才流栗原氏に聞く!これからのBtoB営業・マーケティング、コンテンツ制作を適切に導くフレームワーク【保存版】

才流栗原氏に聞く!これからのBtoB営業・マーケティング、コンテンツ制作を適切に導くフレームワーク【保存版】

Mako Saito

Mako Saito

みなさんこんにちは、LIGのマーケターのまこりーぬ(@makosaito214)です。

私はしばしば「マーケティング界隈の大先輩のもとへ取材にいき勉強させていただく」という企画をLIGブログ上で繰り広げているのですが……

時は満ちました。市場の変化とともに営業やマーケティングの手法も変革せざるを得ないウィズコロナ時代の今こそ、あの方にお話を聞くしかない! ……ということで、BtoBマーケティングのプロコンサルタントである株式会社才流(サイル)代表の栗原さん@kotakurihara)に取材させていただきました!!!

(才流栗原さん・ベイジ枌谷さん・WACUL垣内さんのことはかねてよりBtoBマーケティングの三大天として崇めておりましたので、こうして連続で取材の機会をいただきものすごく光栄です……気持ち高まります……!!!)
※編注:三大天はマンガ『キングダム』に出てくる趙の英雄たちの架空の総称です。

BtoB営業・マーケティングの戦略立案〜実行支援を事業として展開されている立場から、今現場でどのような変化が起きているのか、短期的・中長期的になにから順に取り組んでいくべきなのかをお話しいただきました。

また、これからは「コンテンツ制作が大事」なんて話をよく聞きますが、多様なチャネル・旬なテーマで情報発信し続けている才流さんの圧倒的なコンテンツマーケティングの裏側についても迫ってきました!

日々の業務に今すぐ取り入れられる具体的なフレームワークや施策が盛りだくさんの記事です。BtoB企業の営業やマーケティングに関わるみなさんはぜひぜひご一読ください!

株式会社才流 代表取締役社長 栗原 康太 さん1988年生まれ、東京大学文学部行動文化学科社会心理学専修課程卒業。2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年に「才能を流通させる」をミッションに掲げる株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。カンファレンスでの登壇、主要業界紙での執筆、取材実績多数。

BtoB営業・マーケティングの現場に起きている変化

まこりーぬ:緊急事態宣言以降、お客様から才流さんへの問い合わせ数や相談内容にはどのような変化が起きていますか?

※ 取材はオンラインにて実施しました

栗原:ありがたいことに4月に入ってから問い合わせ数は増えていますね。「テレアポが繋がらなくなりアポ取得数が落ちている」「出展予定だった展示会が中止となり新規リードが獲得できない」という具体的な課題に対し、「コンテンツ制作やオンラインセミナーなどのマーケティング施策を強化したいのでノウハウを教えてほしい」という相談が多くなっています。

まこりーぬ:オフライン施策が実施できないぶん、オンラインでどうリカバリーするのか、全マーケティング担当者が頭を悩ませてますもんね……! 弊社もテレアポ方法の見直しやオンラインセミナー企画と対応に追われています(涙)。才流さん自身はどのようにオンライン化を進めていますか?

栗原:うちはもともと営業・マーケティングのプロセスをほとんどオンライン化した状態で1,000万円前後の無形商材(コンサルティングサービス)を売っていたので、あまり大きな変化はないんですよね。とはいえ大型案件の商談はスーツを着て直接お客様先へ訪問することも度々あったので、フルオンライン化の今、もっとも難易度が上がっているなと感じているのはクロージングの部分です。

お客様は当然不安だと思います。「一回も会ったことのないこの人たちに大金を預けて大丈夫だろうか?」って。その不安を少しでも解消するため、たとえば納品物のサンプル資料を別途作成して商談中のお客様に配ったり、各コンサルタントの登壇・寄稿実績をまとめてWebサイトや営業資料に盛り込んだりと、情報提供を強化しています。

以下の図は弊社がクライアントワークで使っている「売れるロジック」という独自フレームワークなんですが、導入実績やメディア掲載実績、役員経歴などの情報を出して信頼を得やすくする、FAQやサポート体制を充実させて安心してもらう……という取り組みは、とくに高額商材を扱う企業において今後より一層重要になると思いますね。

まこりーぬ:こうして見ると信頼を得るための情報って一朝一夕に用意できるものではないですね……。日頃から武器となる実績作りに励まないといけないことがわかります(涙)。

短期的にすぐ取り組むべきBtoB営業・マーケティング施策

まこりーぬ:さっそくですが栗原さん、悩める営業・マーケティング担当者へ「ウィズコロナ時代の今、短期的にすぐ取り組むべき施策」について教えていただけないでしょうか……!

栗原:はい。以下の資料をもとに説明しますね。

栗原:上から順に優先度が高いです。まず大前提として、不況のなか新規顧客獲得は難しいため、既存顧客へのテコ入れが最優先です。「ここを失注したらヤバい」というお客様ってどの会社にもいるじゃないですか。そこへのフォローは当然手厚くしましょう。サービスが複数ある場合はきちんと儲かっているサービスに集中することも大切です。

新規顧客獲得については、このご時世「テレワーク対応系」「コスト削減系」のいずれかのサービスであればものすごく売れるし、そうでなければ売るのは非常に困難です。よってサービス自体の見直し、マーケティングメッセージの見直しが求められます。

……ちなみに私は仕事上、お客様の営業資料を拝見する機会が多いんですが、いわゆるROIが明記されている資料って10社に1社もないんですよ。ROIとは「このサービスにこの金額投資してくれれば御社はこれだけ儲かりますよ」という説明ですね。意外とみんなこの情報なしに受注できてしまっている。

当たり前のことではありますが、サービスを導入するといくら儲かるのか、いくらコスト削減になるのか、代替手段と比べていくらお得なのかをきちんと営業資料やトークに落とし込んでいく。そうすればこの状況であっても買ってくれるお客様はいるはずです。

まこりーぬ:あああROI、弊社も記載できて……ないです……! お財布の紐がかたい今、費用対効果は一層シビアに求められますよね。あらためて情報をまとめて営業資料に反映させていこうと思います(涙)。

栗原:ぜひ(笑)。しかし仮にROIの基準をクリアしたとしても、しばらく大型の発注は起きにくいと思います。安価なプランや無料トライアル期間を用意して受注のハードルを下げる工夫は必要ですね。また、当然ながらコロナの影響を比較的受けていないIT業界などに優先的に営業をかけることも有効です。

短期的に取り組むべき施策として最後にご紹介するのは、Web広告やオンラインセミナー、ホワイトペーパー作成といったオンライン営業・マーケティング施策のブラッシュアップです。コンテンツを作り動線を引けばリード獲得自体は決して難しくありません。ただしこれまでお話ししたとおり商談・受注の難易度が上がっているため、リード獲得対象を広げる、アポ取得条件を緩めるなど、今までよりも量を確保しながら営業・マーケティング活動を推進するようお客様にはアドバイスしています。

まこりーぬ:マーケティング担当者としてはついついオンラインセミナー開催やホワイトペーパー作成に目を奪われがちでしたが、まず取り組むべきことがスッキリ整理されました。ありがとうございます! 営業メンバーと連携して実行あるのみですね。

中長期的に取り組むべきBtoB営業・マーケティング施策

まこりーぬ:続きまして……ウィズコロナ時代はまだまだ先が長いと言われていますが、数年後を見据えたうえで中長期的に取り組むべきBtoB営業・マーケティング施策について、ぜひ教えてください!

栗原:大きくは2つあると思っています。1つはコンテンツマーケティング、もう1つはデータマネジメントですね。

今までオフラインで行われていた情報提供やリード獲得をオンライン化するためには、コンテンツ制作が欠かせません。多くの方がすでに感じられているとおり、やはりコンテンツマーケティングは取り組むべきです。

また、オンライン化することでユーザー行動がより一層計測できるようになるため、データを活用した営業・マーケティング活動が今後加速すると考えています。MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)を導入している会社は多いですが、正直なところきちんとデータを取っていない、活かせていないところがほとんどですよね。しかし今後はデジタル上のユーザー行動データをしっかり取得し、そのデータに基づき営業を仕掛けていくようなスタイルが当たり前になっていくのではないかと思います。

まこりーぬ:なるほど、これからの営業・マーケティング担当者にはコンテンツを作る、データを管理するスキルが求められるのですね……!

コンテンツマーケティングもデータマネジメントも、営業とマーケティングが強力なタッグを組んでこそ円滑に進められるのではないかと感じたのですが、よりよい協力体制を築くコツはありますか?

栗原:そうですね……たとえば、営業とマーケティングが共通のデータを見て一緒に議論する場を設けるのは一つの手だと思います。どのチャネルから獲得したリードが受注に繋がっているのか認識が揃うと、施策の方向性に揉めることもなく、「お客様の購買の意思決定を前進させる」というゴールに向かって自然と協力体制が生まれるのではないでしょうか。

まこりーぬ:リード獲得から受注まで一連のデータを一緒にチェックするってたしかに大事ですね。今後リードの商談化率が下がっていく、すなわち営業とマーケティングの軋轢が生まれやすいタイミングだと思うので(涙)ぜひ取り入れたいと思います!

BtoB営業・マーケティングの今後のスタンダード

まこりーぬ:ここまでは施策の変化についてお話しいただきましたが、「これは根本的に営業・マーケティングのあり方が変わるぞ……!?」と感じているポイントはありますか?

栗原:冒頭でお話しした、現在弊社が取り組んでいる不安払拭のための情報提供にやや通じる話なのですが……

2012年に米コーポレート・エグゼクティブ・ボード社が出した調査に「BtoBの購買プロセスの57%は営業担当に会うまでに終わっている」というデータがあります。これはすなわち、今どきの発注者はWeb上で自ら情報収集して必要なソリューションに見当をつけたうえで、ようやく営業担当を呼んでいるということです。

何年も前から発注者側はオンライン化していました。ただ、日本企業の実態がどうなっているかというと、とてもじゃないけどオンラインで意思決定できるほどの情報がWeb上に出されていません。

もちろん今までも重要と言われていた話ですが、強制的に営業・マーケティング活動がフルオンライン化してしまった今、Web上にお客様の購買の意思決定を助けるだけの情報を出すことの必要性がさらに高まっていると思いますね。

まこりーぬ:なかなか衝撃的なデータですね……! あえてWeb上の情報を少なくすることで「詳細は問い合わせてね」とリード獲得に繋げる手法も多いと思うのですが、今後は受け入れられなくなっていくのでしょうか……。

栗原:リード獲得の手法としてはアリだと思いますよ。ただし獲得したリードに対して十分に情報提供することなく、突然インサイドセールスが電話して「商談しましょう!」って言っているパターンも現状は多いのではないでしょうか(笑)。メルマガでも資料送付でもいいので、不安なく意思決定してもらえるだけの情報を、お客様自身のタイミングで確認できる状態にしておくことがなにより大切です。

まこりーぬ:突然のインサイドセールス、たしかに経験あります(笑)。

……ここまでのお話で「商談中のお客様の不安を解消させるコンテンツも、リードを獲得するためのコンテンツも作らないと! なにから手をつけよう! ウィズコロナ時代ってもはやコンテンツ大乱立時代じゃん!」と焦りが増してきました。ああどうしよう。

後半は「コンテンツ制作」についてのノウハウについて聞いてまいります!

最初に知っておきたい正しいコンテンツ制作ステップ

まこりーぬ:Twitterを見てもnoteを見てもYouTubeを見てもstand.fmを見てもpodcastを見ても、どのチャネルにも必ず才流さんがいる!!! しかもトレンドに対する情報発信スピードもめちゃめちゃ早い!!! ……ということで、前々から才流さんのコンテンツマーケティングには本当に圧倒されておりました。今日はぜひいろいろと質問させてください!

さっそくですが、コンテンツ制作にこれから本格的に取り組む企業において、質と量はどちらを重視すべきでしょうか?

栗原:答えは明らかに「質」ですね。コンテンツ制作初心者のため量をこなさないと質が上がらない……というケースのみ量は大事だと思うんですが、結局この場合も質を上げるための量ですよね。ということで、行き着く答えは「質」です(笑)。

まこりーぬ:……BtoBマーケティングにおける「質の高いコンテンツ」とは、ブレイクダウンするとどんなコンテンツといえるでしょうか……?

栗原:世間一般的には「お客様の役に立つコンテンツ」などといわれてますが……そうですね、とくにBtoBマーケティングにおいては「お客様の購買の意思決定を前に進めるコンテンツ」といえるのではないでしょうか。イメージ的には、Salesforce社が提唱している “4つの「不」” を解消するようなコンテンツです。

※ 4つの不…顧客がサービスを認知してから購買に至るまでに存在する、4つの心理的ハードルのこと。不信、不要、不適、不急。

まこりーぬ:なるほど、「お客様の購買の意思決定を前に進めるコンテンツ」という表現にはとても納得感があります! いざこの指針をもってコンテンツを作り始めるとして、いったいなにから着手すべきでしょうか?

栗原:当たり前の話にはなってしまいますが、すべてのマーケティング活動の基本となる「ペルソナ」「カスタマージャーニー」を妄想ではなくしっかりと作り、お客様を理解することからスタートしましょう。

そのうえで、購買に近いところから順に、足りない情報を提供していくのがいいと思います。たとえば最初は、商談で比較検討されて勝ち残ったにもかかわらず、今すぐ受注できない「不急」問題を解消するために必要な情報はなにかを考えましょう。つぎに比較検討時によく質問される情報や、見込み客が商談化するときに後押しとなる情報を洗い出してコンテンツ化していきます。そして最後にリードを獲得するためのコンテンツ、認知を獲得するためのPR的なコンテンツと力を入れていきます。

まこりーぬ:具体的なアクションがかなり明確になってきました……! お客様をしっかり理解したうえで、購買の後工程から順にコンテンツ強化をしていけばいいんですね。

リード獲得コンテンツやPRコンテンツにおいては「どこで情報発信するか」という観点も大事かと思いますが、オススメの発信チャネルはありますか?

栗原:こちらも教科書どおりの回答にはなりますが、既存のお客様やターゲットに近い見込み客にインタビューをして「ふだんどのように情報収集をおこなっているのか」をヒアリングしてから検討しましょう。

ほとんどの会社は問い合わせがきたときに「どこで自社を知りましたか?」とヒアリングしていますが、それ以外の質問、ふだんの情報収集方法などはほぼ98%聞いていないと思います。自社がどこで発信していくかを見極めるために、お客様に直接聞いちゃう作戦は大事ですよ(笑)。

まこりーぬ:私も完全に98%側でした……。お客様に聞いてみます(涙)! ちなみに、(当然そのヒアリング結果次第ではあるとは思うのですが)Twitterのビジネス利用はオススメですか?

栗原:……過去お客様にTwitterをオススメしたことはないですね。再現性なさそうじゃないですか(笑)。スタートアップやベンチャーの経営者・マーケター・営業・人事・エンジニアあたりにアプローチしたい場合チャレンジする価値はあると思いますが、社内にインターネット好きかつ文章が書ける人がいないといけないし、しかもその成果をマーケティング施策として組織が評価するって……難しいですよね。なのでこちらから提案したことはないです。

まこりーぬ:たしかに、会社のマーケティング施策として位置づけるのは難しいですね。やりたい人がいればどうぞ! くらいの温度感がちょうどいいのかもしれません(笑)。

Twitterはさておき、今後はあまり文章を書くのが得意ではない、好きではない人たちもコンテンツを作っていかなければならないと思うのですが、そういったメンバーをうまく巻き込む・モチベートする方法ってありますか……?

栗原:そうだな……。ちょっと質問からズレてしまいますが、この時代はコンテンツが必要で会社として取り組もうと言っているのに、自分は得意ではないからやりたくない、という意見は仕事上存在してはならないんじゃないかと思いました。やるべきことをやるのが仕事なので。プライベートのブログとは違いますからね。

まこりーぬ:ぐうの音も出ないです。すばらしい喝をありがとうございます。(みなさん! 聞きましたか!!! 忙しくて作れないという言いわけもNGですよ!!!笑)

どうしてもリソースが不足している場合、パートナー会社にコンテンツ制作を依頼する選択肢もあると思います。外注先を選ぶポイントはありますか?

栗原:選ぶポイントは「その会社がコンテンツマーケティングをやっているかどうか」に尽きますね。どんなケースでどんなコンテンツがハマるのかなんて、やってみないとわからないじゃないですか。自分たちでどんどんトライしている会社でないと、本当にいい提案は現実的に不可能なんじゃないかと思っていますね。

まこりーぬ:……LIGもコンテンツマーケティング支援を提供している会社の一つなのですが、そのお話を聞いてものすごく安心しました(笑)。(よかった〜!!!)

才流が質の高いコンテンツを出し続けられる理由

まこりーぬ:取材もいよいよ終盤ですが、ここから才流さんのコンテンツマーケティングの裏側に迫ります! 才流さんのコンテンツ企画〜公開までのフローってどうなっているんですか?

栗原:うちは今10名前後の社員がいますが、全員で週に一度集まり、1時間ほど編集会議をやって各人のネタを決めています。採用条件に「自分でコンテンツを作れるかどうか」を入れているので、半ば強制的にみんな作ることになるんですよ。

その後は各々が半日〜1日程度でコンテンツを作り、画像や動画制作・誤字脱字チェックのみ外注して、私のチェックはとくにはさまず公開という流れになります。

まこりーぬ:なるほど……みなさんコンサルタントでありコンテンツメーカーとは……それは情報発信も早いはずです……! 今後同様の採用基準を掲げる会社も増えそうですね。

直近で取り組まれているYouTubeや音声コンテンツからのマーケティング成果は出ていらっしゃいますか?

栗原:音声コンテンツに関しては、拡散性はありませんが、すでに繋がっている人たちのエンゲージメントを高める効果がありますね。営業やマーケティングに活用できるイメージはまだあまり湧いていませんが、採用活動にはいいと思います。

一方でYouTubeの方は拡散性もあり、すでに何件かYouTubeきっかけの問い合わせもいただいているので、可能性を感じています。テキストを読まない層って一定数いるので、動画でそういう人たちにリーチしていきたいですね。

まこりーぬ:まさに自分たちでコンテンツマーケティングを実践されているからこそのリアルなノウハウですね……! 大変参考になります。

才流、そして栗原さん自身が新しいチャレンジもしながら情報発信を継続できている秘訣について、ぜひ教えていただけないでしょうか。

栗原:ほかの企業様では再現性のない話になってしまうのですが、才流は「メソッドで社会をよくする」と掲げているくらい、フレームワークやベストプラクティスを言語化して発信することにものすごく価値をおいている会社です。あとはもともとコンテンツ作りが好きなのもあり、情報発信は当然のようにやっている……という感じですね。

情報発信力って要はスキルなので、PDCAを回しながら継続していけばほとんどの人が身につけられると思うんですよ。ただなぜ現状身についていないかというと答えは一つで、みんな途中でやめているからです。よって情報発信力を鍛える方法は、情報発信をやめない仕組みを作ることなんじゃないかと思います。

弊社内でもいろいろと工夫はしています。たとえば「SAIRU NOTE」というオウンドメディア立ち上げは自分1人でやってしまうと途中で後回しにしそうだと思ったので、外部の編集者にお金を払い、定例ミーティングを実施して確実に進むようにしました。

Twitterに本腰をいれようと決めたタイミングでは、知り合い3〜4人でグループチャットを作り、フォロワーの伸びを共有したりツイート内容をフィードバックし合ったりしましたね。

直近だとマーケティングトレースを開発した黒澤さん(@KurosawaTomoki)と朝7~9時にZoomを繋いで、互いにもくもくコンテンツを作る時間をとっているんですよ。1人でコンテンツ作ろうって意気込んでも二度寝しますからね(笑)。一緒にやる仲間を作ることが情報発信を続けるための一番よい方法だと思います。

まこりーぬ:こんなに工夫されているんですね……! すごい! やはり自分の意思力だけでなんとかしようとせず、仕組み化することは大事ですね。そして栗原さんでも二度寝してしまうと聞いて親近感が湧きました(笑)。

これからチャレンジしていきたいこと

まこりーぬ:最後に、会社として、個人としてこれからチャレンジしていきたいことを教えてください!

栗原:会社も個人も重なるんですが、メソッドで社会をよくする「メソッド開発カンパニー」を目指しているので、引き続きこれからもたくさんのメソッドを作っていきたいですね。

あとは、今はまだ10名前後の会社ですが、これから数百数千の規模に拡大して全員がコンテンツメーカーだったらいったいどうなるんだろう、おもしろそうだなと思っています。Web上のビジネスに関するコンテンツがすべて才流のものになるかもしれません(笑)。そこまで会社を大きくしていきたいですね。

まこりーぬ:それは壮大なチャレンジですね(笑)! 栗原さん、本日は貴重なお話を本当にありがとうございました!

さいごに

ウィズコロナ時代。オンラインセミナーはもう乱立しているし、TwitterのタイムラインにはあらゆるHow toが流れてくるし……あ〜〜〜なにからやろう!?

……という心情だったのですが、栗原さんにお話をうかがってやるべきことの解像度が上がり、優先順位も見えてきました。きっと読んでいただいたみなさんにとっても覚えておきたいフレームワーク、再現性のあるノウハウの連続だったのではないでしょうか。

周囲がやっているトレンドの施策に飛びつくのではなく、自社のお客様に向き合い、お客様の購買の意思決定を前に進めるための支援を営業・マーケティング双方が協力しあっておこなう

もしかすると、新しい時代の到来は決して危機ではなく、本来あるべき営業・マーケティング体制を構築するのに絶好の機会なのかもしれませんね。

以上、まこりーぬがお届けしました!

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Mako Saito
Mako Saito LIGブログ編集長 / 人事部長 / 齊藤 麻子

1992年生まれ。2014年九州大学芸術工学部卒業後に採用コンサルティング会社へ新卒入社。法人営業から新規事業推進、マーケティング業務に従事したのち、2018年にLIGへ。2023年にLIGブログ編集長、2024年に人事部長に就任し、現在は自社のマーケティング・人事業務を担う。副業ではライターとして活動中。あだ名は「まこりーぬ」。著書『デジタルマーケの成果を最大化するWebライティング』(日本実業出版社)

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