こんにちは。LIGのCopywriterとして在籍することになりました田辺百一(たなべ・ひゃくいち @tanabe101)です。ぜひ「百一」と呼び捨てにしてください。
さて今回は、とある社会不適合者のお話。「こんなやつでもなんとか生きていけるのなら、わたしも大丈夫だろう」と思っていただけたら嬉しいです。
ある日、会社に行かなくなる
わたしはこれまでLIGの外部メディア運用チーム「LIGMO」のエディターとして「ハマ」という名前で活動してきました。
入社してまもなく。家庭の事情により、オフィスではなく自宅でのリモートワークを実施することに。その後、状況も落ち着いてきたため、「さて、出社しようか」と考えたものの、驚くべきことに身体がどうしてもオフィスへ向かおうとしてくれません。結局、その後も自宅での勤務を続けることになりました。
悩みに悩んだ末、「これ以上の迷惑はかけられない」と伝えたところ、筋肉質なチームリーダーから「そのままのスタイルでいいから一緒にやろう」との言葉が。チームメンバーのサポートのおかげもあり、以降はオフィスにいない幽霊社員として働くことになったのです。
宣伝会議賞グランプリを受賞する
とはいっても、わたしの心の中では「このままじゃダメだ」との焦りが常に渦巻いていました。ただ、焦れば焦るほど焦っていくわけです。
そんな2014年の秋。JR秋葉原駅の地下通路で、第52回宣伝会議賞の募集告知ポスターが目に入りました。わたしはかつて、コピーライターを目指していたことがあります。宣伝会議賞に初めて応募したのは約15年前の大学生のとき。結局は、見事に惨敗しつづけて諦め、就職活動もしないまま私小説を書きつづけるという日々に堕ちていくことになるのですが……。
それはともかくとして、宣伝会議賞のポスターを目にした瞬間、その場で動けなくなってしまったのです。今の自分の目の前に立ちはだかっている現実とはまったく異なる未来を信じて目を輝かせる、かつての自分の姿が脳裏をよぎったからでした。
もう一度、あの頃のように熱くなってみたい。そんな気持ちで宣伝会議賞へ作品を応募。結果、光栄にもグランプリを受賞することができました。LIGのメンバーはもちろんですが、迷惑をかけつづけたチームメンバーが喜んでくれたことが特に嬉しかったのを覚えています。
宣伝会議賞グランプリを受賞しても何も変わらない
ただ、当然ですが、宣伝会議賞グランプリを受賞したからといって何かが勝手に変わってくれるほど世の中は甘くありません。結局、なんとかして自分自身で変えようとしなければ、何も変わらないからです。
その後も自宅での作業を続ける日々の中で「変わらないことに甘んじるのはやめて、変えることにしよう」と思い立ちました。そこで、まずは宣伝会議賞グランプリを受賞した作品を実際に広告化しようと動くことに(なかなか厳しい状況ではありますが現在も奮闘中)。
次に、取り掛かったのが「LIG Copywriters(LIGコピー部)」の創設です。Web業界における “Copywriter” として、クライアントの課題を解決する提案をコトバの観点からプランニングすることで貢献したいと考えるようになりました(もちろん、在宅ではなく出社して)。
ただ、残念なことに、わたしには広告業界におけるコピーライターとしての実務経験がほとんどありません。受賞後にコピーライターとしての転職のお誘いをいただくこともあったのですが「広告業界での経験がない」と伝えると、「やっぱり、それだと現実的に難しいね」となることも少なくなかったのが実状です。
でも、そういうことを言われると「本当に現実的に難しいかどうか」を自分の身体で試してみて実際に痛い目に合わないと納得できなくなってしまうのがわたしの悪いところ。「業界未経験だからコピーが書けないわけでもないし、広告業界にいないからCopywriterになれないというわけでもないんじゃないだろうか」と思うようになりました。
というのも、LIGには出版社や編プロでの実務経験がなく、Web業界からキャリアをスタートして大活躍している編集者など、目標となるモデルが身近に存在していたからです。