445
18 ルミネ ルミネのルミ姉 vol.2 8/5~9/1 5,285,887
19 ラウンドワン ラウンドワン×よしもと芸人★第1弾★ 4/1~4/28 5,197,027
20 ニトリ ニトリのシロクマ 8/5~9/1 5,134,849
調査対象
2014年(2013年12月25日〜2015年1月7日)の1週間ごとの増加数を調査し、週間増加数の多かった企業アカウントを選出。
(参考:line.main.jp LINE公式アカウント ランキング
対象アカウントの「スポンサードスタンプ」の配信状況を調査しまとめています。
(参考:LINE公式ブログ

第1位は「トライさん×アルプスの少女ハイジ」

ランキング第1位は、トライさんが配信した「トライさん×アルプスの少女ハイジ」スタンプ。家庭教師のトライと、アニメでもお馴染みのアルプスの少女ハイジがコラボしたスタンプです。
配信期間中の増加数は8,172,349人。スタンプ配信で800万人以上の友だちを獲得しました。そのうちの20%である160万人が企業に関心を持ったとすれば、かなり良いPRになったのではないでしょうか。

友だち800万人とはどれぐらいすごいのか

友だち800万人は、楽天市場Facebookファン数の約2倍

第1位の「トライさん×アルプスの少女ハイジ」スタンプで獲得した友だち800万人増とは、実際のところ、どのぐらいすごいことなのでしょうか。
この800万人という数値のすごさを知るために、Facebookページのファン数と比べてみようと思います。国内企業のFacebookページでファン数第1位(2014年1月時点)の「楽天市場」と比較してみましょう。

※参考:fbrank.main.jp 日本語 Facebookページ ランキング
http://fbrank.main.jp/

2015年1月20日時点のファン数は4,536,396人!
「楽天市場」の最新情報を投稿すれば、最大450万人以上のフィードに流れる可能性があるということです。

_1--楽天市場(Rakuten--Inc.)

対して、「トライさん×アルプスの少女ハイジ」スタンプは8,172,349人ほど友だちを増やしているので、配信期間のたった4週間で「楽天市場」のファン数の約1.8倍の人にリーチできる可能性を持ったことになります。

スタンプによって増えた友だち数の平均値

2014年に配信されたスタンプによって増えた友だち数の平均値はこちらです。

友だち数(平均) 3,787,278
対象スタンプ数 120

およそ380万人ということで、「楽天市場」の次にFacebookファンが多い「ソフトバンク」のファン数1,318,460人の倍以上の人数にリーチできることになります。

スタンプ配信期間中に友だち数が急増

年間友だち獲得数の推移

ランキング上位10位以内の年間友だち数の推移を見てみましょう。

WS000002

どのアカウントも急激に増加している山がみられますが、この山は、いずれもスタンプ配信期間中に起きた山です。友だち獲得に至るきっかけの大半がスタンプであることが分かりますね。

LINEスポンサードスタンプの費用

これだけのポテンシャルを秘めたLINEスタンプですが、やはり気になるのは費用でしょう。

出稿金額 ¥20,000,000〜¥30,000,000
配信期間 4週間※

費用は上の通りで、スポンサードスタンプの友だち1人あたりの獲得単価はおよそ5.8~8.9円です。
弊社メンバーズの実績ではFacebookやTwitterのファン(フォロワー)の獲得単価はおよそ150~500円なので、獲得単価という視点でみると、非常に効率のよい広告メニューだと言えます。

まとめ

今回はLINEスタンプによる影響力についてお伝えいたしましたが、スタンプから得られる効果は友だち獲得だけではありません。
ダウンロードされたスタンプは、日常のメッセージのやりとりで使われます。つまりは、それらのコミュニケーション1つ1つが自社の広告塔であり、PRやブランディングにつながるのです。言い換えれば、ユーザ間のコミュニケ―ションそのものが媒体となる新しい広告ツールです。

LINEの企業活用を考える場合、第1段階として、リーチの母数となる友だちをLINEスタンプで獲得し、その巨大なリーチをベースに、良質なコンテンツを継続的に発信することで、企業マーケティングにおける強力メディアとなっていくでしょう。

今後も、企業のLINE運用支援や調査によって獲得したノウハウをご紹介できればと思います。

※出稿金額は2014年12月時点の情報を元にしています。
※期間中に配信するスタンプの数、公式アカウントとの連動有無により異なります。

 

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この記事を書いた人

おのでら つばさ
おのでら つばさ 外部ライター 東京
エンゲージメント・ラボ株式会社メンバーズ
エンゲージメント・ラボとは、株式会社メンバーズのFacebookマーケティング推進における実績・ノウハウの蓄積とエンゲージメント向上に特化した事例を集約・研究し、顧客企業へのより一層の効果的な企業と生活者のエンゲージメント構築のノウハウや情報発信、新たなサービス開発を推進する研究機関。