どうも、LIGのデザイナー兼イラストレーターのもりたです。
好きな画家はアンドリュー・ワイエスとロバート・ハインデルです。
現代画家とイラストレーターの違いってなんでしょうか。
仮に「自己表現として絵を描くのが画家」「ひとに頼まれて絵を描くのがイラストレーター」と区切ってみても、自分の描きたい気持ちから絵を描いたことのないイラストレーターはいませんし、画家だって仕事として頼まれた絵を描くことがあります。
散々考えた結果、「絵の後にデザイナーの仕事が待ってると考えて描くのがイラストレーター」という結論にいたりました。
後にデザイナーの仕事が控えているということは、イラストレーターに「エンドユーザーはどんな人物か」「掲載される媒体はなにか」などを考慮して注文をする人がいるということです。
そう考えると、表現手段は違えども、イラストレーターとデザイナーって結構似ている仕事だと思えてきました。
空気感が美しい風景を描くイラストレーター5選
今回は、風景を描いた作品が好きだ！と思ったイラストレーターさんをまとめました。
収集した色んな方の作品を眺めながら「画家とイラストレーターの違いとは……」と頭を悩ませていましたが、もしかしたらイラストレーターさんの多くは画家兼イラストレーターなのかもしれません。
クサナギシンペイ さん
http://o0o0o.cocolog-nifty.com/
この方だけは2003年くらいからファンで、イラスト欲しさに装画としてイラストが使われた本を度々買っていました。
光と陰が色のブロックで表現されている画面が美しくて、なんとなく寂寞感のある風景の切りとり方がとても好きです。映画を見ているような他人感というか、絵の中とこちらとの隔たりや距離感が気持ちいいです。
吉實恵 さん
なめらかな筆の跡と色使いが、肌触りの良い布のような手触りを想像させる、やわらかい空気を作っています。海外の景色でもなぜか身近に感じ、側にある幸福という箱庭感のある絵が大好きです。
高寄尚子 さん
実は紙の媒体では見たことがないんですが、海や水辺のイラストの青がきれい。
私は埼玉生まれの埼玉育ちなので海を見るとテンションが上がる質でして、そういう人間の海への憧れが代弁されているというか、「幸せな街」と表現できそうな多幸感を感じる絵だなと思います。
升ノ内朝子 さん
http://www.asako-masunouchi.com/
人のいる賑やかな景色を描くのがうまい方だなと思います。
人がたくさんいる景色というのはそれだけで描くものが増えるし、それぞれの動きがなんだか不自然になってしまって私は苦手なんですが、人がそこにいるのをそのまま切り取ったような自然さがあります。
そういう絵本のような、物語を感じさせる雰囲気が好きです。
木内達朗 さん
正直私が紹介するまでもないほど有名な方ですが、テーマは「私が好きなイラストレーター」なのでご紹介したいと思います。
少しかすれた画面、美しい色合い、なにげない風景、さりげない人の動きや表情……すべて合わさって優しさと爽やかさを感じる素敵なイラストです。
よく晴れた休日にイラストの中の場所に実際行ったことがあるような、不思議と身近な感覚があります。もしかしたらこの感覚をリアリティと呼ぶのかもしれません。
まとめ
今回自分でまとめてみて「ベタ塗りの色にすぐキュンとする」というのがわかりました。
風景ってシンプルにしようと思えば意外とできるもので、例えば青い折り紙と白い画用紙があれば海と空を表現することも可能なんですよね。
絵は写真と違って、画面の中の全てのものが創る人間の意図によって置かれるため、その寓意性の美しさが風景のイラストだと写真との比較で際立つなあと思いました。
「写真じゃなくてここはイラストを使いたい」と思ったときに、この記事が参考になれば幸いです。
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