全身に蕁麻疹が2週間出ました|LIG元広報に訊くエンジニアに転身した理由と気付き

全身に蕁麻疹が2週間出ました|LIG元広報に訊くエンジニアに転身した理由と気付き

ヨシキ

ヨシキ

こんにちは、広報担当のヨシキです。

僕はこの7月からLIGに転職したのですが、実はWeb業界については全くの素人です。どんな職種や仕事があるのかも、どんな人達が働いているのかも、ほとんど知りません。

そして転職後も日々の業務に追われ、それらについて特に勉強することもないまま早1ヶ月が過ぎてしまいました。これは広報として仕事をしていく上で、あまり好ましい状況ではありません。

そこで、いろんな人に話を聞きながら、Web業界の魅力やそこで働く人の想い、仕事観などについて学んでいくコーナーを始めてみることにしました。

今回は第一回目ということで、まずは僕の前任の広報担当であるLIGのひろゆきに話を聞いてみることにしました。彼が広報からエンジニアへという異色の転身を選択した背景などについて、じっくり聞いてみたいと思います。

ひろゆきの職務経歴書

まず最初に、現在に至るまでのひろゆきの経歴を紹介します。

●2010年3月大学卒業。リーマンショック後の超氷河期で「自分なんかが内定を貰うのは無理だ」と早々に就職活動を諦めていたため、無職になる。

●2010年4月~6月

家に引きこもりネットゲームに打ち込む。しかし将来への不安と食生活の酷さから、体調が悪化し不眠症になる。

●2010年7月

健康のためにきちんと働くことを決意し、人材サービス会社に登録。そこで株式会社LIGを紹介される。

プログラミングの知識が少しあったため、「家から近くてIT系の企業ならどこでもいい」というのが希望条件だった。

●同月

株式会社LIGに入社。当時はひろゆき以外に従業員が5人しかおらず(デザイナー3人、プログラマー1人、あと社長)、一応デザイナー見習いという扱いでコーディングを担当することに。

徐々にバナー制作なども担当するようになると同時に、リスティングその他、とにかくできることは何でも担当させられながら1年を過ごす。

●2011年夏頃

徐々に従業員が増えたこともあり、ディレクター職に。やりたかったから、ではなく、他にやる人がいなかったから、という会社的な都合による配置転換。

●2012年秋頃

LIGがメディア事業に力を入れるようになった関係から、制作部よりメディア事業部へ異動。LIGブログの編集や受託案件のディレクションを担当。

●2013年3月

初代広報担当ジェイの退職に伴い、2代目広報担当を兼任することに。これも本人希望ではなく、当時の“一番キャラの立ってないやつを広報にしよう”という会社的な都合による選出。

●2013年11月

本人の希望により、再び制作部に異動。エンジニアとなる。

●2014年6月

2代目広報担当を正式に退任。現在に至る。

こうして彼のキャリアを振り返ってみたときに異色なのは、メディアから制作に戻り、かつほぼ未経験の職種であるエンジニアになったという点です。

その理由は何か、エンジニアの魅力はどこにあったのか。以下、ひろゆきの想いを余すところなく語ってもらいました。

「自分が一番楽しいと思うことをやる」キャリアの転機と転身理由

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— 今日はよろしくお願いします。
まず最初に、ひろゆきさんが27歳にしてエンジニアを目指した理由はなんでしょうか?
LIGのメディア事業といえば、今やそれなりに注目度も高い事業になったと思うのですが。

それまでの自分のキャリアって、全部会社から言われるまま、受け身でやってきた仕事ばかりだったんですよね。会社の成長に合わせ、人が足りないポジションに自分が入るという感じで。でも、最初入った時は5人だった社員数が60人規模になって、去年ぐらいからようやく会社的に少し安定したっていえる状況になったんですよ。それで、入社以来初めて、今後の自分のキャリアについてじっくり考えてみる余裕ができたんです。

一通りの仕事をやらせてもらった結果、自分は何をやるのが一番楽しかったのかなって。その結論が、自分はプログラミングをやりたいなってことだったんです。

— 入社後4年でエンジニアにキャリアチェンジ。不安はなかったんですか?

もちろん特殊なキャリアパスになるので、不安はありました。制作→ディレクション→マネジメント、と進むのが普通なのに、ディレクションから入ってしまった自分は大丈夫かなぁ、と。
でも、その不安は考えてもどうにかなるものではないので、とにかく自分が一番楽しいと思うことをやることに決めました。

「全身に蕁麻疹が出た」それでもモチベーションは落ちなかった

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— 実際にエンジニアになってみて大変だったことは何ですか?

エンジニアになった当初、自分は何をしたらいいんだ、というのが全くわかりませんでした。以前少しだけ経験があったとはいえ、もうそのときとは会社のレベル自体が変わっていたのを改めて感じました。あの頃は単価も安かったし、そもそもちゃんとしたエンジニアがいなかったし。だから最初のハードルは、今のLIGのレベルに追いつくことでしたね。

「やりたいのに(自分のスキルでは)十分な仕事ができない」というストレスで、全身に蕁麻疹がでたりもしました。症状が続いたのは2週間ぐらいでしたが、最初の1週目は本当にヤバかったですね。

正直、初心者にはあり得ないような無茶な仕事の振られ方も原因だったと思います。ただ結果として、それが自分の成長を早めてくれました。だから最初のうちの負荷は、ある程度仕方ないのかもしれませんね。知識が増えて仕事ができるようになることで、症状はおさまっていきましたし。

とにかくその時期を乗り越えられたのも、自分がやりたいと決めたことをやっている、という強い気持ちがあったからだと思います。

— エンジニアの魅力、仕事をする上でのモチベーションになっているものは何ですか?

自分で作ったものが、きちんと動いたときの達成感ですね。それまで知らなかったことを勉強して、それで覚えた新しい技術がきちんと動いたときなんかは特に。やっぱり、何かを作るっていうことが好きなんですよね。もともとプログラミングを始めたきっかけも、自分で何か作りたいな、と思ったことでしたし。

だから、自分の作ったものがすぐに可視化されるWebのプログラミングは、仕事そのものがすごく楽しいです。

広報担当時代の仕事について

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— LIGブログを読んでくれている方にとって、ひろゆきさんといえば広報、というイメージが強いですよね。広報担当時代の仕事についても、もう少し詳しく教えてください。

LIGの広報担当って、他社と違って広報らしい活動をあまりしないんですけど、その分写真の被写体としての演技力とかを求められるんですよね。表情とかポーズとかに。もちろんモデル経験なんて全くなかったんですけど、やってるうちに自然と慣れました。何でも慣れですね、やっぱり。

ただ、LIGの企画はかなりリアリティにこだわってるんで、演技でカバーできない表情などについては、全部本当にやらされました。ムエタイ選手に蹴られたり、スーツで雪原歩かされたり。

だから多分、嫌なことは嫌だ、っていう強い意志がLIGの広報には一番必要なんだと思います。自分を守るために。まぁ、最後は結局やらされることになるんですけど。

あと、あれだけネットに出てても、町で歩いてて声かけられたこととかは1回ぐらいしかなかったですね。まぁ、結局はそんなもんですよ。

「作ること、仲間と一緒に仕事をすること」ひろゆきの理想のエンジニア像、そして会社とは何か

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— 優秀なエンジニアの条件は何だと思いますか?

案件のできる・できないの判断が、ざっくりとした肌感覚でできることだと思います。細かい部分のわからないことについては、あとで調べればいいわけですよ。でも、調べればできることなのか、どうやっても無理なことなのかがわからないままだと、全てが「やってみないとわからない」ということになってしまいます。

それではどれだけ技術があっても、優秀なエンジニアとは言えません。

— 将来どんなエンジニアになりたいですか?

今は設計もあまりしないし、言われたものだけを仕事として作っていますが、いいエンジニアはちゃんと設計や提案ができて当たり前。まずはそういうことができるようになりたいです。そして最終的には、自分が何かを作りたいと思ったとき、すぐに作れるようなエンジニアになりたいです。

今のレベルでは、何かを作る前に、調べて・勉強して、という過程が必要になってしまいます。だから、いろいろアイデアを形にできるような、思ったものをその場で作ってしまえるような存在に憧れます。

エンジニアの仕事って、やっぱり作ることだと思うので。

— それでは最後の質問です。あなたにとって会社とはなんですか?

勉強するための場所、ですかね。お金稼ぎつつ、自分が成長していくための。会社には達成しなきゃいけないミッションがありますし、質問ができる環境もある。僕の場合は家で一人でやってても、あまり成長できない気がするので。

会社で仲間と仕事をするというのは、僕にとってとても大切なことなんです。

ひろゆき流・初心者エンジニアが実践すべき7箇条

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以下、エンジニアへの転身を考えている人に向けてのアドバイスとして、初心者エンジニアひろゆきが実践してきた7箇条を本人が紹介します。
新人エンジニアの方も、ぜひ参考にしてみてください。

1. 全くの未経験はキツイ!基礎的なところだけは先に身に付けておけ!

学生のときにちょっとプログラミングを勉強してた、という程度の経験でも、あるとないとでは全然違うと思います。全くのゼロから、というのはやっぱりキツイかもしれません。

専門学校に通うなど、ある程度基礎的なところは先に身に付けてからチャレンジしたほうがいいと思います。

2. とにかくたくさんコードを書け!エンジニアの勉強方法はコードを書くこと!

初心者でもベテランでも、エンジニアは常に勉強を続けなければいけない職業です。それを負担に感じる時もあると思いますし、どこまでが勉強でどこからが仕事か、というのは正直よくわからなくなります。

でも、自分がやりたいことがあって、それのために何をするか、という気持ちでの勉強なら続けられるはずです。

勉強方法としては、たとえ読めないコードであっても、とにかくたくさん書くことだと思います。書かないと、読めるようになりません。本を見るよりも、実際に書いてみて失敗するほうがいいんですよ。書いたときは動くと思って書いているわけですから、動かない原因を調べた方が絶対に勉強になります。

3. わからなかったら先輩に聞け!聞いたほうが効率的!

会社の環境次第ですが、わからないことがあったときに質問ができる先輩の存在があると大きいですね。いなくてもいずれできるようになるんでしょうけど、近くに聞ける人がいると効率が10倍、100倍になります。
だから少し基礎が身に付いたら、一人でやるよりはどこかに就職したほうが成長も早いと思います。

4. ストレスはゼロにならない!ある程度は諦めろ!

エンジニアは本番リリースのとき、とにかくドキドキしますね。ミスってたらどうしよう…と。その緊張感、つまりストレスは半端じゃないです。

しかも仕事ができるようになればなるほど、作業範囲が増え、ドキドキすることがどんどん増えていきます。できたら避けたいストレスですけど、これはもう避けようがないですよね。

だからストレスは抱え続けるしかない仕事だと諦めています。

5. とにかくプログラム化を考えろ!エンジニアは効率化を求める姿勢が大事!

エンジニアは、とりあえずコード画面見て吐き気がしなければ、誰でもなれる職種だと思います。逆に、あの画面をずっと見続けるのが性格的に耐えられないという人は、やめたほうがいいです。最終的には一行一行理解しないといけない訳ですから。

そして、何事に対しても効率化を求めるような姿勢も大事だと思います。常に何かをプログラムで自動でやらせようと考えている人種なので。そういう意味ではエンジニアって、めんどくさがり屋が多いのかもしれませんね。

6. 勉強会には出ろ!エンジニアには社外の仲間が必要!

勉強会に出る等、社外の仲間を積極的に見つけるようになりました。エンジニアになる前は、そういうのほとんどしませんでしたけど…。

やっぱり横のつながりがあったほうがトレンドも追えるし、キャリアの相談もできますからね。社内だけだとどうしても視野が同じ方向になってしまうので、多少無理をしてでもそういうのに参加する機会は増やしていったほうがいいと思います。

7. 健康に気をつけろ!とりあえずPC用メガネ買え!

エンジニアになってから目がめちゃくちゃ痛くなったんで、PCメガネ買いました。買うまでは何となく抵抗あったんですけど、やっぱり効果高いですね。映り込みの少ない、透明度の高いものを選ぶといいと思います。僕はJINSのやつを使ってます。

まとめ

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インタビュー中に何度も繰り返されたのが「自分はやりたいことをやっているので」という台詞。ずっと受け身で仕事をしていたひろゆきが、はじめて自分で選んだ仕事だからこそ、その思い入れが強いのかもしれません。

おかげで僕も、エンジニアという仕事の魅力が少しわかった気がしました。

かつてのひろゆきが持っていた受け身のスタイルは、会社から見れば必要な、かつ使い勝手がいい存在でもあり、決して悪いことではありません。

だからこそ、やりたい仕事を選んだことによるモチベーションや姿勢の変化、というのは大変参考になりました。僕も早くそういう仕事を見つけられたらいいなと思います。

最後に本日の御礼として、ひろゆきのために僕が選んだ一冊の本をプレゼントすることにしました。

ひろゆきに贈る一冊

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「夏と花火と私の死体」です。

「GOTH」や「ZOO」などで有名な乙一さんのデビュー作(執筆時点ではなんと16歳。)

主人公が冒頭でいきなり死体になってしまうという、とても読みやすい設定です。

ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しており、普段「ONE PIECE」しか読まないひろゆきも安心です。

「死体を隠す作業とバグを見つける作業は表裏一体かもしれないな…。」そんな読み方がひろゆきにできるようになる頃、彼はエンジニアとして一段上のステージに立っているのかもしれませんね。

今後も引き続き、Web業界のことについて学んでいきたいと思います。

それでは、また。

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ヨシキです。かつてLIGの3代目広報を担当しておりました。 イノベーティブな存在を目指し、大きさ以上に大きく進化しながら、LIGを再発明したいと思います。

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