開発コストを削減「BiTT開発」って?
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2016.01.06
第42話
漫画チャンネル

よく知っているキャラたちで展開される全く知らない物語『ポケットモンスターSPECIAL』

けいろー

おーす! みらいのチャンピオン! あ、ども。外部ライターのけいろーです。

さて、突然ですが質問です。あなたの部屋の本棚の中で、何年間もずっと売らず(または捨てず)、一番長く持ち続けている漫画は何でしょうか。

恐らくそれは、あなたにとって特別な作品ではないかと思います。新年を迎えたこの時期だからこそ、そんな特別な漫画について思いを馳せてみるのも……悪くないのではないでしょうか。

今回紹介する漫画:『ポケットモンスターSPECIAL』

子供向けの学習雑誌のマンガと侮るなかれ

51353Y9D8KL ポケットモンスタースペシャル(1) (てんとう虫コミックススペシャル)

こちらが僕の部屋にある「いちばん長く持ち続けている漫画」でございました。

1997年に『小学四年生』(小学館)で連載が始まり、2010年以降に各学年誌が休刊となったあとは別の雑誌に移籍、現在はコミックサイト「クラブサンデー」にて公開中です。長期連載ということもあり、知っている・読んでいたという人も多いのではないでしょうか。

世界的ゲーム『ポケモン』の名前を冠するマンガではありますが、よくある「ゲームのコミカライズ」とはちょいと違います。おなじみのポケモン、ゲーム中のキャラクターも登場するものの、独自の解釈によるオリジナルストーリーが展開される原作とは全くの別作品と言えなくもない漫画です。

作中のバトル描写もゲームのようなターン制にはなっておらず、むちゃくちゃ「アクション」していておもしろい。

平気でトレーナーにダイレクトアタックしたり、モンスターボールの開閉スイッチを狙ったり、合体攻撃があったり、“足場を崩す”などの地形利用があったり。「図鑑にそんな説明あったっけ!?」と思わずゲームで確認してしまうような細かい設定を反映していたり、ゲーム中のジムリーダーが悪役で登場したり……。
ざっくり言えば、「ゲームの設定を借りて好き勝手やってる」感じ。こんな“ポケモン”、ぼくしらないよ! でも、それがいいんです。

氷漬けになったポケモンが粉々になるとか、子供には少々エグい表現もあった気はするけれど……それでも毎月の最新話を楽しみに読んでいた、大好きな漫画です。

よく知る世界で描かれる、見たこともない物語

個人的な印象ではありますが、この作品は20代で創作活動をしている人の何割かに大なり小なり影響を与えているんじゃないかと思うのです。ネット上でイラストを書いている人のプロフィールを見ると、数々の有名作品に混ざって、「好きなマンガ」として本作が挙げられているように。

というのも、前述のとおり本作は『ポケモン』を下敷きにしていながら、「原作」(ゲーム)とは大きく異なる世界観を持つ、独立した別個の作品としても読むことができる漫画となっているんですよね。

よく知るキャラたちが出てくるけれど、彼らはゲームと全く違う動きをするし、とてもイキイキしているようにも見える。ゲーム中では無口だった主人公にはしっかりと「キャラ」が与えられており、他の登場人物たちも全くの別人となっている……と言っても過言ではありません。

ゲームの設定を踏襲しつつ、原作中では見たこともない物語が展開される作品。そう、本作はどこか「二次創作」的な性質を持っているんですよね。もちろん『ポケスペ』はオフィシャルに認められた「派生作品」ではあるのですが、知らない子供にとってはすごく新鮮に映ったのではないでしょうか。

自分の知らない『ポケモン』の世界がある。ゲームで見たことがある、知っているはずなのに、別人のようなキャラクターがいて、全く知らないお話がある。ならば自分にも、また「別の『ポケモン』」を考えて、作ることができるんじゃ……?

メディアミックス展開は、今では決して珍しいものではありません。しかし幼い頃、ゲームでもアニメでもなく「コミック」という媒体で、オリジナルの濃密でドラマチックなストーリーに触れることができたのは、その後の創作観に影響を与えていてもおかしくはないように思います。

なればこそ、僕にとっても『ポケスペ』は思い入れの深い作品であり、ずーっと本棚に置いてあったのでしょうし。そういえば、記憶を遡ってみると、自分にとっての「ボクっ娘」との出会いはイエローだったんじゃなかろうか……。「戦わない主人公」というのもいいよね。

まとめ

現在は第13章「オメガルビー・アルファサファイア編」が連載中の『ポケットモンスターSPECIAL』。

2015年7月には既刊がすべて電子書籍として配信されています。当時のわくわくを思い出すべく、また読み返してみるのもいいかもしれません。

……え? 原作とは異なる『ポケモン』のマンガが、もう一作品あるじゃないかって……? いやいやいやー? 何のことだッピ? 普通にポケモンが喋って脱糞して暴れまわるギャグマンガなんて、ぼくは知らないッピよ?

 

keiro ライター紹介:けいろー
ライター見習い。1989年生まれ。ゆとり世代のぬるオタ。大学卒業後、入社した大手メーカーを1年半で退職。ブログで好き勝手に書き散らしていたらお仕事をいただけるようになったので、ノリで独立。インターネットらぶ。ボクっ娘が好きです。
ブログ「ぐるりみち。
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