リスティング広告をする意味とは?運用のメリット・デメリットと初心者のための基礎知識

リスティング広告をする意味とは?運用のメリット・デメリットと初心者のための基礎知識

池亀

池亀

はじめまして。ソウルドアウト株式会社の池亀といいます。

みなさんは、ランチから帰るやいなや、おもむろに部長に呼びだされて「きみ、明日からリスティング広告の担当だから」なんていわれた経験、ありませんか?
ありませんよね。

でも、もしかしたら明日そんな日が来るかもしれません。今日まで経験したことのないことが明日起こったとしてもまったく不思議ではありません。
そんな未知との遭遇に備えていただくために、今回は「リスティング広告」というものをご紹介したいと思っています。

「リスティング広告」とは?

「リスティング広告」という名前は知らずとも、多くの人はそれと気付かずに目にしていると思います。特にこの記事を読んでいる方々の中には見たことのない人はまずいないでしょう。

「リスティング広告」とは、以下の赤枠のような「インターネット上で検索をした際に、その検索ワードに応じて検索結果画面に表示される広告」のことです。

8417de8a3b5dc13367003dfdc4d662251

検索と連動するため「検索連動型広告」と呼ばれることもしばしば。
いまや検索をしない人を探すほうが難しいといっても過言ではない時代、老若男女がこぞって検索の海へと船を出します。そんな大検索時代において、リスティング広告は、ひとつなぎの広告戦略を考える上で欠かすことができない存在になっています。

どこに掲載されるの?

リスティング広告を出稿できる媒体はいくつかありますが、リスティング初心者の方は「Yahoo!」と「Google」だけおさえておけば、国内の検索数の9割前後(2015年2月現在)をカバーできますので概ね問題ないと思います。

Yahoo!プロモーション広告

国内随一のページビューを誇るYahoo!が提供するリスティング広告サービス。
日本で最も検索に利用されている媒体でもあるYahoo!の検索結果画面に広告を掲載することができます。

Google AdWords

国内ではYahoo!に次ぐ検索シェアを占めている「Google」が提供するリスティング広告サービスです。
もちろん、主にGoogleの検索結果画面に広告が掲載されます。厳密には、リスティング広告だけではなく、バナーを掲載するディスプレイ広告などもまるっと含めてGoogle AdWordsというサービスの中にくくられています。

「自然検索」とは?

先ほど、検索結果画面のキャプチャで「リスティング広告」の他に「自然検索」という枠を記載しましたが、これは要するに「リスティング広告枠ではない部分」のことです。
「自然検索」あるいは「オーガニック検索」と呼ばれ、広告を出稿していない通常のサイトが表示されます。お金ではどうにもなりません。

リスティング広告枠と自然検索枠の違い

まず、前提として「リスティング広告枠」でも、「自然検索枠」でも、企業が運営しているサイトであれば、基本的には検索結果画面のより上部に掲載することを目指しています。なぜならクリックしてもらいやすくなるからです。

この「上位に掲載させるためにはどうしたらいいか?」という点において、「リスティング広告」と「自然検索」の間に最も大きな違いがあります。

「リスティング広告枠」には、他社よりもお金を出せば上位に掲載することができます。それに対して「自然検索枠」では、前述のとおりお金を使っても直接的にはどうにもなりません。
いろいろな条件はありますが、「ユーザの求めているもの(≒検索ワードに深く関連する情報)を提供できるサイト」ほど上位に掲載されやすくなるのです。

リスティング広告ってどういう仕組み?

お金を払えば出せるのがリスティング広告というのはわかりました。では、どんな仕組みで、誰から誰にお金を払うことになるのでしょうか?

広告主から媒体主に支払われる「クリック課金型広告」

リスティング広告でかかる料金は、テレビや雑誌などに出稿する広告とは異なり広告が1回クリックされるごとに費用が発生する「クリック課金制」になっています。
そして、そこで発生したお金は広告主(広告を出している人)から媒体社(Yahoo!やGoogleなど)に支払われます。

掲載順位はオークション形式で決まる

先ほど「リスティング広告は他社よりもお金を出せば上位に掲載できる」と書きましたが、これはクリック課金という方式の中で、「1回のクリックに対していくらまで出せるか?」という、いわゆる「入札価格」が競合他社を上回っていれば、その競合他社よりも上位に掲載できるということなのです。オークションと同じシステムですね。

たとえば、あなたが「ボンバイエ」というキーワードで検索をしたユーザに対して、広告を出したいとします。あなたはそのユーザに自分の広告をクリックしてもらえるなら、その1回のクリックに最大100円まで払ってもいいと思っています。
一方そのころ、全く違うところでも「ボンバイエ」と検索した人に広告を出そうとしているAさんがいました。その人は1回のクリックに200円まで出す所存のようです。
さて、このような場合、あなたとAさん、どちらの広告が上位に掲載されるでしょうか。言うまでもなくAさんですね。
そんなロジックで掲載順位は決まります。

リスティング広告のメリットとデメリット

ここまで読んでいただいて、リスティングってなんだかおもしろそうだな、という気持ちが湧いてきたのではないでしょうか。
そんなあなたのために、リスティング広告のメリットとデメリットをまとめてみました。

リスティング広告のメリット

1. モチベーションの高いユーザに配信できる

リスティング広告の最も大きな利点はこれだと思います。
「検索する」というのは、その検索キーワードに関する情報を見たい!知りたい!集めたい!という気持ちが引き起こす能動的な行動ですから、検索結果で表示された情報には強い関心があるはずです。そういう人に対してだけ、広告を出すことができるため、高い広告効果が期待できるのです。

2. 無理のない範囲で始められる

リスティング広告は1回のクリックに対して課金されるシステムのため「この新聞のあの枠に出したい? なら1,000万だ!」みたいな世界とは違います。
「毎日の発泡酒を我慢して、まずは5万円くらいの予算を用意してチャレンジしてみようか」ということができます。

3. リアルタイムで効果がわかる

リスティング広告の運用状況は、パソコンひとつあればいつでもどこでも確認することができます。
1クリックごとに単価が決まるので、いま費用はどのくらいかかっているのか、何回クリックされて、何回「購入」や「予約」まで到達したのかなど、こと細かに確認することができますので、費用対効果をはっきりと把握できます。

749fae139d0669c6167dd7c4554ce6f91

4. すぐに広告を掲載できる

アカウントの用意さえしていれば、すぐにでも広告を掲載させることができるのも、リスティング広告のいいところです。
先ほど、自然検索との違いは、「お金がものをいうかどうかだ」といいました。それに加えて、自然検索の枠で上位に表示させるためには、ユーザの検索にちゃんと応えられるサイトやコンテンツを作らなければなりません。お金がかからないかわりに、けっこうな期間にわたる地道な努力が必要なのです。

5. 継続も簡単にできる

リスティング広告を始めてみたらとても効果が良くてうれしい!というときには、もっと広告を出したくなりますよね。
そんなときでも、新たな手続きなどは必要なく、そのまま掲載を増やしていくことが可能です。

6. すぐ止めることもできる

反対に、リスティング広告を始めてみたら効果が悪くて悲しい!というときには、すぐに止められます。CMや電車広告は一度始めたらそう簡単には止められませんが、リスティング広告はすぐに止められます

7. キーワード単位でコントロールできる

リスティング広告は基本的に複数のキーワードに対して入札を行いますが、しばらく続けていると、効果の良い(購買や予約につながりやすい)キーワードと悪いキーワードがなんとなくわかってきます。
そんなとき、効果の良いキーワードでは、より多くの人にクリックしてもらうために1位掲載を狙って入札価格を上げ、逆に悪いキーワードは入札価格を下げれば、効率化を進めることができます。

たとえば「冷凍シーフードドリア」を作っているとある会社が、リスティング広告を出そうと、『シーフードドリア』『ドリア』『ドドリア』という3つのキーワードに入札をしており、それらのキーワードの検索があった場合に広告を掲載していました。
その中で『シーフードドリア』と検索してきたユーザからの商品購入の確率が最も高いことがわかったなら「シーフードドリア」というキーワードの入札価格を上げて掲載順位を上げれば、クリックされやすくなって、より売上が増えるかもしれません。一方で「『ドドリア』と検索してきたユーザはシーフードドリアを求めていないのだな」と遅まきながらも気づけたなら、「ドドリア」というキーワードでの広告掲載は停止してしまいましょう。

8. 好きな広告文を作成できる

リスティング広告で表示される「広告文」は文字数制限こそあれ、あなたの好きなように設定できます。
人それぞれかもしれませんが、自分で考えたテキストがいろんな人に見られる可能性がある場所に掲載されるというのは、ちょっと気分が高まります。

リスティング広告のデメリット

1. 広い認知にはつながりづらい

興味や関心のある人に絞って出せるということは、裏を返せばそれ以外の人には出せないということです。
誰も知らない商品の名前は誰も検索してくれませんので、認知度を上げたいのであればオンライン・オフライン問わずリスティング以外の広告展開も必要です。

2. 出稿の手間がかかる

メリットの部分で、「キーワードや広告文を細かくカスタマイズしたり、調整したりできるよ」といいましたが、細かく調整できるぶん、効果を上げ続けていくには手間がかかります。
「私は本気で冷凍シーフードドリアを売りたいのです!」という人がいれば、毎日だって管理画面をチェックしてたゆまぬPDCAを繰り返していくことでしょう。そういう人に対抗してシーフードドリアを売るためには、それなりの覚悟と努力をしなければなりません。
でも、それもまたリスティングですよね。

まとめ

長々と書いてきましたが、少しでもリスティング広告に興味を持ってくれた方が3人くらいいたらうれしい限りです。そしてそんな方にはまずリスティング広告を始めてみていただきたいなと思っています。
もしも、私に仲のいい友人がいたとして(仮の話です)、その人がなにやら怪しげなビジネスを始めたと聞いたら、「まずは商品名とか社名からリスティングを始めてみるといいよ」と伝えると思います。

もしも「リスティングをやってみたら最高におもしろかった! もっと知りたい!」という稀有な方がいたらこちらをどうぞ。リスティングに関するあれこれがわりと載っています。

これだけ手がたく始められる広告はそんなにないと思うのです。
よろしければ一度お試しあれ!

 

【リスティング広告担当者なら押さえておきたい】

リスティング広告のCPAを下げる為にできる、3つのシンプルな方法

もう悩まない!リスティングに便利なキーワードツールまとめ

リスティング広告の掲載結果が悪いと感じたら掲載結果を分析しよう

リスティング広告担当者がチェックしているサイトと便利ツールまとめ

リスティング広告担当者がチェックしている運用に役立つサイト10選

この記事のシェア数

太平楽な高等遊民になることだけを夢見てWebマーケティングにいそしんでいるのですが、さしあたり下等生物です。 好きなものは猫とビールとカレーとラピュタで、ホワイトシチューをおかずに白いごはんを食べなさいといわれるのが少しいやです。 不純な動機で生きています。

このメンバーの記事をもっと読む