新規Webサービスを立ち上げて実感したローンチ前に絶対やっておくべき10のこと

新規Webサービスを立ち上げて実感したローンチ前に絶対やっておくべき10のこと

Masashi Naito

Masashi Naito

こんにちは! 観光体験のWebサービスTRIPの運営をしている、まさしです。

TRIPはLIGの新規事業として4月にローンチしたWebサービスなのですが、今振り返ってみると、ローンチ前後にはもっといろいろなことに注意しておくべきだったと思うことばかりです。
そこで本日は、新規事業やスタートアップの立ち上げを検討している方へ向け、ボクが個人的にローンチ前に絶対やっておくべきだったなと感じた10のことについて紹介をしていきたいと思います。

 
▼目次

  1. 誰も検証していないものをリリースしちゃダメ
  2. 営業と広報は早い段階からやったほうがいい
  3. 事業を軌道に乗せるまでの計画を立てろ
  4. 利用する外部サービスの仕様は深く理解すべし
  5. 意見はぶつけあえ!立ち上げチームに序列はいらない
  6. 顧客に張り付いて行動を観察せよ
  7. 思いつく限りの資料は全部用意しておけ
  8. プレゼンは何回した?人前で話し慣れておくべし
  9. 1人で戦うな!外に相談できる人は多いほうがいい
  10. 「何のためにやるのか」チーム内で意識統一しよう

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新サービス立ち上げて実感したローンチ前にやっておくべき10のこと

ローンチして半年も経っていないまだまだひよっこなサービスでの体験談ですが、新しいことを始めようと思っている方にとって、何かのお役に立てれば幸いです!

1. 誰も検証していないものをリリースしちゃダメ!

どんなサービスでも、ローンチ後は改善と新規開発を同時にしなければなりません。ローンチ前に改善点を見つけ、どれだけ潰しておけるかというのはとても重要です。

ひとたびサービスをローンチしてしまうと、以降の開発はユーザに対して不具合が生じないようにテストも念入りにおこなう必要があり、時間と神経を余計に使ってしまいます。
ローンチ前のできるだけ早い段階で検証を繰り返しおこない、できれば第三者にも検証してもらうようにしましょう。

TRIPでの実例

TRIPの場合、ローンチ前に数社にご協力いただき、クローズドの環境で検証をおこなっていました。
知り合いレベルの方のみによる検証でしたが、それでも致命的な問題点がいくつか発見され、ローンチ前に大掛かりな改修をすることになりました。これがローンチ後に発覚していたらと思うと、ゾッとします。
知り合いレベルだけではなく第三者に、そしてサービスリリース後に近い状況をつくって検証をすることができれば、もっとよかったなと感じております。

2. 営業と広報は早い段階からやったほうがいい!

サービスのローンチ前は、市場のリサーチ、サービスの設計、開発、運用フローの作成など、やらなければならないことが山のようにあると思います。
しかし、ローンチ後はそれらに加え、カスタマー対応、改善改修、データマイニング、会計業務など、さらにやることが積み重なっていきます。

サービスを外に向けて発信する広報活動、営業活動については、ローンチ前のできるだけ早い段階から始めるようにしましょう!
ローンチ後は改修やカスタマー対応など、スケジュールが予測しづらいタスクが次々に入ってくるため、広報活動、営業活動は事前に戦略的に動いておくことが大切です。

TRIPでの実例

広報活動は、昔からLIGでお付き合いのある伊藤友里さんにお手伝いいただきました。
おかげさまで、スタートアップや地域活性に強いメディアにリリースを数多く掲載していただき、ローンチ後1週間で12万PVと多くの人にページを見てもらうができました。

しかし、営業活動に関しては、事前に動けていなかった部分が多く、本腰を入れて動き始めたのはローンチ後となってしまいました。
ローンチ後は日々の時間の確保が読みづらいので、広報も営業も事前に戦略的に動いておけばよかったと感じています。

3. 事業を軌道に乗せるまでの計画を立てろ!

新しくサービスを開始するにあたり、まずは事業計画を立てましょう。利益率、サイトへのアクセス予想、経費など、いろいろと仮説を立てながら計画に落とし込みます。
最短でビジネスを軌道にのせるためのロードマップはもちろん、思うような成果がでないとき、事業を継続させていくための計画も同時に立てておくべきでしょう。

どんなに素晴らしいビジネスアイディアであっても、思い描いたとおりに進むことは稀だと思います。しかし仮説と検証を繰り返していれば、どこかのタイミングで「何をどうすれば目標に達するか」という指標となるポイントが見つかるはずです。

事業が軌道に乗るまでは、いかに継続し成長させ続けられるか、が肝心です。
そのためには「別の収益源をつくる」「投資を受けたり、銀行から借り入れをする」など、事業を継続させるための手段も計画に入れておく必要があります。

TRIPでの実例

TRIPチームでは、TRIPの開発と並行し、企業様のWebサイトの受託制作をおこなうなどで収益をあげています。とはいえ、最短で軌道に乗せるためには、全てのリソースをTRIPに集中することが最善となります。
成長を加速させるためには、マネタイズの手段をもっといくつも用意しておけば、全てのリソースをTRIPの事業だけに集中できたかもしれないな、と思っています。

4. 利用する外部サービスの仕様は深く理解すべし!

サービスの全てを自社で開発するというのは、限られた資金とリソースの中でおこなう場合には非効率的です。さまざまな外部サービスを利用しながら、サービスのコアとなる部分の開発に集中するべきでしょう。
ただし、外部サービスを利用する際は、万が一の場合でも自分たちのサービスが停止とならないような観点から選定をしなければなりません。同時に、仕様についても深く理解し、あらかじめ「できないこと」を把握しておく必要があります。

TRIPでの実例

TRIPでも現在さまざまな外部サービスを利用していますが、6月に「水掛けまつり」というイベントでバズが起こり、1時間に数万PVのアクセスが集中したときは、短時間で数百件という注文が殺到、メールサーバに不具合が発生してしまいました。
自分たちのサービスの特性と外部サービスの仕様を照らし合わせ、起こりうる事態を事前に想定しておけば、このトラブルは回避できたかもしれないなと思います。

5. 意見はぶつけあえ!立ち上げチームに序列はいらない!

新しい事業やサービスを立ち上げるということは、前例のない挑戦をするということになります。前例のないことに挑戦する以上、そこに「正解」はありません。
誰か1人の意志だけで動くのではなく、チーム全員が思ったことをぶつけながら最善な道を見つけていったほうが、結果的に良いサービスになるはずです。
まとめ役は必要ですが、サービスに対する意見についてはフラットに言い合える関係であることが大切です!

TRIPでの実例

TRIPチームは全員LIGでWebの受託制作をおこなってきたというメンバーで構成されています。そのためプロジェクト開始時はディレクターが仕様を決めてワイヤーをおこし、デザイナーがデザインとコーディングをし、エンジニアが実装するという流れをとっていました。
しかし、ディレクターであるボクの意見をそのまま反映して完成されたサービスは非常に使いにくいものになり、ローンチ前に大幅なリニューアルをおこなったという経緯がありました。

メンバーの誰もが真剣に業務に取り組んでいましたが、与えられた役割を果たすだけの仕事ではなく、全員が「サービスを良くする!」という想いのもとで、年齢や役職に関わらずお互いの仕事の問題点などを指摘し合える関係をはじめに作っておくべきでした。

6. 顧客に張り付いて行動を観察せよ!

サービスの存在価値は、顧客が「助かった」「便利だ」と思うかどうかにかかってきます。
顧客の抱えている課題が解決されないサービスが流行ることはありません。全てのサービスは、顧客を知るところから始まると言えます。
そして、顧客を知るためには顧客のもとに訪れて徹底的に観察し、表面的な課題ではなく根本の問題を探る必要があります。

TRIPでの実例

TRIP社長の吉原の実家は、長野県の野尻湖でアウトドアスクールを運営しています。
そのおかげで、事業者の抱えている悩みや観光業界が抱える問題点などは普段から触れる機会があり、それらがTRIPを立ち上げるきっかけにもなりました。

TRIP開発チームは、ローンチ前に現場でヒアリングをおこない、実際に長野で開発をおこなうということもありました。しかし、開発期間が冬だったこともあり、GWや夏休みの繁忙期の現場を直接見ることができなかったため、ローンチまでに顧客のニーズを汲み取りきれていなかったと感じる部分も多々あります。
やはり、現場に行って業務をお手伝いをさせていただくなど、直接見て感じることが、得られるものが一番多いと思います。

7. 思いつくかぎりの資料は全部用意しておけ!

「サイトがあるから」と見落としがちなのが、サービスや会社の概要資料です。ローンチ前でも後でも、最低限の説明資料と会社概要は絶対に必要です。
特に、サービスのローンチ直後はいろいろな人と話す機会が増えるため、汎用的に使えるように作っておくのが理想です。
専属の営業マンがいるわけではない場合は、動ける時間も人も限られます。資料は常にアップデートしておくと良いでしょう。

TRIPでの実例

TRIPでは提案やプレゼンテーションをおこなう際には、PowerPointやKeynoteで作成した資料を使っています。Web系の勉強会用、観光事業者さまへの説明会用、会社概要、利用マニュアル、社内向け資料、自治体さま向け資料、プレスリリース用資料など、用途に応じて使いわけをしています。

急なアポや依頼が入ることも多いため、突如舞い込んだチャンスを逃さないためにもいろいろなパターンを想定し、資料は汎用的なものを作っておいたら楽だなと思います。

8. プレゼンは何回やったことがある?人前で話し慣れておくべし!

サービスが売れるほど、取材を受けたり人前でプレゼンをするような機会も多くなります。しかし、ローンチ直後は1人でも多くの人にサービスを知ってもらうために、自分から人前で話す機会を増やしていかなければなりません。
プレゼンは、繰り返せば繰り返すほど、相手に伝えるべきポイントがわかってくるものです。そうなると質問の対策もとれるようになり、どんどん気持ちにも余裕ができていきます。
ローンチ直後が一番話をもらいやすいので、ローンチ前にはたくさんプレゼンをしておくと良いと思います!

TRIPでの実例

社長の吉原はLIGで取材を受けたり登壇をする機会が多かったため、もともとプレゼンが得意でした。しかし、TRIPの他のメンバーは人前で話すのは苦手、プレゼンの経験もかなり少ないというような状況でした。
そのため、ローンチ前後の一番人前で話す機会が多い時期は吉原を前面に出し、落ち着いてきた頃からディレクターのボクが人前で話す機会を増やしていくようにしました。

現在は2人が対応できるため急なオファーにも応えられるようになりましたが、一番のピーク時にもっと動ける体制を作っておけば、より露出や認知拡大の機会を得られたかもしれません。

9. 1人で戦うな!外に相談できる人は多いほうがいい!

開発をずっと進めていると、視野が狭くなりがちです。そもそも1人(または少数の人)が考えたことが、そのまま世の中を変えるようなサービスになることは稀です。多くの人の意見やアドバイスを得て、優れたサービスへと成長していくものです。

同じ業界の人、既に事業を成功させている経験者、同時期に同じようなフェーズにいる人、ユーザ像に近い人など、さまざまな人の意見を参考にしながらサービスを作っていったほうが、格段に早く良いサービスに成長させることができます。
人脈づくりは、サービスのローンチ前後関わらず常におこなうように心掛けましょう。人脈が広がることで、思いもしないところからヒントを得られる機会も多くなります。

TRIPでの実例

ローンチ前、LIGでお世話になっているWeb業界の皆さまにはたくさんの相談に乗っていただきました。上手くいったことや苦戦していることを交換し合える存在はとてもありがたく、モチベーションのアップにもつながっています!
また、客観的な視点でコメントをくださる方は、狭くなった視野をニュートラルな状態に戻してくれます。

日々いろいろな方と情報交換させていただいたり、相談に乗っていただいたりと、いまでも多くの方に毎日助けてもらっています。

10.「何のためにやるのか」チーム内で意識統一しよう!

新しいサービスをつくるのにお手本はあっても「正解」はありません。誰も決めてくれないので、全て自分たちで決めながら突き進んでいくのが、ローンチ前の立ち上げのフェーズです。

そして、迷ったり壁にぶち当たるたびに道しるべとなってくれるのが、「理念」や「ビジョン」です。

「何のためにやるのか」をメンバー全員が理解しなければ、立ち止まったり回り道をしてしまう原因となってしまいます。
たとえ時間が無かったとしても、意識統一を最優先することが、将来の自分たちを助けることにつながります。

TRIPでの実例

TRIPではチームで話し合いをする時間を大切にしています。そのおかげで、問題が発生した際にも全員がビジョンに基づいて意見を出し合える関係になりました。
もちろんプロジェクトをスタートした当初は、ビジョンに対しての各々の認識は少しずれていた部分もありました。しかしコミュニケーションを怠らず、意見を摺り合わせながら認識をそろえていった結果が、今のチームにあらわれているかと思います。

まとめ 用意周到はGood!でも即行動がBest!

ここまで、「ローンチ前にやっておいたほうがいいなと思うこと」をあげてきましたが、本質は社会に必要とされるサービスを世の中に送り出すことです。
ローンチ前にいろいろ考えていたこと、実際にサービスをスタートして感じたことを振り返ってみると「やってみないとわからなかったな〜」ということがほとんどでした。

調べたり、聞いたり、考えたり、いろいろと思考をめぐらせる時間はありましたが、百聞は一見に如かずです。
用意周到であるに越したことはありませんが、思いついたら即行動のほうが、短期間でより多くの気づきを得られます。思いつく限りのことを優先順位を決めて実行し、うまくいったものを膨らませていくことが、大切だと思います。

ボクらTRIPは、スタート地点から一歩踏み出したばかりの、まだ成功とも失敗とも言えない位置にいます。
同じようなフェーズで頑張っている方や、これからサービスをはじめる方、どんどんボクたちと情報交換してください!

※TRIPチームは、いいオフィスの運営にも携わっているので、いつでも遊びに来てくださいね♪

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Masashi Naito
Masashi Naito Agency / Web Director / Manager / 内藤 昌史

LIG入社後、観光CtoCサービスの立ち上げから事業譲渡、コワーキングスペース事業の立ち上げからグロース、地方創生事業の立ち上げ、サテライトオフィス立ち上げなど、様々な事業をゼロから立ち上げて成長させるまでのプロセスを経験。現在は、いいオフィス広島 by LIG の運営をしながらWebディレクターを担当。

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