こんにちは、メディア事業部の紳さんです。
最近、YouTubeの「スキップできない広告」が流れたときにイライラするのをやめました。どうせスキップできないのなら、楽しんだ方が得だと思うんです。
「一体、何のCMなんだい!? どうなっちゃうんだい?」と、つぶやきながら見ると意外と面白いものですよ。
今回は「LIGブログで競合他社の宣伝バナーを無断で掲載したら、普通に怒られた話」をしたいと思います。
LIGブログのバナー運営の現状
月間270万前後のPVがあるLIGブログでは、コーポレートサイトながら様々な企業様のバナー広告を掲載しています。
背景ジャックを含め、5種類26枠のバナー広告は弊社独自のクリエイティブで作られ、「見る人の興味を惹き、クリック率も高く、費用対効果が高い広告」としてクライアントの皆様から好評をいただいております。
しかし、一点、気になる問題を抱えていました。
それは競合他社の宣伝バナーの扱いについてです。
競合バナーの同時掲載について
LIGブログでは「競合他社同士の宣伝広告の同時掲載を制限するルール」はありません。
たまに、「それって本当に大丈夫なの?」と、心配になることがありました。
- 似たようなサービス・商品の宣伝が2つ同時に掲載されることで、「真新しさ、珍しさ」がなくなるのではないか?
- クリック率、コンバージョン率に悪影響は無いのか?
こうしてナチュラルに考えると、やはり同時掲載はしない方が良いんじゃないかと思います。
クライアントによっては「ウチが広告を出している間は、○○から宣伝の依頼があったとしても請けないでほしい」と言われることもありました。
一方で、LIGとしては
- LIGブログの広告枠は誰でも平等に、自由に(できれば仲良く)使ってほしい
- LIGブログのユーザーにとって、常に有益な情報を提供したい
という想いがあります。
ユーザーからしても、「サービス・商品を複数の選択肢の中から自由に選ぶことができる」のは大きなメリットですし、「特に要望がなければ競合であっても、出す。」というスタンスを保っていました。
そして1年と半年の月日が流れましたが、LIGブログで競合同士の宣伝広告を依頼されたことはありませんでした。
しかし… 今年の3月、ついに競合他社のバナー広告を同時掲載する運びとなりました。
フォーデジット様が運営するアンケートツール「クリエイティブサーベイ」のバナー。
最初は、こちらのサービスがLIGブログにバナー広告を依頼してくれました。
そして、マクロミル様が運営するアンケートツール「クエスタント」のバナー。
クリエイティブサーベイがLIGブログにバナー広告を出稿したのを見て、すぐに依頼をいただきました。
どちらもアンケートツールの宣伝広告バナーで、ド競合です。少なくとも、バナーを見ただけでは2つのサービスの違いはわからないでしょう。
※アンケートツールとは、誰でも簡単にWeb上でアンケートを作り、結果データの集計ができるサービスです。
まぁ、大丈夫かな? と、特に何も考えずに掲載を開始したところ…
怒られました。
クエスタントのバナーを掲載して間もなく、クリエイティブサーベイの担当者様からやんわりと、ソフトに、包み込むように怒られました。
※謝罪をした結果、すぐに許してもらえました。
深刻な事態にはなりませんでしたが、やはり予告もなしに競合バナーを同時に掲載するのは良くなかったです。すみませんでした。
こんなことを続けていたら、クライアントはすぐにLIGから離れていってしまいます…
クライアントから生の声を聞いてみる
実際のところ、クライアントは競合バナーの同時掲載についてどんな考えを持っているのでしょうか?
お忙しいところに申し訳ないと思いつつ、バナー広告の依頼主であるお2人をLIGにお招きしました。
左が笑顔で許してくれたクリエイティブサーベイの担当者、田口さんです。
右が終始、笑顔だったマクロミルの担当者、広瀬さんです。
クリエイティブサーベイの担当者、田口さんの意見
田口さんは「競合と隣に表示されてて斬新だな〜と思った。だけど、効果に影響でるかもしれない。」という、至極真っ当な意見を聞かせてくださいました。
これは我々も心配していたことですが、幸いなことに、クリエイティブサーベイの1ヶ月のバナー広告の成績を調べたところ、クリック率は平均的な数値でした。
サービスや商材によってクリック率は変化するので、この数値が「競合バナーによって効果が下がっている状態かどうか」は判別できませんでしたが、悪くない数値であることも確かです。
現状の数値に関しては田口さんの方でも満足していただいているようでしたので、我々はこの調子を維持し、さらに向上させていく努力をする次第です。
クエスタントの担当者、広瀬さんの意見
広瀬さんは「市場形成期において、競合バナーの同時掲載は逆にメリットになると思う」という考えを聞かせてくださいました。
個別利害のみを考えると、競合相手の存在はマイナスに働くかもしれません。その証拠に、成熟しきった市場では「顧客の囲い込みや奪い合い」が往々にして行われています。
しかし、アンケートツールというサービスの市場は、日本ではまだまだ形成期の段階にあります。そういった中では、様々な競合サービスがあって、ユーザーに「最近、アンケートツールの情報を見聞きするなぁ」と印象づけることは重要だと感じました。
それぞれがアンケートツールの宣伝をし、時には競い合っている姿勢を見せ、それが市場を盛り上げることに繋がる、という意見も一理あるかと思います。
そして「まずは市場を盛り上げることで、アンケートツールが人々の生活に浸透することが大切」という考えは、お2人の共通認識でした。
ただし、その為に同媒体で競合バナーを出すということに関しては、意見が別れたという感じです。
話し合いの結果、クリエイティブサーベイのバナーは今までと同様に掲載することに、クエスタントのバナーは枠の種類を変更して掲載し、料金を少しサービスさせていただくことにしました。
後からやってきた競合バナーの掲載を笑って許してくれた田口さん。
「バナーの枠変更」という無茶な提案を寛容に受け入れてくれた広瀬さん。
お2人には本当に感謝しております。
最終的には、
「色々あったけど、これからもLIGにバナー広告をお願いしたい」
という、大変ありがたいお言葉を頂戴しました。
そして…
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「競合とか関係なく、みんなでアンケートツールを盛り上げよう!」という想いを込めた友好バナーが完成。
ちなみにクリックすると50%の確率でクリエイティブサーベイのページ、50%の確率でクエスタントのページに飛びます。
こんなバナーも、この世に1つぐらいは存在しても良いのではないでしょうか。
読者の皆様にも、これを機会にアンケートツールに触れていただけたらありがたいと思います。
まとめ
本質的な話をすると、クライアントの要望は「バナー広告を掲載すること」ではありません。
「LIGブログというメディアを通じて、自社サービスの宣伝をすること」が要望であり、LIGに期待していることです。
我々はその期待に応えるため、とにかくクリック率が高いバナー、費用対効果の高いバナーを作るのが仕事です。
そのためにLIGブログのPVを伸ばしたり、こまめにバナーのデザインを変更したり、ABテストをしたりするなど、様々なことにチャレンジさせていただく次第です。
どうか今後とも、ご指名、ご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、こういったバナー広告の依頼がいただけるのも、LIGブログを支えてくださる読者の皆様のおかげです。
いつも本当にありがとうございます。