「1年以内の退職0人、成約率90%」ヘッドハンティング採用って実際どうなのか聞いてみた


「1年以内の退職0人、成約率90%」ヘッドハンティング採用って実際どうなのか聞いてみた

みなさんこんにちは、人事部部長のそめひこです。

採用競争が激化するいま、優秀な人材を採用することが難しくなっていますよね。求人広告を出しても人が集まらない、転職エージェントに依頼したけどマッチする人材と出会えない……そんなお悩みを抱えている人事担当のかたも多いのではないでしょうか?

広告もエージェントでもうまくいかないとき、次の手段としてはヘッドハンティングやスカウトなどがあります。しかし、これまで僕は「ヘッドハンティング=とにかく人に声かけてガンガン会社に紹介していくもの」というイメージをもっていて、依頼したことがありませんでした。これは欧米のヘッドハンターのイメージが強いからだと思います。

でもそのヘッドハンター像はあくまで僕のイメージ。実際のはどうなのでしょうか?

そこで今回はその真相を知るべく、転職コンサルタントのプロフェッショナルバンクさんにヘッドハンティングのお仕事についてお伺いしました!

プロのヘッドハンター集団「プロフェッショナルバンク」にインタビュー

インタビューに協力いただいたのは、プロフェッショナルバンクのヘッドハンティング事業部で活躍されている小杉隆英さんです。

小杉さんプロフィール画像 転職コンサルタント 小杉隆英
総合人材サービス会社で首都圏や近畿での営業責任者を経た後、2010年プロフェッショナルバンクに入社。IT・WEB業界を中心にエンジニアやテクニカルエヴァンジェリストなど多数の紹介成約実績をもつ。現ITグループ長。

ヘッドハンティングでは、どのようなフローで人材を紹介してくれるのか、依頼時にはどんな要件でどのようにお伝えすべきなのか、本当にマッチする優秀な人材を紹介してくれるのか。ヘッドハンティング・スカウトに関する僕の疑問を、一から丁寧に教えてくださいました。

 

もくじ:ヘッドハンティングを理解する6つのポイント

  1. 転職意思の有無は関係なく、ゼロベースでのリサーチ
  2. 履歴書や職務経歴書の代わりにつくる「面談報告書」
  3. 事業課題をクライアントと一緒に考えた上での求人像づくり
  4. 採用決定まで通常4ヶ月、移籍を無理強いしない
  5. 入社前のすり合わせにより入社後1年以内の退職者はゼロ
  6. ヘッドハンティングの目的は人材紹介の先にある「事業貢献」

労働市場の60%! “ 潜在的” 転職希望者を対象としたゼロからのリサーチ

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― まずは、ヘッドハンティングのお仕事の全体のフローを教えてください。

クライアントから依頼を受けると、まずは人材をサーチすることから始まります。一般の転職エージェントでは転職願望が顕在化しているデータベースから検索すると思いますが、我々は潜在的な転職希望者を含めてゼロベースでリサーチをしていきます。

気になる人材をピックアップしたら、その方々の連絡先を探し出してお会いします。何度もお会いして信頼関係を築いていき、クライアントのニーズとその方の意志がマッチしたら、クライアントにご紹介するという流れです。

 
― 転職意思の有無は関係なく、ゼロベースでリサーチしていくのは大変な作業ですね。

はい、とても大変です。でもそれこそが一般のエージェントとの一番の違いでもあります。

我々ヘッドハンターの仕事の目的は、クライアントの事業課題を解決することにあります。クライアントの求人票を見て動くのではなく、話し合いを重ねることでクライアントの課題やその背景をとことん考えます。このプロセスを踏むことにより、クライアントが気付いていない部分や、求人票には書ききれないような要望をすくい上げることができます。そういった細やかな要望やニーズに応える本当の即戦力人材を探す必要があるので、対象は転職活動中の方とは限らないわけです。

そもそも優秀な人材こそ、積極的に転職活動する必要性がないというのも要因の一つです。例えばIT業界でヘッドハンティングを依頼されるのは、マネジメント層、あるいは最先端の技術をもつリードエンジニアがほとんどです。そういった方々はすでにどこかの会社で活躍されていて、地位や十分な給与を得ている可能性が高いですよね。

 
― たしかに、待遇の良い環境で働いていたら積極的に転職する必要がないですね。

でも、転職願望が顕在化していない人の中にも「より良い条件があるなら転職も考えたい」という潜在層が必ず存在します。統計的には、労働市場のうち転職活動をしている人はわずか5%、潜在的な転職希望者は60%に上るというデータがあります。そこを探しにいくのが我々の仕事です。もはや求人を扱っているイメージはありませんね。あくまでクライアントの事業課題に対して活動しているといった気持ちです。

ヘッドハンティングプロセスは、クライアントの要望に合わせてフルカスタマイズ

― 具体的には、どのように人材をサーチするのですか?

基本的には、依頼に合わせてフルカスタマイズしています。

クライアントがどういった人材を求めているのかを聞き出したら、弊社のリサーチャーと相談して最適なサーチ方法とアプローチ方法を設計していきます。弊社には専門のリサーチ部隊がいて、どんな細やかな要望にも対応する力とノウハウが揃っています。むしろ難しいのは、サーチで見つけ出した人材の連絡先を知ることだったりします。

 
― 通常のエージェントのようにデータベースがあるわけではないですもんね。どのようにして求める人材を探し出すのですか?

方法はさまざまですね。一番は、我々がもっている人脈やネットワークです。その他には、ITエンジニアの分野であれば技術系の勉強会やイベントで情報をいただくことがあります。ハッカソンなどですね。それ以外にも、コミュニティーに参加したり、特許情報からアクセスしたりすることもあります。これはあくまで一例で、独自のサーチエンジンの開発をするなど、さまざまな方法を駆使しています。

 
― サーチしている段階でも、クライアントに進捗や情報を共有したりするのですか?

はい。定期的にサーチの進捗状況に関する報告書を提出しています。
具体的には、

  • サーチの対象としている会社名と部署名
  • 有力候補としてピックアップしている人数
  • アプローチをかけている人数
  • 面談を実施している人数
  • クライアントに引き合わせた人数

こういった項目をまとめて提出しています。透明性のある活動を心がけています。

 
― とても詳細に進捗報告されているんですね。人選についてはどのように企業に連絡されているのですか?

紹介をする方の情報に関しては、我々が接触する方のほとんどが転職活動中ではないことから、初回にお会いする段階では「履歴書」と「職務経歴書」をお持ちではありません。なので、これに代わる「面談報告書」を我々のほうで作成して報告しています。

  • キャリアの経歴
  • 転職の可能性
  • 転職へのフック(役職、権限、年収などの条件、成長感・やりがい、経営の共感、人間関係など)
  • 転職環境
  • パーソナリティ

このような項目に加え、当社の所見を添えたレポートを作成しています。

どんな依頼にも対応する。どんな事業課題があるのかを考えれば、求人像が見えてくる

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― ヘッドハンティングの依頼はどんなものが多いのですか?

役職でいうと、多くはミドルクラス層。ときにエグゼクティブクラスを依頼されることもあります。

内容はクライアントによってさまざまですね。「スタートアップのCTOをやったことがあって、フルスタックエンジニアとして技術力も高くて、、ビジネス目線をもっていて……」と細やかな依頼を受けるケースもありますし、「このへんのレベル感で」とざっくりとした依頼のケースもあります。

 
― どんな依頼でも引き受けてくださるんですね。

ええもちろんです。事業課題をクライアントと一緒に考えていけば、自然と求人像が見えてきます。クライアントの要望を把握できたら、まずは気になる人に会っていくことが大切です。会って話すことで、初めて「これは求められている人材だ」とわかるんです。

 
― 逆に、引き受けられない案件はありますか?

基本的にはありません。どんなご依頼にも全力で対応させていただいています。

ただ、同じ業界内で競合企業様から同時にオファーがきたときだけは、恐縮ながらお断りさせていただいています。クライアントとの信頼関係を大切にしたいからですね。

転職を強要するのでなく“ オプションを提示”。納得するまでとことん話し合う

― クライアントに対する誠実な姿勢に感心します。これまでに思い出に残る案件はありましたか?

あるメディア企業が新しい事業を立ち上げようとした際、どうしても競合企業で経験値のあるエンジニアが必要だとヘッドハンティングを依頼されたことがありました。非常に難しい案件でしたが、サーチし続けた結果ピッタリの人材を見つけました。

その方はとても優秀なエンジニアでしたが、当時勤めていた企業ではやりたいことをやり尽くしたと実感していて、次の活躍の場を漠然と探されていました。ただ、すでに次のプロジェクトにもアサインされていたので、転職活動というものはしていなかったんです。「良い環境に移りたい」という潜在的なニーズを感じてアプローチし続けた結果、移籍が実現しました。今では日本中で使われている人気サービスを開発し、活躍されています。

 
― 潜在的なニーズを見つけ出すことも、口説き落とすスキルもすばらしいですね。

大切なのは「本音」を聞き出すことです。これは、1回や2回会うだけではできません。まずはコーヒーを飲んでお話して、その後何度もお会いして徐々にお仕事のお話を伺います。

本音を聞き出すことができれば現状への不満点が見えてきます。不満点があれば「こんな環境の働き場所もありますよ」と提案することができますからね。決して移籍を無理強いすることはありません。あくまで働き方のオプションを提示し、選択肢を広げることができれば本望です。

 
― 長い時間をかけてマッチングをしていくのですね。どのくらいの期間がかかるものなのですか?

通常のフローだと4ヶ月程度、ただし案件によってまちまちですね。1年かけて口説き落としたこともあります。非常に優秀な人材でしたので、ぜひその力を発揮していただきたいと奔走していたら、1年が経っていました。

成約率90%、リピート率60%の最強実績。そのワケとは?

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― 正直、これほどまでの丁寧なお仕事ぶりに驚きました。ここまで手間と時間をかけてやるにはそれなりの費用がかかりますよね。

クライアントからいただく費用は様々なパターンがございますが、サーチ開始時の着手金と成約した際の成果報酬金の2つに分かれます。それぞれの金額は指名人材の情報量によって異なります。サーチにもアプローチにも時間をかけていますので、一般の転職エージェントと比べると1.5〜1.7倍程の金額になると思います。

そもそも、「エージェントに依頼しているが、2年経っても良い人材が見つからない」といったような相談を受けることも多いです。低コストでは探せないような人材を発掘できるのが、ヘッドハンティングの価値だと言えるかもしれません。

 
― 業界的には成約率60%で優秀だと言われていますが、この数字はいかがでしょうか。

弊社の成功実績は90%です。業界全体で言われている60%を考えると、誇れる実績だと思っています。

 
― 90%! 驚きの成功率の高さですね。わずか10%の未成約ケースはどういった内容でしょうか?

人材が見つからないというケースは一切ありません。お仕事の依頼には、それだけの覚悟をもってお引き受けしています。

「これは絶対に見つからない」といったような無理難題な案件はそもそもお引き受けしていませんので、前金だけをいただいて終了するケースはありません。良い人材は見つかったけれども、なんらかの事情で移籍を断念するというケースが、どうしても1割生じてしまうという状況です。

 
― 必ず良い人材を紹介してくださるというのは、着手金を支払う依頼側にもリスクが少なく、安心材料になりますね。

おかげさまでご利用のリピート率は60%超となっています。次のご依頼に繋げないといけないビジネスモデルですからね。必ずご満足いただく成果を出そうと、メンバー一丸となって頑張っているんです。

 
― 着実な成果を出しているからこそのリピート率ですね。実際に移籍された方の入社後の定着率はどうですか?

私の管轄する弊社ITグループでいうと、去年担当させていただいた40数名の中で入社後1年以内に辞めた方は一人もいませんでした。

定着率はかなり良いです。それは、入社を決める前にすり合わせを丁寧に行っているからだと思います。我々は、クライアントともアプローチしている方とも、通常のエージェントの倍近くの面談時間を取っています。何度も何度もお話しして調整し、「ここで働くんだ」という覚悟をもってからご入社いただいています。

人材紹介はあくまで通過点。ヘッドハンティングの目的は「その事業に貢献すること」にある

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― そこまで労力をかけて1人ひとりをフォローする原動力はどこにあるのでしょうか?

仲介企業として、どんな価値を発揮すべきなのかを常に意識しています。そこで我々が見ているのは、「その人が入社した後、どんなふうに事業に貢献するのか」ということです。

私たちの目的は、単なる人材紹介ではありません。クライアントの事業に貢献することが真の目的です。それが世の中のためになると考えて日々奔走しています。

おわりに

小杉さんのお話は、これまで僕がもっていた“ ヘッドハンター” 像を大きく変えるものでした。これほどまで真摯に誠実にクライアントと向き合っているなんて、頭が下がる思いです。

成約率90%を誇るプロヘッドハンター集団「プロフェッショナルバンク」

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http://www.pro-bank.co.jp/

プロフェッショナルな人材の活躍によって、社会がより豊かになり、未来へと繋がっていくことをビジョンに掲げるプロフェッショナルバンク。ヘッドハンティングだけでなく、人材紹介、再就職支援、コンサルティング事業など幅広く展開されています。専門性の高いヘッドハンターも数十名が活躍。

スキルやマインドのある人材がその力を発揮できる環境を手にいれることは、必ず世の中を良くすることにつながると、僕も思います。一採用担当者として、こういった誠実な信念をもったコンサルタントの方々と一緒にお仕事をさせていただきたいと強く思ったインタビューでした。

それでは、また!


この記事を書いた人

そめひこ
そめひこ 執行役員・人事部長 2013年入社
執行役員・人事部長のそめひこと申します。京都で生まれ、京都で育ちました。母の名は直子、父の名前は明でございます。LIGに来る前は藍染師として生きていました。京都の四富会館二階にあるBAR「アイエン」が大好きです。