【ムービー作成の基本】作り始める前に最低限おさえておきたい動画の組み立て方

【ムービー作成の基本】作り始める前に最低限おさえておきたい動画の組み立て方

ヒロアキ

ヒロアキ

こんにちは、エディターのヒロアキ(htanaka0725)です。

Web メディアに携わる者として向き合う必要がある「動画」。いろんな場所へ赴くライターやエディターは、その取材現場で繰り広げられている模様を「ムービー」という目線で見てコンテンツ化する、という能力が必須となりつつあります。

とはいえ、「動画を撮影する」「動画を編集する」というのは記事の執筆や編集とは異なる分野なうえ、覚えることも真新しいもの。取り組むにしても気持ちの準備が欲しいですよね。

そこで、「これだけやれればだいじょうぶ!」という Web コンテンツとして十分なクオリティの作品を手がけるための動画の撮影方法と編集手法をまとめてみました。

 

個人アカウントで再生回数 5 万回オーバーの動画

バイク専門のジャーナリストとして個人アカウントで何本か動画を手がけ、多いものだと再生回数が 3 万回を超えるのもチラホラできました。稼げるユーチューバーだと何十万回、何百万回という再生回数を誇るので大したことはありませんが、「バイク」「ハーレー」という日常からかけ離れたカテゴリーでターゲット層も広くないこと、また個人アカウントという点から見ると、決して悪い数字ではないと思います。

そんな数あるオリジナルムービーなかで、最近もっとも伸びたのがこちらの作品。

 

新型ハーレーを解説したインプレッションムービー

このハーレーダビッドソン「ロードスター」というバイクは、2016 年 5 月に一般販売を開始した新型モデル。その販売に先駆けてフランス・マルセイユでメディア限定の試乗会が催され、ご招待という形でメディアローンチに赴いてきました。当然ながら私以外にも日本人ジャーナリストが現地入りしたのですが、そのほとんどが雑誌などの紙媒体であったこと、また事前リサーチしたところ日本版ロードスターのムービーがゼロだったことから、動画撮影にチャレンジしてみたのです。

結果、日本版ムービーとして最速アップしたこの動画は再生回数トップを取ることができました。YouTube での再生回数も 5 万回を超えました( 2017 年 2 月現在)。スピード重視で手がけた動画でしたが、この分野に特化した見識を土台とした企画として生み出されたものなので、その内容もコンテンツとして十分成立するレベルになっています。

ここでは、この作品を軸に企画立案からアップロードまでの流れを詳細にご説明します。

 

#01 企画内容の整理

まず、ムービー化しようと考えるネタが動画向きかそうでないか、以下の項目に照らし合わせてチェックしてみましょう。

「どこよりも早い」か「誰もやっていない」か

テキスト記事と同様に Web コンテンツですから、再生回数を稼ぎたいのであればこのいずれかに該当しているものを選びましょう。前述したとおり、本作品は「日本版ムービーがまだアップロードされていない」「今自分がやれば日本最速」ということがあらかじめわかっていたことが決め手でした。

LIG のバンド『 旅と音楽 』は、「まだ誰もやっていない」ことがコンテンツの核となっています。とりわけ、自分たちで音楽を作り出せているのは大きな強みですね。

もちろん、サウンドを使わずともムービーコンテンツは成立します。特に、最近スマートフォンが主な利用デバイスとなっていますから、イヤホンなし & サウンドを出さずとも内容がわかるムービーであることも重要です(字幕を使う、なるべく絵のサイズは大きくする、など)。

 

動いている必要があるものかどうか

「動きがあるからこそ伝わる要素が強いネタかどうか」も企画の骨子に不可欠なもの。Web コンテンツと異なり、動画はよほどの動機がなければ再生ボタンを押してもらえません。想定するペルソナがムービングコンテンツを求めているかどうか、しっかり吟味しましょう。

 

「どういう内容にすべきか」建て付けをしっかり

上記の項目から「想定されるペルソナがどんなことを知りたいと思うか」を箇条書きにします。今回の新型ハーレー動画については、従来のイメージとは異なるユーザー層を想定した(と思われる)タイプだったため、「現在ハーレーに乗っているオーナー」に加えて「他メーカーモデルに乗っているバイク乗り」をペルソナとして設計しました。

そこから導き出された要素が、以下です。

 
・今までのモデルとの違い
・またがった際の足つき
・他方向からのビジュアル
・特徴的なディテール(部位)
・乗り心地

そしてこの内容を、この後に準備する「絵コンテ」に落とし込んでいきました。この「絵コンテ」の重要性については後ほど。

 

ムービーの撮影時間はスチールよりかかる!

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ムービーの間を持たせるためのイメージカットを撮るのにも 5 〜 10 秒を要するのが動画撮影。絵コンテに準じて進めていっても、スチール撮影のとき以上(ときには倍以上)の時間がかかってしまいます。Web コンテンツを手がけた経験があるライターやエディターなら、余裕を見て通常の倍の時間は見ておきましょう。

 

速さ重視!それでいて精度も高める

Web コンテンツですから、当然鮮度が命! 動画編集は記事を執筆するぐらい時間を要しますが、それでも早く制作してアップロードしましょう。

その一方で、誤植などの間違いがあると修正が困難な作品でもあるので、編集した映像を「書き出す」前に何度もチェックしましょう。アップロードして再生回数を稼ぎ始めてから誤植を見つけても、もう引っ込めることはできません。致命的な数字の間違いなどがあって修正を余儀なくされると、それまでの再生回数が水の泡と消えてしまいます。

書き出しボタンを押す前に、一呼吸おいて最後のチェックを。これは鉄則です。

 

長くても 3 分強!

よほどの内容でない限り、ムービーは 2 〜 3 分でまとめましょう。最後まで見られる 10 分やそれ以上のムービーというのは相当惹きつける力のあるコンテンツで、編集作業も大変です。初めて映像編集をしてみると、3 分でも結構時間を要します(シンプルに作っても一時間はかかります)。むしろ、3 分以内に収めることをルール付けて挑戦してみる方がいいかもしれません。

 

あらかじめサウンドイメージを持っておく

ファンキーなものか、スピード感あふれるものか、アンニュイなものか、ヒーリング系か……。手がけるコンテンツのテイストに合わせたサウンドチョイスも大事な要素です。「フリー」「サウンド」「BGM」「無料」「ダウンロード」「版権フリー」などの掛け合わせでいろんな無料サウンド取り扱いサイトが出てきます。また、iMovie などのソフト内にもさまざまなタイプのフリーサウンドが収納されているので、あらかじめそれらを聴いておいてイメージを固めるのもいいですね。

 

#02 準備するもの

企画の骨子を整理したら、続いて撮影や編集に必要な準備を進めねばなりません。機材から絵コンテまでを細かくご紹介していきます。

 

動画用の撮影機材

カメラ

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何をおいても必要なのがこれ。ムービーが撮影できるのであれば、ビデオカメラでも一眼レフでもコンパクトデジタルカメラでもスマートフォンでも OK。解像度が高いほど鮮明な映像が楽しめますが、もっとも優先されるべきは「ネタ」。それ次第で、スマホで撮影したものを使ったって構いません。私個人は、キヤノンのミラーレスカメラ EOS M3 を使っています。元々キヤノンの一眼レフカメラ 7D を使っていて、EF レンズを共有できるマウントアダプター(別売)を購入して併用しています。

 
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ミラーレスは一眼レフほどかさばりませんし、ライター & エディターという仕事で見れば十分なスペックを備えています。もちろんさらなるクオリティを目指すのであれば、さらに高価な機材を……となりますが、ムービー用機材は突き詰めていけば天井知らずなので、何を選ぶにしても「必要にして十分」なところで落ち着かせるよう心がけています。

 

アクションカメラ

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「 GoPro 」をはじめ、さまざまなタイプの製品が出回っているアクションカメラ。今では 360 度すべて撮影できるものまで登場しました。ムービーコンテンツの可能性を一気に広げたこのアイテムも、作品にさらなる幅をもたらしてくれます。

このアクションカメラを用いるポイントは コンパクトでアクティブな動きが必要かどうか 。自転車やヘルメットなどの邪魔にならないところに取り付けられることがメリットのアクションカメラですが、画そのものに動きが少ないと宝の持ち腐れ。‎Red Bull や Monster Energy に見られるアクティブ系ムービーが目的なら利用し甲斐があるでしょうね。

また、実際に撮影や編集をしていくとわかってくるのですが、アクションカメラの映像が中心になった作品というのは滅多にありません。挿絵として何カットが使う程度で、それと本体価格( GoPro HERO5 Black だと約 45,000 円から)を考えると、コストパフォーマンスが見合わないことも。

あると便利なアクションカメラですが、購入を検討するときは改めて「本当にそのカメラでなければ撮れない画か」を考えたうえで決めましょう。

 

ドローン

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「空撮」という選択肢を一般ユーザーに与えてくれた夢のアイテム、ドローン。そのグレードはピンからキリまであり、安いものであれば数千円というものも。ドローンもアクションカメラ同様に使い方で、駆使する技術とセンスが問われます。

こちらもアクションカメラ同様、撮れる画のインパクトが強い反面、作品のなかにどれだけ取り込むのか、そしてそれに見合った労力と費用なのかを検討しましょう。実際にドローンを飛ばすとなると準備に相当の時間を要しますし、編集してみたら 5 秒ぐらいしか使わなかった、なんてことも。要は、ドローンが主役となるコンテンツなのかどうか がポイントなのです。

また、2016 年 3 月に施行された「ドローン規制強化法」などから、東京都をはじめとする都心部で使用するのは困難に(きちんと申請すれば使えるところも)。その規制に限らず、墜落したときの補償(人や物を傷つけた場合)を個人で請け負うとなると大変なことに。利用する際は細心の注意を払いましょう。

 

三脚 or 一脚

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動画撮影のマストアイテムがこれ。今では YouTube にも手ブレ補正機能が備わるようになりましたが、ブレない安定した画は映像そのものに集中してもらえる(映像がブレていると視聴者がブレを気にしてしまう)ので、できる限り三脚を用いての撮影を心がけたいところです。

 
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このような三脚化する一脚も、使い方によってはかなり便利です。持ち運びを要するときに映像を撮るとなると、三脚はあまりにも面倒な存在になります。しかし一脚なら、上下のブレは防げるという最低限の安定感があり、持ち運びにも便利。ミラーレスカメラやコンパクトデジカメ、GoPro と相性がいいですね。イベント取材などで使う際に活用できます。

 

マイク

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私がムービー撮影時に用いる一眼レフカメラやミラーレスカメラのカメラ機能は、言うなれば“ついでの機能”で、カメラとしての感度は決して高くありません。カメラ本体に空いている小さな穴のなかにマイクが隠れているのですが、ピンポイントで音を録りに行くほどの性能ではないため、屋外撮影では周囲の音と同じボリューム感になってしまうのです。音もある程度編集できますが、録りたい音をピンポイントで抑えられた方がベスト。

取り付けカメラもピンからキリまであり、いずれを選ぶかは使い手次第。私は高機能でなくてもいいけど、標準装備のレベルでは困るので、比較的リーズナブルなマイクを使っています。音楽同様、音を伝えられることもムービーのメリットなので、こうした機材も活用してみてください。

 

動画編集ソフト

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ウインドウズなら「ムービーメーカー」、マッキントッシュなら「 iMovie 」が標準装備されています。社外メーカーソフトで有名なのは「 Final Cut Pro X 」、「 Adobe Premiere Pro CC 」、「 AviUtl 」をはじめ、さまざまなソフトが販売されています。当然ながら既存 PC に装備されているソフト以上の性能(エフェクトのバリエーションやサウンドが豊富、使いやすい などなど)を誇るものばかりで、使い勝手も「どんなムービーを作りたいか」によって相性が変わってきます。

ただ、初心者としてムービーにチャレンジするならば、「ムービーメーカー」や「 iMovie 」からで十分だと思います。私も使っているのは iMovie です。社外ソフトはあらゆる可能性を広げてはくれますが、初心者だとその何割程度しか使いこなせないでしょう。もちろん慣れもあるので まずは使ってみることも大事ですが、「自分が手がけるムービーコンテンツはどんなものだろう」と探っている初心者こそ、手元にあるものを使いこなすところから始めるのをオススメしたいです。

 

#03 絵コンテの作成

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絵コンテは設計図であり、作品制作に携わるスタッフが迷わないための指標です。ひとりで撮影から編集まで手がける「初めてのムービー制作」という方は、自分が作りたいものをブレさせない意味で書いてみることをオススメします。絵コンテの有無で完成度に差が出ると言っても過言ではありません。絵心の有無は関係なく、シナリオとしてストーリー構築をしていきましょう。

最初は「いい動画」を真似てみよう

どういうシナリオを描けばいいかわからない場合は、「自分が作ってみたい」と思ったイメージに合致するムービーの建て付けをそのまま取り入れてみるといいでしょう。プラスアルファの素材を押さえておけば肉厚にできますし、順序を変えるだけで違ったテイストの作品として仕上げることも。まずは良い作品を真似てみる。第一歩はそんなノリで進めていきましょう。

 

文字を載せることを想定したレイアウトを

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こちらはバイクを真後ろから撮影したムービーのキャプチャーです。普通ならバイクを中央に据えるところですが、動画には「文字」というエフェクトがあります。その文字を映像のどこに入れるか、絵コンテの段階からイメージしておくと、こんな風にまとめられます。

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バイクのスペックを綺麗に収められました。バイク自体は動いていないので実際は静止画と変わらないのですが、エフェクトでスペックを読ませられるので映像としての演出は十分。これ、サウンドが出せない電車内でのスマートフォン利用でも情報を伝えられるので、文字エフェクトはうまく活用してみてください。

 

ヘタでもいいから頭のなかのイメージを描く

動きのある画を撮る場合は、どんな動き方になるか大体イメージしてそれを絵コンテに落とし込みましょう。大事なのは、自分以外の人が見てもわかる絵コンテになっていること。それはスタッフでもあり、視聴者でもあります。絵コンテそのものは絵心なくても全然構いません、目的は 大勢に作品を観てもらうこと なので、第三者にわかりやすく伝わる絵コンテを心がけましょう。

>> 絵コンテのサンプルをダウンロードする

 

#04 いざ撮影!

準備が整ったら、いよいよ撮影です。最終的に編集するときのことをイメージしたムービー特有の撮影手法を見ていきましょう。

 

絵コンテに合わせて必須カットを押さえていく

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絵コンテに書きまとめた図(絵)に合わせて撮影していきます。内容にもよりけりですが、固定カットなら 5 〜 10 秒程度、動きがあるものなら何十秒でも何分でも。停止している画を 5 秒以上使うというのは滅多にないので、10 秒も撮っておけば十分事足ります。最悪スチール写真で代用できますしね。

時間的な余裕の有無にもよりますが、固定カットも動きのあるカットも、いろんなパターンの画を押さえておきましょう。実際に編集作業に入ったときに「モニターで見てみると、違う角度から見た方が伝わりやすいな」といったことに気づくことも珍しくないからです。時間はかかりますが、画のバリエーションは多ければ多いほど良いです。

 

動きのある画を心がける

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これはロードスターのハンドルバーのスクショです。本来ならスチール画像でも代用できそうなディテールですが、実物を見たときに、「これ、一方向から見ただけじゃ形状が伝わらない」と判断し、その場でムービングに切り替えました。真上からライダー目線へと流れる映像で、真上から見ると水平に見えるけど実はかなり垂れ下がっているその特殊な形状を立体的に見せています。やはりムービーは動いてナンボ、立体感があってナンボ。絵コンテに縛られず、いろいろ試してみましょう。

 

イメージカットもいくつか撮っておく

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絵コンテに書き記した指示カット以外にも、イメージものをなるべく抑えておきましょう。大体 5 〜 10 秒ぐらいの、スチールのように使える画を。結果的に使うか使わないかは編集段階でしかわかりませんので、材料は多めに持っておきましょう。

 

意味のない空間は映らないよう配慮する

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これはスマートフォンで見られることを想定したもの。7.9 インチの iPad mini ぐらいのデバイスで観られるならいざ知らず、それ以下のサイズだと絵がミニマムで見づらくなります。なので、ディテールを切り取って見せるときは無駄な余白は入れず、画面めいっぱい使って撮影するようにしましょう。もちろん編集時にトリミングもできますが、解像度を考えて、のことです。「実際に編集段階でどう使うか分からない」というときは、「寄り」と「引き」の両方を抑えておきましょう。

 

スチール写真も活かす

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Web メディアでお仕事をされていると、記事で使うためのスチール写真を撮っておられることと思います。時にはそうしたカットもムービーの中に差し込めるので、“一粒で二度美味しい”ぐらいの感覚で目に付いたものを片っ端から撮っておきましょう。私は今回の作品に、ハーレーダビッドソン本社から提供されたプレス向け写真を用いました。自分の走行カットもあったのですが、やはりハーレーはアメリカのバイクですので、アメリカ人が乗っているイメージを与えたいと差し込んでみた次第です。

 

サウンド系は別途録音する

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バイクのムービーで必須とされるのがマフラー音。しかし実際にスチール写真のようなマフラーを眺めながら音を聴くのは辛いので、音だけ別で録音し、切り替わる画のうえに載せたりしています。これは後ほど解説するインタビュー系ムービーに活用する手法なので、画と音は別々に録る という認識を持つといいでしょう。

サウンドに関しては、ファイル形式が「 MP4 」であればどの編集ソフトでも使えますので、レコーダーやスマートフォンで録音した音声でも問題ありません。

 

#05 編集作業の手順

作品に必要な素材を撮り終えたら、いよいよ編集作業です。プラモデルのように、絵コンテという設計図に合わせて組み立てていきましょう。その過程で気をつけておきたいことをまとめました。

 

エフェクトはほどほどに

初めてムービーの編集ソフトを使うと、ついいろいろと使いたくなるエフェクト。動画ならではのエッセンスとして効果的ですが、乱用すると伝えたいところに余計なフィルターがかかってしまうことも。まずはシンプルにまとめることを心がけましょう。

 

メリハリある画面の切り替えを

目まぐるしくてもいけませんが、ある程度 画を切り替えて見せる方が映えるのがムービー。特にインタビュー系ムービーだと、この切り替え手法が役立ちます。ちょっと例を挙げてみましょう。

 

ロードスターのデザインを担当したハーレー本社 インダストリアルデザイナーのベン・マクギネリーが解説する模様をムービー化したもの。そのベンが話しているシーンについて、実際の編集画面はこんな感じです。

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ベンのトーク部分(音声)は現場で固定撮影した音声データをそのまま活用し、登場シーンは前後に短く収めつつ ロードスターに関連する映像やスチール写真をあいだにいくつも放り込みました。実際の映像では、ベンのトークが途切れることなく続き、それでいて画は彼が開発したバイクをバリエーション豊かに見せる手法となっています。

インタビュー系ムービーは、登場人物がたとえ著名人であっても ずっと同じ画というのは観る側にとってなかなか辛いもの。iMovie でも十分編集可能な手法なので、ぜひご自身の制作にも活かしてみてください。

 

#06 アップロード、そして公開

いよいよ YouTube にアップロード! その際に対応しておきたいポイントをご紹介します。

 

興味を惹きつけるアイキャッチを

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YouTube では、動画をアップロードする際にサムネイルされる絵を選べます。アップロードされた映像のなかから切り取られたシーンが 3 つ出てくるのですが、それ以外に希望する画像を使うことも可能です。この機能を使うようにしましょう。ランダムに選ばれた意図のわからないシーンよりも、「このムービーで見られるのはこういう内容ですよ」というメッセージが篭ったアイキャッチの方が、視聴者の興味を掻き立てることにつながるからです。

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やっぱりバイクは動いてナンボ、走ってナンボ。だからムービーコンテンツを手がける価値があるのですが、それをアイキャッチでも伝えたい。というわけで、このメディアローンチで撮影してもらったなかから、実際に走っている模様が伝わる写真を用いてフォトショップで文字を載せました。実際の走行カットを入れることで「ちゃんと乗ってきましたよ」という意図を伝えるためです。

フォトショップがなくとも、無料の画像編集アプリ「 PhotoScapeX 」などでも加工 & 文字載せは可能なので、こちらも活用してみてください。

 

説明文もきちんと書く

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Web コンテンツで言うところの Description になります。Google での動画検索でもこのように表示されます。

 
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最初の 30 文字でどんな内容か分かるような説明文を入れましょう。その動画に関連する Web コンテンツがある場合は、必ず「記事タイトル」と「 URL 」を入れましょう。SEO や SNS といったターゲット以外のユーザー( YouTube 鑑賞者)の獲得にもつながるからです。

 

タグは必ず入力する

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こちらも説明文同様、検索を狙ううえで必要な項目です。入れすぎてもよくありませんが、ムービーコンテンツがもっとも狙っているキーワードは必ず入れましょう。

 

まずはやってみる。そして慣れていく。

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ひとくちに「製作」と言っても、普段手がける Web コンテンツとは異なるベクトルの動画作成はなかなかハードルが高いもののように見えるでしょう。しかし実際に着手し、いろいろとチャレンジしていくといろいろなノウハウが蓄積されてき、着手前以上の手応えと動画の可能性を感じられるようになるのです。

そのためには、「まず作ってみる」という第一歩を踏み出すこと。この記事でまとめた手順で進めていけば Web メディアでも十分通用する動画コンテンツが生み出せますし、さらに自分だけの手法が確立してくれば、今度はチーム単位で手がける大きな映像制作でも対応することができることでしょう。ぜひ今回を機に、動画作成にチャレンジしてみてください。

では!

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関西生まれのチャラフォーエディターです。 バイク関係や旅行関係などの媒体編集者として15年以上やってきました。 アメリカやヨーロッパ、アフリカ、アジア、中国などいろんな国に行きました。 愛車はハーレーダビッドソンとホンダ リトルカブ。 なんでもサッカーに例えて話そうとする悪癖あり。 後悔は少なめのMy Life。

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