その「面接通過率」って正しいの?採用担当者が覚えておきたい面接の仕方と面接官の役割


その「面接通過率」って正しいの?採用担当者が覚えておきたい面接の仕方と面接官の役割

みなさんこんにちは、そめひこです。

some_ico 寺倉そめひこ
立命館大学を卒業後、経営コンサルティングファーム、広告代理店などを経て現職。入社1ヶ月半でマネージャーに就任、その後は新規事業の立ち上げや人事採用など幅広くおこなう。

僕が採用担当として仕事をしている中で、求人から内定までの間にコントロールすべき数字が多くあることに気づきます。

たとえば、

エントリー → 書類選考 → 一次面接 → 二次面接 → 最終面接 → 内定

といった採用フローを設定したとします。

採用担当としては内定率を高めることが必須課題。そして内定率を高める施策を打つときによく議題にあがるのは「エントリー数」です。エントリー数をコントロールしたい場合には求人のアプローチの仕方や内容を変えたりする必要があります。ただ求人票を出すだけでよいのか、いつもと求人票の内容を変える必要があるのか、それともイベントを開催するのか。考えられる施策はいろいろとあります。

見落とされがちな「面接通過率」を考える

しかし採用フローには、エントリー数の他にも多くのコントロールすべき数字があります。その中でよく見落とされるのが「面接通過率」です。

なぜ、面接通過率はないがしろにされるのか

内定率やエントリー数は検討されるのに、どうして何度も行われる面接の通過率はないがしろにされてしまうのでしょうか。

その理由は、採用担当がアクションを取るべき数字がいくつもある中で、面接を進んでいくフローは、「多部署を巻き込んだ上で選考が進むため、人事だけで数をコントロールできない」と思ってしまうことが多いからです。
また、面接は判断基準が属人化するため、数字上のコントロールがあやふやになったり諦めたりするケースが多いようです。

一方で、昔ながらのマーケティングのような、初回のサイトへの流入数とCV数だけをみる文化が人事に残っているような気がします。今のマーケティングならば、LTV(顧客生涯価値。リピート率や継続率なども考慮すること)を検討することが当然ですが、その流れがまだ採用フローには浸透していないようです。
なぜなら、エントリー数の改善はアプローチ施策を見直せばいいわけであって、とてもシンプルでわかりやすいからです。説明がしやすいから、と僕自身もそういった流れにのっていました。

面接通過率の向上はコスト削減につながる

ただし、面接通過率は採用フローに重要なポイントであると考えます。

それまでの面接通過率が仮に5%だったとして、それを10%に変えることができればそもそも内定率を高めることにつながります。またそれだけでなく、面接官が会う人数が減り、面接時間を圧縮することができます。すなわちコスト削減につながるのです。

あらためて「その面接通過率は正しいのか」を問うべきではないでしょうか。

面接官は単なるジャッジマンではない

僕自身、面接官はジャッジすることが仕事だと思っていたところがありました。しかし実際にやってみると、まったくもってそんなことはないことに気がつきました。

面接官の仕事はただジャッジするだけではない

面接官として採用に携わった場合、責任範囲はその面接の合否判断にとどまりません。入社までの責任を負うケース多いです。こういった面接官の役割はむしろ、企画から入金確認までを担当するコンサルティング営業に近いと思いました。

入社までの責任を負うことを考えると、面接官の果たすべき役割は多くあるということが見えてきます。

たとえば、人事側と事業担当側の利害不一致があったり、人事の考えがきちんと伝わっていなかったり、そもそも面接担当者の力量が足りていなかったり、そういったさまざまな問題に対応する必要があります。僕に関していえば、「面接官ってこうだろう」という偏った固定概念があったことにも気がつきました。

面接官に求められること

その上で、面接官に必要だと思われる能力についていくつか列挙してみます。

    面接通過判断 そもそも次選考に回していいかをジャッジする
    スキルチェック 求職者の最低限の事柄を把握して、無駄な選考を省く
    求職者に応じた対応 求職者の転職したいモチベーションの高さを把握し、対応を変えていく
    プレゼン力 求職者に自社に来たいと思わせるプレゼンを行う
    社内情報の把握 求職者からの質問に回答する最低限の知識をもつ
    コンバートジャッジ エントリー職種とは違う職種への配属転換を判断し対応する
    面接進行力 上記の事柄を元に、面接をスムーズに進行する
    判断軸調整力 そもそも求められているスキルセットや人物像は正しいのかを調整する

「丁寧なプレゼンができていれば、Aさんは来てくれたかもしれない」
「面接をスムーズに進行できていれば、Bさんは入社できていたかもしれない」

そういった反省をひとつずつ解消していくことが、面接通過率を高めることにつながります。

余談ではありますが、もしスキルセット幅が狭すぎるなど面接官の責任が大きすぎる場合には、社内教育体制を構築したり、ハードルを下げるよう社内調整を行う必要がありますね。

【おわりに】面接通過率を見直し、採用をより良いものに

いま雇用は売り手市場で、人を採用することは困難な状況になっています。人材が足りないとき、「いかにエントリー数を獲得していくか」という話をよく聞きます。まずはエントリーがなければ全くもって採用は成り立ちません。それゆえ、多くの企業ではダイレクトリクルーティングなど”攻め”の採用手法が一般的になりつつあります。

しかし、アプローチ方法を攻めるだけではなく、採用フロー上にあらゆる数字を見直す必要があると僕は感じています。

営業やマーケティングの理論と同じで、採用フローにもコントロールすべき数字が複数存在しているからです。これまで見失いがちだった「面接通過率」を一度疑ってみてはいかがでしょうか? 今後の採用活動で最も重要な事柄になっていくかもしれません。


この記事を書いた人

そめひこ
そめひこ 執行役員・人事部長 2013年入社
執行役員・人事部長のそめひこと申します。京都で生まれ、京都で育ちました。母の名は直子、父の名前は明でございます。LIGに来る前は藍染師として生きていました。京都の四富会館二階にあるBAR「アイエン」が大好きです。